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えむえむえす ~My marriage story~

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「……暑い」
 まだ梅雨前だというのに、初夏のように蒸し暑い日曜日。
 そんな中、ジリジリと刺す様な日差しを浴びながら、駅前のベンチで1人、ぽつんと立ち尽くす周防。
「……何で、こんな事に」
 恨み節とも、自重ともつかない呟きが漏れる。
 デートの待ち合わせだというのに、今の彼には高揚感や期待感といったものが一切なかった。
「2人とも……遅いな」
 手持ち無沙汰になり、上着のポケットから、くしゃくしゃの煙草を取り出して吹かす。彼女の前で吸うと色々と文句を言われる為に、最近ではめっきり吸う本数も減っていた。
 そう。仕事に出かける以外、彼の傍を離れようとしないスミレも、今はいない。
『だって、デートなんですよ。
 デートと言えば、待ち合わせが基本じゃないですかっ。
 そういう訳ですから、10時に駅前で待ち合わせですよ兄さま。遅刻したらダメですからねっ』
 などと言い出して、周防よりも先に家を出てしまっていた。
「……何で俺より先に家を出たのに、アイツの方が遅いんだよ」
 待ち合わせ時間は、既に5分過ぎている。理不尽な女の行動に、再び溜息が漏れる。

「――お待たせしました」


第6話 『ドキドキ☆だぶる?でーと』


「あぁ、遅……」
 ポロリと、煙草が落ちる。
「ごめんなさい兄さま、お化粧に少し時間がかかっちゃいまして」
 周防の前に現れたスミレは、何時もの際どいボンテージ姿ではなく、清楚な純白のサマードレスを身に纏っていた。それにごく薄い化粧が、整った顔立ちを更に引き立てている。
「どうですか、この服。今日の為にと思って、ネットで買っちゃったんですよ」
 騎乗していた円形ソーサーの上で、くるりと一回転するスミレ。名前と同じ淡く滑らかな菫色の髪と、柔らかなスカートがふわりと舞う。
「あ、あぁ。似合ってるよ……っと、あちっ」
 周防の声が、軽く上擦る。更に落ちた煙草を拾おうとして火の部分に指先を触れさせる等、その破壊力は絶大らしかった。
「あぁっ!? 大丈夫ですか兄さまっ」
「嗚呼、このくらい何でもない。唾でも付けとけば直るさ」
 周防の火傷に動揺してあたふたするスミレに、何でもないと手を振る周防。
「……そ、そうですね。で、では……」
 ゴクリと喉を鳴らして、何故か覚悟を決めたような表情になるスミレ。
「兄さま、失礼します」
「……ん? ちょ、ちょっとスミレっ!」
 次の瞬間、スミレは舌先でぴちゃぴちゃと音を立てて、周防の指先を舐め始める。
「んふ……しみますか兄さま? 唾液って、殺菌の効果があるって聞きましたし」
 スミレは妙に艶っぽい瞳で、周防を見上げる。
「いやまぁ、大丈夫……。うん、もう大丈夫だから。ありがとうな、スミレ」
「あんっ、セットが乱れちゃいますよぅ。兄さまぁ」
 そんな愛情ゆえの大胆で突飛な行動に多少戸惑いつつも、スミレの髪をくしゃっと撫でてやる周防。

