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7匹目 『猫の野望』



ある日、マスターがこんなことを言っていた。
「僕達はさ、世界の歯車みたいなものなんだよ。 たぶん」
マスターが夕飯を食べている時に、随分と唐突に、しかもそれほど改まって聞かされることでもないように思ったので、私は 「はあ」 と気のない返事をした。
そんな考えを私の表情から見て取ったのか、マスターは 「ああ、違う違う、そういう意味じゃなくて」 と話を続けた。
「社会で働いている人を歯車に例えるとかそういうことじゃなくて、なんて言えばいいのかなあ――世の中のすべてのものが脳の神経のような機能を持っていて、僕達の何気ない行動が何かの情報を産み出しているようなイメージなんだけど、どうかなあ」
「えっと、それは一昨日マスターがえっちぃ動画をこっそり見ていて、その行動を見た私に 【憤怒】 という情報を発生させたとか、そういったことですか?」
「だ、だからごめんってば、アマティは意外と根に持つなあ。 そういうことじゃなくて、もっと宇宙規模の大きな話だよ」
私にとってはマスターこそ世界のすべてであって、そのマスターが私という魅惑の塊を差し置いて 『必要以上に大きなセーラー服3』 を鑑賞していたことはわりと死活問題なんだけど、ここで蒸し返しても不毛な争いにしかならない気がしたので、とりあえず先を促した。
「ファンタジーものの小説や漫画に 【世界の意思】 とか、そういったものがよく出てくるよね。 それに影響されたってわけじゃないけど、じゃあその 【世界の意思】 は具体的にどうやって情報を扱っているのかなって考えたんだ」
「それは、神様がいるんじゃないですか? 神様に何か考えがあって、世界を作ったとかなんとか」
「まあ、そんな存在がいるなら神様って呼んでもいいんだろうけどね。 でも僕が言いたいのは、その神様の 【脳】 は世界そのものなんじゃないかってこと」
食事中の会話に 【世界の意思】 っていう単語が出てくるあたり、マスターもつくづく変わった人だ。
変わった人でも女子高生に萌えたりするんだなあ、とも思ったり。
かぼちゃの煮物を箸で行儀悪く突付きながらマスターは考え考え言った。
「大きく言うなら地球だとか、太陽だとか、もっと言えば銀河系だとか、止まっているものはないよね。 その動きの一つ一つが、実は脳の電気信号みたいな意味を持ってるんだと思うんだよ。 そうだなあ、例えば、惑星ベジータとウルトラの星がコンマ5光年くらい平行移動する時があれば、それは宇宙全体が 『おなかすいたー』 って考えているかもしれないってこと」
マスターが言いたいことはなんとなく分かったけれど、宇宙の意思がそこまで単純だとすれば、ロマンを追い求める天文学者は答えに辿り着いた瞬間、拍子抜けを通り越して魂が抜けてしまうかもしれない。
そもそも惑星ベジータはとっくに滅ぼされている。
M78星雲に至っては星ですらない (光の国はきっと、私達の心の中にある)。
そういった空想物はともかく、宇宙のあらゆるモノの動きと干渉が何かしらの意味を持って、それらが複雑な記号としてまとまって一つの意思になる、ってことでいいのだろうか。
「でもそれだと、私達なんてちっぽけすぎて、宇宙さんの考えにまったく関われないですね」
「いやいや、案外僕達がピンポイントで重要なのかもしれないよ。 それに 【世界の意思】 が一つとは限らない」
そこでマスターがビシッ! と人差し指を立てた。
この時のマスターはやけに饒舌だったけど、会社でいいことでもあったのだろうか。
「僕は宇宙規模どころか、地球、国、もっと絞って町レベルにも意思があると思うんだ」
「町、ですか。 まさかマスター、その意思こそが町内会規則だ、っていうオチじゃないですよね」
「……そんなことを言うつもりはないけど、アマティ、ボケ殺しはよくないよ」
そういうつもりで言ったわけじゃないけど、素直に頷いておいた。
マスターはコホン、と一度咳をして、話を続けた。
「先週の水曜日と木曜日に出張に行った時なんだけどさ、帰りの飛行機でいろんな町の上を通ったんだよ。 夜だったから道路の明かりが葉脈みたいに並んでいて、これがすごく綺麗でね」
「私も見たかったです。 今度から出張には私も連れて行ってください」
「連れて行くのはいいけど、アマティはガッツリ電子機器だから飛行機に乗れないんじゃないかなあ」
「(ガーン!)」
「まあ、今度からは極力新幹線を使うよ。 飛行機とはまた違った楽しみがあるよ。 それで、そう、夜景を見下ろした時なんだけど、町の明かりの中に規則正しく動く明かりがあってね。 あまり細かく見えたわけじゃないけど、車が高速道路を走ったり、信号で止まったり、曲がったりしててね、それが僕には生き物の血管に流れる血みたいに見えたんだ。 一人で呟いたよ、『町が生きてる』 って」
「町が、生きて――」
この時のその言葉が、私の閉ざされた目を覚ました。
唐突に視界が広がって、いや、視界のみならず私の全感覚が、広く、遠く、より繊細で強いものになったようだった。
部屋にあるものを、部屋の形を、自分の手で一つ一つ触れているようにはっきりと認識できた。
部屋だけではない。
その気になれば、部屋の外にまで手が届きそうな気がした。
町が生きている。
この町を好きになれなかった私の心に、知らず凝り固まっていた私の心に、マスターの言葉が波紋のように響き渡った。
命を持った、命の集まり。
もし本当にそうなのなら。
町が本当に生き物と呼べるものなのなら。
そこには何かしらの、意思がある。
その意思は――
「――その意思こそ、僕達のことだと思うんだ」
「マスターって、案外ロマンティストなんですね」
「わりと本気で話したんだけどなぁ……」
「でも」
「うん?」
「そういうお話は――私は好きです」
マスターからしてみると、私達は 【町】 という生き物の一部として動いているということになるけれど、私はちょこっと違うと思う。
やっと目覚めることができたからこそ言えることだけど、私達が、町という生き物を動かしているんだ。
結果は同じことかもしれないけど、この町も、日本も、世界も、宇宙も、私達が造っている。
これくらい図々しく言っても、唯一私達を咎められる神様は私達が形作っているんだから、大目に見てくれることだろう。
それに、私の名前は日本の神様から貰っているのだし。
「でも神姫も混ざっていいんでしょうか。 心はあってもロボットなわけですし」
「それは大丈夫だと思うよ。 むしろ、これからもし武装神姫が一大ブームを巻き起こしたら、町の意思は少し神姫寄りになっていくと思うよ」
「あはは、神姫の神姫による神姫のための町ですね。 神姫センターがいっぱいできて、毎日が感謝セールになりそうです。 じゃあ、そうですね、もし猫が支配する町になったらどうなっちゃうんでしょう」
「町中の言葉の 『な行』 が 『にゃ行』 になるだろうね。 アマティはネコミミが生えてるからいいけど、僕なんかがにゃあにゃあ言ってたら絶対に不気味だよ」
「そんなことはないです、きっとカワイイと思いますよ」
「そんなフォローをされても……もしアマティが猫語を話すようになったら、一度言ってもらいたい文章があるよ」
「そんな状況が来るとは思いませんが……どんな文章ですか?」
「それはね――」





