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10匹目 『ワタナベ3号 vs キャッツアイ』



ゲイルスケイグルの名を改めた(だけの)矛、アメノヌボコを下方に向けて構え、重力を付加してワタナベ3号の頭部めがけて急降下する。
武装が身体から剥がれそうになるほどの、際限のない加速。
「『サガタガヘヤサカ!』」
この技は気持ち悪くなるし少し怖いからあんまり好きじゃないけど、私が持つ技の中で一番威力が高くて速い。
あと50センチというところでワタナベ3号に気づかれたけど、もう遅い。
「次は絶対外さない!」
あと10センチ――そこで唐突に、貫くべき頭を見失った。
「うええっ!?」
ギインッ!
直前まで頭部があった場所、固くて平な板に矛が突き立った。
ちゃんと着地できたけど、今の私だと地力以上の速度が出るから着地の衝撃も過度なものになって、脚が痺れて立ち上がれない。
人間大のワタナベ3号の、無駄に広い肩の上に跪いて辺りを見回したけど、プチマスィーンの白い頭部は何処にも転がってない。
まさか私の剣圧から出たNYP(何だかよくわからないパワー)が頭部を消し飛ばしたとか?
知らず知らずのうちに私も、剣からまばゆい光を出す的なファンタジックスキルを身につけていた、とか?
……いやいやいや、私の能力にも武装にもライトセイバーのような光学要素は無い。
でも事実ワタナベ3号の頭部は無くなっているわけだし、さっきまで頭があった場所にはその痕跡も……………………あった。
「……なるほどね」
私が矛で突いた板は横引き窓のようにスライドできるようになっているらしく、ワタナベ3号は頭をその窓の内部に隠してしまったらしい。
そういえばさっきからワタナベ3号の巨体が動かないけれど、それは頭が無くなって周りの状況が分からないから動けないのかもしれない。
ギミックに惑わされておいて言うのもなんだけど、頭を守りたいのならもっとマシな機能を付けようとは思わなかったのかな、疫病猫は。
ロケットパンチとか無駄な機能は凝ってるくせに。
腹いせに奥に頭が収納されているであろう板をガスガスと叩いた。
「出てきなさい! 出てこないと接着剤で板を固定するわよ!」
「ネコミミギュ~ド~ン、なにやってるのにゃ~」
下の方から疫病猫の間の抜けた声が上がってきた。
「頭が引っ込んじゃったのよ! なんでこんな無駄な機能つけたのよ!」
「ああ、それ変形合体のためにゃよ」
「変形合体!? そんなことできるの!?」
「防御用の機能じゃにゃいんだけどにゃ、さすがワガハイのワタナベ3号、機転が利くにゃ。 変形合体は今は無理にゃ。 実は将来、ワタナベ3号の姉妹機生産計――」
「ああごめんどうでもいいや」
「オマエ、その豹変した性格のまま家に帰ったら、間違いにゃくオマエのマスターに嫌われるにゃよ……」
「え……そ、そそそそそそんなわけな、ないじゃない。 な、何を言って……」
マスターに嫌われるわけないじゃない、で、でもマスターって控え目な女の子が好きそうだし、ちょっと強気なタイプはマスターのストライクゾーンから外れてしまうかも、もしかしたら私が投げた愛情はマスターのバットに掠りもせず見送られていやああああああそんなわけないマスターは私がどんなアレになったって私のことをああでもマスターが見てたえっちぃ動画はブカブカのセーラー服を来るには少し苦しい成年女性が「お兄ちゃん」とかカメラ目線でくぁwせdrftgyふじこlp落ち着きなさいアマティあれはただの映像よマスターだって本心であんな年齢詐称クリーチャーにお兄ちゃんって呼ばれて喜んでるわけじゃないんだしもうあんな汚らわしいモノ二度と見ないって言ってくれたしじゃあ今度からマスターの生理的欲望は誰が鎮めるのよ私しかいないじゃないって私!?だから落ち着けアマティ男女2人がひとつ屋根の下に住んでるんだからそういうことだって当然あるって覚悟してたじゃないでも私神姫だし身長も桁が違うしでももしマスターが「身長の違いなんてウィキペディアの椎茸のページくらいどうでもいいよ」って手を伸ばしてきたらキャー!どうしようどうしよう私はどうすればいいの!?アンナコトやコンナコトでマスターを喜ばせるのが務めじゃないのかしらそんなふうにあたふたしてるうちに私のほうがソンナコトやドンナコトをされてああこんなことならメイド化パッチをインストールしておくんだったって後悔しても遅くて頭の中がぐっちゃぐちゃになっちゃったりして身体も今みたいにどこかに落ちてるような感覚になって――――望楼の硬い床はもうすぐそこまで迫っていた。
「んぎゃっ!?」
よからぬ妄想から覚めきれずに脚を滑らせて着地に失敗して、お尻をしたたかに打った。
同時に、妙に優しい目をしたマスターの幻影も消え去った。
「痛ったぁ~!」
衝撃で目が覚めた変わりに、腰から尾のように伸ばしてるスカートの一部分からベキッ! と音がした。
膝の突起に続いて二度目の破損。
