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前編:彷徨姫



 それは今から二週間ぐらい前だった。オレはいつもの様に『ポーラスター』で子供から大人までいろいろな人が神姫バトルをしている所をぼうっと眺めていたんだ。
 『ポーラスター』は秋葉原を中心とする激戦区の中でも大きいゲームセンターの一つで神姫オーナーも多い大人気のバトルロンドの場だった。そのオーナー達の性格や印象も良く、神姫を持たない私でもあまり気にされることもなく、観戦する事ができる。たまに神姫を持っていない事で声もかけられるが、その事を言うと見やすい場所を案内してくれることもある。 優しい人達で周りのゲームセンターよりも居心地がよかった。

「ビィィィ!キュウゥブッ!! フルヴァーストォ!!」
「サー、コマンダー」

 やたら暑苦しい人が叫ぶとB3(ビー・キューブ)と呼ばれた重装備のヴァッフェバニーがバズーカ砲、ロケットポッド、さらに二基のガトリングガンを構え、それを上空にいるアーンヴァルMk.2装備にFATEシールドとコールブランダーを付け加えた武装のアーンヴァルに向かって一斉掃射する

「アンジェラス! ステディプロティション!!」
「はい! ご主人様!!」

 アンジェラスと呼ばれたアーンヴァルはB3の放つ大量の弾幕をFATEシールドのスキル ステディプロテクションで防御をし、B3のフルバーストを防ぐとリアユニットにマウントしてあるコールブランダーを抜きはなって、二つのビット リリアーヌを伴って、前進を始めた。

「牽制からライトニングソードだ!!」
「ええ!」

 マスターの指示でアンジェラスはあらかじめ、時間を稼ぐためにリリアーヌをB3に飛ばし、コールブランダーを掲げてチャージを始めた。
 飛んでいく二つのビットはB3めがけて左右から突撃を仕掛ける。狙われたB3はその攻撃をガトリングガンの段幕で迎撃するが、一つは破壊したものの、もう一つは片方のガトリングガンにつっこみ、自らもろとも爆発した。
 さらに巨大なエネルギーブレードを形成し、チャージが完了したライトニングソードをアンジェラスが勢いよく振り下ろしてくる。

「ンンンンGoGoGoGoオォゥ!!! ビィィキュゥゥウブ!! カウンタァー! ショットォ!」
「サー、コマンダー」

 振り下ろす直前、B3は残ったガトリングガンを両手で持った上で回避体勢に入り、ライトニングソードが目の前の地面に突き刺さって安全になった瞬間、反撃のガトリングガンを放つ。
 が、かろうじて反応したアンジェラスはそれを避けて、反撃の被害を最小限にしようと動いた。
 その瞬間、あらかじめルートを予測したかのようにバズーカがアンジェラスに着弾し、墜落した。

「きゃぁ!?」
「アンジェラス!?」
「ンフフハハアアアァッ! これが俺たちのトゥオルィック!! ビイィキュウゥブ! 追撃ぃ!!」
「サー、コマンダー」

 それは確かにトリックだった。ガトリングガンで弾幕を張って、相手の避けるルートを限定し、威力の高い本命のバズーカを確実に当てる。すごく合理的な戦術だ。
 このまま、アンジェラスを仕留めきれるのだろうか。
 B3はガトリングガンの弾が切れたのか、二丁両方を捨てた。代わりに大型のナイフを二本取り出してそれぞれの手で持ち、ロケットポッドの連射で牽制しつつ、接近を始めた。
 墜落したアンジェラスはディコ・シールドで素体に当たる弾を防ぎつつ、立ち上がってB3を迎え撃つ。

「勝利は勝ぁぁぁぁぁっつッ!』
「アンジェラス!MOA!」

 そして近距離、B3がマスターの叫びとともにナイフで攻撃を仕掛けたその刹那、アンジェラスは鋭い指示に反応して彼女の攻撃を回り込むようにかわした。次にすれ違い様にコールブランダー銃形態でB3を撃ち、リアユニットとマシンガンを分離変形させる。
 BM『モードオブエンゼル』だ。
 変形した白い戦闘機は背面を無防備にさらしているB3に大量の弾丸を殺到させた。

「Noオオオオォォッ!!?」

 背面からの集中砲火にたまらずB3が倒れ、勝敗が決するとマスターの方がとてつもない悲鳴を上げた。

『衛生兵! えーせーへーえぇぇぇぇぇ!!!!』
 センター中に響きそうな叫び声が聞こえる中、オレは腕時計を見る。そろそろ夕方にさしかかるいい時間になっていた。戦いの後が気になる所だが、面倒くさいテストが明日あるため、それの勉強のために帰ることにし、『ポーラスター』を抜け出した。

「アンジェラスはかっこいいなぁ。B3もあんな攻撃をするなんて武装神姫ってすげぇ……」

 外に出た時、オレは憧れを口にする。オレは武装神姫を持っていなかった。兄貴は初代チャンピオンでバリバリの神姫マスターをやっているが、交通事故に遭って目が見えなくなって以来、オレに武装神姫を話さなくなった。
 だからこうしてポーラスターで武装神姫を見ているんだけど、やはりダメだった。
 その場にいるのに自分はその場とは違う。そんな気分だ。そんなモヤモヤした気持ちを抱えこみながら歩いているその時だった。トライクで走る小さな赤い影を見つけた。すごく速いそれはすぐに追わないと見失いそうだ。

(何なんだ?)

