消えた犬とカツカレー
昨日、一昨日と物売屋を訪れた二人の依頼人の話に、私と八幸助さん、それに紗羅檀型神姫ミサキは首を傾げた。
一昨日の中学生くらいの男の子、昨日の小太り中年の女性、そのどちらの依頼もほぼ同じものだった。犬の散歩中、ふと目を離した隙にリードに繋がれた犬が見知らぬ猫と入れ替わってしまったという。
「どういうことでしょう」
ミサキが男の子に詳細を問うも、あまり有益な情報は得られず、かえって私達は混乱した。
男の子がいつもの散歩コースである住宅街から少し離れた小道を歩いていた時、その道にも少し先を歩くシベリアンハスキーのケンシロウにも、特に変わったところは見られなかったらしい。
男の子はなんとはなしに古びた塀の模様を目でなぞっていて、気がつくとリードに繋がれていたケンシロウが姿を消し、代わりにトラ柄の猫が繋がれていた。猫は男の子の顔を見るなり走り出し、リードから手を離した男の子はズルズルと引きずられていくリードを呆然と眺めていた。その後、数時間ほど周囲を捜し回るも、ケンシロウの姿はどこにもなかったという。
中年女性の話も似たようなものだった。彼女の場合、トイプードルのラズベリーちゃんは丸々太った三毛猫と入れ替わったという。どっしり構えて動こうとしないその三毛猫を、女性は薄情にもリードごと置いてきたらしい。やはりラズベリーちゃんは付近のどこにもいなかった。
「そういうわけだから鉄子君、明日は適当に聞き込みでもして適当な理由でも探してきて、日が暮れる前に帰っておいで」
失踪した愛犬を探し出すこと。
手間のかかりそうな依頼のわりに二人が提示した依頼料が五千円と低額であったためか、八幸助さんはあまり乗り気ではなかった。しかし久しぶりに神姫が絡まない依頼ということで、一応の決着をつける気はあるようだった。だから私も、聞き込みの途中で偶然ケンシロウとラズベリーちゃんを見つけられたらいいなあ、くらいの気持ちで調査に臨んだ。
「鉄子よォ、せっかくの安息日だっつうのに何が楽しくて犬コロなんざ探さなきゃいけねーんだよ。大学生っつったら自分探しの旅に出るもんだろ、せめて自分のこと探せよ。それともあれか、鉄子は犬コロ並っていうメタファーのつもりか」
「あんたがメタファーとか横文字使うと、なんでやろうね、すんごい腹立つわ」
犬を探す目は多いに越したことはない、とコタマを連れてきたのだけれど、トートバッグの中からブチブチと文句を垂れ続けるコタマにイライラするばかりでかえって私の目は曇っていくようだった。
天気は上々。絶好の散歩日和。
依頼人二人が被害(?)に遭ったという地区は活気溢れる商店街を中心とした、古き良き下町の面影を残す町――とテレビで紹介されていたのを覚えている。店舗が一極集中する今となってはここは貴重な場所なんだと思う。こういった場所でこそ聞き込みするべきなんだろうけれど、残念ながら商店街に犬を連れた人はいなかった。
商店街を出た私は散歩コースになりそうな場所を選んで歩き、なるべく大人しそうな犬を連れた人を探した。
一昨日の中学生くらいの男の子、昨日の小太り中年の女性、そのどちらの依頼もほぼ同じものだった。犬の散歩中、ふと目を離した隙にリードに繋がれた犬が見知らぬ猫と入れ替わってしまったという。
「どういうことでしょう」
ミサキが男の子に詳細を問うも、あまり有益な情報は得られず、かえって私達は混乱した。
男の子がいつもの散歩コースである住宅街から少し離れた小道を歩いていた時、その道にも少し先を歩くシベリアンハスキーのケンシロウにも、特に変わったところは見られなかったらしい。
男の子はなんとはなしに古びた塀の模様を目でなぞっていて、気がつくとリードに繋がれていたケンシロウが姿を消し、代わりにトラ柄の猫が繋がれていた。猫は男の子の顔を見るなり走り出し、リードから手を離した男の子はズルズルと引きずられていくリードを呆然と眺めていた。その後、数時間ほど周囲を捜し回るも、ケンシロウの姿はどこにもなかったという。
中年女性の話も似たようなものだった。彼女の場合、トイプードルのラズベリーちゃんは丸々太った三毛猫と入れ替わったという。どっしり構えて動こうとしないその三毛猫を、女性は薄情にもリードごと置いてきたらしい。やはりラズベリーちゃんは付近のどこにもいなかった。
