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えむえむえす ~My marriage story~

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キズナのキセキ
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引きこもりと神姫
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戦うことを忘れた武装神姫
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The Armed Princess―武装神姫―
ウサギのナミダ
PRINCESS BRAVE
神姫☆こみゅにけ~しょん
アルトアイネス奮闘姫
ロンド・ロンド

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双子神姫
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武装神姫のリン
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戦う神姫は好きですか
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ハウリングソウル
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「で? またやったと」
「「はい、またやりました」」

 俺たちは近くのマックで先に席についていた連れの一言に、そう返すしかなかった。

「――いったい何回目よ?」
「もう数えたくもない。バイザーが割れるだの外れるだのするたびに、ああなる。あの状態で負けたことはないから勝率とポイントが稼げるのはいいことだと思うんだが――何分、風評被害が」
「風評もなにも事実でしょーがあんたらの場合」

 ぢゅー、と音を立ててコーラを吸うこいつは峰山愛。
 俺を神姫の道に引きずり込んだ張本人にして、小学校時代からの腐れ縁だ。
 ちなみに名前は愛だが、普段のこいつは見ている限り愛らしさなんて欠片もない。

「なんか今失礼なこと思わなかったか幸人特にあたしに対して」
「自意識過剰だろ」

 しれっとこたえておく。ときどきこいつはエスパー並の勘のよさを働かせる。
 そしてそれはバトルにも役立っていた。俺はサードでセカンドにあがるかあがらないかというところだが、こいつはセカンドの中堅株だ。

「でも、神姫センターでは問題ないって言われたのよね?」
「そうだよ。だから参ってるんだ」

 俺はため息をついた。
 当然最初に裏のヒルダが出たとき、俺はすぐに異常だと判断して神姫センターへとヒルダを連れていった。
 しかし、メディカルルームの精密機械が出した結論は白。ノーエラーノーバグノーウィルスの健康優良神姫と診断された。
 俺は食い下がったが、「ハンドル握ると性格が変わる人だっているだろ? それと同じだと思うよ」と一蹴された。
 それで納得ができるはずもない。
 なぜなら、ヒルダはバイザーが外れているときの事を「覚えていない」からだ。

「……マスター、私はやっぱりマスターにとって重荷ですの?」
「いや、そういう意味じゃないぜヒルダ。言い方が悪かった」

 本人目の前にして「参ってる」なんて言うべきじゃなかったな。失態だった。
 とりあえずヒルダが二重人格である原因がわかり対処ができるまで、俺はバトルを控えようと努めていたのだが――

「……で、今日はいったいどのコを泣かしたの」
「紅緒型。確か、藤代って言ってた」
「……秋葉原公認ショップの一本槍から挑戦が来るとは、あんたも有名になったもんねー……」
「げ、そんな強かったのかあの神姫。ランクいくつだよ」
「ファーストに届くか届かないかってレベルだったと思うわよ。それがサードに負けたんだから、悔しさもひとしおでしょうね」
「実際は負けじゃなくていつも通り相手側のサレンダーだったんだがな……」

 どんな対戦相手も降参させる凄腕の神姫がいる――そんな間違った情報があっという間にネットを介して流れていた。
 そのせいで、俺は週に二、三度の頻度で武者修行をしている神姫やそのオーナーから決闘を申し込まれることがある。
 実際は自らの神姫が裏ヒルダによって辱められていく姿をマスターが見るに耐えず、サレンダーするというのが鉄板パターンなのだが、どうやらネットの情報を見る限り、その肝心の部分が伝わっていない。
 当然俺はあーだこーだと理由をつけて片っ端から断るのだが、中にはアポ無しでいきなり現れるような連中もいて。
 今回対戦した藤代も、そんな神姫の一体だった。
 そんなこんなでついたヒルダについた二つ名が『ヴァイザード・リリィ(仮面の白百合)』――。白百合、の三文字に痛烈な皮肉があることぐらい、俺もヒルダもわかっていた。
 『ヴァイザード(仮面付き)の仮面を外すな』。そんな格言までできる始末である。
 俺は頼んでいたセットのハンバーガーを手に取りながら、ヒルダを見やった。
 しょんぼりとしているヒルダを後ろから抱き締めていいこいいこしているのは愛の神姫、戦乙女、アルトレーネ型の「リーヴェ」である。
 彼女は裏ヒルダの洗礼を受けた最初の神姫だった。
 にも関わらず、彼女はヒルダを怖がることも遠ざけることもしなかった。――むしろ全てを受け止め、今ではヒルダの精神的拠り所となってくれている。ありがたい話だ。
 一方で、

