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完結作品

武装神姫のリン
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剣は紅い花の誇り
クラブハンド・フォートブラッグ
ホワイトファング・ハウリングソウル
ハウリングソウル
ウサギのナミダ
アスカ・シンカロン
引きこもりと神姫
キズナのキセキ
魔女っ子神姫☆ドキドキハウリン
浸食機械
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2015年

えむえむえす ~My marriage story~

2014年

ぶそしき! これから!?
デュアル・マインド
15cm程度の死闘
悪魔に憑かれた微駄男
Nagi the combat princess
えむえむえす ~My marriage story~

2013年

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深み填りと這上姫
キズナのキセキ
武装食堂
二アー・トゥ・ユー

2012年

美咲さんと先生
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類は神姫を呼ぶ
浸食機械
引きこもりと神姫
ライドオン204X
フツノミタマ
白濁!? 阪高神姫部
白い英雄を喰う黒い女神
マイナスから始める初めての武装神姫

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流れ流れて神姫無頼
アスカ・シンカロン
MMS戦記
天海市神姫黙示録
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Forbidden Fruit
すとれい・しーぷ
車輪の姫君
樫坂家の事情!
Slaughter Queen Esmeralda.

2010年

おまかせ♪ホーリーベル
戦うことを忘れた武装神姫
Gene Less
The Armed Princess―武装神姫―
ウサギのナミダ
PRINCESS BRAVE
神姫☆こみゅにけ~しょん
アルトアイネス奮闘姫
ロンド・ロンド

2009年

せつなの武装神姫
双子神姫
鋼の心 ~Eisen Herz~
犬子さんの土下座ライフ。
狛犬はうりん劇場
Memories of Not Forgetting
Knuckle princess

2008年

武装神姫のリン
『不良品』
師匠と弟子
マリナニタSOS!(仮)
橘明人とかしまし神姫たちの日常日記
戦う神姫は好きですか
スロウ・ライフ
徒然続く、そんな話。
妄想神姫
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神姫ちゃんは何歳ですか?
剣は紅い花の誇り
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武装神姫~ストライカーズ・ソウル~
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クラブハンド・フォートブラッグ
武装神姫と暮らす日常
ネコのマスターの奮闘日記
ホワイトファング・ハウリングソウル
ハウリングソウル
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「――――ッ!!」
 今度こそ飛鳥を捉えたかと思ったが、またしても手応えは無かった。
 私の目の前にあるのは、外皮がコクリートが深々と抉り取られ、内部の鉄筋が露出している電柱だけだ。
 それに此方の切先が命中する寸前に視界が白煙によって遮られ、現在もその煙は晴れずに、しかもレーダーが妨害されて電子的な索敵が行えなくなっている。恐らくスモーク弾とチャフを併用してバラ撒きつつ離脱したのだろう。
「子供だましを……」
 急速上昇して効果範囲から離脱し、再度レーダーで飛鳥の機影を探す。陸戦ならまだしも、3次元空間を比較的自由に動ける空戦でスモークを焚いた所で一種の目くらまし程度にしかならないのは明白だ。
「……ちっ」
 だがレーダーでは中々相手の機影を捉えきれない。恐らくはその運動性を生かして住宅の敷地内などを縫うように低空飛行しているのだろう。
 しかし飛鳥型は最大速度では此方に大きく劣る上に、そのような飛行をしていては、この短時間に此方との距離を大きく取る事は出来まい。それに最初の逃走方向から大雑把な目的方向は予測できる。
「一瞬を見逃さずに……」
 システムメモリの大半を目視を中心とする索敵に割り振り、鋭く目を配らせる。
 ジリジリと時間だけが経過し焦りが募るが、このまま諦めてしまうわけには絶対にいかない。あんな破廉恥な物が私の手の届かない所に存在してしまうという事自体が大問題だ。更にもしもインターネット等に一度流出してしまったならばその回収・隠滅は不可能になり、私の人生は汚名に満たされた一生になってしまうだろう。
 いや、私自身だけならまだしも、アキラまで汚名を被る羽目になったなら……私は……
「――ヤツを絶対に、逃がしてたまるかッ」
 一刻も早くヤツを発見する為に焦る怒りをねじ伏せ、ギリ、と唇を強く噛み締める。アドレナリンからの影響なのか、それとも屈辱からなのか、口の中に苦い味が広がり私を一層不快にさせる。
 行幸と言うべきだろう。その時、民家の軒下を潜るように疾走していく飛鳥の姿が、私の目に飛び込んできた。
 だが次の瞬間、ヤツの影はとある家屋に吸い込まれるようにして消えてしまった。そこは1区画まるごと1つの家になっているらしい、複数の平屋式日本家屋と多くの深緑が広がる、広大な邸宅だ。
 そして上空で監視する事、数分。ヤツの姿は、何処からも出てこない。
「……つまり、あそこが本宅か」
 ニヤリと、口端が浮き上がるのがわかる。
「――――フ、フフフフフフフフ」
 ゆっくりとした動作で、先程磨耗したパイルバンカーに装填し、体制を整える。コキコキと指先が鳴り、アドレナリンが沸騰してくる。