「そういうわけだから鉄子君、明日は適当に聞き込みでもして適当な理由でも探してきて、日が暮れる前に帰っておいで」
失踪した愛犬を探し出すこと。
手間のかかりそうな依頼のわりに二人が提示した依頼料が五千円と低額であったためか、八幸助さんはあまり乗り気ではなかった。しかし久しぶりに神姫が絡まない依頼ということで、一応の決着をつける気はあるようだった。だから私も、聞き込みの途中で偶然ケンシロウとラズベリーちゃんを見つけられたらいいなあ、くらいの気持ちで調査に臨んだ。
「鉄子よォ、せっかくの安息日だっつうのに何が楽しくて犬コロなんざ探さなきゃいけねーんだよ。大学生っつったら自分探しの旅に出るもんだろ、せめて自分のこと探せよ。それともあれか、鉄子は犬コロ並っていうメタファーのつもりか」
「あんたがメタファーとか横文字使うと、なんでやろうね、すんごい腹立つわ」
犬を探す目は多いに越したことはない、とコタマを連れてきたのだけれど、トートバッグの中からブチブチと文句を垂れ続けるコタマにイライラするばかりでかえって私の目は曇っていくようだった。
天気は上々。絶好の散歩日和。
依頼人二人が被害(?)に遭ったという地区は活気溢れる商店街を中心とした、古き良き下町の面影を残す町――とテレビで紹介されていたのを覚えている。店舗が一極集中する今となってはここは貴重な場所なんだと思う。こういった場所でこそ聞き込みするべきなんだろうけれど、残念ながら商店街に犬を連れた人はいなかった。
商店街を出た私は散歩コースになりそうな場所を選んで歩き、なるべく大人しそうな犬を連れた人を探した。
「ここ、神姫が働いとる店なんやって」
昼下がり、再び商店街に戻った私はちょっと遅い昼食のために『明石食堂』なる店に入った。昼食のピーク時を過ぎていても、店内には数人のお客さんがいた。
「いらっしゃいませ。 何名様で――あ」
元気よく出迎えてくれたメリエンダ型はすぐにトートバッグのコタマに気付いた。テレビで紹介されていたとおりだ、もう一体の神姫こひる型は厨房で働いている。
席に案内された私は名物らしいカツカレーを注文した。
テーブルには神姫が上りやすいよう階段が設けてあった。バッグからテーブルの上に出たコタマは階段をしげしげと眺め「おい鉄子、ウチにもこの階段作ろうぜ」と面白そうに言った。
カツカレーが出てくるまで午前中得られた情報でも整理していようと、メモ帳を開いた。でも犬の散歩をしていた人は思っていたよりも少なくて、有益そうな情報はなかった。
昼下がり、再び商店街に戻った私はちょっと遅い昼食のために『明石食堂』なる店に入った。昼食のピーク時を過ぎていても、店内には数人のお客さんがいた。
「いらっしゃいませ。 何名様で――あ」
元気よく出迎えてくれたメリエンダ型はすぐにトートバッグのコタマに気付いた。テレビで紹介されていたとおりだ、もう一体の神姫こひる型は厨房で働いている。
席に案内された私は名物らしいカツカレーを注文した。
テーブルには神姫が上りやすいよう階段が設けてあった。バッグからテーブルの上に出たコタマは階段をしげしげと眺め「おい鉄子、ウチにもこの階段作ろうぜ」と面白そうに言った。
カツカレーが出てくるまで午前中得られた情報でも整理していようと、メモ帳を開いた。でも犬の散歩をしていた人は思っていたよりも少なくて、有益そうな情報はなかった。
①犬が猫と入れ替わるという噂が流れだしたのはごく最近のこと
②リードに繋がっていない野良犬はあまり見かけない(逃げた犬は見える範囲にはいない?)
逆に野良猫はよく見かける
③ケンシロウやラズベリーちゃんのことを散歩中にすれ違ったりして知っている人は少なくない
④飼い主どうしの交流は、挨拶する程度
⑤犬の散歩コースは皆バラバラだが、重なるコースも多い
⑥最近、白くてすばしこい動物(ネズミではない何か)をよく見かけるようになった
⑦この辺りには猫派よりも犬派のほうが多い
②リードに繋がっていない野良犬はあまり見かけない(逃げた犬は見える範囲にはいない?)
