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零話 『背比弧域様』


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

拝啓 突然手紙を渡されて「なんのこっちゃ」と思われたかもしれませんが、こうして今、私の手紙を読んでくれていることを嬉しく思います。
私からこの手紙を受け取った時、あなたは私の表情や仕草、そしてメールというお手軽な手段がある今時になって手紙を渡すという状況から何かしらの思惑を読み取られたことでしょう。
何気ない風を装って渡すつもりなのですが、手紙をあなたへ渡した時の私はヘンテコリンな顔をしてはいなかったでしょうか? もしそうであっても、切羽詰まっていたから仕方なかったと言い訳をさせて下さい。ここまでの文章を書くだけでも手が震えて何度も修正したくらいです。手紙を手渡すその時を想像するだけでも卒倒してしまいそうになります。
でもあなたがこれを読んでいるならば、未来の私はそれだけの勇気を振り絞ったことになります。
だからどうか、最後まで目を通して下さい。竹櫛鉄子の今生のお願いです。

いつも私は方言でしゃべっているのでこんな堅苦しい文章だと竹さんらしくない、と思われたかもしれません(エセ北九州弁で書こうかねーって考えたこともあったんよ。でも方言って使い慣れとっても、いざ文字化すると変に見えん? なに言っとるんよこの田舎者は、みたいな)。
この日まで、私は手紙を書く練習を重ねてきました。文章を書くことが苦手で、制御実験レポートだってあなたに内容のみならずスジの通った文章の書き方を何度も教えてもらいましたね。おかげさまで、提出したレポートは数回の再提出はあっても最終的にはすべて先生に受け取ってもらっています。
手紙を書く練習に励むうちに、やっぱり私は小洒落た演出に向かないことが分かりました。頭語や結語が必要だとか、時候のあいさつだとか、手紙の構成は覚えたのですが(と言いつつ時候のあいさつを忘れていました。ご容赦下さい)どうしても魅力的な手紙を書くには至りませんでした。私なりにがんばったつもりでしたが、むつかしいものです。
心のこもった手紙を書く試みとして一度、手紙の中に詩を取り入れたこともありましたが、悩みに悩みぬいて書き上げたものをコタマに見つかり大爆笑されました。その時は大喧嘩になり、兄に止められなければコタマの首を捻り切っていたところです。
私がしばらくの間、左手の親指を突き指して弓道部を見学していたのを覚えていますか? コタマとの喧嘩はあの時の出来事でした。突き指はコタマにやられたものでした。自分の主に向かって、しかもファーストまで持ち出して私の親指を傷めつけるなんて、どう付き合ったせいであんな性格になってしまったのか、未だに謎のままです。
信じられないかもしれませんが、コタマにだって普通のハーモニーグレイスらしい可愛い時期があったんですよ。この手紙を書いている今、コタマはクレイドルから脚を投げ出してグースカ寝ています。こいつが昔は「ほら鉄子ちゃん、雪が降ってきたよ! この調子だと大っきな雪ダルマだって作れそうだね!」といった感じで笑っていたことが私ですら信じられないくらいですから、あなたは想像すらできないことでしょう。いつなにをどうやったらあんな性格になったのやら。
とまあ、話を脱線させながらも頭の隅で考えていたのですが、やっぱり、どうしても、美しい言葉は浮かんできませんでした。
どんなに手紙を書く練習をしたって、やっぱり付け焼刃じゃどうにもならないみたいですね。弓道だってそうですし、きっと手紙だって同じくらい、私にはもっともっと努力が必要みたいです。
だから、変に飾るよりも単刀直入でいこうと思います。勝手なことを言いますが、目を逸らさずに受け止めて下さい。



