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第十六話:偽眼姫

 腹をくくった俺達は次の日から輝を神姫センターにて、捜していた。手っとり早い話であれば施設に行くのがいいが、あそこでは彼が認めない場合、敵陣まっただ中に立たされる羽目になって追い出されるか、それ以上の事態になるかで面倒になるのは火を見るより明らかであるため、そこには行かなかった。
 それでも輝という個人を人混みの中から捜し当てるのはあまりにも面倒ではある。が、リスクは安く済む。正直、裏世界に関わるのは個人的には好ましくないし、ある程度距離をとらなくては面倒が残る。
 と、効率とリスクを考えた上で手段を弾き出したものの……

「見つからないわね」

 紫貴の言葉の通りだった。二日を費やしてみたが、彼は一向に見つからない。盲目の青年なら特徴的で見つけやすいかと高をくくったのが少々、仇になっている。
 こうなるのは予想できていたが、いざそうなるとこれはこれで面倒すぎる。

「やはり施設に行った方が……」
「ダメだ。互いに面倒になるし、あの研究者やその関係者に話を聞かれたくない」
「……ですよね。申し訳ございません」
「謝らんでいい。それよりもちょっと手段を講じないと埒があかない。何か方法はないか?」
「確かに地道に探すんじゃ、いつまでかかるかわからないわよね……」
「砂場で神姫のコンタクトレンズを探すようなものですね……」
「何で神姫でコンタクトレンズなのよ……。付けても意味ないし、バトロンじゃ眼鏡だって邪魔なだけよ……」
「バトロン?」

 少々間の抜けたやりとりのキーワードを拾って俺は思いついた。面倒くさくないすごく単純なやり方を。

「……あったぞ。簡単な方法が」
「何?」
「オーダーマッチだ」
「オーダーマッチってまさか!?」
「そうだ。今から輝にケンカを売る」

 紫貴は既に察しているが、オーダーマッチとは指定した相手を検索し、メールで呼び出して対戦するものだ。そうするには相手の了承がいるが、少なくとも相手がこの神姫センターにいるかどうかは割り出せる。要は見つけられればいい訳だが、仮に戦いに応じるならいきなり情報を賭けて勝負してもいいし、ダメなら直接会いに行ってもいいだろう。

「あの~。あいつって第一回世界神姫大会の優勝者ですよね?」

 紫貴が耳を疑う様に俺に確認を求める。
 負けず嫌いの彼女がこんな事を言い出すのも以前、石火と手合わせした時に勝ったとはいえ、ほぼ装備のない状態で押された上にイリーガルにもそのまま、戦いを挑めるほど、強いという事を直接感じているからなのだろう。そう思うのも無理のない話であり、彼女にはそれを言う権利がある。

「ああ。……怖じ気ついたか?」
「なっ!? そ、そんなワケないでしょ!!」
「なら、いいじゃねぇか。腕試しにもいいだろ? 親友とやらがいれば、二対二の変則バトルにして、お前等の連携テストにもなる。蒼貴の装備も相当変わったから色々とできるはずだ」
「テストで相手するもんじゃないでしょ!」
「でも合理的です。少なくとも現状を打破する手段にはなるでしょう。それに装備が不完全とはいえ、紫貴が勝てたんです。勝つ見込みがない訳ではないと思います」

 蒼貴は一度大破したばかりだというのに俺に同意する。俺の意図を理解し、その言葉の通りに実行しようと心に決めて俺に頷いてみせる。
 確かに装備を、それも最新鋭装備を搭載していればかなりの不利になるだろうが、それは俺たちにとってはそれは関係のない話だ。
 やり方によっては蒼貴の言う通り、熟練の強者にだって後れをとる事はない。それはその戦いで証明されているはずなのだ。

「蒼貴まで何言ってんのよ! もう!」
「大丈夫です。二人ならやれますよ」
「ああ! もうわかったわよ! やるわよ! でもって、やるからには勝つ!! いいわね!?」

 最初は何とか強大な敵となりうる輝と石火との戦いを避けようとした紫貴だったが、恐れも迷いもない蒼貴と軽口を叩く俺にとうとう折れて、半ばヤケクソ気味に勝利宣言をする。
 これで戦う覚悟はできた。 

