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第一話:模倣姫


 ここは桐皮町にある神姫センター。そこではいつものようにオーナーと神姫がバトルロンドで戦いをしたり、自分の神姫自慢をしたりと様々な事が繰り広げられている。
 今日は俺は蒼貴と紫貴だけを連れて来てみた。最近、誰かと一緒にというパターンが多くて、こうして三人で来るというのも久々だ。

「ミコちゃん~。早いとこ。バトロンしようよ。新しく覚えた技を試したいし」
「焦るなって。バトルロンドは逃げやしねぇからよ」
「そうですよ。イリーガルマインドが見つかればそれはそれで丁度いいんですけどね」
「おいおい。フラグは立てるなよ…・・・」

 そう。技がどうとか言っているが、普通に今日は蒼貴と紫貴を戦わせに来ただけだ。さすがにイリーガルマインド装備の神姫ばかり相手にしているのは疲れる。たまには普通の戦いもしたい。そんな気持ちで今日は安全そうで真那も来なさそうな神姫センターをわざわざ選んだのだ。
 輝との一件から随分な時間が経ち、その中で色々な強敵、イリーガルマインド装備の神姫を狩りまくってきた。
 その中にはイリーガルマインド以外の物を所持しているヤツもいたが、ギリギリを渡りながら、圧倒的なその力を技で覆していった。
 紫貴はカスタム機で普通のイーダよりも性能は高いが、それでもイリーガルには遠く及ばない。蒼貴は論外だ。普通の神姫の域を超えない。装備をろくに増やさないのもあって、戦術、技、機転と力以外の要素を磨いていく他無かったのだ。
 奥に入っていき、バトルブースへと向かう。辺りを見回せば、色々なオーナーや神姫が対戦している姿があった。それぞれが各々に合わせたスタイルで戦っている様は個性的で誰もが二人での戦い方を自分らしく表現していた。
 安易に力に手を出す奴らとは違う工夫、努力が感じられる。土台のしっかりした力はどんな時も裏切らないし、装備も選ばず、発揮するものだ。見ていて気持ちがいい

「クレア! エクストリーマ・バレルスタンバイ!!」
「はい!」

 その中で何となく一人の少年とクレアと名づけたアーティルが目に留まった。
 自分の実力を試してみたい。そんな気持ちでバトルロンドをしているという事が伝わってくる。

「オーナー?」
「ああ。悪い。……この試合を見たくなってな。いいか?」
「別に構わないけど、あんまり長いのは勘弁よ?」
「何、一戦だけさ。それに……そろそろ決着だ」


『プレシジョン・バレルを撃ちながらレオナの間合いから離れるんだ!』
「はい! マスター」

 クレアに健五は指示を飛ばす。彼女はそれを聞いて、レオナというらしいレイディアント装備一式とハウリンの標準武器とリペイント版の狗狼「クーロゥ」を装備したハウリンからブースターユニットを用いて距離を取りつつ、プレジション・バレルを連射をする。対戦相手であるレオナは総じて近距離が多い。距離を取って射撃戦に持ち込めば恐れるのは棘輪のみとなる。吠莱壱式は撃ってくる様なら避ければ良く、脅威とする必要は無い。
 それは相手もわかっている様で右手にはめたナックル「狗狼」でばら撒かれる弾丸を防御をしつつ、クレアめがけて棘輪を飛ばした。クレアはバックユニットのブースターをフルに活用する事で棘輪が自分に到達しようとした瞬間、ギリギリで避けて素早く回り込みを始める。
 その間にも牽制射撃を飛ばし、彼女は第二の攻撃を仕掛けようとするが、レオナは守っていても勝てないと判断したらしく跳躍や身をかがめる事で回避しつつ、突進する。

「突っ込んでくる!?」
『カタマランブレードを用意するんだ! 来る!』

 接近を続けるレオナに僕は距離を取る事を諦め、威力の高いカタマランブレードを用意する事を伝える。クレアは健五の指示から射撃武器をフェリスファングに戻して迎撃するべく、カタマランブレードを構築し、構えた。
 そして、近接の間合いが入り込んだ時、カタマランブレードを振るうと……左手で十手を取り出して上手く武器を絡めてを本命のナックルを仕掛けてきた。