今度壊したパーツはスカートの制御と電源供給のための部品だから、動かなくなるとアルトレーネとしての性能がガタ落ちしてしまう。
お尻の痛みを堪えて、スカートを変形させていた翼を軽く動かしてみた。
カッションカッションと少しぎこちないけど、十分許容範囲。
「よ、よかった、ちゃんと動く……」
「何をボサッとしていた。 貴様は振り落とされたんだぞ、分かっているのか」
上を見上げると、私を落としたことを謝罪するように、ワタナベ3号は両手を揃えて斜め45°でお辞儀をしていた。
頭がなくても、お辞儀をして肩の上にいる私を振り落とすくらいはできるんだ。
ワタナベ3号はのっそりと上体を起こし、私がいた場所からにょきっとプチマスィーンの頭が生えてきた。
小ぶりすぎる頭が生えてもシルエットに殆ど代わり映えがなくて、相変わらず首無しロボットにしか見えない。
『ね~~~~こぉ~~~~』
「さっすがワガハイが作っただけあって手強いにゃ。 味方だと心強いのに敵に回るとこんにゃ脅威ににゃろうとはにゃ」
「最初っから敵だった私の気持ちを考えなさいよ。 考え無しに限って無駄に大きい物を作りたがるのよね、大で小を兼ねさせようなんて安直すぎるのよ」
「ワタナベ3号はあくまでプチマスィーンにゃ。 ワガハイはただプチマスィーンの可能性を信じただけにゃ」
「その結果がコレってわけ? 美味しいスープを作ろうとしてドーピングコンソメスープを作っちゃうようなものじゃない」
「危機を察知すれば守りに入るということは、あの頭部を破壊すればワタナベ3号は停止するのか」
「ご明察にゃよほむほむ。 そこんとこも普通のプチマスィーンと基本は変わらにゃいのにゃ」
再び頭上から迫っていたワタナベ3号の足の裏を、私達3人はヒョイとかわした。
規格外の巨大さと 『遺憾の意』 の威力を除けば、のっそりと動くだけの木偶の坊と割り切ることもできる。
慣れって怖いなあ。
今度から野良猫に飛びかかられても対処できそうな気が……それはやっぱり無理か。
身体が小さい、ただそれだけで神姫は大きなハンデを背負っていることになる。
となると案外ワタナベ3号のコンセプトは間違っていないような気がしないでもないけれど、やっぱり迷惑極まりないから間違いなのよね。
大きいは強い。
小さいは弱い。
でも小が大に適わない道理はない。
「弱点さえ分かれば対処のしようもある」
ストラーフがよく使っている巨大なハンマーをズンと床に立てたほむほむがワタナベ3号を見据える。
その目は日本刀のように鋭く、海底を覗いているかのように暗い。
こんな無駄に格好良いマオチャオが他にいるだろうか。
「俺がワタナベ3号の高さを崩す。 ネコミミはそれに合わせて頭を狩れ」
「ネコミミじゃなくてアマティよ。 あの頭を下ろす作戦があるの、ほむほむ?」
「ホムラと呼べ。 せいぜい膝をつかせるくらいだが、飛行できる貴様ならそれで十分だろう」
「ワガハイはなにをすればいいにゃ」
「邪魔にならないよう離れていろ」
「公園のゴミでも拾ってなさいな」
「オマエタチ、いじめはかっこ悪いんにゃよ……?」
『ね~~~~こぉ~~~~』
ワタナベ3号はもう踏みつけるのは無理と判断したのか、再び開かれた胸部のハッチから、今度はさっきの倍の数のミサイルが私達めがけて飛んできた。
一発一発が高い追尾性を持っているから、放たれたミサイルはまとまってこっちに向かってくる。
その追尾性の良さがかえってありがたい。
八方に散らばられたら対処のしようがないけど、勝手にまとまってくれるならば群として対処すればいい。
「よし、行くぞ!」
「待つにゃ! まだワガハイの話は終わって――ミサイルが全部こっちに来るにゃ!? ワガハイが何をしたにゃああああああああああ!」
「一番の悪者じゃない」
大量のミサイルに追いかけ回されて、疫病猫は望楼の外へと飛び出していった。
床の下の方から聞こえてきた 「に゙ゃー!?」 疫病猫の悲鳴はハリウッド映画ばりの爆発音に掻き消された。
「よし、ナイスおとり!」
「油断するな、まだ来るぞ!」
いつの間にかワタナベ3号の背後に回っていたほむほむが叫ぶ。
ワタナベ3号のベルトのような飾りの中心部、丸い箇所がキラリと光った。
直感、というより悪寒だった。
咄嗟に右へ飛ぶと同時に、一本の細くて赤い線がベルトから伸びた。
直前まで私の胸があった場所、片手剣ブラオシュテルンを持っていた左副腕がレーザーに貫かれ、千切れて床にゴトリと転がる。
「きゃあっ!?」
左副腕が無くなったことでバランスを崩して身体が倒れたけれど、逆らわず残った右の副腕を床について前転。
もう一度レーザーが放たれ、ジュッと翼に掠った。
床に空いた黒い穴から煙が立ち上ってる。
掠った部分は綺麗に抉り取られていた。
防ぎようがない、という意味ではロケットパンチ 『遺憾の意』 とどっこいどっこいの脅威。
ああ、九死に一生を得るってこういうことだったんだなー。
私の第六感も案外捨てたものでも――じゃなくて!
