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第0話 ~2人の時間~


「……ただいまー」
 仕事を終えての帰宅。マンションの玄関を潜りながらこの一言を呟くと、日々の激務の重圧から一時開放されていくのを感じる。
「おかえりなさい」
 そして、そんな俺に言葉を返してくれるのは、俺にとって一番大切な人。
「食事にしますか、お風呂にしますか。……それとも?」
 彼女は少し顔を赤らめながら、冗談めかすように言う。だけどその表情からは幸せな感情が溢れ出しているかのようだ。
 今の俺たち……結婚したばかりの新婚夫婦には、陳腐な程のお決まりの台詞。だけどそんなありふれた言葉すら、今の俺には愛しく感じる。
「そうだな……まずはご飯にしよう。今日のメニューはなんだい?」
「はいっ。勇人さんの好きな鰈の煮つけと、おひたしとあとは……。今日の煮魚の味付けは、美味しく出来たと思うんですけど」
 はにかんだ表情を浮かべていた彼女が、急にしゅんとなる。
「前回も……あんなに塩辛い味付けにしてしまって。本当に兄さま……いえ、勇人さんには申し訳なくて」
「大丈夫さ。この前のもアレはアレで中々美味しかったよ、な?」
「無理なさらなくても……。
 それに、はっきり仰って頂いた方が次への参考にもなるので、遠慮なく言ってくださいね。兄さま……。あ、すみません。また何時ものクセが出ちゃいました」
 テヘリとおどけた仕草で、自分の頭をコツンと叩く。
「気にするなよ。料理も呼び方も、これからゆっくりと慣れていけばいいさ。……今の俺たちには、時間はたっぷりあるんだから」
「はい……。兄さまは、優しいです。そんな所が……私……」
 まだあどけなさの残る顔を紅潮させながら、しかし嬉しそうに恥らう少女。
「……ぁ……」
 少女の唇に、触れ合うだけのキスをする。俺からの、精一杯の愛情表現。
「ありがとう、な」
「いえ……。私は兄さまの為に生きて……うぅん、存在し続けているのです。
 だから、気になさらないで、私に一杯お世話させてくださいね。兄さま」
 俺を愛し、慈しみ、支えてくれる少女。
 ほんの少しだけでもいい。……こんな俺でも、彼女の為に何かを成したい。少しでも彼女の想いの深さに応える術を持ち合わせたい。
 だけど、今は。
「嗚呼。それじゃ、まずは晩御飯だな。スミレが作ったとびっきりの料理を頂くとしようか」
 今の俺に出来るのは、これくらい。嬉しそうにはにかむ彼女を肩へ乗せて、ダイニングキッチンの方へ歩いていく。



「お、美味しそうじゃないか」
 食卓には色鮮やかな料理が並べられ、食欲をそそる匂いが部屋には溢れている。
「はい、頑張って作ってみました」
 にこにこと、嬉しそうに此方をみている。……ずっと見られていると、若干食べづらいな。
「なぁ……スミレも一緒に食べないか?」
「え……でも、私は」
 困惑した表情を浮かべながら、言い澱むスミレ。
「少しくらいなら食べれるんだろ。それに美味しいご飯は、一緒に食べた方がもっと美味しくなるんだぜ」
「はい……はいっ!」
 スミレは何かをかみ締めるように、嬉しそうに頷く。
「それじゃ、冷めてしまう前に食べよう。スミレは取り皿で良いな。……これで、よし」
 取り皿に摘んだ料理を並べ、彼女の前に置く。