(な・・・!?)
「かかったな!」

 クレアはレオナの異なる武器の連続攻撃に驚きを隠せず、硬直してしまい、レオナの一撃を受けてしまった。

「ぐっ……!?」

 動揺するクレアは彼女の攻撃の衝撃で吹き飛びそうになるが、大振りの一撃の隙に体勢を戻し、フェリスファングで追撃を阻止しようとする。
 レオナはナックルで顔を防御し、レイディアント装備の曲面装甲で何とか攻撃の軌道を逸らして、最小限のダメージにとどめるが、その代償としてクレアの間合いを離す移動を許す事になってしまった。
 そしてお互いに行動が手詰まりとなり、にらみ合いになる。

「マスター、次はどうしますか?」
『なら、ここで……!』
「わかりました!」

 マスターの指示をうけたクレアは突撃に転じる。そうするとレオナはその行動に意外と思ったようだが、それに対応して棘輪を投げる。しかし、それに対してクレアは左手に持ったクローを使って軌道を反らしてさらにフェリスファングを連射した。それにより、レオナに隙が生じる。

「今だ!」

 それを見たクレアは素早く左手を突き出して、彼女の鳩尾に当たる部分に打撃を加える。そうした瞬間、それで生じた衝撃がレオナに伝わり、体勢を崩させた。

『そのまま、ゼロ距離射撃!!』
「行け!!」

 体勢を立て直そうとするレオナに逃れる隙を見せない内にクレアはゼロ距離からフェリスファングを連射した。
 それは敵を倒さんと唸りを上げ、銃弾を殺到させて瞬く間にレイディアント装備を蜂の巣に変える。そしてトドメと言わんばかりにもう一度クローでレオナを殴り飛ばした。
 彼女はその集中攻撃にたまらず倒れて動かなくなり、バーチャルバトルから姿を消した。

『Winner! 健吾&クレア!!』

 その表示がマスターである健吾とその神姫であるクレアの勝利判定が表示される。

『や、やった!』
「マスター! 勝ちました!」



「ゼロ距離射撃か……。アレは上手い手だったな」
「綺麗に入りましたね。あれだけの事ができるなら将来、すごい有名オーナーになっているかもしれません」
「そうね。……なんか凄い人だかりね」

 しかし、そんな時だった。他のバトルブースで人だかりができているのを見つけた。その数は相当多い。一体何があったのだろうか。

「何だ? あれ?」

 俺はそれに興味を持って、見つめる。蒼貴と紫貴も気になったようでバトルブースに目を向けていた。

「行ってみましょう。すごいオーナーが戦っているのかもしれませんよ」
「ええ。有名なオーナーだといいわね」

 三人とも意見一致でそのバトルブースに近づいてその様子を見る。そこには二体の神姫が荒野フィールドの真ん中で静かに佇んでいた。どうやら二対二のタッグバトルであるらしい。バトルブースの情報パネルを見ると、詳細が表示されている。
 玲央と氷睡というらしい男女二人組のオーナー二人に、焦茶色のぴったりフィットした長袖と暗い灰色のズボンの上に黒の薄手のロングコートという格好で、背中にウェスペリオーのスナイパーライフル「グロプス」とハンドガン「ヴェントス」を装備したパーティオプロトタイプ 長閑。黒で統一されたマフラー、半袖、ベスト、チャックが大量に付いた半ズボンといった格好でウェスペリオーの槍「レサート・ロッドシステム」、ハンドガン「イクリル」を装備しているアルトレーネ 天音だった。その二人は共通して軽装で首に「イリーガルマインド」が装備された神姫だった。

「蒼貴……。フラグが最速で回収されたんだが……」
「す、すいません……」
「まぁ、しゃあねぇさ。……いっちょやるか。二人とも」
「はい」
「もちろんよ!」

 そう言うと人ごみを通って、バトルブースの挑戦者側の席に座る。そうすると周りがざわめき始める。どうにもあの二体の神姫は連戦連勝をしているらしい事がその話の中から伺える。タネはあってもそれを知らなければ単純な強さにしか見えないということのようだ。
 俺は必要な情報を聞き終えると蒼貴と紫貴をバーチャルバトルのアクセスポッド二つそれぞれに配置し、カードリーダーにICカードを入れる。さらに杉原が新たに製作したデュアルオーダー用のデバイスをバトルブースにセットした。そうする事でバトルブースの相手側としてオーナー「尊」と神姫「蒼貴」、「紫貴」の名前が表示される。

「双姫主の尊!?」
「首輪狩り!?」

 色々なあだ名が飛び交う。全くもって遺憾だ。素性がバレていない所まではいいが、こうも尊というバトルネームが有名になっているのは非常によろしくない。のんびり対戦をしたいというのに。
 そんな詮無い事を思いながらバトルブースに目を向ける。