その時に聞いた文章は、確かこんな感じだった。
「おい、そこのロリ巨乳。 これを読み上げるにゃ」
「はあ、これっスか。 えー、『斜め77度の並びで泣く泣く嘶くナナハン7台難なく並べて長眺め』」
「マドモアゼル、復唱してみるにゃ」
「にゃにゃめにゃにゃじゅうにゃにゃどのにゃらびでにゃくにゃくいにゃにゃくにゃにゃはんにゃにゃだいにゃんにゃくにゃらべてにゃがにゃがめ」
「かぁーわぁーいーいーにゃー!」
体内に充満した 【呆れ】 を溜め息に変えたかったけれど、まだ固い床に押さえつけられたまま頭だけ持ち上げられているせいで、口から出たのはカエルの鳴き声のような音だった。
ゲロゲロ、じゃなくて、もっとリアルな汚い感じ。
「聞いたにゃネコミミギュウドン、これだから猫はやめられません。 おっと、思わず自画自賛してしまったにゃ。 まーでも仕方にゃいにゃ、にゃにせこれから、猫が世界を救うのにゃからにゃ!」
両手を大きく広げ、馬鹿みたいに高笑いする馬鹿。
その馬鹿に続いて、他のマオチャオ達も皆大笑いした。
私と、うっかり疫病猫につられたことで渋い顔をしたカシヨだけが黙っている。
笑い声に囲まれるのがこれほど気持ち悪いことだとは思ってもみなくて、頭の片隅で、ああそういえば 【猫の集会】 なんて言葉があったっけ、そんなどうでもいいことを考えていた。
「なんにゃ、オマエタチ2人ともノリが悪いにゃあ。 んー、そろそろ解放してやるかにゃ、どうせこのメニーマオチャオズの前にはどんにゃ抵抗も無駄にゃことは分かっただろうからにゃ」
パチン、と疫病猫が指を鳴らすと、私を押さえつけていたマオチャオ達が、私が暴れださないか警戒してか、ノロノロと退いていった。
私のヘルメットを掴んでいたマオチャオだけはバッと手を離して、私は危うく床で顔をうちそうになった。
たぶん、分かっているのだろう。
私が疫病猫に飛びかかりたくても、未だ無理な着地による全身の痺れが取れておらず、指すらまともに動かせないことを。
そのことを、せいぜい他のマオチャオ達に悟られないよう、ふらつかないようにゆっくりと、できるだけ自然さを取り繕って立ち上がった。
膝に手をつこうとして、膝の突起が両足とも折れていることに気づいた。
さっき着地した時の不吉な音はこれか。
帰ったらマスターに怒られる。
それとも、悲しませるだろうか。
どっちにせよ……もう勘弁してほしい。
「私だけじゃなくて、そこのカシヨも解放したらどうですか」
「却下にゃ。 マドモアゼルにはまだやってもらわにゃきゃにゃらんことがあるのにゃ」
「まだにゃにかするつもりに……! ……っ……にゃ、に、にゃー!」
どうしても言葉が猫語になってしまうカシヨは抗おうとすればするほど自爆してしまい、屈辱と羞恥で凛々しい顔を赤く染めた。
しかしそれでも疫病猫を睨みつけるだけの気力を保っていられるのは、私程度の神姫が偉そうなことを言うけれど、賞賛に値すると思う。
「もうお分かりにゃと思うが、今このマドモアゼルにインストールしたのは 【ネコ化パッチ ベータ版】 にゃ。 開発は苦労したんにゃよ? 幾度となく立ちふさがる障害、ライバルとの衝突と離別、データを奪おうとする黒幕との死闘――すべてが終わった暁には、ワガハイの開発手記を出版するつもりにゃ。 犯罪者の独白本が売れる世の中にゃら、ワガハイの手記は世界中の人間が手に取るんじゃにゃいか? 印税のことを想像するだけでヨダレが出てくるにゃ」
「で、開発には実際のところ、どれくらい時間がかかったんですか」
「一時間にゃ」
よくもまあ、ここまで悪びれることなく嘘を吐けるものだ。
「神姫のAIをいじるくらい、ワガハイにとって朝飯前にゃ」
事もなげに言うけれど、私にはそれがどれほど高度な技術なのかすら想像がつかない。
マスターがいつか言っていたように単純に 『な行』 を 『にゃ行』 に変えればいい、というものでもないのだろうし、被害者であるカシヨも猫語以外の影響を受けているようには見えず、重大なバグも起こっていないようだ。