 気になり、それを追い始める。走り出すとさすがに人と神姫の体の大きさの差は大きく、だんだんと追いついていく。
 少し走って裏通りに行くと赤い神姫がトライクを止めた。オレがそれに合わせて足を止めると、彼女はそこから降りてオレを見ていた。

「さっきから追いかけてくるのが、君? 何か用?」

 鋭い目でオレに質問をしてくる。見た所、アークのりペイント版か何かのような神姫だった。装備で違うのは額から角が生えているぐらいだ。

「何でマスターがいないのか気になったからさ」
「私にマスターはいないよ。ただの野良神姫だ。真の力とは何かを探してる。君は知ってるの?」
「オレに難しいことはわかんないけど、そもそも真の力って何だよ?」
「私は単純な力だけでは勝てないマスターをもったライバルがいる。彼女はその力は自分一人だけのものじゃないと言っていた。奴に勝つためにはそれが必要なんだ」

 詰まる所、マスターのいるライバルに負けて、その力が何であるのかを探しているらしい。
 事情はよくわからないが、オレにとっては笑ってしまえるほど単純なことだった。

「簡単じゃん! その神姫ってマスターと仲良しなんだなっ!」
「え?」
「マスターの期待に応えたいから頑張ったんじゃないかな。当たり前のような神姫とオーナーの関係さ」

 アークに対して自信を持って答える。マスターと神姫の関係は当たり前の事過ぎて普段は考えもしないけど、その当たり前がないとすればどれだけの差があるか。それは多くのオーナーが知っていた。野良神姫やイリーガルが出てきても、絆を持ったマスターと神姫がそれを打ち負かしているのは兄貴がよく言っていた。

「当たり前の……か」

 その言葉に何かを感じたのか、アークはフッと笑った。鋭い目も緩んで、何かをつかんだ様な柔らかい表情を見せる。自分にもこんな神姫がいればなんて思ってしまうほどその顔はとてもきれいに見えた。

「なぁ……君……!」

 アークがオレに何か聞こうとしたその時、裏通りの奥から、エネルギー弾が彼女めがけて飛来してきた。
 アークはそれに反応して避けて、臨戦態勢に入って、アサルトライフルを弾が飛んできた方向に構える。

「この不意打ちを避けるとは大したもんだ」

 奥から上から目線の態度をした痩せ型の男がエネルギー弾を飛ばしてきたと思われる、最新型の神姫 蓮華と一緒に出てきた。

「ここはガキが来るような場所じゃぬわぃ。とっとと有り金と神姫をおいて消えぬぅわ」

 妙な口癖の蓮華がオレにアークと金を渡せと要求する。どうやら、アークはオレの神姫だと思っているらしい。

「ん? どうしたんだ? その神姫はお前のじゃないのか?」

 痩せ型の男が現れて、オレに問う。オレは彼女のマスターじゃない。それどころか、神姫すら持っていない。どう答えればいいんだろう……。
 そんな風に戸惑っている時だった。アークがシルバーストーンを構えて蓮華にそれを容赦なく撃ち、堂々と答える。

「そうだ! 彼は私のマスターだ!」

 驚いたことにどういう訳か、会ったばかりのオレをマスターだと言い張ったのだ。神姫を持っていないのにこんなことで大丈夫なんだろうか。

「君、私に名前をくれ!」

 オレは突然のことに驚いたが、彼女に言われるがままに名前を考える。一瞬の中で思ったことは、彼女と遠く遠くを走り続けたいという思いだった。だから……!

「ああ! 俺は響! お前は百日! 俺の神姫だっ!!」
「OK! 行こう! 響!!」

 与えられた名前に応じ、アーク――百日はもう一度シルバーストーンを放つ。

「ははは!! 何だそりゃ!? 即席チームでんなことのほざくんじゃねぇ!!」
「ほほほ。これは獲物じゃぬわ! 死ぬぇい!!」

 蓮華と痩せ型の男は即席の俺達の事を笑い、ただのカモだと思って笑うと蓮華がレーザーを回避してそのまま二黒土星爪で百日に襲い掛かる。
 それを見た彼女はアサルトライフルを連射して、蓮華の勢いを削ぐ。さらにそれで生じた隙で二黒土星爪を回避しつつ、フォールディングナイフを展開して逆に反撃の斬撃と蹴りを決める。
 最後の蹴りの力は強く、蓮華を近くにあったゴミ箱まで吹き飛ばし、叩きつけた。