「『首輪狩り』……。噂には聞いているけど、はたから見れば特別な装備はしていないね……」
「ふん。『首輪狩り』なんて恐るるに足らないじゃないか。アタイらには秘密兵器があるんだ。こいつをここで終わらせてやるよ」

 アルトレーネが口を開き、それに口調の荒いパーティオプロトタイプが答える。しかし、その口調はどちらもかなり緊張している。どうにもあちらは強がっているという事の様だ。
 『首輪狩り』と呼ばれる事はイリーガルマインドを狩る際にはその点においては都合がよく、役に立つらしい。

「二人とも。いつもどおり、首輪を奪ってから本格的に攻めるぞ。まずは長閑とかいう遠距離型からだ」
「了解」
「わかったわ」

『Ready……Fight!!』

 戦いが始まるや否やパーティオプロトタイプとアルトレーネがイリーガルマインドからオーラを発して、それぞれ、スナイパーライフルとハンドガンを放ってきた。
 そのアクションは素早いが恐ろしく鋭く、正確でまっすぐ蒼貴と紫貴に飛んでいく。イリーガルマインドの力をかなり使いこなしている様だ。
 しかし、経験を積むのはイリーガルマインドの特権ではない。蒼貴と紫貴は相手が構える前から回避のために回り込みを始め、そのまま反撃の苦無で相手の連射を中断させる。
 さらに紫貴がヴィシュヴァルーパーに変形し、蒼貴が飛び乗って突撃を始めた。フィールド一面に岩や山が広がっており、張り巡らされたそれは射撃をしてくる相手に対して遮蔽物として使える上に発見されにくくなる。奇襲もできるいい手だ。
 それに対応して長閑と天音は同じく岩影に隠れそこから様子を伺い、ある時はタイミングを見て音を立てずに走って、移動する。その速さは音を消しているにもかかわらず、速い。イリーガルマインドの効果の一つなのだろうか。
 素早く動く彼女達はすぐに蒼貴と紫貴を見つけた。気づいていないように見えた様で銃を構えて接近する。
 しかし、その時だった。蒼貴が接近の瞬間にアサルトカービンをばら撒き始め、紫貴がヴィシュヴァルーパーで逆に突撃をかける。

「気づかれた!?」

 長閑は迎撃のためにスナイパーライフルからハンドガンに取り替えると、それを接近する二人に向けて、撃つ。
 それに対して紫貴は蒼貴を上へと飛ばして弾幕から逃すと変形を解除し、サブアームで防御しながらブレードを取り出して構える。一方、飛ばされた蒼貴は上から苦無を放って、身構えている二人に不意打ちを仕掛ける。
 長閑と天音は薄ら笑いをするとそれを回避し、長閑は蒼貴に射撃、天音は紫貴に格闘で攻めに入った。
 宙を舞う蒼貴は長閑の射撃に対して、苦無を武器に放つ事で狙いを付けられなくして、着地をしてみせる。

「何!?」

 隙だらけのはずの彼女が即座に反応して対応の一手を返してくるのを見た長閑は予想外の行動に驚きを表す反応を示した。
 蒼貴はその隙を逃す事なく、駆け出す。

『長閑から先打を使って武装を奪え。武器でも技でもアドバンテージを取るんだ』
「はい」

 尊がそう指示すると蒼貴は右手に鎌、左手に苦無を持って、長閑に襲いかかる。彼女はハンドガンを連射して蒼貴の動きを止めようとするが、彼女の動きは素早く、上手く照準を合わせることが出来なかった。攻撃をかいくぐり、剣の間合いに辿り着いた蒼貴は左手の苦無を振るって長閑の左腕を切り裂く。
 それによって左手で持っていたハンドガンが手から落ちる。そうすると長閑はは咄嗟に右手のハンドガンを発射しようとした。これでは蒼貴は回避が間に合わないかもしれない。
 しかし……蒼貴もまた右手を動かす。その手の中にあった鎌で撃たれるであろうハンドガンを弾き飛ばしたのだ。
 それによって、長閑は無防備となる。そこを躊躇いなく、長閑の腹部に苦無を突き刺し、落ちていくハンドガンを奪って至近距離から連射する。
 その攻撃にはさすがに長閑も耐えられずに素早く後退し、残っているスナイパーライフルを取り出して蒼貴に狙い打つべく回りこむ。
 その瞬間、回り込まれている蒼貴は彼女を見ることなく、ハンドガンを放ってみせる。