逆に野良猫はよく見かける
③ケンシロウやラズベリーちゃんのことを散歩中にすれ違ったりして知っている人は少なくない
④飼い主どうしの交流は、挨拶する程度
⑤犬の散歩コースは皆バラバラだが、重なるコースも多い
⑥最近、白くてすばしこい動物(ネズミではない何か)をよく見かけるようになった
⑦この辺りには猫派よりも犬派のほうが多い
「で? 名探偵であらせられる鉄子殿はこの情報からどう推理するんだ」
お冷のグラスを行儀悪くチンチン叩きながらコタマは、面倒くさそうに言った。
確実なのは犬と猫が入れ替わる珍現象が確実に起こっていることだけだ。依頼人二人の勘違いが偶然重なっただけではとも考えていたが、町中に複数の迷子犬探しのビラが貼られていた。どのビラにも入れ替わりのことが書かれていた。
依頼人が言う場所やビラに書かれていた場所、入れ替わりの現場を回ってみたものの、それらしいものは何もなかった。現場に手品師でも立っていたら分かり易かったのに。
「この白い動物ってなんだ? ネズミじゃなけりゃインキュベーターか」
「イン……? まあ、素早くて分からんかったらしいけど。でも今は犬と猫の話やし関係ないやろ」
「猫派よりも犬派のほうが多い――こんなこと言う奴いたか?」
「や、これは私の感覚」
「オマエの感覚なんざ知らねえよ」
そもそも、ほんの数秒でしかも飼い主に気付かれないように犬と猫を入れ替えるなんてことが可能なのか。犬が姿を消すにしても猫が現れるにしても、僅かも誰の気配も無いのは不自然だ。しかも犬の首輪からリードを外され、猫の首輪に再びリードを繋げるなんてそれこそ手品師か超能力者にしかできないんじゃないか。
「ねえ、入れ替わった猫ってどっから来たと思う?」
「猫なんざ腐るほどいたじゃねえか。猫が自分を囮にして犬逃がしたとでも言うか?」
「いや、そうやないんやけど」
依頼はケンシロウとラズベリーちゃんの確保だから入れ替わりトリックを私がみやぶる必要は無い、のだけど、これが分からないと二匹は見つからないような気がしてきたのだ。
手品師か超能力者の他に忍者もありえるな、というくだらないことを考えて頭を抱えていると、さっきのメリエンダともう一人の声が近づいてきた。
「ちょっとメリー、あんたがちゃんと持たないからあたしに負担がかかるんだけど」
「雅さんこそ手を抜いてないですか。他人に苦労を押し付けてばかりだから根性が歪むんですよ」
「あんたは胸が無いだけ持ちやすいんだからもっと気合入れなさいよ!」
「抹茶ヂェリーの飲み過ぎでぶくぶく太ったぶん、身体動かしてダイエットしてはどうですか?」
騒がしくカツカレーが運ばれてきて、私は机の上を片付けた。運んできた二人はテレビで見た時と随分印象が違うけど、さてはあの放送、何度も撮り直したな。
カツカレーは名物というだけあって、香りも味も申し分なかった。スプーン一杯を口に放り込む度に午前中の疲れが飛んでいくような気がして、私はカロリーのことは忘れてスプーンを口に運んだ。傘姫にこの店を教えてあげよう。カツカレーに目がないあの子なら毎日だって通い詰めるだろう。
カツカレーを運んできた二人はそのまま下がろうとせず、コタマに近づいた。
「こんにちは、私はメリーと申します。その修道服、よく出来てますね」
「あー?」
「そんなナリしといて随分愛想が悪いわね」
「知るか。誰だテメェ」
やっぱりコタマはまともに取り合おうとしなかった。エルやニーキのような知った仲でなければいつもこんな風だから、オーナーの私が気まずい思いをさせられる(ちゃんとコタマを躾てない私も悪いけど)。こういう時はコタマをひっ掴んでバッグの中に放り込むのが一番だけど、今回はどうだろう。
相手は同じライト級神姫。
神姫センターのバトル筐体でライト級はあまり見かけないから必然的にコタマと関わる機会も少なくなるけど、もしかするとライト級同士なら分かり合えるかも……ということがあり得ないのはコタマの主である私がよく知っている。
ところがどっこい、予想に反して三人の話は大いに盛り上がった。
「だいたい、あたし達の次に出たアルトレーネがあたし達を差し置いて優遇されるなんておかしいのよ!」
「オマケにライト級の出番はたった1ページときた。ナメたことしてくれるぜ」
「揚げ足を取るようで申し訳ないのですが、実はもう1ページだけライトアーマーが登場してるんですよ」
「嘘、どこ?」
「観客の中とかじゃねえだろうな」
「ここ見て下さい、ほら」
メリエンダが開いた漫画を、三人身を寄せ合って覗き込んでいる。コタマのことで気を揉む必要がないって、すごくありがたい。これで私はゆっくりとカツカレーを味わえる。
