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中編:決断姫

 即席のチームで力を発揮できた私はその力が何たるかを知るために響の家へと住むことになった。本格的な神姫としての登録はまだ住んでいないが、その辺りは……

「やばっ!? 遅刻だぁ!!?」

 学校が終わってからになりそうだ。
 彼は寝坊をしてしまっていた。昨日は勉強はしていたものの、私との会話に夢中で夜遅くまで起きていた。
 私は話を止めて寝るように言って、響の兄が使っていたらしいお下がりのクレイドルで寝る事で何とか彼が寝たから、何とか終わると思っていたのだが、ダメでこの有様だった。

「百日! 行くぞ!!」

 響は素早く制服に着替えて私を鞄の中に入れると、嵐の様に家を出て走っていた。
 私はその間の事は鞄の中にいてわからないが、鞄の中で揺さぶられ過ぎて酔いそうになり、電源を自分でオフにして耐えた。
 しばらくして鞄の揺れが収まる。しばらくして私はこっそり中から見ると響はテストを受けていた。
 その表情は……勉強したとこは余裕そうで、そうし損ねたものはわけがわからなさそうな顔をしている。顔に考えていることが無意識に出てきてしまうようだ。



 テストが終わり、学校の授業が終わった放課後、私は鞄からやっと出された。
 辺りを見回すと既に学校の外で響が彼と同じぐらいの中学生と一緒に歩いて
 そうされて最初に見たのは響と同じぐらいの中学生とその人の神姫らしき天使型アーンヴァルだった。
 それを出された瞬間、彼らは一瞬だけ恐怖の表情を出していたのを私は見た。いったいどうしたのだろうか。

「こいつが百日! 昨日、仲良くなって俺の神姫になってくれたんだ!」
「……百日だ。よろしく」
「う、うん。その子なんだけどさ……。もしかしてイリーガル?」
「そうそう。それをお前に聞きたかったんだ。何だか百日がそう言われてたからそれを知らないとまずい気がしてさ」
「え……」

 その言葉を聞いた瞬間、その子とアーンヴァルは恐怖一色の顔になった。……イリーガルに悪い思い出があるのかもしれない。

「悠、どうしたんだよ? ビビっちまって。百日は悪者じゃないぞ?」
「……イリーガルは違法パーツを装備した神姫なんだ」

 悠と呼ばれた中学生は怖がるアーンヴァルを落ち着かせるように頭をなでながら、イリーガルについて語り始めた。
 私の知識も後の方で教えたからそれと一緒にまとめるとイリーガルは神姫の素体そのものを違法パーツを換装し、基本性能そのものを強化した代物だ。
 最近はそれが無いイリーガルもいるが、基本装備としてユニホーンという再生装備を付ける事となっている。
 また、これは初めて聞いたが、悠のアーンヴァルはイリーガルマインドという装備を誤って装備してしまったために一時的とはいえ、イリーガルとなってしまい、副作用に苦しめられたことがあるのだという。
 それが悠とアーンヴァルのイリーガルの恐怖の根幹となっているようだ。
 話を戻すが、そうした方法により、イリーガルはノーマルの神姫よりも驚異的なスペックを持っている。また、AIも何らかの方法で変わってしまっており、基本的に好戦的な性格になるらしい。
 アークの試作品である私は試験的なAIを積んだため、普通のアークとは違った性格になっている。
 それでイリーガルの昨今のイメージとしては違法パーツを付けている事もあって悪い神姫が主なものだ。
 イリーガルに関する事件は武装神姫が始まって以来、今も起こっており、ノーマルの神姫達を苦しめ、CSCを破壊し、殺す事さえある。
 無論、私は試作品としてテストを繰り返していたに過ぎないため、テスト相手の今は紫貴と呼ばれるプロトイーダを一方的に倒していた時期はあったものの、そんな事は全くしていない。
 こういった事もあって、イリーガルは悪の神姫として世の中に広く認知されることとなったのである。

「イリーガルってのは良くないものなのか……。悪かったなぁ……」
「悠にそこのアーンヴァル……」
「……エルザ」
「エルザか。二人とも悪い事を思い出させてしまったな。すまない」
「……こっちの方こそごめん。響が仲良くなった神姫ならイリーガルだったとしても悪いとは限らないよね」

 私と響は悠とエルザに謝る。そうすると意外なことに逆にこちらの事も謝ってくれた。
 響への信頼が多いのだろうが、イリーガルである私が素直に謝ったことが彼らにとっては意外だったのだろうか。

「なぁ。それで教えてもらいたいことがもう一つあるんだけど良いか? 百日を俺の神姫として正式に登録したいんだけど、方法がわかんないんだよ。知らないか?」
「僕は親に登録してもらったからよくわからないなぁ。……そうだ。神姫喫茶の『リップル』に行ってみようよ。ここからセンターよりも近いし、色々と聞かせてもらえるから」
「わかった! 行こうぜ!」
「うん」

