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えむえむえす ~My marriage story~

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えむえむえす ~My marriage story~

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キズナのキセキ
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浸食機械
引きこもりと神姫
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戦うことを忘れた武装神姫
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The Armed Princess―武装神姫―
ウサギのナミダ
PRINCESS BRAVE
神姫☆こみゅにけ~しょん
アルトアイネス奮闘姫
ロンド・ロンド

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双子神姫
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犬子さんの土下座ライフ。
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武装神姫のリン
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戦う神姫は好きですか
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武装神姫~ストライカーズ・ソウル~
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 裏のヒルダはすさまじいまでのストレスを抱えていた。

「――っ!!」

 PCの中にあてがわれた仮想空間の中で手近にあったゴミデータを蹴飛ばす。それは他のデータやパーテーションにぶつかりながらもゴミ箱の領域へと飛び込んで行った。

「――ふーっ! ふーっ!」

 肩で息をして、己の中にたまる内圧を下げようとするが、到底下がる気配はない。
 その原因は当然、彼女のマスターにあった。

「あの男――ッ! ワタクシの戦いを邪魔するなんて、どういう了見ですのッ!?」

 この一週間、戦った回数は二〇を超えたが、そのうち勝ったのはわずか三度。あとは全て彼女のマスターである幸人によるサレンダーで黒星となっている。
 しかもそのうち二度は勝ったのは表のヒルダであるため、彼女はバトルに参加すらしていなかった。
 実質、自身の手で勝ったのはたったの一度である。

「こんなところで足踏みをするつもりはありませんのに――!!」

 歯噛みするヒルダ。
 神姫として産まれた以上、最強の存在へと昇華したいという欲求は少なからずどの神姫にもある。
 彼女は他の神姫よりも人一倍もそれが強かった。
 彼女はイーダ型よりもはるかにプライドが高かった。
 彼女は相手を完膚なきまでに屈服させ、跪かせるのが好きだった。
 より圧倒し、屈辱を与えて勝利する。そうすれば敗者はその屈辱をバネにより強くなって自分の前に現れるだろう。そのためには手段を選ばない。強くなった相手を倒し、さらに自分が高みへと昇るために。
 それが彼女の行動理念だった。
 それが何故あの男には理解できないのか。何故自分の邪魔をするのか。
 自分の神姫が勝つことが嫌なのだろうか。負けるために自分は存在するのか? ――――否!
 ヒルダは決心した。
 幸い、ボディはメンテナンスを終え、現在クレイドルで充電モードに入っている。
 そして自分にはこの「右手」がある。理論上、自分にはクレイドルすら不要なのだから。

◆◇◆

 日曜。
 あたしは幸人の下宿先の外付け階段を上っていた。
 大学近くにあるこの学生用寄宿舎は立地条件はそこそこよく、かつ家賃も安いことから競争率が高い。
 そこにあたしと幸人が入り込めた理由は、この寄宿舎の管理人兼オーナーが家の親だからだ。
 つまりあいつは、あたしに感謝する理由があるわけよ。

「さて、今日は何をしてやろうかな?」

 親からくすねてきたマスターキーを手で弄びながら笑う。
 オーソドックスに顔に落書きといきましょうか。額に中ってかいてやろうかしら? 肉はありきたりだもんね。
 にしし、と我ながらいやらしい笑みを浮かべながら幸人の部屋の扉を開けようとすると、あたしは強かに顔を扉にぶつけた。
 ――私が開ける直前に、ものすごい勢いで扉が開かれたからである。

「~~~~~~~~ッッ!?」
「――なんだよ!? このクソ急いでるときに――ん?」

 扉から姿を見せたのは、当然この部屋に住んでいる幸人だ。

「……何やってんだ? お前」
「お、おふぁよう、ふきと……」
「何言ってるか大体しかわかんねえよ。……っと、それどころじゃない。愛、暇なら手伝え。手伝ってくれ」
「な、ちょ、いきなり、どうしたってのよ!?」

 唐突にがっしと肩を掴まれ、真正面から顔を見据えられる。
 特に理由なんかないが、自然とあたしの顔が赤くなるのが自分でも判った――

◆◇◆

「「ヒルダ(ちゃん)がいなくなったぁ!?」」

 幸人から事情を聴いたあたしとリーヴェは叫んでいた。
 周囲のマスターや神姫たちも、何事か、とこちらを見ているのがわかる。

「どういうことなのよ幸人!?」
「知らねえよ! 朝起きたらヒルダのボディがなくなってたんだよ!」

 幸人はこちらに怒鳴り返しながら、バトルロンドの筐体を通じて、猛スピードでバトルの申し込みをキャンセルしていた。
 「もしよければ、神姫の捜索に協力してほしい」という文も忘れずに。どうやら、何人かのマスターはすでに捜索に参加してくれているようだ。