「ブライトフェザーじゃねェか! こいつアタシを出し抜きやがった!」
「出し抜いてはないでしょ。でもなにこの扱い、隅っこすぎて本の谷間で見えないじゃない」
「ライトアーマーならこんな扱いで許されると思われてるんですよきっと。それに何より……」
「そういやオマエら、2巻の神姫学校の話にすら出てこなかったな」
「そうよ! あたし達の出番を戦乙女が奪ったのよ!」
三人が顔を付き合わせて、やたら優遇されるアルトレーネのあれが駄目だとかこれが狡いとか、仲良く盛り上がっている。神姫であれ人間であれ一番話が盛り上がるネタが他人の陰口というのは、わりと悲観すべき問題だと思う。
と、私の携帯が鳴った。相手は――ああ、丁度アルトレーネのマスターだった。ちょっとドキドキしつつ電話に出た。
「やっほー。ご機嫌麗わしゅー」
お冷のグラスを行儀悪くチンチン叩きながらコタマは、面倒くさそうに言った。
確実なのは犬と猫が入れ替わる珍現象が確実に起こっていることだけだ。依頼人二人の勘違いが偶然重なっただけではとも考えていたが、町中に複数の迷子犬探しのビラが貼られていた。どのビラにも入れ替わりのことが書かれていた。
依頼人が言う場所やビラに書かれていた場所、入れ替わりの現場を回ってみたものの、それらしいものは何もなかった。現場に手品師でも立っていたら分かり易かったのに。
「この白い動物ってなんだ? ネズミじゃなけりゃインキュベーターか」
「イン……? まあ、素早くて分からんかったらしいけど。でも今は犬と猫の話やし関係ないやろ」
「猫派よりも犬派のほうが多い――こんなこと言う奴いたか?」
「や、これは私の感覚」
「オマエの感覚なんざ知らねえよ」
そもそも、ほんの数秒でしかも飼い主に気付かれないように犬と猫を入れ替えるなんてことが可能なのか。犬が姿を消すにしても猫が現れるにしても、僅かも誰の気配も無いのは不自然だ。しかも犬の首輪からリードを外され、猫の首輪に再びリードを繋げるなんてそれこそ手品師か超能力者にしかできないんじゃないか。
「ねえ、入れ替わった猫ってどっから来たと思う?」
「猫なんざ腐るほどいたじゃねえか。猫が自分を囮にして犬逃がしたとでも言うか?」
「いや、そうやないんやけど」
依頼はケンシロウとラズベリーちゃんの確保だから入れ替わりトリックを私がみやぶる必要は無い、のだけど、これが分からないと二匹は見つからないような気がしてきたのだ。
手品師か超能力者の他に忍者もありえるな、というくだらないことを考えて頭を抱えていると、さっきのメリエンダともう一人の声が近づいてきた。
「ちょっとメリー、あんたがちゃんと持たないからあたしに負担がかかるんだけど」
「雅さんこそ手を抜いてないですか。他人に苦労を押し付けてばかりだから根性が歪むんですよ」
「あんたは胸が無いだけ持ちやすいんだからもっと気合入れなさいよ!」
「抹茶ヂェリーの飲み過ぎでぶくぶく太ったぶん、身体動かしてダイエットしてはどうですか?」
騒がしくカツカレーが運ばれてきて、私は机の上を片付けた。運んできた二人はテレビで見た時と随分印象が違うけど、さてはあの放送、何度も撮り直したな。
カツカレーは名物というだけあって、香りも味も申し分なかった。スプーン一杯を口に放り込む度に午前中の疲れが飛んでいくような気がして、私はカロリーのことは忘れてスプーンを口に運んだ。傘姫にこの店を教えてあげよう。カツカレーに目がないあの子なら毎日だって通い詰めるだろう。
カツカレーを運んできた二人はそのまま下がろうとせず、コタマに近づいた。
「こんにちは、私はメリーと申します。その修道服、よく出来てますね」
「あー?」
「そんなナリしといて随分愛想が悪いわね」
「知るか。誰だテメェ」
やっぱりコタマはまともに取り合おうとしなかった。エルやニーキのような知った仲でなければいつもこんな風だから、オーナーの私が気まずい思いをさせられる(ちゃんとコタマを躾てない私も悪いけど)。こういう時はコタマをひっ掴んでバッグの中に放り込むのが一番だけど、今回はどうだろう。
相手は同じライト級神姫。
神姫センターのバトル筐体でライト級はあまり見かけないから必然的にコタマと関わる機会も少なくなるけど、もしかするとライト級同士なら分かり合えるかも……ということがあり得ないのはコタマの主である私がよく知っている。
ところがどっこい、予想に反して三人の話は大いに盛り上がった。
「だいたい、あたし達の次に出たアルトレーネがあたし達を差し置いて優遇されるなんておかしいのよ!」
「オマケにライト級の出番はたった1ページときた。ナメたことしてくれるぜ」
「揚げ足を取るようで申し訳ないのですが、実はもう1ページだけライトアーマーが登場してるんですよ」
