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えむえむえす ~My marriage story~

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1st RONDO 『どいつもこいつも神姫マスター』



『ホイホイさん』 という人形をご存知だろうか。


そのネーミングからなんとなく想像がつくように、この人形は殺虫剤をものともせず室内を走り回る “黒い閃光(通称G)” を駆除するためにマーズ製薬㈱によって生み出された――とはとても思えない、3.5頭身の可愛らしい殺虫人形だ。
俺がまだ高校生2年生だった頃に市場に出回ってからというもの、授業中に持ち主の鞄から抜け出し校舎内を徘徊するホイホイさんが後を絶たなかった。
思い思いの装備に身を包んだホイホイさんは片っ端から害虫をデストロイし、そこら中に死骸の山を築き、挙句の果てに生物部で飼育していた小動物にすら手を掛けてしまったのだが、そこはまあ、どうでもいい。


マーズ製薬曰く 「ホイホイさんは(ゴキブリに殺虫剤が効かなくなったから)冗談のつもりだったのに生産が追いつかない」 と続々とホイホイさんアナザーバージョンを生み出し、他の製薬会社もホイホイさん同様の機種を続々と発表していた頃、大手玩具メーカーのコナミ㈱から、 『武装神姫』 という人形が発売された。
こちらもホイホイさんのように武装させる人形なのだが、大きく違う点として、
 ・種類にもよるが、頭身は5~6。ヒトガタに近い。
 ・武装は神姫同士の勝負を楽しむためにある。 Gを駆除するためではない。
 ・人間と遜色ない会話・行動が可能。腕などの関節部を見なければほとんど小人。
が挙げられる。
スペックの高さから分かるように値は張るものの、この “心を持った人形” で勝負を楽しむだけではなく、生活のパートナーとして扱う者も多い。


さて、男ならば当然の発想として(?)、ホイホイさんと神姫を戦わせてみたくなる。
異種格闘戦にときめかない男など男ではない。 たぶん。
そしてそのトキメキは弓道部内で唯一の神姫マスターであった部長と、その他複数人のホイホイさん達によって実現することとなった。


後に “Mの悲劇” と呼ばれる事件である。


あまりにも酷たらしく、そして惨たらしく殺壊された猫型神姫マオチャオは観戦していた部員達に強烈なトラウマを植えつけた。
その話はまたいつの機会に取っておくとして。
それから大学に進学した今日に至るまで俺は、神姫を購入したくても手を出せないでいる。




▲―▽―▲―▽―▲―▽―▲―▽―▲―▽―▲―▽―▲―▽―▲―▽




夢のキャンパスライフ。
そんなものは所詮夢であったと思い知らされた大学一年目が終わり、しかし春の風と共に乗ってきた幸福感をたっぷりと噛み締め、二年目は軽快に滑り出した。
何せ人生初となる彼女ができたのだ。
春とはいえ過剰に浮かれポンチになっていたとしても、多少は目を瞑ってもらいたい。
それができないならば、俺が無理矢理にでも目を逸らさせてくれよう。
姫乃を有象無象の濁りきった目に晒したくないのだ。
独占欲とはこういうことかと、今更ながらに知った背比弧域である。


しかし現実的に姫乃を独占するのは難しく、今はお互い離れた席に座り、姫乃は彼女の友人達とひそひそおしゃべりを楽しみ、俺の隣には
「すぴー……こーほー……」
講義の最中であろうとお構いなしにふんぞり返って爆睡する貞方がいる。
だらしなく開かれた口に水で濡らしたティッシュを詰め込みたくなる。
人が真面目にノートを取っているというのに、こいつは講義が始まる前から寝息を立てていて、しかもそれでいてこいつは “ノートをしっかりと取っているのだ”。
貞方の机の上で教授の板書が綺麗に現在進行形でまとめられている。
ノートの上で自分の背丈と変わらないシャープペンを一生懸命動かすのは貞方の神姫の、
ええと――
「ハナコです。 よろしくお願いします、背比さん」
俺の視線に気づいた神姫に突然話しかけられ、うっかりシャープペンを落としてしまった。
まさかいきなり自己紹介されるとは思わなかったから驚いた、わけではない。
というかハナコとはほぼ毎日顔をあわせている。
幼い頃テレビで 「一度会ったら友達で、毎日会ったら兄弟だ」 と着ぐるみ4匹に教わったのを思い出した(昔の教育番組の再放送だった気がする)。
ということは、俺とハナコは兄妹ってわけだ。
……必然的に貞方とも兄弟になってしまった。
このハナコと名乗る勘のいい神姫は犬型のハウリンと呼ばれるタイプだ。
ケモテック社ならではのコミカルで愛くるしい見た目が特徴的で、