「……何幸人。あんたポテト要らないならちょうだい」

ひょいと俺のトレイからフライドポテトを五、六本持っていくリーヴェの馬鹿マスター。

「いつも思うがお前の行動には愛がねぇよな。リーヴェを見習え」
「何よ。リーヴェを育てたのはあたしなんだからね。リーヴェは優しい。あたしがリーヴェを育てた。つまりあたしは優しい。どうだこの完璧な理論」
「三段論法どころか条件の辻褄が全く合ってねえよ」

 こいつはリーヴェの爪の垢でも煎じて飲んでいればいい。

「……リーヴェさんは優しいですわ。こんな私にいつもかまってくださいます……」
「こんな私、とか自分を卑下してはだめですよー、ヒルダちゃん」
「でも、私、いつも相手の神姫に迷惑をかけて……。マスターも、もっとバトルしたいはずですのに、私がこんな欠点を持ってるせいでそれも叶わなくて……」
「こんな、というのを禁止ワードにしたほうがいいのですよー、ヒルダちゃん。仮面をつけているヒルダちゃんも、仮面をとった時のヒルダちゃんもヒルダちゃんには変わりないのですよー。それは欠点ではなく、個性と呼ぶべきものなのですよー」

 肩を落とすヒルダをただ後ろから抱き締めて頭をなでるリーヴェ。
 そう、彼女の言う通りなのだ。
 別に問題はヒルダが二重人格であるということではなく、二重人格のもう一つの顔が極度のレズビアンであるということが問題なのである。
 だがそれをどうやって矯正すればいいのか。また、矯正できるのか。――少なくとも、今の俺には全く想像ができなかった。

◆◇◆

「マスター、そのまま帰るのではありませんの?」 
「と、思ったけどな。まだ日も高いし、ちょっとショップにでも行こうかと思ってな」

 そう言って向かったのはパーツショップ・エルゴ。
 個人経営の神姫専門ショップなのだが、店長がいい人で、よく装備などの相談に乗ってもらっている。
 有名なマスターや神姫もよく来るためか、ヒルダにとってもここはいい刺激になっているようだ。

「いらっしゃい――あら」

 中に入ると店員の女性が陳列をしていた。確か名前は――

「こんにちわ。……兎羽子さん、でしたっけ」
「はい、こんにちわ。お久しぶりですね、如月くん、ヒルダちゃん」
「はい、お久しぶりですわ」

 秋月兎羽子さん。エルゴで働いている女性店員、らしい。
 らしいというのは出勤日が割と不安定で、いる時といない時があるためだ。
 美人でもあり、母性あふれる性格からマスター神姫問わずから人気が高い。

「今日はどういった御用件で? 店長なら今倉庫にいますよ」
「ちょっと気分転換に買い物でもと。店長にはこっちに出てこられたらあいさつしますよ」
「今日はジェニーさんはどうされたんですの? 姿が見えませんが……」

 ヒルダはキョロキョロあたりを見回した。
 ジェニーというのはエルゴの看板神姫で、別称うさ大明神様とも呼ばれる。
 理由は、なぜかExウェポンセットに付属する胸像のままレジ横に飾られているためだ。
 素体は文字通り売るほどあるはずなのに、マスターである店長が何故彼女に素体をつけないのか、議論はいまだ尽きない。

「あー、ジェニーはいまメンテナンス中なんですよ。なので今日はお休みです」
「そうなんすか。やっぱり胸像だと何か問題があるんですか?」
「胸像だから、というよりはわた――あの子には色々なカスタムプログラムが入ってるから、それの調整とか、ね」
「残念ですわ、相談にのってほしいことがありましたのに……」