「嘘、どこ?」
「観客の中とかじゃねえだろうな」
「ここ見て下さい、ほら」
メリエンダが開いた漫画を、三人身を寄せ合って覗き込んでいる。コタマのことで気を揉む必要がないって、すごくありがたい。これで私はゆっくりとカツカレーを味わえる。
「ブライトフェザーじゃねェか! こいつアタシを出し抜きやがった!」
「出し抜いてはないでしょ。でもなにこの扱い、隅っこすぎて本の谷間で見えないじゃない」
「ライトアーマーならこんな扱いで許されると思われてるんですよきっと。それに何より……」
「そういやオマエら、2巻の神姫学校の話にすら出てこなかったな」
「そうよ! あたし達の出番を戦乙女が奪ったのよ!」
三人が顔を付き合わせて、やたら優遇されるアルトレーネのあれが駄目だとかこれが狡いとか、仲良く盛り上がっている。神姫であれ人間であれ一番話が盛り上がるネタが他人の陰口というのは、わりと悲観すべき問題だと思う。
と、私の携帯が鳴った。相手は――ああ、丁度アルトレーネのマスターだった。ちょっとドキドキしつつ電話に出た。
「やっほー。ご機嫌麗わしゅー」
「いやいやおかしいやろ。そら悪いのは暴言吐いたエウクランテやろうけど、どうやったら大乱闘まで発展するんよ?」
よく私が通う神姫センターは今、第一次戦乙女戦争の悲劇を繰り返している最中らしい。私の前のライト級三人のアルトレーネ批判に混ざりたいくらいだった。
呆れ声の背比の話を要約すると、アルトレーネは再販が決まったエウクランテに挑発されたんだとか。
「怒り狂ったアルトレーネとエウクランテが暴れて、それに感化されるなり止めようとするなり面白半分で乱入する神姫がどんどん増えていって、今に至るってわけ?」
『いえーすざっつらいと』
「第二次戦乙女戦争勃発やね。このまま三次四次って続けて、そこの神姫センターの名物にしたらどうかね」
背比はもちろん私にそれを愚痴るために電話したんじゃなく、コタマの出動要請だったわけだけど、今から神姫センターに向かったって何かしらの決着がついてしまった後になってしまう。兄貴のマシロに代理をお願いしたくても今日に限って不在だし、私にはどうすることもできない。というか一応、今私は仕事中なわけだし。
背比の力になれるんだったら、なんだってしたいのになあ。
『仕事の邪魔して申し訳ない。自分でどうにかしてみる』
「ちょうど休憩しとったとこやし大丈夫よ。でもあんま無理しちゃいかんからね」
『無理して止めたら恨みを買いまくりそうだ』
名残惜しかったけど通話を切った。
さて、早く食べちゃわないとせっかくのカツカレーが冷めちゃうし、まだ仕事に何の進展も無い。早いとこ店を出ないと……と前を見ると、いつの間にかライト級神姫三人のご機嫌な時間は終わっていて、「ああ、もう」と私は額に手をあてた。
「いいかよく聞けよ。【ゼロ】と【イチ】ってやつは隣同士だと思われがちだが、実はそうじゃねえ。【イチ】ってやつは確かに数字としちゃあ少ないだろうが、間違いなく神に許しを得て存在してんだ。でも【ゼロ】は存在すらしねえ。つまり、例え同じライトアーマーだろうが、漫画に出たアタシと出てないオマエらじゃそもそも格が違うっつーわけだ」
「はぁ!? 頭おかしいんじゃないのあんた! 漫画程度で神姫の格が決まるとでも思ってるわけ? よくそんなお粗末なCSCでシスター型を名乗れるわね」
「今回ばかりは雅さんの意見が正論です。その修道服があれば野蛮人でも聖者を気取りたくなるのも分かりますが、あなたにはロアナプラの暴力教会がお似合いでしてよ?」
「あー? んだとコラ」
「ご、ごめん二人とも、うちのバカにはよく言って聞かせるから勘弁してくれんかね」
「鉄子テメェ誰の味方だ!」
「少なこともアンタではないやね――こいつったらね、自分が漫画の三巻に出てないからってスネて、実際に知り合いの戦乙女に八つ当たりしとるんよ」
「フン。マスターのあなたには悪いけど、最っ低―の神姫ね」
「そんな恥ずかしい真似はやめてくださらない? 他のライトアーマーまで程度が低く見られてしまいますから」
「お、オ、オマエら好き勝手言いやがって!」
コタマが憤死する直前、食堂に高校生くらいの女の子が飛び込んできた。随分と慌てた様子で、食堂の中をキョロキョロと見回した。天井にまで目が飛んでいるあたり、よほど混乱しているんだろう。
「あ、あれ!? ここにも……すみません、今ここに小さな犬が入ってきませんでしたか?」
犬。そのキーワードを聞いて私はコタマと鞄を引っ掴んで席を立った。
「もしかして犬が猫になったんですか」
「そ、そう? っなんです! でもなんで分かって……」