「その意気だ。じゃあ、いくぜ?」

 そう二人に伝え、俺は受付へと行って輝とのオーダーマッチを申し込んだ。
 受付嬢にそれを言った時は彼女は俺を見て、無謀という二文字を顔に浮かべるとオーダーマッチのシステムを起動して、輝にオーダーマッチの知らせを送る。作業が終了すると俺に受付から離れない様に言って、次の受付の作業に戻った。
 俺はその言葉に従って受付の近くにあるテーブルに座って、蒼貴と紫貴の装備を確認する。
 能力的には蒼貴は神力解放と塵の刃、紫貴はCSCによる機動補正とヴィシュヴァ・ルーパーと圧倒的な威力とスピードで押し込むのが最大限の攻撃になると考えられる。
 また、今回は紫貴にミズキに付属していた忍者刀『風花』を持たせた。ブレードとサブアームだけでは小回りが利かない問題を対処になり、重装能力の低い蒼貴の重量は軽くしつつも武装を増やす手段になる。
 遠距離攻撃は相変わらず、アサルトカービンと苦無しかないが、それは上手く隠れつつ、戦うこととする。

『尊様にお伝えします。輝様がオーダーマッチに応じましたのでCー4のバトルブースへお越し下さい』

 放送が鳴り響いた。なんと輝がいる事がわかった上に戦いにも応じてもらえた。まさかここまで上手くいくとは夢にも思わなかった。が、こうしてチャンスを掴めたからにはモノにしなくてはならない。ここからが本番なのだ。
 俺達は席を立つと放送の通り、Cー4のバトルブースへ歩いていった。
 そこにたどり着くと輝と眼鏡をかけた女性が一緒にいるのが見えた。彼女は女性という割に手があまり綺麗ではなく、切り傷や油のシミがあり、姿も必要最低限の格好でオシャレにはあまり興味のない類の性格であることを伺わせるが、化粧をしていないにも関わらず、かなり綺麗な顔立ちをしていた。
 もしかするとこの人が輝の言う親友なのかもしれない。

「よう」
「誰? あんた」
「尊君だ。この前、話した人」
「ああ。何だか聞いた話の通り、無愛想な感じ。こんなへなちょこがあたし謹製の石火を負かしたなんて信じらんないね」
「……輝、話がある。施設の事だ」
「……なんだい?」
「単刀直入に言う。あの施設の義肢研究者はイリーガル技術と施設の神姫を横流しして研究費を稼いでいるらしい」
「どういう事なんだ?」
「この前、蒼貴がバーグラーにやられてな。その時にダチに助けられた後でバーグラーが施設の事を口にしたんだ」
「そんなバカな……」
「これはお前への確認と証拠の確保だ。石火の視覚データにそれが映っている可能性がある。無ければそれまでだし、あればお前にそれを言ってもらいたい。要は手を貸せってこった」
「そんな事をしたら施設が……」

 やはり動揺する。信じているモノが揺らぐという事ほど人にとって致命的なものはない。
 ましてや自分がこれまで世話になっている所の裏でそんな事がやられているともなればただ事ではないだろう。

「そうかもしれん。が、それを見て見ぬ振りをして後で後悔するよりはずっといい。どうする?」
「その話は本当なんかい?」
「そうでなきゃ、何で俺の蒼貴がこの姿になっているのかって話になる」
「ミズキ? いや……フブキか。随分と無理矢理な修理だね。全身取り替えることだってできたろうに……」

 輝の友達はすぐに俺のフブキの修理事情を見抜いた。すぐにそうしたのを見ると眼力は本物のようだ。盲導神姫の石火を作ったのだからこのぐらい当然か。

「石火、本当にフブキじゃなくなっているのか?」
「……間違いないよ。私が見た時は純正のフブキだったけど、今は右顔半分と右腕、後は所々を残して全部、ミズキの体になってる」
「これで納得してもらえたか?」
「……嘘を言っているわけじゃないみたいだね。少なくとも本気だ」

 話を聞き、事件の過程を聞いた輝達の中で彼の友達は俺の言いたい事を理解してくれた。
 なかなか飲み込みが早くてこちらとしても手間が省ける。

「結。施設の事は……」
「あんた、石火からはあんまり聞いていないようだね。あたしが言わなかったのも悪いけど」
「え?」
「施設の引き取った神姫は柄の悪そうな奴らがたまに持っていくんだ。妙におびえていたから不思議には思ってた。それがこれに繋がっていたらかなりヤバいね」
「そんな……」