「「いただきます」」

 2人の声が、暖かく部屋に響く。
「――ぉ、美味いじゃないか。前よりもいい味付けだぞ」
「えへへ、ありがとうございます。
 実は兄さまに教わった方法で、ネット接続を試してみたんですよ。それでレシピを調べて作ってみたんですけど、お口にあってよかったです」
「うん、美味い。……あ」
「兄さま?」
 俺の少しの表情の変化をとらえて、彼女の顔が再びすっと曇る。
「いや、もう少し甘めの味付けの方が好みかなって思っただけだよ」
「そうなんですか、次からはそうしますね」
「嗚呼、宜しく頼むよ。スミレがこれから、『我が家』の味付けを担当してくんだからな」
「はいっ。兄さまが大好きな味付けが出来るように、一生懸命頑張りますね。だからいっぱい味見もしてください」
 今度は満面の笑みを浮かべる。彼女はコロコロとその表情を変化させ、喜怒哀楽をストレートに表現してくる。
「はは、お手柔らかに頼むよ。
 味見だけでお腹いっぱいになってたら、せっかくのスミレの料理が食べれなくなっちゃうからな」
「そうですね。私もプクプク太っちゃった兄さまはちょっと嫌かもです」
「ソレは困る、俺も頑張らないとな。でも幸せ太りだったら、それも悪くはないんじゃないか?」
「あんまりよくないですよぅ。健康の事もあるんですから、私がしっかりと兄さまの食事の管理をしますね。
 お昼だって、毎日お弁当を作っちゃいますから。……愛妻弁当、ですよ?」
 照れた表情で、上目遣いに言われるこの台詞。……破壊力、抜群すぎるぞ。
「お、手柔らかに。でも毎日、毎食だとスミレの方が大変じゃないか。買い出しとかもあるし、お前は……」
「――大丈夫ですよ。『今』の私が、兄さまに出来る事は全てして差し上げたいんです」
「スミレ……」
「それに買い出しだって、今はスーパーの宅配サービスがありますから何の問題もないんですよ。殆ど外に出る必要も無くって、まるでニートの気分です」
「……そっか。それじゃ毎日のご飯、楽しみにしてるからな」
「はい、楽しみにしててくださいね。兄さまのほっぺたが落ちちゃうご飯を毎日作ってみせますから」
 ――他愛の無い、2人の会話。それこそが、最高の調味料かもしれない。



「――ふぅ、ごちそうさま」
「おそまつさまでした」
 彼女の作ってくれたご飯を米粒1つ残さずに綺麗に食べ終える。
「よいしょ……っと」
 そんなスミレは、洗い物をしようと空皿をトレイの上に片付け始めている。
「それくらい俺がやるよ。スミレは休んでてくれ」
「え、でも悪いです兄さま。お仕事で疲れていらっしゃるのに……」
「コレくらいなんでもないさ。むしろ腹ごなしの運動だよ。……って言っても、自動食器洗い機に放り込むだけだけどな」
 ちょっと間抜けな会話に、2人してくすりと笑いあう。
「そうですね。それじゃお願いします」
「任せといて貰おう、なんてな」
 そうして洗い物を全自動食器洗い機に放り込んで戻ってくると、寛いだ様子でテレビを見ているスミレが目に入る。
「あ、そうだ。風呂に入りたいんだけど、準備は出来てるかい?」
「はい。時間をセットしてありますので、もう沸いてる頃だと思いますよ」
 テーブルにお茶請けとして置かれていた、一口チョコレートを美味しそうに食べながら返事をしてくる。こういう所はやっぱり女の子なんだな、と実感する。
「そっか。……折角だし、たまには一緒に入らないか?」 
「えっ!? でもあの……その私……一緒にだなんて……あのあの」
  途端に狼狽し出すスミレ。半分は冗談のつもりで言ってみたのだが、そんなに嫌なんだろうか……。
「や、やっぱりダメですっ! ま、またの機会にっ。ほらほらっ、お湯が冷めちゃいますよっ」
「あ、ちょっとスミレ!?」
 リビングから追い出されるように、風呂場に追いやられる。
「まぁ良いか。焦らないでいけばいいさ」
 一瞬何に対してだろうとは思うが、気にしないことにする。

