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えむえむえす ~My marriage story~

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キズナのキセキ
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引きこもりと神姫
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戦うことを忘れた武装神姫
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The Armed Princess―武装神姫―
ウサギのナミダ
PRINCESS BRAVE
神姫☆こみゅにけ~しょん
アルトアイネス奮闘姫
ロンド・ロンド

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双子神姫
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犬子さんの土下座ライフ。
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武装神姫のリン
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戦う神姫は好きですか
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 バトルロンド、マップデータ「シティ」。
 廃墟の摩天楼が立ち並ぶゴーストタウンとはいえ、区画整理された道路は、ハイマニューバトライク型であるイーダ型には非常に走りやすいマップだ。
 しかし、区画整理されているということは、見通しがよいということ。
 そして、摩天楼があるということは高い位置に足場があるということであり――、

『きゃああああああああああ!?』

 ――結果、このようにどこかのビルから滑空砲で狙われ続けるなんて事態もわりとよく発生する。
 多分。

「落ち着け、ヒルダ。今回の相手は戦車型だ。お前ほど速くは動けない。着弾位置と角度から相手位置を逆算するんだ」
『む、無理ですっ! 集中していないと,被弾しちゃいますよ!』

 通信用インカムからヒルダの悲痛な声が聞こえてくる。
 ルナピエナガレットに、こちらから情報を送り続けてはいるのだが、どうやらそれを閲覧する余裕も本人にはなさそうだ。

――裏ヒルダの脱走事件から2ヵ月立った。
 あの後、愛に連れてこられたヒルダは、リーヴェとともにしぶしぶ(それとも恐る恐る?)頭を下げ、勝手に出て行ったことを謝罪した。
 その後、彼女をクレイドルに接続したあと、ルナピエナガレトを装着させると、表のヒルダはこちらにすがりついて泣き叫びながら謝罪してきた。
 もう一人の彼女を止めることができなかったことが、彼女にとってものすごい心労だったらしい。
 お前が謝る必要はない、と言ったのだが、彼女はしばらく謝り続けていた。
 後日裏ヒルダから聞くと、クレイドルに接続している間中、彼女は表のヒルダに号泣されながらひたすらと説教をされ続けていたらしい。
「もう金輪際、彼女の意見を無視することは致しませんわ」というげっそりとした裏ヒルダの声を俺はその時初めて聞いた。
 そこから先も大変だった。なにせ、リーヴェがすべての武装を破壊していたので、ヒルダはほぼ素体の状態で戦闘にでなくてはならなくなったからだ。
 なんとか手持ちの金で購入できた新品のエアロヴァジュラ一本を使い、ヒルダ捜索に協力してくれた神姫たちや、その他の神姫たちと戦うことになった(愛が珍しく「武装の代金の半分を出す」と言ってきたが、こうなる結果を作ったのはヒルダなので断った)。
 そしてバイトをしたり、節約(エアパスタ)したりと奔走し――今日ようやく、トライクパーツを始めとしたイーダ型の武装をすべてそろえることができたのである。――が。

『きゃあ――――――――っ!?』
「あ、被弾した」

 どうやら2ヵ月ぶりに触ったトライクは、彼女にとってかなり扱いにくかったらしい。
 武装の重みで転ぶことしばしば、なんとかトライクモードへと変形し相手に肉薄しようとしたのだが、今現在このざまである。
 着弾のショックで吹き飛ばされ、壁にめり込んだヒルダは頭を振って立ち上がる。
 ダメージはでかい。ただ今の被弾によって、ヒルダもようやく相手を見つけたようだ。
 再びトライクモードへと変形。最短距離で相手へと接近する。
 その間もひっきりなしに砲弾が降り注ぐが、ヒルダは先ほどの狼狽っぷりがうそのように砲弾の間をすり抜けていく。
 このまま隠れていると危険と判断したのか、ムルメルティア型は隠れ場所から飛び出し、移動を開始しようとした。そのときだ。

『――今ですわ!』

 ヒルダがトライクとの接続操作を急にカット、直後に遠隔操作モードであるダミートライクシステムを起動。
 そして、トライクパーツと自身を分離させと同時に、トライクパーツを派手にウィリーさせた。
 結果、一輪車のような状態になるトライクパーツ。ヒルダは勢いそのまま、フリー状態になった副腕に飛び乗り――

『はっ!』

 ――跳躍と同時にトライクパーツを回転。まるでトライクパーツに放り投げられるような形で、ヒルダは一直線に空を飛んだ。
 これには相手のムルメルティア型も予想をしていなかったのだろう。一瞬こちらを見て動きが硬直する。それが命取りだった。
 光とともにヒルダの手に転送されるエアロヴァジュラ。彼女はそれを全身のバネと飛翔した加速度を十分に載せてブン投げた。
 ヒルダ同様一直線に宙を飛んだ大剣はムルメルティア型のガードした副腕に突き刺さり、貫通。そのまま彼女の左胸を串刺しにした。

『な――』

 ムルメルティア型は驚愕した表情を浮かべ、ヒルダはにやりと笑みを浮かべる。
 モニターを見ていた観衆が沸き立つ中、ジャッジが盛大にサイレンを鳴らして勝ち名乗りを上げる。

――Losed B side. Winner Hildegard.