「ノールックショット!?」

 長閑はその技に覚えがあるのか、驚く。それは当然だ。かの有名な『ハイスピードバニー』の異名を持つティアの得意技だからな。俺はこれを先打と名付けて使わせてもらっている。
 狙い撃つはずだった長閑は逆に狙い撃たれる羽目になり、硬直した。
 蒼貴はスカートアーマーに弾き飛ばしたハンドガンを格納し、もう一つのハンドガンで追撃を仕掛ける。

「それを返せ!!」

 長閑は叫びながらスナイパーライフルを放つ。それは狙いが雑で射程距離も合わず、蒼貴を貫く事はなかった。
 かわしつつ、近距離に辿り着いた彼女はハンドガンで牽制し、首についていたイリーガルマインドをひったくる。それが奪われた瞬間、長閑からオーラが失われ、動きのキレが鈍くなる。イリーガルマインドの効果が切れたからだ。

「長閑!?」
「よそ見禁止っ!!」

 瞬く間にハンドガンとイリーガルマインドを奪われる様に天音が驚いている間に紫貴がアサルトカービンの連射で襲ってくる。天音はその弾幕をユニホーンの回復能力で強引に耐え切り、槍を振り上げて上から振り下ろした。
 まず、サブアームで左右から鋭いクローで引っかこうと連続攻撃を行く手を遮る様に攻撃を仕掛ける。が、天音はその攻撃を掠めながらも上手く上に飛んで敵に接近し、槍で突く。
 それに対して攻撃に使うはずだったブレードを振るい、受け止めるが、イリーガルの力は恐ろしく強く、紫貴は空高くに飛ばされた。
 しかし、彼女は逆にチャンスと考えたらしく、ヴィシュヴァルーパーに変形する。
 天音がハンドガンで連射してくるが、紫貴はそのままトライクを回転させながら、上からの体当たりを仕掛ける。
 直後、天音は迎撃は無理と判断し、回避して近くにあった岩陰に突っ込んで紫貴の一撃から逃れた。

「もらった!」
『ストームトリック』

 隙だらけだと思い込んだ天音が槍で突進してくるが、俺は技の指示を出す。紫貴は天音が攻撃準備に入るために動きを止めた瞬間に変形解除しつつ、サブアームのバネを活かして相手の背後に一瞬で回り込んで見せた。

「何!?」
『続いてエアロスティングだ』
「ええ! 私も、キメる!!」

 俺は紫貴に更なる技の指示を飛ばす。彼女はそれに答えると体勢を崩している天音に向かってブレードでいくつもの打突を残像を残すほどの速度で放たれる。
 この連撃に天音は槍で武器を捌くが、かわしきれずに多くの攻撃を受ける事になる。

「今度は『黒衣の戦乙女』に『ブラッディ・ワルキューレ』か!」
「まさかこいつら、色々なヤツの技を盗み始めたってのか!?」

 ユニホーンとサイドボードを使って体勢を立て直すために後退する天音と長閑が今更のように俺達の神姫が他人の神姫の技の真似をしている事に動揺する。
 その通りだ。俺は響の過去話から武器を盗む以外にも技を盗む事もまた重要と考えていた。そのためにある時は使える技のバトルの記録を徹底的に見て、またある時は実際にシミュレーションでその技を受けるなどして学習をさせる事で蒼貴と紫貴が使えるようにアレンジをした。
 これによって真似事ではあるものの、手札を増やす事ができたのだ。気づいた所でもう遅い。お前らには俺達の技の実験台になってもらう。

『蒼貴、紫貴。ここからが本番だ。奴らは再生ができなくなる事を恐れて避けたり、出し抜いてくるだろう。蒼貴は神力開放、紫貴はアサルトカービンでそれの援護しろ』
「わかりました」
「OK!」