「――お二人とも、往来の前で何をしてるんですかっ!?」

「……あ、いやその」
「あら、おはようございます。白瀬先生」
 その鋭い?突っ込みに振り向くと、唖然とした表情の白瀬先生が腰に手を当てて立っていた。
「全く、いくらスミレさんが小さくて目立たないからって、こんな所でそんな真似をしてたら変に思われてしまいますよ」
 こめかみに指先を当てて溜息混じりに呟く。
「いえ。兄さまが火傷してしまわれたので、この私が治してさしあげようと」
「……へぇ。そうなんですか」
 35℃を超えようかという真夏のような日差しの中、2人の間の空気だけは、極寒の様に冷えていく。
「って、周防先生大丈夫ですかっ!? 絆創膏を持ってますから、診せてください」
「あ、どうも……すみません」
 周防の指先に気づいた白瀬が、絆創膏をポーチから取り出す。周防も絆創膏を貼られるのを断る理由もなく、大人しく手当てを受ける。
「……っと、これで大丈夫。気をつけないとダメですよ先生」
「そうですね、ちょっとぼーっとしてしまって」
「今日も暑いですからね。そうだ、センターに行く前にカフェで冷たいものでも頂いていきませんか?」
 名案とばかりに、ポムと手を叩く。
「……そうですね、まだ時間もありますし。絆創膏のお礼に奢らせてください」
「え、宜しいんですか。ありがとうございます」
 その返事に、表では平静を保ちつつも、心の中では小さくガッツポーズをする白瀬であった。
「な、何してるんですか兄さま。早くセンターに行きましょうっ」
「しょうがないだろ。絆創膏貰ったし、社交辞令だよ」
 そんな白瀬を他所に、ヒソヒソ話をする周防とスミレ。
「うー、でもぉ……」
「我侭言うなよ。……後で好きな物買ってやるから」
「え、本当ですかっ! そ……それならまぁ……」
 その懐柔策に、スミレは渋々納得する。
「……先ほどから、どうされたんですか。周防先生?」
 背中を丸める周防を見て、白瀬先生が問いかける。
「いえ、何でもありません。ささ、行くとしましょうか」
 彼女はまだ腑に落ちない様子だったが、やがて表情をぱぁっと変えて周防に歩み寄る。
「じゃあ此方へ。お勧めのお店があるんですよ。席が埋まっちゃうかもしれませんから、早く行きましょう」
「あ、嗚呼……っ」
 そう言ってさりげなく周防の手を取り、少しだけ速足で歩き出す。
「ああ、手なんか握って……うぅー……兄さまとの、でぇとぉ……」
 そして今度は自分の指を咥えたスミレが、しょんぼりとその後をついていくのであった。



「えと、アイスカフェラテ2つと……それと、コレお願いします」
「はい、かしこまりました」
 ウェイトレスが注文を受け、下がっていく。
 周防達は待ち合わせの場所から数分ほど歩いた所にある、お洒落なカフェに入っていた。
「ふー……暑かったですね」
 出された蒸しタオルで顔を拭く周防。
 確かに気持ちのいい事ではあるが、その仕草は控えめに言ってもおっさん臭い。隣でスミレが怪訝な顔をしているのが、その証左であろう。
「ええ。これでまだ真夏前だというのだから、本当に困りますわ」
 一方、白瀬先生は気にしないのか、特に表情を崩す事無く周防との会話を楽しんでいる、ように見える。
「(ああ、周防先生とカフェデートだなんて……っ)」
「――白瀬先生」
「え、あ、はいっ!? な、なんでしょうっ」
 実は舞い上がっている中、周防に真正面から見つめられてしまい、挙動不審になってしまう。
「(も、もしかして……や、やだわまだ早いわ、でもでも……)」
「いえ、白瀬先生も神姫を持ってらっしゃるとの事でしたが、見当たらないのでどうされてるのかなと」
「え、あ……なるほど」
 何故かガックリと肩を落とす白瀬先生。
「ちゃんと今も一緒にいますよ。
 ただこの子ってば恥ずかしがり屋さんなので、外出する時はずっと私のバッグの中に居て……」
 彼女はそう言うと、膝に置いていた大きめのハンドバッグをテーブルの上に出す。
「ほら、出てきてご挨拶なさい。怖くないから、ね?」
 そして、そう優しくバッグの中に語り掛ける。するとバッグがもぞもぞと動き、中からクセのあるラベンダー色の髪が見え隠れする。
「(……なんかもぐら叩きみたいだな)」
 ぴょこぴょこ出入りする髪を見て、ついそう思う周防だったが、流石に口には出さない。
「…………っ」
 そして突然、中から小さな人影が躍り出したかと思うと、白瀬の手の影にぴゃーっと隠れてしまう。
「あらあら、しょうがない子ねぇ。周防先生は優しいから、大丈夫ですよ」
 まるで母親のような包容力豊かな声で、隠れた影に話しかける。やがて彼女の手から、ショートカットのクセ毛を2つ結びにして、瞳をうるうるさせた小柄な少女がちょこんと、真っ赤になった顔を出す。
「……のわーる、です。よろ、しく」
 オドオドとそれだけ言うと、もう限界なのか、またぴょこんと白瀬の影に隠れてしまう。
「よく出来ました。頑張ったわね、クロちゃん」
 白瀬は優しく微笑むと、指先でクロと呼んだ神姫のクセっ毛を撫で撫でしている。
「クロ……ああ、ノワールって黒って意味ですからね」
「はい。そっちの方が可愛いので、そう呼んでるんですよ。
 周防先生も、クロちゃんって呼んであげてくださいね」
「わかりました。宜しくな、クロちゃん?」
「……はい。よろしく、です。……あぅ」
 周防が挨拶すると、クロは白瀬の手をきゅっと掴みながら、ちまっと顔を覗かせて返事をする。
「ほらスミレ、お前も挨拶しろよ」
「あ、そうですね兄さま。スミレって言います、宜しくねクロちゃん」
「………むにぅ」
 周防の肩に座っていたスミレが挨拶すると、クロはジト目で彼女を睨むように見つめてくる。
「……ぷぃ」
「がーん! わ、私何かしましたかっ!?」
 あからさまに嫌われ、ショックを隠せないスミレ。
「この子人見知りだから……ごめんなさいね、スミレちゃん」
「い……いえ。気にしてませんからっ」
 そう笑顔で答えつつも、ピキピキと軽く頬が引きつるスミレ。