 話が決まり、響と悠は神姫喫茶の『リップル』に行くことにした。そこへ歩く間にそこはどう言う所なのかを悠が話してくれた。どうやらそこはどこかの研究所から引退した神姫技師がコーヒー片手に神姫の事を伝えられるように作った場所であるらしい。
 そういう場所であれば神姫の登録の事だけではなく、色々なバトルロンドとしての神姫も知ることができるかもしれない。
 その話は私にとっては非常に興味が持てるものだった。


 話が終わる頃、丁度その『リップル』が見えてきた。そこは大きな建物の三階の一角にあり、中に入るとそこには喫茶スペースで神姫とそのマスターやら人同士やらで語り合ったり、新しく新設されたのか、バーチャルスペースにて試合に興じていたりしている光景が目に入った。

「喫茶店って割にここ、スゴいなぁ」
「とりあえず、登録について店員さんに聞こうよ。まずそれをしないと大変だし」
「ああ。誰に聞こうかな?」

 入ってすぐ、情報の聞けそうな店員を二人が辺りを見回して探し始めた。
 そうして少しすると響が誰かに目を留めた。その視線を追うと、そこには従業員ではなく、化粧をほとんどしていない無愛想な感じの女性だった。

「結姉! 結姉ちゃん!」
「響じゃないか。どうしたんだい? こんな所で。またあちらこちらで観戦でもしているのか?」

 どうにも響の知り合いであるらしい、その女性 結は響に気づくと無愛想な顔を緩めて彼に返事をする。

「オレ、神姫のマスターになったんだ! こいつがオレの神姫の百日だ!」
「リペイント版のアーク……か? ……でもイリーガルだね、こりゃ。わかっていて自分の神姫にしたのかい?」
「当たり前だ! 悠から悪い神姫とか聞いたけど、百日はそんなんじゃないよ!」
「なるほどね……。気持ちは本物か。ならちょっと手伝ってあげようか」
「え?」
「いいかい? そのアークはイリーガルの体である限り、正式な神姫登録はできない事になってる。パーツだけじゃなく、プログラムとかでもひっかかるんだ。そこでだ。あたしがそのアークをイリーガルからノーマルに戻してやろう」
「パーツとかの代金はいらんよ。あんたのデビュー祝いにしてやる。でも慎重に決めな。イリーガルをやめるって事は性能が落ちるし、体の勝手だって違ってくると思う。そのアークのことも考えてやれ」

 それを聞いた私は迷った。詰まる所、響の神姫に正式になるためにはイリーガルという力を捨てる必要があるという事だ。
 この力で外を飛び出した後の敵を倒してきた。昨日も蓮華を倒した。
 この力を手放すということはそういった神姫達を倒せなくなるということと同義ではないだろうか。
 ただ、それは響の機転に拠る所が大きい。ランチャーが当たったのもそのおかげだ。
 とすれば私は自らの力と響の機転のどちらかを選ばなくてはならない。悠やエルザの反応からしてそもそもこのまま響と一緒にいていいのかもわからない。私がいる事で響が迷惑するのではないかと思えた。

「わかった。百日と話をして決めるよ。すぐに決められる事じゃないしね」

 私の不安に気づかない響はそれを了承した。果たして彼は何を考えているんだろうか。気になって仕方がなかった。そんな中で生まれて初めて私は思った。……怖いと。



 その後、私と響は悠達と喫茶店内のシミュレータを観戦し、夕方頃に家に帰った。
 響は母親の家事の手伝いをしていて今、この場にはおらず、彼の部屋に私は一人でいる。
 その中で観戦の事を思い出すと色々なオーナーがそこで自らの神姫と共に対戦をしている彼らが羨ましかった。
 そこで対戦しているのは登録している神姫達だ。その中にいる強い神姫であってもノーマルなのだ。
 はたして自分はあの場に立てるのか、響と一緒にいられるのか、わからなかった。
 見ているときは、やはりイリーガルを嫌う視線が痛いほど突き刺さってくる。それは戦いで傷つくよりも痛く感じられた。
 響はそれに動じることもなく、無視して観戦する様に私に言うが、私は響ほど気を強くは持てなかった。
 彼には迷惑をかけている事をわかっているから尚更だ。

(……私がいなくなれば彼がイリーガルで迷惑する事もない、か)

 そう思えた。響のオーナーとしての才能は計り知れないものがある。自分がその神姫であれるのならどんなにいいかと思う。
 しかし、ノーマルになっても私のイリーガルである事の過去は消えない。それが響の足枷になってはその可能性を潰してしまうかもしれない。

「それなら、私は消えるか……」

 私はそう考え、外へ出るために辺りを見回した。幸い扉が開きかけていて、そこから抜け出せそうだった。それを見た私は外へ出るためにその扉を目指した。
パーツは置いていく。売れば新しい神姫を買う足しにはなるだろう。その神姫ならば響をもっと高くまで導いてくれるはずだ。
 しかし……