――マオチャオと同時に発売されただけあって、そのシルエットはトラウマを呼び覚ます。

「……神姫って読心機能ついてんの?」
「あ、いえ。 私の名前を忘れたなー、という顔をされていたので」
そう言ってペコリと頭を下げ、再び作業に戻った。
今は身体を服っぽくペイントされているだけだが、貞方がこの神姫を買ったときに一度
「どうよ俺のハナコ、イカすだろ!」 と武器を持たせた状態で見せられたことがあった。
その時は頭に犬に似せた被り物をさせて、手足もアニメ調の犬らしくなっていた。
なるほど、犬型ね。
ダメ飼い主に文句も言わずノートを取る姿を眺めていると、なんだか俺が心苦しくなってくる。
シャープペンを両手と脇で器用に支えて字を書き、芯が短くなればシャープペンを逆さに持って机に杭を立てるようにノック。
字は綺麗でもさすがに書く速さはどうしようもないらしく、教授の板書について行くためにさっきから一息つくこともなく手を……じゃなく、身体を動かしている。
俺のノートを後でコピーさせてあげたくなるが、結局それが貞方の手に渡ることになるのが気に食わないので、ハナコには申し訳ないのだが、ダメ飼い主を引き当ててしまった運命を全うしてもらうより他はない。
いや待て、何故俺がハナコに気を使わねばならんのだ。
それにしてもハナコの字、綺麗だなあ。
ロボットだからなのか、書道の手本のような明朝体だ。
……人形よりも字が汚いんだな、俺って。
「あ! ……すみません、背比さん」
「うん?」
「その、大変申し訳ないのですが、シャープペンの芯を一本頂けませんか。 後でちゃんとお返ししますから」
「いや、芯くらいいくらでもやるよ。 ダメ飼い主を持って大変だろ」
「いえ、とんでもな――あ、ありがとうございます――ショウくんのためになれて嬉しいですから」
そう言って、ハナコは微塵の邪気も混ぜずにはにかんだ。
健気だ。 健気すぎる。
その笑顔が眩しすぎて、 「いや、代わりにノートをとるのは貞方のためにならないぞ」 とは口が裂けても言い出せなかった。
というか貞方、自分のことを 「ショウくん」 って呼ばせてるのか。
いつもは 「マスター」 だったと思ったが――ああ、そういうことか。
「なあ。 普段は貞方のことを何て呼んでるんだ」
「普段からショウくんですよ。 でも外では恥ずかしいからマスターと呼べと言わ…………」
「ほう。 普段はショウくん、ね」
「~~~~っ!!」
シャープペンを放り投げてその場に丸くなってしまった。
頭隠して身体隠さず。
抱えた頭を少しだけ上げてこちらを上目遣いで見るハナコ。
どうする、アイフル(何年前のCMだ)。
ただのレンズであるはずの瞳が潤んでいるように見えて、少しだけ、この神姫を可愛いと思ってしまった。
「あ、あの、このことはショ……マスターには、」
「分かってるって。 言わないから安心してくれ」
俺だって知りたくなかったよ。 こいつが人形に 「ショウくん」 と呼ばせてるだなんて。
ホッと胸をなで下ろす仕草も可愛らしく、 「では、くれぐれもよろしくお願いします」 とペコリと頭を下げ、再びシャープペンを抱えた。
まあ、正直に言うと、神姫に自分のことを愛称で呼ばせたくなるのは分からないでもない。
未だ “Mの悲劇” を引きずっているとはいえ、貞方とハナコのように良い付き合い方 (この場合は仲が良いことを指すのであって、神姫にノートを取らせるのはマスターとして、いや人として駄目だ) を見ていると、人間と人形のそんな関係もアリなんだろうな、と思えてくる。
いや、もちろん俺には一ノ傘姫乃という無敵に素敵な彼女がいるわけだが。
ボロアパートの一室、俺の部屋の中に身長15cmの小人が住んでいるのを想像すると、ついつい口が緩んでしまう。