『――勝ちましたわよ、幸人。これでよいのでしょう?』
「……ああ、そうだよ『ヒルデ』。そうやって勝つほうがお前には合ってる」

 俺はふぅ、とため息をついて筐体の椅子にもたれる。
 メインモニターには半損したルナピエナガレットからこちらを見つめる、紫水晶の瞳があった。


◆◇◆

「ヒルダちゃん! セカンドへの昇格、おめでとうなのです!」

 バトル終了後にリーヴェがヒルダに飛びついてきた。
 ヒルダは恥ずかしそうにしながらも、うれしそうに彼女を受け入れる。

「一応祝ってあげるわ。おめでと」
「おう」

 愛もこちらに缶ジュースを放り投げながら労いの言葉をくれたので、素直に応じた。

「ヒルダちゃんならできると信じていたのです。ヒルダちゃん、『ヒルデちゃん』とお話してもいいですか?」
「あ、はい。えと、ちょっと待ってください」

 ヒルダはリーヴェから一歩離れ、ルナピエナガレットをはずした。蒼い瞳が一瞬だけあらわになり、瞬きした瞬間それは先ほど見た紫水晶へと変貌する。

「――あら、リーヴェ、ワタクシの勝利を祝ってくださるのかしら?」
「もちろんです! ヒルデちゃんもお疲れ様ですおめでとうなのです~!」

 そういうとリーヴェは再び抱きついた。「ヒルデ」は顔を真っ赤にし「何をしますの!? 離しなさいお馬鹿!」叫んでリーヴェを引き剥がそうとしていた。

「まるで対照実験を見てるようね」
「実際そんなもんだろうよ」

 「ヒルデ」とリーヴェのやりとりを見ながら、俺はジュースをあおった。

――2ヶ月前、すべてが解決した後、俺は裏ヒルダと再び対峙した。
 そして二つの提案をしたのだ。
 それが「一日置きでの身体主導権の交換」そして、「命名」。
 この二つの条件で、普通のバトルをしてくれと。
 その提案に裏ヒルダ――ヒルデは承諾してくれた。
 ちなみに名づけるにはかなりの時間を要した。個体名を「ヒルデガルド」と登録している以上、仮面をはずした彼女を「エリーザベト(仮)」と呼ぶわけにも行かず、ヒルダ、リーヴェ、果ては愛も巻き込んだ結果、ヒルダと一文字違いのこの名前に落ち着いたのだった。
 ちなみに「安直ですわね」とばっさり切られた。そう言っている割には、本人も気に入っているようだ。
 ヒルダも「これで本当に姉妹になった気がします」といって笑っていた。

 今もって、なんで俺の神姫が多重人格化したのか原因はつかめていない。
 調査をしてくれた日暮店長曰く。

「今のヒルデガルドのメモリー領域内には明確なパーテーションが存在する」

 とのことだった。
 つまり、本来は作られるはずの無いパーテーションが作られ、その両方でそれぞれの人格が生まれ、独立しているということ。
 それぞれの人格データは通常の神姫となんら変わりないため、スキャンしても異常が見られないのは当然といえた。
 ちなみにもともと一人分のメモリーを二人分の人格が共有しているため、データ、特に感情、思考データがフローしやすく、パーテーションを超えて相手の領域に流れ込むことがあるという。
 二人が「相手の考えていることがおぼろげにわかる」といっていたのはこのせいだろう。
 とはいえ、今はあまり悲観していない。
 ヒルダは脱走事件以降、明るくなったし、ヒルデもまだまだクソ生意気だがこちらの言葉にはきちんと耳を貸すようになった。
 そして今日、俺たちはセカンドランカー到達というひとつの目的を成し遂げたのだ。

「幸人」
「あん?」
「ヒルデがリーヴェと戦いたいって言ってるわよ」


 愛の不敵な笑みと言葉に、俺は思考から引き戻される。
 リーヴェとヒルデもこちらを見ていた。どうやら、ヒルデがリーヴェに挑戦状を叩きつけたらしい。
 2ヶ月前の雪辱戦ってことか。

「なるほど」

 おもしろい。
 俺は再びヒルデを肩に乗せ、再び筐体へと向かった。

「ヒルダ、ヒルデ。二人とも、準備はいいな!?」
『『もちろん!』ですわ!』

第一部 ヴァイザード・リリィ 了






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