 そんな思惑をめぐらせると指示を飛ばす。紫貴の牽制の隙の中、蒼貴は神力開放を発動する。

「くっ!? 塵の刃が来る!!」
「それをされる前にとっとと始末する。私が援護するから天音は攻めろ」
「わかった!」

 長閑は岩陰からサイドボードから呼び出したアサルトライフルを蒼貴と紫貴に撃ち始め、彼女達の動きを止める。
 その隙に天音は苦無とアサルトカービンのを掻い潜りながら駆け、二人に辿り着く。
 間合いに入った天音は蹴散すべく、槍をなぎ払った。それはイリーガルの出力をもって、とてつもない威力となって襲い掛かる。
 蒼貴は上へ飛ぶ事で、紫貴は距離を取る事でその攻撃に逃れ、苦無とアサルトカービンで攻撃を返そうとした。
 しかしその瞬間、アサルトライフルで長閑が銃弾を浴びせかけてくる。距離を取っている彼女は二人が相手にしている間に虎視眈々と攻撃の機会を狙っていたのだ。
 弾幕のはれるアサルトライフルで天音に当てる事無く、回避中の二人に銃弾が飛んでいく。
 それに対して蒼貴は身体を捻って回転させる事でその攻撃によるダメージを最小限にとどめる。紫貴はサブアームでその攻撃を防ぎ、さらにそれにより余裕の出来た彼女は天音にブレードを振るい、武器を破壊する。

「くっ!?」
『隙ありだ。蒼貴』
「はい」

 天音は槍を破壊されて硬直する。それに反応して、俺は蒼貴に指示を飛ばす。
 空中から着地しようとしている彼女は天音の頭に蹴りを入れてそのまま足場にする。そのまま踏み台にすると、力強く飛んで自分の落下の勢いを減らすと上手く地面に着地をする。その時、紫貴がサブアームでダメ押しの追撃を食らわせ、吹き飛ばした。

「天音!!」

 一方、遠くでそれを見ていた長閑は天音が体勢を立て直せるようにアサルトライフルによる援護射撃を続ける。それに対して、蒼貴は反応し、半分になった天音の槍を奪って、それを長閑に投げつけた。勢いよく飛ぶそれはアサルトライフルに当たったために思い切り壊れて使い物にならなくなった。
 その刹那、長閑はスナイパーライフルに持ち替えてすぐに蒼貴に放ち、攻撃を続行する。

「まだまだぁ!!」

 イリーガルマインドで再生をする天音が叫ぶとサイドボードから紗羅檀のノートゥングとリジルの二刀流転送されてきてそれで蒼貴に集中攻撃を仕掛ける。
彼女は着地の隙をものともせず、突っ込んでくるそれを見切って回避し、紫貴がフォローのアサルトカービンを放つ。
 それで天音は一旦攻撃を止めるが、再生能力で物を言わせた強引な攻撃を仕掛ける。
 それは回避したいが、長閑の援護射撃によって動けなくなっていて、それは不可能だ。そう判断した蒼貴は塵の刃で紫貴のサブアームに盾を作り出して貼り付けると彼女に防御をさせた。
 衝撃はダメージとなって伝わるものの、直接的な攻撃は防がれ、致命傷は免れる。

「くぅっ……! 蒼貴、今よ!」
「その首輪、頂きます」

 紫貴が代わりに受けてくれたおかげで手の空いた蒼貴は大振りの攻撃をする天音の攻撃の隙を突いてイリーガルマインドを盗んだ。奪われた天音は無力化され、ただの神姫に戻る。

「しまった!?」
「お命頂戴します」

 あっけに取られる彼女を尻目に紫貴に纏わせていた塵の刃を解除し、それを鎌に纏わせると、トドメの一撃に天音の首を狩る。首が落ち、地面に転がる前に彼女はバーチャルバトルから姿を消す。

「天音!? 畜生!!」

 遠くからその様子を見ていた長閑は残された最後の抵抗手段であるスナイパーライフルを連射する。

『二人とも、あれを試すぞ」
「はい!」
「OK! やっちゃいましょう!!」

 俺は武装サイドボードを用いて蒼貴に忍者刀「桜花」を転送し、鎌を回収する事で『あれ』の準備をする。
 そして紫貴は蒼貴を掴み、長閑めがけて飛ばした。彼女は紫貴の投擲を勢いで高速で駆ける。
 長閑はとんでもない突撃にスナイパーライフルで迎撃するが、蒼貴は塵の刃を忍者刀に纏わせて盾にする事で弾丸を逸らし、間合いに詰める。

『フェイタルスラッシュだ!!』
「はぁっ!!」

 蒼貴は身体をひねる事で自身に回転を与え、長閑に居合斬りを放った。攻撃を受けた彼女は真っ二つに斬り裂かれ、上半身と下半身に分かれた。
 駆け抜けた蒼貴は足の鉤爪で着地し、ブレーキをかけると忍者刀を収めると、キンという音と共に勝敗が決した。

『Winner! 尊&蒼貴、紫貴!!』







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