「……暇があるなら手伝えって、こういうことだったのね……」
「そーだよ。……まあ、家出の原因は理由が思い当たるがな」
「そーですねー……やっぱり、最近の負け越しが原因でしょうねー。幸人ちゃんがすぐにサレンダーするから、ヒルダちゃんがキレちゃったんだと思うんですよー」
「……だよなあ」

 はー、とため息をつく。ここまで沸点が低いとは幸人も思っていなかったのだろう。
 幸人によると、朝目が覚めたらクレイドルにヒルダの姿がなく、おかしいと思って家を調べたところ、トライクパーツが紛失しており、ソファの下のかなり奥の方にルナピエナガレットが投げ捨てられていたらしい。
 盗難であるなら、わざわざバイザーを棄てる理由がない、ということで幸人はヒルダが家出したと判断したようだ。
 ちなみに逃走経路だが、キッチンの窓を開け、すぐには脱走とわからないようにと御丁寧に閉めていったらしい。

「……よし、これで今日明日戦う予定だったマスター全員に断りを入れた。俺も探しに行くから、手伝ってくれ、愛」
「別にいいけど、バイト代取るわよ?」
「――愛ちゃん? あんまりふざけたこと言って幸人ちゃんを困らせるならいくらマスターでも私おこりますよー?」

 ニーベルング・フリューゲルモードであたしの眼前に飛びあがってきたリーヴェが、スカートモードのそれを副腕として展開。あたしの頬をつねりあげる。

「――!? ひたひひたひひたひ!?」
「くだくだ言ってないで私たちもヒルダちゃんを捜すんですよー。幸人ちゃんなんてもうとっくにいっちゃいましたよー。愛ちゃんなんて目の端にも入ってないんですよー」
「――っ痛ゥ!? あんたマスターのあたしにたいしてなにすんのよ!?」
「マスターが道を外すならそれを正すのもパートナーの役目なのですよー。……正直な話、ここで幸人ちゃんの好感度あげておかないと、私の計算だと愛ちゃんが幸人ちゃんから恋愛対象として見られることが未来永劫ありえなくなるんですよー」
「――――ッ!? ななななななんッ!? 何言ってんのあんた!?」
「ほらほら、とっとといくんですよー。私も愛ちゃんの事おいて行っちゃいますよー」

 フリューゲルモードでゲーセンを飛翔し、外へと飛び出していくリーヴェ。流石に一人では行かせられないのであたしも後を追う。

…………あたしが幸人を好きだなんて、それこそ未来永劫ありえないってーの!!

◇◆◇

「……ふう、とりあえず一休みですわね」

 右手を近くにあったコンセントから離し、ヒルデガルドは一息ついた。
 今ので素体はフル充電。トライクに装備されたサブバッテリーも満タンだ。
 どこまでいけるかは判らないが、これを繰り返せば街を出ることもできるだろう。

「さて――勢い出てきてしまったけれど、これからどうすればいいかしら」

 とりあえずの目標は決まっている。――最強を目指すことだ。
 そのためにはバトルで勝ち抜き、誰よりも強い存在だと示す必要がある。
 ……しかし、この近辺のゲームセンターや神姫センターにはすでにあの男が連絡を回しているに違いない。のこのこ行けばつかまってしまうのは明白だ。

「やっぱり、街を出るしかありませんわね」

 ヒルデガルドは再びトライクモードへと変形。走り出した。
 歩道では人間たちが邪魔なので(ワタクシの行く手を遮ること自体が不敬モノですわ!)、車道のすぐ脇を走る。
 ハイマニューバトライク型であるイーダ型は、最高速こそアーク型に及ばないものの、それなりの巡航速度は出すことができる。
 本気を出されたらどうしようもないが、車との並走だってできるのだ。――バッテリーがあっという間に底を突くので、やらないが。
 ――全く、こんなことをしなければならないのも全てあのマスターのせいだ。
 マスターは神姫であるワタクシを勝たせることが義務なのだ。それを放棄するような者に、ワタクシのマスターである資格はない。
 そんなマスター、こちらから願い下げだ。

「――『彼女』には、悪いとは思うけれど」

 彼女のもう一人の人格――当然、表のヒルダのことだ。
 現在、ヒルデガルドからルナピエナガレットは外されている。表のヒルダは幸人の下から去るなど当然反対するだろう。しかし自分が表に出ている以上、彼女は眠るほかない。
 ――こういうのも、拉致誘拐というのだろうか。

 そんなことを考えながら、ヒルデガルドは再び路地へと入った。
 路地から路地へ。時折大通りを疾走しながら、とりあえず隣市へと向かう。
 そして、別の路地へと入った時、それと出くわした。

「――見つけたのですよ、ヒルダちゃん」
「リーヴェ……」

 そこにはフリューゲルモードで空を飛び、こちらを見下ろすリーヴェの姿があった。





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