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第四話:総力姫



「紫貴。接近のチャンスだ。コーペタラスのダッシュ機能に回り込まれないように応戦しろ」
「メリー。こっちも全ての武器が使える範囲にある。紫貴のサポートをしてやれ」

 相手が戦術を変えてきた事でチャンスの巡ってきた俺達は打って出る指示を放つ。
 最初に接近してきたエンに対して、メリーがアサルトカービンで足止めし、その隙に紫貴が彼女をおろした上で変形解除し、エンに力任せにサブアームを振るう。銃撃によって動きを封じられたエンは太刀で受け流すことで決定打から逃れる。

「隙ありだよ!」

 ルナがアルヴォPDW11を紫貴に放った。彼女は撃たれる時にサブアームで防御する。それを見るとエンは即座に紫貴に向かって側面から斬撃を仕掛けてきた。

「メリー! 迎撃だ!」
「はい!」

 メリーは紫貴に狙われていることに気づいて、アサルトカービンを連射してその足を止めようとした。
 エンは黒い翼を盾にしてそれを防ぎ、攻撃をされてもなお前進する。接近すると塔を降りるときに使っていない右のサブアームの基部を切断しようとした。

「よし! これで……!」

 真那がその攻撃が通ると思っていると紫貴はサブアームを動かして、装甲の部分で受けるとそのままエンの翼を掴んだ。

「捕まえた」

 気づいた時にはエンは翼を握り潰された上でルナに投げつけられた。その攻撃では反撃を出すことも難しく、ルナはやむなく、エンを受け止め、マシンガンをばらまいて牽制し、レーザーキャノンを発射した。

「いっけぇ!」
『ストームスティング!!』
「ええ!」

 アドリブでストームトリックからのエアロスティングを俺が叫び、紫貴がストームトリックで回り込むとルナの横から、エアロスティングを放つ。その絡め手に、ルナは完全に虚を突かれ、レーザーキャノンを破壊される。さらにメリーがアサルトカービンを連射してエンの再攻撃を防ぎつつ、ルナに退却か防御を迫る。
 だが、彼女は第三の選択をとった。ルナはシールドで防御しながらリリアーヌを飛ばし、エンと共にハンドガンを撒く攻勢に出た。
 突然の反撃に対応できず、メリーの持っていたアサルトカービンが破壊され、紫貴も塔を降りる際に使用した左サブアームが限界を迎え、使用不能となる。

『これでトライクモードはないわ! そのまま攻めるのよ!』
『エンも行って。決定打を与えなさい』

 やっと損傷を与えられた事で調子付いたのか、真那とセツナはそのまま、攻めるように指示をする。ルナはアルヴォPDW11で援護射撃をしながらライトセイバーをスタンバイし、エンが壊れた黒い翼をパージして陸上から太刀を両手に持って、二体同時に接近をしてくる。

『メリー! アサルトカービンを捨てて、ボルボロン・ビブラーター! 尊! このまま防戦に持ち込むのか!?』

 メリーに迎撃準備をさせつつ、アキラが尊に話しかける。

『まだ手はあります! アリス・トライデントの用意を! 紫貴、サイクロンクロウだ!!支えは壊れた左を使え!』

 俺は対応策をアキラに言いつつ、紫貴に壊れた左サブアームを地面にめり込まさせて、模倣技を仕掛けるように命令する。

「お命頂戴ってね!」
「覚悟!」

 ルナの援護射撃を受けつつ、準備を終えると彼女とエンの同時攻撃が来る。

『今だ!』
「悪魔の真似事をくらいなさい!」

 紫貴とメリーに寄ってきた所を、左サブアームを利用して反動を作り出し、自分の身体を対象に飛ばすとその勢いで右サブアームクローを振り回して薙ぎ払う。その攻撃にルナは防御、エンは回避する。その結果、ルナは後退せざるを得なくなり、リリアーヌも壊されてしまう。

「ついでにっ!」

 すかさずメリーがルナにアリス・トライデントを追撃で仕掛ける。貫通効果を持つそのスキルはルナのシールドと後ろにあったアルヴォPDW11を貫き、破壊する。

「きゃぁっ!?」
「ルナ!? だが、これでっ!!」

 味方のピンチに若干動揺するエンは自らの仕事を果たすため、攻撃を隙を突いてきた。切り上げで右サブアームのフレームを切り裂き、返す刀で追撃スキルをして無防備なメリーに大ダメージを与えた。