 どうにも輝には石火からの情報が伝わっていないらしい。それはそうだ。彼女だって輝にこんな残酷な事を伝えるのは不本意なことであろう。
 目というのはどんなごまかしもせずに全てを見せる。石火は代わりという役目にすぎない。そこに石火の感情も入り込んでしまうのだからそれになりきれるのかはまた別問題になってくるだろう。

「別にあそこが全て悪とは言わん。お前みたいにいい奴だって大勢いる。が、そういう事があったって証拠もまたある」
「そういう人も巻き込むのか……?」
「結果的にそうなるかもしれない。別に百パーセント正義をやろうとは思わんさ。そりゃ迷惑がかかるだろうが、もっと迷惑がかかるよりはいい。少なくとも今以上のイリーガルマインドの流通は止めさせてそうした人達も安心ではいさせられるだろう。まぁ、この話が無くなるならないなりに次の手を考えるがな」

 こっちには正義の味方がついてはいるが、敢えて俺の考えを伝える。正義も悪もなく、あるのは自らの考えとルール。それだけは通しておきたい。

「こっちに対する対価は? 下手したら施設がまずい事になるってのにタダでくれてやれるものじゃないと思うが?」
「ない。だから、お前達を倒して勝ったら協力してもらう。それだけだ」
「なるほど。面白い。けど、それを決めるのは輝さね。どうする?」
「ダメだよ。そんな事をしたらこれまでの事がなくなっちゃう」
「……やるよ」
「え!?」
「石火。気を使ってくれてありがとう。でも、もし現実から目をそらしているのならそれを見ておきたいんだ。それに……戦いは真実を語ってくれるよ」

 石火が止めようとする中で輝がその気になった。やはりただの優男じゃない。初代チャンピオンは格が違うという事か。とはいえ、「これで勝てなければ嘘っぱちということで片づけてしまうぞ」という事も含んでいる。まだ、決意したわけでも何でもなく、まずは戦って真実を見極めようとしているのだ。

「それで、バトルの形式は?」
「そっちの希望があればそれを優先する」
「なら二対二にさせてもらうよ。双姫手の君の本気は二体であることなんだよね?」
「そうだ」
「わかった。そうしよう。結。目と手、貸してくれる?」
「OK。あの生意気なメガネ野郎を返り討ちにしてやろう。あたし達のチームワークを見せてやるさね」

 互いに了承し、バトルブースに入る。俺は席に着くと蒼貴と紫貴を戦場へと送り出し、相手の武装を確認する。
 石火は本気の装備であるらしく、イルカ型ヴァッフェドルフィンの武装パーツをベースに最新装備である天使コマンド型ウェルクストラを初めとする機動装備を絡めたの混合装備にムルメルティアの持つ短剣と拳銃が一体となっているBKピストル二丁を装備したものとなっている。
 相方となる結の神姫を見る。早夏というらしい神姫のタイプはツガル型コアにヴァッフェバニーの素体を付けたハイブリッドタイプ。外装は最近発売されたばかりの最新型の戦乙女神姫 アルトレーネタイプをベースに信頼性の高いミリタリー装備を加えた各距離対応型だ。
 中距離型と各距離対応型が組み、こっちが近距離主体なら距離をとった中距離を軸になるのは目に見えている。ともなれば、どうやって距離を詰めるか鍵になるだろう。
 戦い方の結論に至ったちょうどその時、戦いの場は整った。四体の神姫が荒野として設定されたフィールドに立ち、戦いの合図を待つ。

「さて、蒼貴。紫貴。相手は中距離主体で片方は飛行機能持ちだ。確実に距離をとってくると思え」
「はい。上手く距離を詰めます」
「わかったわ。オーナー、サポートお願いね」
「その辺は任せろ。こちらも情報と意地がかかってるんでな。こんなでかいケンカも何度もないだろうしな。っと……おしゃべりはここまでだ」

 俺は会話を止めるとバトルウィンドウを見る。

『Ready……』

 戦いの準備が完全に整い、二対二の情報と協力を賭けた戦いが始まる。相手は盲目とはいえ、世界大会で優勝経験を持った本物の実力者。油断はできない。しかしそれは関係ない。

『Fight!!』

 今は賭けに勝ってみせる。それだけだ。






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