食堂から飛び出して辺りを見回した。入り口には確かにリードに繋がれた黒猫がいた。でも探すべきは他にあるはず。
視界の隅にちらっと、ネズミより二回りくらい大きな白いものが地を這うのが見えた。その姿を見てピンと来た。アレは確かに知らない人が一瞬見ただけじゃ何なのか分からない。
「コタマ! あいつを捕まえて!」
「くそっ、ヒトを振り回しやがって! セカンドを出せ、早く!」
コタマを降ろして、鞄から長いライフルを持った人形を取り出した。私の手の中にあるうちから糸を接続されたセカンドは勝手にコタマの隣に飛び降り、ライフルを構えた。
「くたばれオラァ!」
セカンドが放った数発の弾丸は見事、遠くを走る白いものに全弾命中して動きを止めさせた。でもくたばらせてどうすんだバカ。
哀れにも地面に転がった白いもの――リペイントされたアーク型神姫を拾い上げた。
「くっそ……! ス、ストレルカ逃げろっ!」
「ストレルカとは、この方のことかしら」
明石食堂の看板前、メリエンダとこひるが挟むように抱えているのは、アークと同じく白くリペイントされたイーダ型だった。イーダのゴツい副椀を食堂の二人は素体のままの細腕で軽々と抱えている。
既に諦めた表情のイーダを見て、私の手の中のアークはがっくりと項垂れた。
よく私が通う神姫センターは今、第一次戦乙女戦争の悲劇を繰り返している最中らしい。私の前のライト級三人のアルトレーネ批判に混ざりたいくらいだった。
呆れ声の背比の話を要約すると、アルトレーネは再販が決まったエウクランテに挑発されたんだとか。
「怒り狂ったアルトレーネとエウクランテが暴れて、それに感化されるなり止めようとするなり面白半分で乱入する神姫がどんどん増えていって、今に至るってわけ?」
『いえーすざっつらいと』
「第二次戦乙女戦争勃発やね。このまま三次四次って続けて、そこの神姫センターの名物にしたらどうかね」
背比はもちろん私にそれを愚痴るために電話したんじゃなく、コタマの出動要請だったわけだけど、今から神姫センターに向かったって何かしらの決着がついてしまった後になってしまう。兄貴のマシロに代理をお願いしたくても今日に限って不在だし、私にはどうすることもできない。というか一応、今私は仕事中なわけだし。
背比の力になれるんだったら、なんだってしたいのになあ。
『仕事の邪魔して申し訳ない。自分でどうにかしてみる』
「ちょうど休憩しとったとこやし大丈夫よ。でもあんま無理しちゃいかんからね」
『無理して止めたら恨みを買いまくりそうだ』
名残惜しかったけど通話を切った。
さて、早く食べちゃわないとせっかくのカツカレーが冷めちゃうし、まだ仕事に何の進展も無い。早いとこ店を出ないと……と前を見ると、いつの間にかライト級神姫三人のご機嫌な時間は終わっていて、「ああ、もう」と私は額に手をあてた。
「いいかよく聞けよ。【ゼロ】と【イチ】ってやつは隣同士だと思われがちだが、実はそうじゃねえ。【イチ】ってやつは確かに数字としちゃあ少ないだろうが、間違いなく神に許しを得て存在してんだ。でも【ゼロ】は存在すらしねえ。つまり、例え同じライトアーマーだろうが、漫画に出たアタシと出てないオマエらじゃそもそも格が違うっつーわけだ」
「はぁ!? 頭おかしいんじゃないのあんた! 漫画程度で神姫の格が決まるとでも思ってるわけ? よくそんなお粗末なCSCでシスター型を名乗れるわね」
「今回ばかりは雅さんの意見が正論です。その修道服があれば野蛮人でも聖者を気取りたくなるのも分かりますが、あなたにはロアナプラの暴力教会がお似合いでしてよ?」
「あー? んだとコラ」
「ご、ごめん二人とも、うちのバカにはよく言って聞かせるから勘弁してくれんかね」
「鉄子テメェ誰の味方だ!」
「少なこともアンタではないやね――こいつったらね、自分が漫画の三巻に出てないからってスネて、実際に知り合いの戦乙女に八つ当たりしとるんよ」
「フン。マスターのあなたには悪いけど、最っ低―の神姫ね」
「そんな恥ずかしい真似はやめてくださらない? 他のライトアーマーまで程度が低く見られてしまいますから」
「お、オ、オマエら好き勝手言いやがって!」
コタマが憤死する直前、食堂に高校生くらいの女の子が飛び込んできた。随分と慌てた様子で、食堂の中をキョロキョロと見回した。天井にまで目が飛んでいるあたり、よほど混乱しているんだろう。
「あ、あれ!? ここにも……すみません、今ここに小さな犬が入ってきませんでしたか?」
犬。そのキーワードを聞いて私はコタマと鞄を引っ掴んで席を立った。
「もしかして犬が猫になったんですか」
「そ、そう? っなんです! でもなんで分かって……」
