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えむえむえす ~My marriage story~

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The Armed Princess―武装神姫―
ウサギのナミダ
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アルトアイネス奮闘姫
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武装神姫のリン
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「まだ終わりませんよ。姉さん!」

 光の刃が生まれたぺネトレート・烈「ぺネトレートセイバー」を携え姉さんを見据える。
 痛みなんか関係ない。全力をもって姉さんと戦う
 姉さんは歩みを止め、こちらを感心そうに見る。

「……ほう。まだ立ち上がれるか。そしてそれはオリジナルとみえる。そんな武装を出したぐらいで勝てるのかな」
「やってみなくてはわかりません」

 私はリアパーツ、バリスティックブレイズをパージする。
 もうこれは使い物にならない。ここからは真っ向からのぶつかり合い。
 姉さんも大剣を正眼に構えて、迎え撃つつもりだ。

「はぁっ!」

 私は姉さんの元まで疾走し、ぺネトレートセイバーを構えて右横から薙ぐ。
 それはもちろん大剣で防がれる。
 そうなるのはわかってた。
 姉さんは私が今度は右の剣で攻撃した後は左の剣で突きに来ると思ってる。
 姉妹だからわかる。断言してもいい。
 だけど、それは姉さんの驕り。そしてそれは私への油断。

「こんどはそちらが……甘いです!!」

 右の剣が防がれ、捌かれた勢いのまま一歩踏み込む。私は上半身を捻り右足を軸にして、回転。
 左足で後ろ回し蹴りを姉さんのわき腹に放つ。
 姉さんは私の予想通りに大剣は突きを備えてて、腹部は隙だらけだった。

「……くぁ!?」

 直撃を腹にもらい、おもわず苦痛の声を上げる姉さん。
 それでもまだ終わらない。
 わき腹に当てた足を下ろし、今度は本気で左手のぺネトレートセイバーでフェンシングのように刺しにいく。
 もちろん衝撃を与えたその腹部にだ。
 だが、それは姉さんの左腕で真横から強く払われた。
 それによって肘から先の腕周りが半分切られ、左腕はもう使えなくなったかもしれない。 
 ぺネトレートセイバーの鋭い切れ味を無視した捨て身の捌き。

 それでお互い、間合いを空ける。
 私のダメージよりか少ないが、左腕を使えなくさせた。
 これで姉さんにも深い傷を与えることができた。

「……つぅ……これほどの深手を負うのは久しぶりだ。……強くなったんだな」
「私は逃げた先で大切な人に出会いました。そのおかげで姉さんたちの前に舞い戻って来れた。これが私の……いえ、私たちの強さの源です」
「……そうか、当然だな。こちらはその大切な人にはなれなかったわけだから。……“シオン”」
「わ、私の名前を……」

 初めて姉さんに名前を呼ばれた。
 認めてもらえて、今は敵同士なのになぜか嬉しくなってしまった。

「……全力でいくぞ」
「はい。こちらもそのつもりです!」

 私と姉さん、両者身構える。
 こちらはナックルから進化した双剣を。あちらは片手に大剣を持って。
 姉さんは片手でも大剣を軽々と扱えることができる。ここからも油断は一切できない。
 好敵手と認めてもらった。これでもう姉さんも私への驕りはないだろう。
 そして、どちらからともなくピクリと動き、駆け出す。 

「はぁっ!」
「……つぁっ!」

 姉さんは片手上段から振り下ろし。
 私はぺネトレートセイバーを交差させて、それを防ぐ。
 数分は致命傷にならないような傷が全身に負うほどの斬り合いが続く。
 袈裟斬り、逆袈裟、振り下ろし、振り上げ、双剣での連続の斬撃。
 数え切れないほどの何度目かの斬り合いでガンッと轟かせ、剣が交りあった箇所から火花が飛び散る。

「くぅっっ!」
「……ぐぅっっ!」

 同じように声を出し、二人とも歯を食い縛らせている。
 こちらは両手。姉さんは片手なのに鍔迫り合いが拮抗している。
 どれだけ、姉さんは馬鹿力なのか。
 場違いにも私は頭の中でほとほと呆れてくる。
 そして、私たち姉妹はまた同時に、鍔迫り合い状態からどちらも剣を離した。

 一旦離れ、姉さんは大剣を横に倒して、そこから踏み出し思いっきり薙いでくる。
 私は迎え打つ為にぺネトレートセイバーを重ね合わせ、大剣自体を真っ二つにする気で、こちらも思いっきり叩き斬る態勢で。


「……これで、終われぇぇーー!!」
「根性ォ!!!!」


 鋭い剣閃の音の後、重い打撃のような鈍い音に変わった。
 そのまた数瞬後。
 私たちのいる頭上でヒュンヒュンと壊れたプロペラのような音が続く。

「……相打ちか」
「そうですね」

 二振りの剣と赤い大きな大剣が地面に刺さった。
 ぺネトレートの光刃はふっと消えてナックルに戻って落ちた。
 そして、私たちはどちらからともなく倒れる。
 動かない。動けない。
 姉さんも私も。