「私はそれを共に感じることができないのか……」

 一歩一歩足を踏み出す度に胸が締め付けられるような気持ちになっていく。響と一緒に戦いたい、響と一緒に色々なものを見たい、響と一緒に……いたい。
 そんな気持ちばかりが積もってしまう。足取りが段々重くなっていくのを感じた。でも、出て行かないと……。

「ふぅっ。いやぁ、食器洗いは強敵だったぜ~……」

 モタモタしている間に響が帰ってきてしまった。なんとかこっそり家を出ようとしたのにこれではダメだった。なんとか明日までにチャンスをうかがわないと……

「あれ? 百日、どうしたんだ? なんかあったのか?」

 扉の近くにいた私を見つけて不思議そうに見て、私に視線を合わせるために座り込んで私を見つめた。

「な、なんでもない」
「だったらなんでそんなつらそうな顔をしてるんだ?」
「なっ!? わ、私はそんな顔なんて……」
「してる。さてはイリーガルだから一緒にいられないとか言うんだろ?」

 何とか不安を響に感づかれないように何とか誤魔化そうとするが、彼はすぐに見抜いてズカズカと私の心の中に上がりこんでくる。
 君のために何とか出て行こうとしているのにどうしてそこまで気にしてくれるのか、わからなかった。

「……そうだ。私はイリーガルなんだ。だから君と一緒にいられない」
「今からノーマルに戻せばいいんじゃないの? ……ああ。百日が嫌なら戻さなくてもいいよ。俺は百日と一緒にいたいんだ」
「何でそう思うんだ!? ノーマルに戻したってイリーガルだった事は戻せないんだ!! それで響に迷惑がかかるんだ……!! そんな事になるぐらいなら私は……!!」
「どう迷惑がかかるんだ? 別に登録できればそうした時点で昔そうだったってだけじゃん。確かにそういうことを言ってくるヤツがいるかもしれないけど、もし、そんな事を言うヤツがいたらオレが胸を張って言ってやるさ! 百日はオレの神姫なんだって!!」

 響はニカッと太陽みたいにまぶしい笑顔で私の迷惑をかけてしまうかもしれないという不安を払いのけて堂々として見せる。
 何でそこまで曇りのないまっすぐな気持ちを持っているんだろうか。私にはわからなかった。

「本当に私が君の神姫でいいのか……?」

 今にも泣きそうな気持ちで改めて聞く。眩し過ぎる気持ちに感情が溢れてきそうだった。

「当たり前じゃん! 百日、オレの事を信じてくれたからオレの神姫になってくれたんだろ? なら、オレはその期待に応えられるぐらい頑張るさ!」

 迷うことなく答え、響はサムズアップしてみせる。

「バカだ……。こんな私のために……」
「少なくとも頭はよくないさ。でも、これは大事だってわかる。だから、オレの神姫になってくれ! 百日!!」
「……ああ!」

 もう一度言われ、私は改めて決意する。この、本当の意味で強いマスターについていく事を、自らがイリーガルを捨て、イーダが得た真の力を掴み取って見せる事を心に刻んだ。
 その時には私の中の曇り空は切り裂かれて、曇りなき青空のような気持ちに包まれていた。これがイーダの言っていた力なのかわからないが、それが一歩だと確かに感じ取れた。



 そして私は結に預けられて、ボディの全面的な改造を施され、イリーガルからノーマルへと仕様変更された。
 最初は私の身体を解析できるのかと心配したが、響によるとその人は世界チャンピオンだった兄を支えた天才技師であるらしい。
 彼女の改造は無愛想な性格とは裏腹に完璧でイリーガルでない分、性能はいくらか落ちたが、非常に動かしやすい身体に仕上げてくれた。

「……さて、登録も完了だ」

 改造が終わって響と再会した『リップル』で結とそこの店員達の指導の下、神姫の登録が行われた。
といっても大仰なものではなく、響が書類を書き、私がイリーガルでないかを確かめるスキャニングをかけるだけというシンプルなものだった。

「結姉! ありがとう!!」
「……ありがとう」
「気にしなさんな。あたしはお前の兄貴には世話になっているからね」

 全ての登録が終わり、はれて正規の神姫登録をパスした私たちは結に礼を言った。
彼女は単なるおせっかいしただけだと思っているのか、くすぐったそうな顔で微笑を浮かべた。

「よっし! 百日!! バトルロンドに行こうぜ!!」
「ああ。その前にちょっといいか?」
「何だ?」

 いざバトルロンドへ行こうとする前に私はある物を響に見せた。それはイリーガルの象徴であるユニホーンだ。改造の後でそのまま結からもらっておいたのだ。
 そしてそれを私は……ノーマルの力でへし折り、パーツとして意味を成さなくなった折れた角を頭に付けた。

「私は元イリーガルだという事から逃げない。その証にこれを付けていていいか?」
「ああ! 隠す必要、ないもんな!」
「ありがとう。行こう! 響!!」
「おう!!」

 決意を新たに私は響と共に走り出す。彼と一緒なら私に怖いものなどない。彼の前に立ちはだかる敵を打ち倒して見せよう。

 私の……いや、私たちの力で。







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