食堂から飛び出して辺りを見回した。入り口には確かにリードに繋がれた黒猫がいた。でも探すべきは他にあるはず。
視界の隅にちらっと、ネズミより二回りくらい大きな白いものが地を這うのが見えた。その姿を見てピンと来た。アレは確かに知らない人が一瞬見ただけじゃ何なのか分からない。
「コタマ! あいつを捕まえて!」
「くそっ、ヒトを振り回しやがって! セカンドを出せ、早く!」
コタマを降ろして、鞄から長いライフルを持った人形を取り出した。私の手の中にあるうちから糸を接続されたセカンドは勝手にコタマの隣に飛び降り、ライフルを構えた。
「くたばれオラァ!」
セカンドが放った数発の弾丸は見事、遠くを走る白いものに全弾命中して動きを止めさせた。でもくたばらせてどうすんだバカ。
哀れにも地面に転がった白いもの――リペイントされたアーク型神姫を拾い上げた。
「くっそ……! ス、ストレルカ逃げろっ!」
「ストレルカとは、この方のことかしら」
明石食堂の看板前、メリエンダとこひるが挟むように抱えているのは、アークと同じく白くリペイントされたイーダ型だった。イーダのゴツい副椀を食堂の二人は素体のままの細腕で軽々と抱えている。
既に諦めた表情のイーダを見て、私の手の中のアークはがっくりと項垂れた。
「だって猫、可愛いじゃん」
食堂のテーブルの上で武装を解除して不貞腐れるアーク型、ヴェルカを囲んだ三人の神姫は呆れて同時にため息をついた。
彼女とストレルカのオーナーは犬が大好きで、彼女らの名前もどこかの犬からもらってきたものらしいけど、この二人はどちらかの選択の余地も無く、猫派らしい。
「だってのにさあ、どこ見回しても飼い主と仲よさそーにしてんのは犬犬犬、犬ばっかり!」
「犬を散歩させている方々に猫の魅力に触れて頂ければきっと、ワタクシたちの考えも広く伝わるのではと……」
「それで飼い犬と野良猫を入れ替えてたってわけ? もうどこにつっこめばいいのかも分からないわよ」
こひるはやれやれと首を振った。
「方向性はともかく、雅さんもこのお二方の熱意を見習ったらどうですか。少しはマシな性格になれるかもしれませんよ」
「そうね、その熱意を持ってバストアップ体操でもすればあんたのまな板も鍋の蓋くらいにはなるかもね」
「シスターもいることですし、天に召されてみますか、赤だるま」
「上等じゃない。地獄へ突き落としてやるわよ、貧乳」
「オマエらの仲の良さが気持ち悪ぃぜ」
「「よくない!」」
さっきの女子高生の犬は神隠しにあっていたわけでもなく、アークがすぐ近くに隠していた。今まで野良猫と入れ替えてきた犬達は皆、ヴェルカとストレルカのオーナーの庭で保護しているらしい。
「そんだけの数の犬を飼える庭ってのはすごいけど、急に犬が増えたら家の人が黙っとらんやろ」
「ご主人は犬が増えたって喜んで餌をあげてるよ。野良犬が転がり込んできたと思ってるっぽい」
「……ああ、そう」
飼い主の一瞬の隙をついてヴェルカが犬を連れ出し、ストレルカが猫を連れてくる。言うだけなら簡単だけど、犬と猫をいとも容易く手懐けてしまう腕はすごいという他に言い用がない。
とはいえ、よその犬を拉致してるわけだから、おもいっきり法に触れてしまっていることは言い逃れできない事実だ。二人の住所と連絡先を聞いて、あとの処理は責任をもってやらせると約束をしてから解放した。
食堂から出ていく二人を机の端から眺めながら、こひるが尋ねてきた。
「逃がしちゃっていいの? あの二人が約束を守るとは限らないじゃない」
「犬の居場所さえ分かればいいんよ。事件を解決するまでは私の仕事に入らんからね」
「もしかして探偵を職業にされてる方ですか? ええと……」
「言うの忘れとった、竹櫛鉄子っていうんよ。んでこっちが、ほれコタマ、挨拶せい」
「今テメェで言ったじゃねえか」
「改めまして、メリーと申します」
「雅よ。それで、あんたたちは何者?」
「物売屋って店でね、まあ、なんでも屋みたいなもんかね。そこでアルバイトしとるんよ。私はただの大学生。今日は失踪した犬を探しにここまで来たってわけ」
「テメェの仕事ならテメェ一人でやれってんだよな。んで、オマエ達はどうなんだ?」
「どう、とは何のことでしょう」
「いやホラ、いがみ合ってるわりに二人一緒にいるだろ。そういうヤツらのことを『百合』っていうんだろ?」
「なっ!? バッカじゃないの! これはただの――」
メリーと雅は顔を突き合わせ、心底嫌そうに言い放った。
「「腐れ縁だ!」」
食堂のテーブルの上で武装を解除して不貞腐れるアーク型、ヴェルカを囲んだ三人の神姫は呆れて同時にため息をついた。