 もう体が…………。


――――


「シオン! 起きろ。目を開けろ」

 僕が命令も出せず茫然と見ていて、もう10分ぐらいは経ったか。
 気付いたら二人は倒れていた。
 シオンはあの危機的状況から、ぺネトレートクロー・烈の力を発現させて、イスカを追い込んだ。
 でも、どちらも力を使い果たしたのか、ピクリとも動かない。

「立って! シオン!」

 「イスカ、立てー!」 「シオン、負けるなー!」「どちらも起きてくれー!」

 見渡せばいつの間にか、周りからは熱いバトルを魅せられて、ちらほらと観客から応援の声が交っていた。
 ほら、こんなにもの人たちが声を出しているんだから、聞こえているなら立ってくれ。
 ……シオン!

 筐体の画面を見れば起きあがる神姫の姿が。
 観客からは、オオォッ! と驚きの声が上がっている。
 声から察するにどちらかが起き上がったみたいだ。
 それはどっちだ。どっちなんだ。
 目が涙で濡れていて前がよく見えない。
 クソッ。
 拭っても拭っても後から出てくる。
 確認しなきゃいけないのに。

「はい、ハンカチ」
「あ、どうも」 

 と、横から優しく声をかけられて手にハンカチを持たせてくれた。
 それで目元を拭う。

「すいません。お見苦しいところを……て……、あ」

 ハンカチを貸してくれた優しい声の主は宮本さんだった。
 僕は突然気恥しくなった。
 ハンカチは洗ってから返そうと思い、宮本さんにそう伝えようとするが。

「いいわよ、それあげる。言い方がものすごく悪いけど残念賞ってところね……あれ」
「え」

 宮本さんが促した目線の先。
 見えるようになった僕が筐体画面を見つめれば道の真ん中には――肩で呼吸をしているイスカが立ちあがっていた。
 そして傍らの倒れているシオンはモザイク状になって消えていった。
 遅れて聞こえるジャッジの機械音声。


『WINNER イスカ』


――――


「すいません、螢斗さん。負けてしまいました。……あはは」
「シオン……」

 シオンは笑いながらもそう言った。
 でもそれは仮初めの笑顔。
 僕にはそれがわかってる。

「よく頑張った。シオンは頑張ったんだから。無理はしないで。……こういう時はおもいっきり泣いた方がいいよ」

 シオンの頭を撫でる。
 次第にシオンは俯いてきて。

「……だって私は……螢斗さんの武装……神姫なんですから……負けたぐらいで泣くわけ…………ヒック……う……うああああーーーあーーーー」

「よしよし……」

 泣きじゃくって大粒の涙を流し張り裂けそうなほどの声を上げるシオン。
 僕はそれを、シオンを子どもをあやすように、背中に指を優しく当て続ける。
 ついでに僕も涙を流しながら。

 神姫の尋常じゃない程の泣き声しか聞こえなくなったゲームセンター。
 周りにいた人たちもこの空気に騒ぐ気はなくなったのか、不気味なほどの静けさが店内を包み込んでいた。

 宮本さんはこの空気の中を普通に歩きだし、自分のついていたブースのアクセスポッドから、イスカを連れ出して持ってきた。

「ほら、イスカ」
「…………」

 宮本さんは涙をこぼしているシオンの前にイスカを置く。
 バイザーを外した真っ赤な瞳をさらけ出したイスカだ。
 それでも無表情のままのイスカ。

「シオン、こっちも」
「グス……はい……」

 シオンはなんとか目から溢れ出る涙を留まらせ、手の甲ですべて拭ってから、イスカの前へ歩み出る。
 そして見つめ合うシオンとイスカ。

「……ん」

 突然、イスカはぶっきらぼうに音だけの声を出し右腕を動かした。
 それは不器用そうに右手を軽く開きシオンに差し出している。 
 これは握手でいいんだよね?
 僕はそう思った。しかし、それを見たシオンは。

「ウゥ……お姉ぇちゃ~~ん……うわぁああああああああ!」
「……おい、ちょっと!?」 

 感極まったシオンは引っ込ませた涙腺をまたもや崩壊させて、握手のポーズを無視し、イスカの胸に抱きつき号泣をする。
 それで、イスカは無表情な顔を見たことも無いほど驚き戸惑った顔に変化させた。
 抱きつかれ固まっていたイスカだが、やがてシオンの頭に手をやった。

「……ふ、まったく、泣き虫な妹め」
「ぁああああああああ……お姉ちゃん、お姉ちゃーん!」

 毒づきながらも、シオンは姉らしい穏やかな笑みを浮かべて、シオンを抱きしめ返した。
 両腕で優しく。
 バトルは勝てはしなかったけど、イスカのあの笑顔を見てたら、姉妹でいがみ合う事はもうないなと僕は思えた。


 こうして永遠とも思われた、戦えない、いや戦えなかった武装神姫シオンの。
 家族の絆を取り戻す戦いは終わったんだ。
 長かった全てが終わった。









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