「あああぁっ!」
『しまった!?』
「この犬侍!!」

 紫貴はエンに向かって袈裟斬りを仕掛けるも、彼女はそれに動揺する事もなく、後退して回避する。そのお礼にルナは残された火器であるゼピュロスとボレアスを放ってくる。

『くっ! 紫貴! バックユニットでボレアスを受けてすぐにパージして前進だ!』

 紫貴は速やかに命令を実行すると銃弾は彼女とメリーに当たる事無く両腕を失ったヴィシュヴァルーパーに当たる。それによって小さい爆発が生じたそれを紫貴は急いでルナに飛ばす。
 飛ばされたヴィシュヴァルーパーはルナの近くで爆発し、それで出来た爆風を彼女はまともに受けてしまった。先ほど撃っていた武装とバックユニットを破損し、吹き飛ばされる。
 紫貴はそれに目もくれずにエンへの追撃をメリーと共に仕掛ける。メリーはチュロス=フォーク、紫貴はエアロヴァジュラでの接近戦だ。

「くっ……」

 エンは太刀で何とかあしらおうと応戦するが、二対一な上に取り回しのよくない太刀だ。パワーで数を押さえるのは難しい。
 メリーがチュロス=フォークを突き出してきた。そこにエンは何とか防御する。攻撃は受け止めたが、メリーの攻撃はそれでは終わっていなかった。彼女はフォークをひねるとフォークの又に太刀をはめ込みそのまま、それをへし折った。これでエンの最後の武器がなくなった。これなら一撃を入れられるのも時間の問題だ。紫貴の一撃でどうにかなるだろう。

「ならば!!」

 エンはとんでもない暴挙に出た。なんと、紫貴の攻撃を自身の体で受ける事で彼女の行動を封じ、折れた太刀をメリーに投げつけると、紫貴からエアロヴァジュラを奪い取るとそれで彼女を一閃した。その攻撃にメリーは耐える事が出来ず、チュロス=フォークを手から落とし、倒れる。

『メリー!!』
「アキラさん……ごめん……」
「ルナ……後は任せた……」

 戦いを続けることのできないエンはすぐにルナにエアロヴァジュラを放って渡し、主に詫びるメリーと共に戦いの場から消え失せた。

「うん!」
『後は紫貴だけよ。行きましょう』

 飛んできたエアロヴァジュラを武器のないルナは受け取り、それを紫貴に向かって構える。

「あの犬にはしてやられたわね……」
『だが、残るはルナだけだ。小細工なしの一騎打ち、勝つぞ』
「言われるまでもないわ!!」

 同じくすべての武器を失った紫貴はメリーが残した武器 チュロス=フォークを手に取るとそれを武器としてルナに襲い掛かる。ルナもまた、迎撃のために前進する。まず攻撃を仕掛けたのは紫貴だ。チュロス=フォークを素早く、ルナに上から振りおろす正面からの攻撃だ。
 彼女は難なくそれを回避するとそのまま、横から攻撃を仕掛ける。だが、紫貴は振り下ろしたフォークを支えにして、自身を上へと持ち上げる事でそれを回避する。さらにブレードの勢いでフォークをもちあげると完全に宙に浮いた状態になった。
 ルナはさらに素早く上にいる紫貴に斬撃を放った。紫貴はその動きと共にフォークを受けて、それで作った勢いで体を回転させ、そのままルナにフォークを振り下ろす。打つ手なしとなるルナはいったん後退し、紫貴の攻撃を回避して逃れてみせる。
 それに対して彼女は素早く右へと回り込んで回避を行った。しかし、それを見逃す紫貴ではなく、それを見計らっていた様にフォークを右におろす事でその勢いで袈裟斬りに切り替えた。その結果、回避にはルナは失敗し、隙が出来た。
 無防備になった彼女に紫貴はフォークを突出す必殺の一撃を仕掛ける。だが、それはエアロヴァジュラを割り込ませることでそれは阻まれてしまった。

「自分の武器を壊すのは癪だけど……!」

 言葉と共にメリーがやっていた様に又にブレードが挟まっているフォークをひねる。そうすると、横の力のかかってしまったエアロヴァジュラは折れてしまう。

「そんなっ!?」
「これで貴方は丸腰ね」
「紫貴ちゃんもねっ」

 その言葉と共にチュロス=フォークも限界を迎え、折れてしまう。どうやら太刀とブレードという大型武器を破壊する無理が祟ってしまったようだ。

『なるほど。対格闘用の避け方も覚えたようだな』
『当然よ。あんたは近接戦が多いんだから』
『だが、それでも攻めきれていないな。他人の武器だからか?』
『正直、ここまで追い詰められてこういう事をするしかなくなったのが予定外だったわ。やっぱり大したものね。でもまだまだこれからよ』
『だろうな。来いよ。俺もまだまだ全力じゃねぇ』
『言われなくてもそうするわ! ルナ!』
「はい!」