彼女とストレルカのオーナーは犬が大好きで、彼女らの名前もどこかの犬からもらってきたものらしいけど、この二人はどちらかの選択の余地も無く、猫派らしい。
「だってのにさあ、どこ見回しても飼い主と仲よさそーにしてんのは犬犬犬、犬ばっかり!」
「犬を散歩させている方々に猫の魅力に触れて頂ければきっと、ワタクシたちの考えも広く伝わるのではと……」
「それで飼い犬と野良猫を入れ替えてたってわけ? もうどこにつっこめばいいのかも分からないわよ」
こひるはやれやれと首を振った。
「方向性はともかく、雅さんもこのお二方の熱意を見習ったらどうですか。少しはマシな性格になれるかもしれませんよ」
「そうね、その熱意を持ってバストアップ体操でもすればあんたのまな板も鍋の蓋くらいにはなるかもね」
「シスターもいることですし、天に召されてみますか、赤だるま」
「上等じゃない。地獄へ突き落としてやるわよ、貧乳」
「オマエらの仲の良さが気持ち悪ぃぜ」
「「よくない!」」
さっきの女子高生の犬は神隠しにあっていたわけでもなく、アークがすぐ近くに隠していた。今まで野良猫と入れ替えてきた犬達は皆、ヴェルカとストレルカのオーナーの庭で保護しているらしい。
「そんだけの数の犬を飼える庭ってのはすごいけど、急に犬が増えたら家の人が黙っとらんやろ」
「ご主人は犬が増えたって喜んで餌をあげてるよ。野良犬が転がり込んできたと思ってるっぽい」
「……ああ、そう」
飼い主の一瞬の隙をついてヴェルカが犬を連れ出し、ストレルカが猫を連れてくる。言うだけなら簡単だけど、犬と猫をいとも容易く手懐けてしまう腕はすごいという他に言い用がない。
とはいえ、よその犬を拉致してるわけだから、おもいっきり法に触れてしまっていることは言い逃れできない事実だ。二人の住所と連絡先を聞いて、あとの処理は責任をもってやらせると約束をしてから解放した。
食堂から出ていく二人を机の端から眺めながら、こひるが尋ねてきた。
「逃がしちゃっていいの? あの二人が約束を守るとは限らないじゃない」
「犬の居場所さえ分かればいいんよ。事件を解決するまでは私の仕事に入らんからね」
「もしかして探偵を職業にされてる方ですか? ええと……」
「言うの忘れとった、竹櫛鉄子っていうんよ。んでこっちが、ほれコタマ、挨拶せい」
「今テメェで言ったじゃねえか」
「改めまして、メリーと申します」
「雅よ。それで、あんたたちは何者?」
「物売屋って店でね、まあ、なんでも屋みたいなもんかね。そこでアルバイトしとるんよ。私はただの大学生。今日は失踪した犬を探しにここまで来たってわけ」
「テメェの仕事ならテメェ一人でやれってんだよな。んで、オマエ達はどうなんだ?」
「どう、とは何のことでしょう」
「いやホラ、いがみ合ってるわりに二人一緒にいるだろ。そういうヤツらのことを『百合』っていうんだろ?」
「なっ!? バッカじゃないの! これはただの――」
メリーと雅は顔を突き合わせ、心底嫌そうに言い放った。
「「腐れ縁だ!」」
▲―▽―▲―▽―▲―▽―▲―▽―▲―▽―▲―▽―▲―▽―▲―▽―▲―▽―▲―▽―▲
コラボ許可を下さったばるかんさんへ、厚く御礼申し上げます。
明石食堂の可愛らしい神姫達のところへお伺いするにあたり、出来る限り元の姿を再現して雰囲気を壊すまいと【武装食堂】を読みまくったのですが、至らぬ点が多いかと思います。
お呼ばれ頂いたのがコタマだったので鉄子と二人で食堂へ向かわせ、のんびりと漫画の愚痴をこぼさせようとも思ったのですが、ひとつの台詞毎に 「この二人が使う二人称は何だったかなあ」 といった問題が山積みされていき、気づけば漫画の話はほどんど割愛してしまっていました。同じような理由で登場人物も少なめです。輝さんとはまた別の機会にお会いできたらなと思います。さらに同じような理由でやたら時間がかかってしまいました。旬を外してしまうとは不覚! 【武装神姫2036】の3巻が発刊されたのが随分昔のように感じます……。
お呼ばれ頂いたのがコタマだったので鉄子と二人で食堂へ向かわせ、のんびりと漫画の愚痴をこぼさせようとも思ったのですが、ひとつの台詞毎に 「この二人が使う二人称は何だったかなあ」 といった問題が山積みされていき、気づけば漫画の話はほどんど割愛してしまっていました。同じような理由で登場人物も少なめです。輝さんとはまた別の機会にお会いできたらなと思います。さらに同じような理由でやたら時間がかかってしまいました。旬を外してしまうとは不覚! 【武装神姫2036】の3巻が発刊されたのが随分昔のように感じます……。
お話としては短めですが、前々から他の話に組み込んでいた内容なだけに、終えてホッとしています。大変勉強になりました。