 肩を落とすヒルダ。兎羽子さんはそんな彼女の頭を人差し指で撫でる。

「相談したいことって? 私でよかったら相談に乗りましょうか?」
「いえ、人間の兎羽子さんにはちょっとわからないと思うので、遠慮しておきますわ」
「……そう、残念」

 本気で残念そうな顔をする兎羽子さんだったが、すぐに笑顔に切り替える。

「ごゆっくりしていってくださいね。何かお探しのものがあれば呼んでください」

 そう言うと、再び陳列作業に戻っていった。
 さて、と。
 俺は目の前の棚に視線を向けた。
 ここの品揃えはすごい。
 神姫素体や武装などはもちろんのこと、素体用のチューニングパーツや服、その他クレイドルの様なオプション品など色々そろっている。
 ヒルダの装備も一部を除き、ここでそろえたものだ。
 さて、今日は何を買おうかと視線をめぐらしてみると、とあるパネルが目に入った。

「服とか、買ってみるか? ヒルダ」
「え?」

 いつも素体姿で俺の胸ポケットに入っているヒルダはぽかんとした顔で俺を見上げた。そして俺の視線が向かっているほうにそれを向ける。
 そこにはきゃるきゃるという擬音が聞こえてきそうな衣装に身を包み、リボンをあしらわれた携行砲を携えた犬型ハウリンのパネルがあった。
 この店に何度か足を運べばいやでも覚えるもう一人の看板神姫、魔女っ子神姫ドキドキハウリンの姿である。

「……あれは、ちょっと」

 引くなヒルダ。さすがにアレを着せようとは思ってない。

「戦闘時以外は素体の上に服を着る神姫もいるだろ。お前もずっと素体だから、そういうのもいいかと思ってな。神姫は女の子だし」
「え……」
「さて、どんなのが似合うかな……。愛を連れてくればよかったか。あんなでも役にはたったろうに――」
「マ、マスター……」

 ヒルダが何か言いたげだったが、それを無視して俺は服飾棚を物色し始める。
 しかし男の俺には、女性服のセンスはちょっと計りづらい。
 早速兎羽子さんを呼ぼうか、そう思ったときだ。

「よお、よく来たな。そして久しぶり」

 声をかけられたほうを振り向くとエプロンをつけた好青年が。

「こんにちわ、日暮さん」
「こんにちわですわ、店長さん」
「おう、こんちわ」

 挨拶を返すと、好青年――日暮夏彦は片手を上げて応えた。彼こそがこのホビーショップ・エルゴの店長である。

「しばらく顔見せないで何やってたんだよ。仮面付き」
「それが――」

 今日起きた出来事を話すと、店長は苦笑する。

「それは災難だったな――その紅緒型が」
「笑い事じゃないですよ……。勝てるのはいいですけど、遺恨が残りそうでどうも」

 幸い今のところ闇討ちにあったことはないが。

「考えすぎじゃねえかなあ。仕事柄いろんな神姫やマスターを見てきたけど、神姫同士で好き合うことって結構あるぜ?」
「好き合ってるならいいんですけど、ヒルダの場合完全に強姦まがいですからね」
「うう……」

 しゅんとして落ち込むヒルダだが、フォローのしようがない。

「とはいっても精密検査は白だったんだろ? だったら神姫の個性じゃないのかね」
「やっぱりそうなるんですかねー……。裏のヒルダのときの記憶を、今のこいつが覚えていないことに疑問を抱くんですよ。同じ神姫なら記憶領域は同じはずでしょう?」
「んー、なるほどな。――バイザーが外れているときのことは本当に何も覚えてないのかい?」
「――ええ。なんだかうすぼんやりとしてて、思い出せませんの。バトルのときの出来事はバトルログを見て補完していますわ」
「んーー……」

 考え込む店長。そして

「――そんなに気になるんなら、一度うちで検査してみる? 簡単な検査ならやれるけど」
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