「――お待たせしました。アイスカフェラテ2つと、ハニートーストDXになります」

 そんなタイミングでウェイトレスが、注文したメニューを運んでくる。
「……こ、これは」
 にこにこと語る白瀬先生の前に置かれたのは、食パン一斤を丸々使った巨大なハニートーストだった。虹色に輝くほどに並々とメープルシロップがかけられ、パンの上には3色アイスが堂々と鎮座し、たっぷりの生クリームやらフルーツやらが色とりどりに盛られている。
「此処のハニートースト、とっても美味しいんですよ。私もクロちゃんも大好きなんです」
 甘いもの好きの女子にはご褒美だが、男にとっては見ただけで胃もたれしてきそうな代物だった。
「おぉ~……美味しそうですね兄さま。私にも注文して欲しいですっ」
 周防の肩で、スミレも瞳を輝かせている。彼女も多分に女の子だった。
「……やめとけ。アイスと生クリームの海で溺死する事になるぞ」
「えぇ~。それこそ女の子の夢じゃありません? 一回くらいはしてみたいものですよぅ」
「夢じゃないし、するな! 第一お前……いや」
 そこまで言って、はたと言葉を途切らせる周防。
「大丈夫ですよ、スミレちゃんにも周防先生にもあげますから。
 私とクロちゃんだけだと中々全部は食べきれないから、ちょっと勿体無くてあんまり来る機会がないんですよ」
 と、手馴れた手付きでハニートーストを取り分けながら白瀬先生は語る。
「そうなんですか、確かに女性にはちょっと多いですよね」
「えぇ。何時もはお友達とかと来るんですけど、中々都合も合わなくて……。
 そうです。またセンターにいらっしゃる時があったら、その時もご一緒して頂けませんか先生」
「そうですね、白瀬先生の奢りでしたら……あたたたたっ!」
「本当ですか!? ありがとうございますっ」
 その返答に舞い上がる白瀬先生だったが、その目の前では、スミレが周防の耳たぶを思いっきり捻り上げていた。
「(すみれぇ、お前なにをっ!?)」
「(だって、私と言う可愛い幼な妻がいながら、その目の前で他の女とデートの約束を取り付けるだなんてっ!)」
「(阿呆かッ、社交辞令だよ。同僚なんだし、今日は案内もして貰うんだし、無碍な事も出来ないだろ)」
「(ふ~ん……。兄さまはそう思ってても、お相手の方はどうなんでしょうねぇ)」
 今度はスミレがジト目になって、周防を不審そうに見つめる。
「(な、なんだよソレ……意味わからないぞ)」
「(別にぃ~。……女の感って、当たるんですよ。兄さま?)」
 意味深?な言葉と共に、にっこりと微笑むスミレ。愛らしい天使の微笑みなのだが、薄ら寒いものを感じる周防であった。









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