あなたのことが好きです。ずっとずっと好きでした。



あなたが傘姫のことをどれだけ大切にしているかを知っていても、自分の気持ちを抑えきれず、とうとう爆発してしまった後に残ったのがこの手紙です。
私から言わなければあなたは一生思い出すことはなかったかもしれませんが、私達は小学生だった時から知り合いだったんですよ。もちろん私のほうが一つお姉さんですから、あなたが卒業アルバムを引っ張り出したって私の名前は見つかりません。
私達は小さなバスケットボールクラブに所属していました。子供を全力で殴りつけたりバスケットボールを投げてくる非道いコーチがいたことは、さすがに覚えているでしょう。
あなたは5年生に上がると同時(当たり前ですがその時私は6年生になりました)に引っ越してしまったから知らないでしょうけど、あのコーチ、なんと下着ドロで捕まったんですよ! みんな次々とクラブを辞めていく中で、私を含む最後まで残ったメンバーは手に手を取り合って喜びました。新聞記事の切り抜きを片手に「悪は滅びた!」なんて叫んだりもしました。あの時の私達なりの正義を、あなたと一緒に噛み締めたかったです。
この時既に、私はあなたに惚れていたんですよ。この罪作りな男め!
私がコーチにボールを投げつけられそうになり、あなたがそのボールにボールをぶつけて逸らすなんて器用なことをして守ってくれたことがありました。結局私は恐怖から泣いてしまいましたけど、その日の夜から、あなたのことばかり考えてしまって何も手が付かなくなってしまいました。
これが私の初恋なんだと自覚してしまってからは、もっともっとあなたのことが気になって、寝ても覚めてもあなたは私の中に居座り続けました。
勇気を振り絞ってあなたに守ってくれたことのお礼を言おうとすると、あなたは「は?知らねーし」と言い捨てて逃げていくのでした。
もしかして黒歴史でしたか? いやいや、今思い出しても可愛いですよ♪
そして私の初恋の相手は、告白どころかお礼すら言わせてくれず、私の前から姿を消してしまいました。
どうして私の前から突然姿を消してしまったんですか。何も知らされず置いていかれた私はあなたに嫌われていたんだと勝手に想像して、泣いて、泣いて、泣き疲れて、また泣いていました。
それからしばらくの間、私は本当に悲惨なことになっていたんですからね。あほちん。まだ根に持っているんですから、早く謝ったほうがいいですよ。今なら許さないこともないでもないかもしれません。
それから私は中学生になって、いろいろなことがあって、高校生になって、やっぱりいろいろなことがあって、大学受験に失敗して、予備校に入りました。
あなたのことばかり考えているうちに勉強できなくて落ちました――なんて言うつもりはないので安心して下さい。ちゃんと私の実力で入試を受けて、実力通り落ちました(だめじゃん……)。
大人に近づくにつれてあなたのことを考える切なさは薄れていって、思い出はほろ苦くも甘いものへと変わっていきました。その苦さと甘さを私は手放せなくて、自分の片隅にその気持を大切に仕舞っておいて、時折手に取っては眺めていました。
一つ年下の、私の中ではまだ幼かった男の子。どんな人になっているのかな、いつかどこかでまた逢えたらいいな、なんて頭の片隅で様々な想像を何千何万と繰り返しました。
そして二度目の大学受験。
運命の女神様には感謝してもしきれないくらい優しくてもらって、でもちょっと迷惑気味にお茶目な神様でもありました。
大学入試の時、あなたの隣に座っていた奴のことを覚えていますよね? 最後の物理の試験終了の合図と同時にフラッと倒れて、あなたに受け止められた奴です。
その後保険センターまで付き添ってくれて、高校時代にお互い弓道をやっていたことで話に花が咲いて、二人とも合格したら今度は弓道部で会おう、と約束した奴です。
そして見事二人とも合格して、弓道場で再び顔を合わせて、今ではお互いに切磋琢磨して道場の茶室でスマブラの勝率を競っている奴です。そして今、あなたが読んでいるこの手紙を書いた奴です。
入試の日、あなたは私が隣に座ってもまったく気付く素振りを見せませんでしたね。私はすぐあなたのことに気付いて、再会の歓喜と入試の緊張がごちゃ混ぜになってパニックに陥っていたというのに、何食わぬ顔をしてペンを走らせていましたね。
前言撤回します。今更焼き土下座したとしても許しません。試験終了と同時に緊張の糸と意識が切れてしまうほどに混乱していた私が合格できたのだって、あなたと再会できたことと同じくらいの奇跡なんですから。
でも、あなたと同じ大学に同期として通えるならば頭の回路が焼き切れてもいいと、それくらいの気持ちで入試に臨めたから、今の私があります。
昔から、あなたには助けられっぱなしです。
ここまで私が書いたことを、どれだけ思い出してくれましたか? もしかするとあなたは、入試の時既に私を思い出してくれていたことを隠していましたか? そうであることを願いながら、私は過去を振り返っています。それともさっぱり思い出せず「人違いじゃないか」なんて失礼なことを考えていますか?
じっくり問い詰めたいところですが、昔話なんて年寄り臭いことはこの手紙の本題ではありませんから、またの機会に取って置きます。覚悟しておいて下さい。

唐突ですが、傘姫はあなたの目にどのように映っていますか? 可愛い女の子か。それとも優しい女の子か。
私には、良いところも悪いところもたくさん見えています。嫌なところを私が知る限り書き尽くしてあなたの気持ちを傘姫から引き剥がすことも考えましたが、あの子は私の一方的な恋敵であり、また友人でもあります。
だから、一ノ傘姫乃のことを大切にしてあげて下さい。
恋した人が別の女の子と付き合っている(どころか住んでいる部屋が隣同士ってすごいですよね)ところを見るのは言い表せないくらい苦しくて、何度諦めようとしてもその度に想いがよけいに大きくなっていって、どうしていいか分からなって真夜中にぼろぼろ涙を流しながら笑っていたことすらありました。
私はあなたに想いを伝えたいのか、それともいっそ楽になりたいだけなのか、それすら分からなくなっています。
お願いです。昔のよしみで私の我儘に付き合って下さい。



ひとつめ、
前にも書きましたが、傘姫のことを大事にしてあげて下さい。
私の友人を泣かしたらいくらあなたといえど承知しません。


ふたつめ、
はっきりとした返事を下さい。
介錯をするように、私を楽にして欲しいです。


みっつめ、
これだけは何があっても絶対に守って下さい。
これからもずっと、これまでどおり、私の良き友人でいて下さい。



ふたつめの返事には特に日時を指定しません。この手紙をここまで書き上げても、実はまだ渡すための心の準備ができていないため、いつあなたの手元に届くか分からないからです。
返事はできるだけ早いほうが助かります。恐らくこの手紙を渡してからあなたの返事を聞くまで、私は眠ることすら叶わないでしょうから。

短くまとめたかったのですが、長くなってしまいました。ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました。手紙という一方的に伝えるだけの媒体を私が敢えて選んだことをご容赦下さい。
それでは、また大学にてお会いしましょう。
                                         かしこ
                                        竹櫛鉄子
私の大切な友人へ




追伸
こないだ高速フーリエがどうとかって講義あったやん? あれのノートコピーさせてくれんかね。
ちゃんとノート取っとったんやけど図書館で誰かに私のノート持ち去られたっぽいんよ。
あの先生のテストって持ち込み有りやけど、ノートないと死ねる……


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――










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