 ルナは武器を取り出す。それはアーンヴァルMk‐2装備の肩にマウントされているM4ライトセイバーだった。自分から格闘武器を取り出してきた、武器の枠をゼピュロス、エウロス、ボレアス、GEモデルLC5レーザーライフル、アルヴォPDW11という武装群で埋めてしまっている二点を見るとそれが最後の武器であるようだ。

『ルールギリギリで上手く積んだもんだな。まぁいい。紫貴、こっちも出すぞ』
「ええ」

 紫貴もまた、最後の武器を転送する。蒼貴からの借り物の忍者刀「桜花」だ。
 互いが武器を出すや否やそれぞれの行動を始める。ルナは左から回り込む様な動きから接近。紫貴は闇雲に突っ込みもせずにその場で刀を構えるだけだ。

『なるほど。わかっているな。一瞬を見逃すな』

 紫貴の意図に気づいた俺はその行動をする様に促す。ルナは紫貴の考えに気づくこともなく、彼女に近づくとライトセイバーを出力して攻撃を始めた。紫貴は刀で上手く受け流す事で防御し、後退する。
 さらにルナは追撃を仕掛けてくるが、一発でも当たる事は致命的だとわかっている紫貴はライトセイバーを振り回すルナに対して防御と回避を使い分けて粘る戦いに徹する。

『なんか押されていないかな?』
『いや、これでいい』

 メリーが戦闘不能になってルナの連続攻撃が続く中、大きな斬撃が来る。どうにもそれがシメの一撃という事のようだ。

『あのイーダは……攻めだけじゃなさそうだ』

 健吾とアキラの言葉の通り、紫貴は大振りの一撃を上手く受け流すとライトセイバーを地面に付け、横薙ぎに斬り抜けた。

『ルナ!?』
「平気。深くはないからまだいける」

 ルナの言葉通り、決定打にはなりきれていない結果になっている。彼女はすぐに紫貴の方へ向いて、ライトセイバーで攻めに出る。紫貴は油断せずに次の手を狙うルナを迎撃する構えに入る。
 ライトセイバーは下段から振るわれる。紫貴は忍者刀をそこに割り込ませてルナを攻撃を止め、それで生じた隙を突いて蹴りを入れ、さらに裏拳、斬撃の順に攻撃を仕掛けた。

「カウンター戦術なんていつの間に……」

 ルナは紫貴の戦い方の変化に驚きながらもそれらを捌き、胴を斬りつけにかかった。追撃を仕掛ける彼女に対して、忍者刀で立ててそれを受け止めて見せる。

「伊達に蒼貴の相棒をしていないって事よ。にしても何で真那はミコちゃんに背負いすぎとか言って付いて行こうとすんの? 気持ちはわからないでもないけど、そんなに私達って信用ないのかしら?」

 さらに紫貴は素早く、ライトセイバーを押し返して居合い抜きを放つ。ルナはその攻撃を素早く反応して避け、それと共にライトセイバーを使って無理やり弾いて一旦、距離を取る。

「むしろ逆だよ。信用しているからこそ心配なの。紫貴ちゃんこそ、ミコちゃんが無茶して自分が命を落とすかもしれないのに戦おうっていうの!?」
「戦うわよ。確かにその可能性も否定できないわ。でもだからといって私はミコちゃんを止めない。友達との大きな約束よ? 自分の命欲しさで止めるのは無粋ってもんだし、それを誰かに丸投げしたくはない」
「だからと言って一人で抱え込ませるの!? それでいいの!!?」
「いや、抱え込んではいないの。……ちょっと察してくれると助かる事よ。理由としてはね」
「え?」

 それについてはルナに同意する。理由はあいつを巻き込みたくないという事だ。なのに何やら特別そうに黙った。一体何なのだろうか?