プログラムそのものがバグのようなものだけれど。
「まだベータ版にゃから、対応する神姫は少にゃいんだけどにゃ。 これからさらに実験を重ねて、全神姫に対応させていくのにゃ。 残念にゃがら、まだアルトレーネは未対応にゃが、完成の暁にはオマエをいの一番に猫にしてやるにゃ。 嬉しいにゃろ?」
「…………」
「やれやれ、無反応とはつれにゃいにゃ。 そんにゃ立派なネコミミを持っておきながら――まあいいにゃ、どーせオマエはすぐに、自分の仲間を増やしてくれたワガハイに感謝の祈りを捧げることににゃるのにゃからにゃ」
仲間を増やす。
想像はしていたけれど、やはり疫病猫は 【ネコ化パッチ】 なるものを世にばら蒔くつもりらしい。
カシヨのように一体一体捕まえてインストールするのではなく、インターネットに下水の如く垂れ流すのだろう。
出回っている神姫すべてがにゃあと鳴く、猫の猫による猫のための世界。
コンピュータウイルスのように (いやもうウイルスそのものだ) 神姫のCSCを狂わせ、神姫が口を開けば、聞こえてくるのはにゃあにゃあにゃあ。
多くの神姫が集まる神姫センターなんてきっと、右を向いてもにゃあ、左を向いてもにゃあ、前を向いても後ろを振り返っても、耳を塞いでも眼を閉じてもにゃあ、そんなある種の拷問のような場所と化すことだろう。
そんなことできっこない……と言おうとして、疫病猫の技術力の高さを見せつけられたばかりだったことに気付く。
やってることが馬鹿っぽくて気が抜けてしまうけれど、私は今、割と責任重大な場面に立ち会っているのではなかろうか。
さっきはカシヨだけがターゲットだった。
今度はそれが、世界中の神姫になった。
全身が痺れて立っているのもつらい、だなんて泣き言を言っている場合じゃない?
「くっふっふ、ようやく事の壮大さに気づいたようにゃね。 でも安心するにゃ、さっきも言ったように、まだこのパッチはベータ版にゃから、夢の猫世界への御招待はもうちょっと先になるにゃ。 全神姫に対応させるだけじゃにゃく、一番重要な部分が未完成にゃのよこれが。 こればっかりはさすがのワガハイでもどうにもできにゃかったのにゃ」
そう言って疫病猫は、私を――正確に言うなら、ヘルメットの上からちょこんと覗いているものを、真犯人の正体を暴く探偵のように指差した。
私の意思とは関係無く、それはピクンと動いた。
「そのネコミミ、どうやって生やしたのにゃ」
これまでとは打って変わって声の調子は低く、その言葉には、私を責めるような響きが混じっていた。
気圧され、無意識のうちに一歩後ろに下がろうとして、脚に力が入らずふらついてしまった。
私を睨みつける疫病神の釣り上がった目は、元が目の大きいマオチャオのものであるだけ歪で、威圧感があった。
「ずるいにゃ! マオチャオを差し置いてデフォでネコミミ装備なんてずるいにゃ! ワガハイも天然もののネコミミが欲しいのにゃ!」
気圧された私が馬鹿だった。
「どうやって生えたかだなんて知りませんよ、私がマスターに開封してもらった時にはもう生えていたらしいですし。 ディオーネにでも問い合わせてみたらどうですか?」
「とっくに電話したにゃ。 でも 『ネコミミ、ですか? 申し訳ありません、ちょっとどういう状況なのか…………確かに生えて? そうですねぇ……そのような事例はちょっと…………そう仰られましても、現物を確認しないことには…………あ、その声はもしや…………ですよね、ちょっとあなたのオーナーに代わってもらえますか』 てな感じで、神姫だからって相手にされないのにゃ。 まったく、ディオーネの電話番は電話の向こうにいる相手への気遣いがなってないのにゃ。 ここはワガハイがクレームと称した自爆テロでモンスターカスタマーの恐ろしさを知らしめてやる――わけあるかにゃー!」
「そのネタはもういいです」
アーンヴァルやヴァッフェドルフィンみたいに真面目な神姫ならともかく、マオチャオからかかってきた電話なんて、ましてや内容が内容なだけに、イタズラ電話としか思えないだろう。
念のため言っておきますが――