「ぐぇっ!? な、何だあの出力は!?」
「あの角を見た時からまさかとは思ったが、そのアーク、イリーガルか!?」

 百日の蹴りの強さを見て、痩せ型の男が動揺する。どうにも百日はイリーガルというタイプで、とんでもない出力であるらしい。
 何なのかはわからないが、こちらに勝ち目はあるという事か。
 百日は相手の動揺を気にする事もなく、シルバーストーンで蓮華を狙い撃ちにする。彼女はイリーガルだという事を認識したその攻撃を恐れているらしく、大げさに避け始めた。さらにその中で威力のある二黒土星爪から命中を重きにおいた一白水星剣に持ち替え、ヒットアンドアウェイ戦法へと切り替える。

「くっ……!」

 身軽な装備でちょこまかと動き回って、百日を攪乱していく。百日もアサルトライフルとナイフで応戦するものの、その動きは早く、なかなか捉えることができない。
 イリーガルと動揺はしているものの、蓮華にも素体の改造が加わっており、百日並の強さがあるのかもしれない。
 強さがどうとかは置いておいて、このままでは小回りの利かない百日が押される。アサルトライフルとナイフでは仮に当たっても決定打にはならない。何とかしてレーザーを一発放り込み、追い込めれば……。

「……そうだ! 百日!! アサルトからレーザーにつなぐんだ!」
「なるほどね……。わかった! やってみる!」

 何とか読まれない程度に百日に命令を下し、彼女はそれを実行するために距離をとりながらアサルトライフルを準備する。

「何かは知らねぇが、素人の作戦なんてうまく行きっこない! そのまま潰せぇ!」

 痩せ型の男は何の作戦なのかわかっていないのか、依然として剣による攪乱攻撃を蓮華に続けさせている。
 これならやりようはありそうだ。
 百日は回避し、蓮華の隙を伺っている。オレもそれを見ていた。相手は直線的に動いているに過ぎない。
 次の隙が生じるまでの時間はそう長くはないはずだ。

「……今だ! 百日!!」
「行けっ!!」

 隙を捉えたオレが百日に合図を知らせると彼女はそれにならってアサルトライフルをばらまく。

「当たらぬわ!!」

 そうすると蓮華は反射的に回避行動に移る。その時だった。その回避した先からレーザーが飛来し、蓮華の腹を貫いた。

「ぬわにぃ!!?」
「蓮華!? くそっ!!? どうなっているんだ!!」

 まさか、避けた先にレーザーがやってくるとは夢にも思わなかったのか、痩せ型の男と蓮華は激しく動揺する。
 オレも内心、成功するかどうかヒヤヒヤしていた。これはB3のやっていたトリックを真似たものだ。
 覚えていたので再現した即席だったため、上手く行くか心配したが、これで決定打は与えられた。

「当たった……これが……」
「百日! そのまま、追撃!!」
「あ、ああ!」

 まさか、当たるとは百日も思っていなかったようで驚いていたが、オレの命令にマガジンを二つ装填する。

「インファニット∞アサルトだ!!」
「終わりだぁぁっ!!」

 スキルを放つとレーザーでダメージを負って動けなくなっている蓮華に当たり、弾丸が装備を破壊し、彼女を戦闘不能に追い込んだ。

「ぬおぉぉっ……!?」
「蓮華!? くそっ!! 覚えてろ!!」

 蓮華が倒れる状況に驚きながらもこのままではやられると思った痩せ型の男は彼女を持ち出し、逃げ出した。
 それを見て、戦闘が終わったと判断した百日は武装を解除し、トライクモードに戻した。

「響。ありがとう。この勝ちは君のおかげだ」
「百日だって頑張ったじゃないか! これは二人の勝利さ!」

 戦いが終わると礼を言ってきて、オレは思ったことを返す。そうすると百日はニッと笑って見せ、手を出した。

「そっか。頑張るって言葉、教えてくれ」
「ああ! 頑張るぜ!!」
「じゃあ、それをみせてくれ」

 オレはそれに応じて百日の小さな手に握手した。こうしてオレと百日は無い者同士がパートナーとなった。
 イリーガルがどうとか痩せ型の男が言ってたけど、百日が悪い奴の手先なんかじゃないのはわかってる。
 誰かがもう一回、そんな事を言ってきたら胸を張って「百日が悪い奴なんかじゃない」と言ってやろうと思う。
 テストが終わったら、兄貴は一人暮らしだから、悠にイリーガルについて聞いてみよう。あいつなら神姫をよく知っているし、百日のイリーガルについて何か知っているかもしれない。

「百日。よろしくな」
「ああ」

 明日のことを考え、決めるとオレは百日と共に自分の家に帰る事にした。
 ひとまず、帰ったらテストの予習を済ませないとならなかった事をすっかり忘れていた。
 これで成績が良くなかったら母さんにこってり絞られてしまう。それだけは避けないとならない。

 ……テスト、どうにかしないとなぁ。







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