「聞きたかったら、私に勝ちなさい! 以上!」

 短い会話を終え、紫貴は自分から攻めに出る。ルナの近くまで走ると忍者刀を両手で持って切り抜けようと仕掛けた。ルナはそれを上へ跳躍し、回避する。その刹那、紫貴は行動を切り替えて、上へのサマーソルトで追撃をした。その攻撃は宙に浮いているルナには避ける事が出来ず、蹴り飛ばされる。彼女はただでやられようとは思わず、着地と共に二回連続で攻撃を行う。一回目は忍者刀で受け流せたが、二回目で急な防御で体勢の崩れている紫貴には防御しきれず、忍者刀を弾き飛ばされた。

「やばっ!?」
「ちゃんと勝っちゃうよ!」

 非常に困った事になった。弾かれた後でルナの手に忍者刀が渡ってしまった。このままでは丸腰で一方的にやられてしまう。

『紫貴、何とか刀を取り返せ。二刀流のルナなら、お前でもできるはずだ。さっきは大ぶりの攻撃も目立っていた。それを狙うんだ』

 攻撃が迫る中、そう指示すると紫貴はそのように動く。目の前まで迫るライトセイバーを後退し、奪われた忍者刀を右に転がり込んで回避する。
 さらに突き刺そうとライトセイバーと忍者刀両方を使って仕掛けてくる。紫貴は俺の言葉通りの大振り攻撃に対して左に避けて、手刀で忍者刀を持っている左手を打ち、叩き落としてそれを取り返す。さらに反撃の余地を与えないために蹴りを入れる。腹にそれは当たり、ダメージを与える。
 ルナが飛ばされて尻餅を付くが、紫貴が追撃を仕掛けようとした所をライトセイバーを横に振り回す事でそれを防いで立ち上がる。
 続けて下段から振り上げて反撃に出るが、それは受け流す事で紫貴は防御をしてみせ、攻撃の隙を見つけて最弱の装甲部位である素体の間接部分を仕掛ける。

「その攻撃はさすがに対策済みだよ!」

 ルナはライトセイバーをもう一本取り出し、それで防御をする。さらにそれを二本連結させることでダブルブレードに変え、紫貴を斬り裂こうと振るう。それは大振りであり、身のこなしの素早い紫貴には当たらなかったものの、紫貴を後退させるには十分な攻撃だった。
 今度はライトセイバー二本に分離して二刀流の攻撃をルナが放ってきた。その攻撃はかなり早く避けきれないが、紫貴は余裕のセリフと共に忍者刀で右の攻撃を阻止し、左の攻撃は足で持ち手を押さえた。

「対策はしていても剣術は激甘ね!」

 紫貴はその隙にさらに足に力を加えて、ライトセイバーを一つ、蹴り落とす。その攻撃にルナはやむなく後退し、次の攻撃を仕掛けるべく攻撃の準備を始める。紫貴もまたライトセイバーを遠くへ投げ捨て、身構える。二刀流で使ってもいいのだが、今の所はダブルブレードにされるのが面倒だ。それが妥当だろう。

『ライトセイバーが……』
『残るは一本だけで、お互いの神姫が疲れてきたか』
『そうね。そろそろ決着と行きましょう。最後に勝つのは私達よ。勝手に一人で背負いこんでいるあんたになんて負けない』
「そうだよ! もっと私たちにも頼ってくれていいんじゃないの!?」
『確かに背負っている。だが、それを誰かに簡単には渡せねぇよ。やるからには覚悟を決めてみろ。後悔をしないことを示してみな』

 俺は挑発を仕掛けるもこの二人の精神は硬く、それに動じる事は無かった。
 俺は状況を分析してみる。ルナは疲労の色が見え始め、動きが多少鈍っている。武装はライトセイバー一本のみ。
 こちらも紫貴が忍者刀だけだが、近接の適正のアドバンテージは大きいようであまり疲労の色を見せていない。これなら、近接戦を続けていけば勝ちが見えてくる様に思える。

「ミコちゃん……」
『何だ?』
「理由はそれだけじゃないよね?」
『どういうことだ?』
「大事に思っているんだよね? お互い。ミコちゃんは真那に辛い事をやらせたくないからそう言っていて、真那は一人で背負いこもうとしているミコちゃんが心配だから助けたいと思ってる」
『ど、どうしたのよ? 紫貴ちゃん』
「何で二人とも素直になれないの!? こんな事で喧嘩している場合じゃないでしょう!? 相手を思っている気持ちは同じじゃないの!? ろくに話もせずに真那はこの勝負をけしかけるし、ミコちゃんもミコちゃんでしっかり話もしないで勝負を受ける! こんなのでいいの!!?」