「画面の前の紳士さん。 そう、『武装神姫ssまとめ@wiki』 を開いているあなたです。 ディオーネの電話のお姉さんは、相手がマオチャオだったからちょっと戸惑ってしまっただけで、普段は親切丁寧に出来る限りの対応をさせて頂きます。 他に類を見ない親切さと安心感が、ディオーネにはあります。 精密機器ゆえに何かと困り事の多い武装神姫ですから、今後新たに神姫をお迎えする予定がありましたら、完璧なサポート体勢でお楽しみいただけるディオーネ製の戦乙女をご検討下さいますよう、宜しくお願い申し上げます」


お粗末さまでした。
「いきなりなんの話にゃ」
「気にしないで下さい。 時空を超えた宣伝です」
「メタは作者寿命を著しく縮めるのをご存知にゃ?」
「二次創作物内でのメタほど寒いものはないと重重承知の上ですから、きっと大丈夫です」
私の知る限り武装神姫ss関連でメタなネタを見たことがないので、誰かに宛てたネガティブキャンペーンにはならないはず……ですよね?

置いといて。

「私のネコミミがどうやって生えたかだなんて、誰にも分からないと思いますけどね。 もちろん、私も含めて。 開発段階ではネコミミがあった、なんて話も聞きませんし」
「そんにゃことは分かってるにゃ。 そこまで立派にゃネコミミはもう、生産時のバリとか不良品ってレベルじゃにゃくて、もうオカルトの領域にゃ。 そう簡単に他の神姫で再現できるにゃんて思ってにゃいにゃ」
「そうですか。 それなら、どうしますか」
さっきのメタに付きあわせたお詫び、というわけではないけれど、ここは敢えて疫病猫の話に乗ってみた。
そうでもしないと――何かしゃべらないと、頭の中でガンガンと鳴り続ける警鐘でコアがどうにかなりそうだった。
アームには力が入るようになった。
脚はまだガタつくけど、なんとか動きそうだ。
視界の右隅に放り出した大剣ジークリンデが、左隅に片手剣ブラオシュテルンが見える。
一飛びで両方を回収するのは無理そうだ。
それなら――
「決まってるにゃ。 分からにゃいものは調べるまで――目の前にサンプルがあるにゃら、バラして中のCSCまで調べ尽くすだけにゃ!」
ドリルを高速で回しながら疫病猫が飛びかかってくるのと同時に、私はジークリンデがある右側へ、身を投げ出すように跳んだ。












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