ふと気がつくと、ハナコといつの間にか目を覚ました貞方が二人そろって怪訝そうに俺を見ていた。
「何ニヤついてんの、きめぇ」
さっきまでのコイツのアホ面、写真に撮っとけばよかった。





「そういえば背比、神姫買わないの?」
何が悲しくて、彼女ではなくアホ面野郎と昼飯を食わねばならんのか。
男が全生徒の九割以上を占める工業大学では姫乃曰く 「人数少なくても理系でも、女の子は女の子なの。 良くも悪くも」 だそうで、付き合い始めてからまだ一度も二人で昼飯を食べたことがない。
事情は理解しないでもないが、それでも目の前にいるのが貞方というのが、率直に嫌だ。
「あん? なにが?」
「神姫。 一ノ傘さんも持ってるじゃん」
「は!? なにそれ、俺知らねぇんだけど! なんでお前が知ってんの?」
貞方が思いっきり仰け反って顔を引きつらせた。 何やってんだこいつ。
……と思ったら、いつの間にか俺が貞方を責めるように身を乗り出していた。
「そりゃだって、見たし。 講義ん時に鞄の中にロバ耳の王様みたくしゃべってて、何やってんだと思ったら神姫が顔だけ出してた。 あのツインテールは確かストラーフ型だったと思う」
コイツが知っていて俺が知らないことがあるのも腹立たしいし、それをコイツから聞いたというのも腹立たしい。
今まで姫乃に、神姫に興味がある素振りはなかったように思うが、何せ神姫といえばハイスペックパソコン並に高価な人形だ。
リカちゃん人形のようにそうホイホイと買えるものではない。
(リカちゃん人形にはホイホイさん並の人工知能しか搭載されていない。 子供に悪影響を与える可能性があるのと、人形メーカーとしての誇りがあるとかないとか。)
俺が神姫の話を振っても 「んー、そうねえ」 と生返事を返すだけだった。
それがどうして?
いつ、どこで、なぜ姫乃は神姫を購入するに至った?
そして何故それを俺に黙っている?
……姫乃が何を買おうと彼女の勝手なのは分かっているつもりでも、どうも、こう、考えが悪い方に悪い方に向かってしまう。
みみっちい男と笑われるかもしれないが(姫乃に限ってそんなことは有り得ないが)、彼女のことはどんなことだろうと把握しておきたいし。


…………まぁ、何だ。


俺と姫乃ではない第三者が表れ、ソイツの影響で神姫に興味を持ったんじゃないかと邪推しているわけだ、俺は。
情けない男だろ。 ちっちゃい男だろ。
「ほら笑えよ。 笑いたいんだろ、無理矢理笑わすぞコラ」
「意味ワカンネーヨ。 っつーか、仮にその第三者がいたとしても、そいつが男とは限らんだろが」
「だから男だったらどうすんだっつってんだろ! お前責任取れんのかこの糞野郎!」
「はぁ!? カツカレーの食い過ぎで頭イカレたかお前。 ってか一ノ傘さんが浮気とかするわけないだろが。 アホか」
「お前に姫乃の何が分かる!! 適当なこと言ってんじゃねええええええ!!」
「テメエも知らなかったじゃねえか! ウダウダ言ってねぇで本人に聞けやあ!!」
「ハナコにショウくんとか呼ばせてんじゃねぇええぇぇぇぇぇぇえええ!!!!」
「おまっ!? 何故それ……はなこぉぉおおおあああああああ!!!!」
食堂で騒ぐ馬鹿が二人。
不毛な罵り合いは、貞方の鞄から出てテーブルによじ登ってきたハナコが仲介に入るまで続いた――――











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