 その言葉に俺は何も言えなかった。紫貴の言葉はこの戦いの理由がいかに間違っているか、本当はどうやって解決すべきだったのかを暗に示していた。
 俺達は戦いをする事に逃げていたのかもしれない。信じてもらいたいならちゃんと話をするべきだ。どういう言葉であれ、その行為をしない事には何も始まらない。

『な、何を言ってんのよ!?』
『……そうだな。お前に言われる前に気づくべきだった』
『ミコちゃん?』
『真那、すまなかった。確かにお前が助けてくれるというのは嬉しく思う。だが、友達との約束を簡単に誰かに任せて放り出したくないんだ。それにお前には辛い事をやらせて悲しませたくないとも思っている』

 やっと本当のことが言えた。これで後悔せずに済む。

『わ、私だってあんたが危険な事に足突っ込んでいたり、それで蒼貴や紫貴が死んだらと嫌だと思ってるのよ。いくらあんたが強くたってそうなるかもと思うと……不安で』
『そうか……。この戦いの賭けはやめない。だが、俺が勝ったら少しは俺を信じてはくれないか? 約束する。お前に心配かけない事をな』
『……いいわ。信じてほしいなら戦って証明して。勝ったら信じてあげる』

 言葉は伝わり、お互いが本当の事を言えた。ひどい回り道をしたが、なんとかこれで後は決着を付けてはっきりさせるだけになった。紫貴、礼を言うぞ。

「……話はOKの様ね?」
「うん。あの……紫貴、ごめんね」
「ああ、いいのいいの。私は二人がじれったくってやっちゃっただけだしね。さて、これですっきり戦えるってとこかしら。戦う理由もようやく固まったし」
「後は……」
「ケリを付けるのみね!」

 そう叫ぶと紫貴はルナに接近するべく、素早く駆け出す。彼女はそれに反応してライトセイバーによる反撃の体勢をとろうとした。その刹那、紫貴は跳躍して、ルナの反撃を回避し、上からを振り下ろした。ルナはそれを回避し、さらにそこからライトセイバーを突き出した。その攻撃を紫貴は着地からしゃがむ事で避けて、立ち上がりの勢いで斬り上げた。ルナは的確な一撃を辛うじて回避し、胸部パーツの傷一つに抑えることができた。しかし、それは確かな当たりであり、プレッシャーを与える結果となる。

「くっ! まだまだだよ!」

 あきらめないルナは紫貴に向けて蹴りを放った。その攻撃は彼女にダメージを与えるために恐るべき勢いで迫る。
 しかし、その攻撃は後退することで回避されてしまう。紫貴に見切られていた事を読んでいたルナはその直後に、ライトセイバーの出力を上げて刀身を伸ばして、斬りつけてきた。紫貴はそこにかろうじて反応すると忍者刀を使ってそれを防御し、ルナの攻撃を阻止しようとした。しかし、防御しきれずにヘルメットの一部が斬られてしまい、忍者刀も遠くへと弾き飛ばされてしまった。

「しまった……!」
『紫貴の武器が無くなったわね』
『いや……ルナもだな』

 セツナが紫貴の武装パレットを見ながらそう呟くと、それを聞いたアキラが言葉を返す。その時、アキラの言葉の通りにルナのライトセイバーが刀身を維持できず、消えてしまった。
 どうやら防具に付ける緊急用の武装であるが故に制限時間があったらしく、それを迎えてしまったらしい。紫貴はヘルメットを、ルナはエネルギー切れのライトセイバーをそれぞれ捨てる。これで互いに武器を失ってしまった。

『後は拳一つか』
「拳一つで十分よ!」
『それでも!』
「負けない!」

 武装を失ったルナと紫貴は残された己の拳を武器に戦闘を続行する。迫るルナは紫貴にワンツーパンチを繰り出す。紫貴はそれらを横に逸らす事で攻撃をさせないようにし、カウンターでキックを腹に入れる。
 ルナは攻撃の軌跡を読み、踏み込んでも安全な場所を見切ると左に回り込んで紫貴の顔面に拳を打ちこんだ。紫貴はそれに吹っ飛ばされそうになるが、足を踏み込んでそれを食い止めると、振り切ったそのアクションの無防備を突いて、ルナの顔に右ストレートを仕掛ける。その攻撃によってルナはたまらず、後ろに下がってしまう。
 紫貴はそれを隙とみて、ルナに拳で突きを仕掛ける。狙いは腹だ。だが、彼女は両手でその攻撃を何とかすることでそれを防御する事に成功し、さらに反撃の蹴りが紫貴を捕えた。
 それを受けた彼女は横に吹っ飛ばされて、転がった。さらに踏みつけようとルナは足を振り上げる。顔面を潰される事を避けるために紫貴はさらに転がって踏み潰しをかわし、すぐに起き上って体当たりを仕掛けた。ルナは突然の衝撃に息を詰まらせて、尻餅を付くまでに追い込まれる。