「無事か!」
「無事なわけないでしょ、泣きそうよ!」
武装がやられても痛みはないけど、精神的に痛い。
副腕とはいえ自分の腕のようなもので、左の喪失感と自分の腕が転がっている嫌悪感はそう簡単に拭いきれるものじゃない。
腕を持って帰ったとしても、もう修理できないでしょうね……。
買いなおし、かな……。
マスター、買ってくれるかな……。
アルトレーネの武装って高いし……。
私って確か、マスターに迷惑かけないために黙って出てきたんじゃなかったっけ……。
『ね~~~~こぉ~~~~』
ワタナベ3号が次は背後のほむほむを狙おうとする。
腕一本で私を止めたつもり?
無視するなんてイイ度胸じゃない!
「どこ見てるのよ、あなたの相手はこっちよおおおおおっ!」
アメノヌボコを床に突き立て、千切れてなお左副腕が握っていたブラオシュテルンを拾って投擲した。
頭部を狙ったそれはあっさりと腕で防がれる。
「ほむほむ、殺るわよ!」
「ホムラと呼べ!」
私が呼びかけた時にはハンマーを構えたほむほむが既に助走をつけていて、トップスピードでワタナベ3号めがけて跳んだ。
飛行能力を持たないほむほむのジャンプは、巨人の膝までしか届かない。
それがほむほむの狙いだった。
ハンマーの頭部を鞘に納めるように引き絞られた力は、ほむほむの跳躍に合わせて解放された。
「『 グ レ ー ゾ ー ン メ ガ リ ス ! 』」
柄が弓のようにしなるほどの力でフルスイングされたハンマーが、ワタナベ3号の左膝裏を殴りつけた。
重量級の神姫が捨て身の突進でもしたかのような重い音が空気を震わせた。
『ね、ごぉおおぉおお』
豪快なひざカックンを放ったほむほむの思惑通り、ワタナベ3号は膝を折り傾いた。
カクンと頭が下がってくるその瞬間、そのワタナベ3号の頭と床の距離が最も短くなるタイミングを、私は逃さない。
ほむほむがハンマーを振った直後、私は床を蹴って飛んでいた。
頭を引っ込める隙なんて与えない!
「眠れえええええええええええええええ!!」
限界を超えてなお速度は火花を纏い、加速の上に加速を重ねる。
私の翼を、ただこの瞬間のためだけに駆る。
矛が貫くまでの時間がもどかしいのなら、その時間さえ振り払ってしまえ。
時も世界も私自身すらも、私を地に縛る凡てを置き去りにした速度の中――でも、私に迫り、視界の端に飛び込んでくるものがあった。
「――え?」
火を噴いて飛来する、灰色の塊。
一発のミサイル。
有り得ない。
ワタナベ3号にそれを発射するタイミングなんて無かった。
さっき一斉に放たれたミサイルはすべて疫病猫を狙って――
「にゃ、にゃはは……ど、どうにゃ、一発弾き返してやったにゃ……ワガハイだってやればできるのにゃ……」
……あの、ばかちん。
頭をアフロにイメチェンして望楼二階によじ登ってきた疫病猫に 「馬鹿が……!」 とほむほむが私の代わりに悪態をついてくれた。
構えに入った私にはもう、悪態をつく余裕もないければ、攻撃をキャンセルして迎撃することもできない。
ワタナベ3号が私に気づいた。
頭を仕留めるチャンスはもう、これで最後。
この瞬間を逃せば、ワタナベ3号は止められない。
頭を格納するより先に、私の矛を届かせる。
でも、同時に、ミサイルも私に着弾してしまう。
「まぁ――いいや」
不思議と、そんな気持ちになった。
死ぬ直前なのに、いろんなことを走馬灯のように思い出すことすらなく、その瞬間は気持ちがいいくらいシンプルだった。
こんなもの、なのかな。
こんなもの、なんでしょうね。
諦観も絶望もない。
矛先だけが私の感覚になる。
光も音も意味がなくなった。
だから、
「死神のケツくらい蹴り飛ばせよ、だからオマエらは弱いんだ」
そんな声が聞こえたのは、錯覚なのかもしれない。
ダーン! と力強い音が響き、ミサイルがあらぬ方向へ飛んでいった。
矛先がワタナベ3号の小さな頭部、文字通り猫の額に深々と突き刺さるゾクッとした感触で、私は元のゴチャゴチャした意識を取り戻した。















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