「さて……ひとっぷろ浴びるとしますか」
 脱いだ服を全自動洗濯機に放り込んでから、足早に浴室に入る。――普段より何となく、室内の気温が低い気もするが。
「はぁぁ……ごくら……、んあっ!?」
 喉まででかかった悲鳴を、必死に堪える。
「み……水風呂じゃないか! なんで……」
 一気に風呂に入ったせいで、かなりのダメージを負った気がする。気付けと言うには少々厳しすぎるものがあるだろう。
 給湯器の液晶パネルを見ると、タイマーの設置時間が表示されているのだが……
「……午前と午後が、逆になってる」
 彼女らしからぬ、或いは彼女らしい凡ミスだろうか。
「スミ…………。いや、いいか」
 彼女を呼ぼうとして、思い止まる。彼女に知らせたら、また気にして落ち込んでしまうだろう。誰にだってミスはあるのに、彼女はミスを必要以上に気にしすぎるから。
「少しづつ……だよな、何事も」
 そう一人呟いて、風呂釜のスイッチを入れる。――結局、風呂から出るのに1時間近くかかった俺だった。



「ふぅ、サッパリした。スミ……」
「うー……おそいれすよぅ、兄さま」
 風呂から戻ってきた俺を、スミレは開口一番そう出迎える。
「ずぅ~っと待ってらのに……中々お風呂かられてこなくて……私ぃ、寂しかったんれすからぁ」
 ……明らかに様子がおかしい。
 そんな彼女の周りには、幾つものチョコレートの包装紙が散らばっている。小皿に積み上げられていたチョコレートの山は半分以下に減っていて、俺が風呂に入ってる間にかなりの量を食べたらしい。
「……あ、これってチョコボンボンじゃないのか」
 包装紙の1つを手にとって確認してみると、それは明らかにチョコボンボンの包装だった。
 確か以前、知人からお歳暮に貰ったチョコレートの詰め合わせを、皿に開けておいた気がするのだが……、どうやらその中にチョコボンボンがかなり混ざっていたらしい。
「うふふ~。このちょこれーと美味しくって……つい食べちゃいましたぁ」
 ふらふらと覚束ない足取りで、み~み~と、子猫みたいに俺の手にじゃれついてくるスミレ。
「兄さまの手……暖かくて気持ちいいれすぅ……」
 とろりと惚けた瞳で、此方を見つめてくるスミレ。その表情は普段の明るくてふんわりとした印象と違う蠱惑的な姿に、思わず魅了されそうになる。
「暖かくて、大きくて、ちょっとカサカサで……私を包み込んでくれる、兄さまの手。うぅん、そんな優しい兄さまが……大好き……れすぅ」
 俺の手に抱きついたまま、深い眠りに落ちていくスミレ。
「やれやれ……酒には気をつけないとな」
 俺は、そんな愛しい彼女を優しく持ち上げると、彼女を起こさないように静かに寝室へと歩いていく。
 そしてすやすやと寝息を立てているスミレを、彼女の趣味らしい、暖かな揺り篭のようなクレイドルに寝かしつけてやる。
「んふふ……兄さま、大好きぃ」
 むにゃむちゃと幸せそうに寝言を言うスミレ。俺はそんな彼女の名と同じ、淡いすみれ色の髪を指先でくしゃっと撫でてやると、ベッドに腰を降ろして、彼女の安らかな寝顔を見ながら、ナイトキャップのウィスキーを静かに煽る。
「おやすみ……スミレ。明日も宜しくな」
 そうして眠り姫となった彼女に語りかけると、部屋の電気を落として、俺自身も眠りの園へと落ちていく……



……奥様の名前は『中沢 菫(なかざわ すみれ)』


そして旦那様の名前は『周防 勇人(すおう はやと)』


極普通の二人は、極普通の恋をし、極普通の結婚をしました。


でもただ一つ、違っていたのは……『奥様は神姫』だったのです。




えむえむえす ~My marriage story~













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