『武装神姫とは思えない戦いね……』
『そうか? 俺は嫌いじゃねぇな。自分の体一つでぶつかり合うってのも時には必要さ』

 呆れるセツナにアキラは笑って言葉を返す。気持ちのぶつけ合いは時として必要なのはわかる。それをするというのはなかなかに難しい。しかし、それを成せたのなら、確かに変わっていける。彼はそれを知っているらしい。

『暑苦しい人ね……。ま、いいのかもしれないわ。二人ともすっきりした顔しているし』
『ああ。これならいいさ。最初の時よりもいい顔をしているぜ』
『うん。なんていうのかな。バトルロンドを楽しんでいる顔に戻ったって気がするよ。二人共、そう思わない?』
『ええ。いつもの真那に戻った感じがするわ』
『そうだな。健吾、よく覚えときな。ああやって純粋に熱くなれる奴ってのはなかなかいねぇからよ』

『ぶちかますのよ! ルナ!!』
「いい加減倒れてよ! 紫貴!」

 ルナが足を振り上げ、正面を蹴る。

『紫貴。カウンターを狙え。ぶつかり合いの中で隙を見つけろ』
「誰が負けてあげるもんですか!」

 それを避けて、足を掴むと、さらに片足で蹴ろうとするルナを突っ返すように投げた。掴みから開放されたルナはすぐに着地し、様子見のために距離をとった。紫貴はそれを逃す気などなく、すぐに走り出して殴りにかかる。ルナは腕で防御をして顔や胴へのダメージを避ける。

「私は真那の願いを叶えたいの! そのためなら紫貴にだって勝てるもん!」

 攻撃をされる脅威に動じず、ルナは空いている右手で掌底を紫貴の腹に叩き込む。紫貴は息を詰まらせて一瞬動けなくなった。ルナはそこをチャンスと考え、後ろに回って羽交い絞めにして首を絞めにかかった。

「ゲホッゲホッ……。ミコちゃんの思いを叶えたいのはこっちだって同じよ!」

 紫貴はアンクルガードのハイヒールで足を踏みつける。ルナはその痛みにたまらず、羽交い絞めを解いてしまった。紫貴はさらに裏拳で攻撃を加えるがルナは攻撃を咄嗟に腕を上げて防御するも、痛みもあってかパワー負けして吹き飛ばされてしまった。
 だが、ルナはただでは転ばなかった。吹き飛ばされた勢いを利用して地面を踏みしめて、一気に紫貴に体当たりをする。その攻撃に紫貴は体をくの字にする程、まともに受けてしまう。

「ぐっ!? この!!」

 紫貴はその攻撃に怯みはしたものの、足を付いて踏ん張るとひじ打ちをルナの背中にかました。直後、ルナは追撃もできずに跪く。そこをすかさず紫貴がローキックをして蹴飛ばす。

「あぐぅ……。負けないもん。真那のためなら死んだって構わない。イリーガルと戦うんだからそういう覚悟だってするっ! 力になるためなら何だってやる!」

 叫ぶルナはそれで転ぶが、まだ闘志は潰えておらず、すぐに立ち上がって紫貴の腹に蹴りを叩き込む。その攻撃は紫貴の腹にダメージを負わせる。そのダメージはかなり酷いものならしく、紫貴は腹を押さえた。

「かはっ!? ふざけんじゃないわよ……」

 ルナの言葉に怒りを覚えた紫貴はルナの足が下がらない内をあばらに掌底をかける。ルナはそれで息が止まり、動きが硬直した。

「死んだって構わないだの、何でもやるだの……簡単に言うな!」

 無理やり出したスピードのないルナのパンチを背後に回り込んで回避し、背面を両手で掌底を突き出す。

「そういう言葉に逃げていないで生きて……戦えーーっ!!」

 ルナはそれで転がり、間髪入れずにルナが立ち上がると既に紫貴は真正面からのアッパーの構えに入り、そのまま叩き込んだ。ルナの顎にそれはクリーンヒットし、彼女の身体が上へと舞ってすぐに地面に転がり、動かなくなった。

『Winner!! 尊&アキラ!!』






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