「ブラッディィィ……ブレイクッ!!!!!」

 飛鳥が消えた家屋の直上から、瓦を吹き飛ばし、木材を圧し折り、板を粉砕し、100万ボルトの稲妻のように突き抜ける!
「出て来い!…………跡形も残さず――破壊してあげるから」
 もうすぐあの飛鳥を粉砕できるかと思うと、私の全身を禁断の果実を食したかのような高揚感が、ゾクゾクと駆け抜ける。
 バラバラと粉砕された木材が散乱し煙が舞い上がる中、私はヤツの姿を追い求める。

「あら……。これはこれは、ごきげんよう。招かれざるお客様」

「ッ!?」
 後ろからの突然の声に、反射的に振り向く。だが其処に居たのは飛鳥型の姿ではなく、こんな状況でありながら余裕を湛えた微笑を浮かべる、和装をした長い黒髪を持つ少女の姿だった。



~ネメシスの憂鬱・ファイルⅩⅢ~



「嗚呼これは失礼を。招かれざるお客様に対しても礼儀を尽くしませんと。
 わたくしの名は『黒姫 鈴乃』。以後お見知り置きを」
 そう一方的に名乗ると、優雅な動きで一礼する少女。
「しかしあいにくと、貴方には招待状は出してございませんの。
 今なら何もなかったことにして差し上げますゆえ、お引取りを願えますかしら?」
 微笑を浮かべたまま、氷のような瞳で見つめてくる少女。ただ佇んでいるだけなのに、その蒼い瞳からは凄まじい威圧感を感じる。
「――そんな物は関係ない。
 私はただ此処に逃げ込んだ飛鳥型神姫の持つ、マイクロチップとデータを引き渡して欲しいだけだ」
 だが……此処で怯む訳にはいかない。
「あら、そんな小鳥はここには居ませんわ。それとも此処に逃げ込んだという、確かな証拠でもありまして?」
「ずっと上空で監視していた。それにレーダーのログもある。これでは不足か?」
「えぇ、不足ですわね。
 ログと言っても貴方の頭の中にある情報でしょう。貴方ご自身で改竄されてないとも限りませんからね。いきなり天井を突き破っておいでになられるような無粋な方など、とても信用出来ませんわ」
 その飄々とした喋りに、私は不快感で一杯になる。だがその彼女の話し方は、私により以上の確信を抱かせる。この話の展開の仕方……いや、この話の逸らせ方はあの飛鳥と酷似している。
「――――埒が開かないようだ。此方は此処しか情報が無いし、貴方には真実を語ってくれる気は無いようだ」
「えぇ、そうですわね。それで、貴方はどうなさるおつもり?」
「……ならば、力ずくで探させて貰う!!!」
 まずは邪魔な彼女を排除する為、翼下のハードポイントにセットされたスタングレネードをまとめて発射する。直撃すればスタンガンと同じように高圧電流が駆け抜け、たちどころに行動の自由を奪うだろう。
「――フ」
 だが彼女は逃げる動き1つしないどころか、不適な笑みさえ浮かべながらその場に立っている。
「なにっ!?」
 その理由はすぐに判明した。飛翔するグレネード弾が彼女に命中する寸前で全て爆発してしまったのだ。
 そして次の瞬間には、側面方向から私へ向けて複数の銃弾が襲い掛かってくる。
「しまっ!?」
 ギリギリの所で滑るように回避マニューバを行い、殆どの弾丸は回避したものの、1発が『レネット』の装甲に当たって1次装甲を突き破られてしまった。

「お嬢様には、指一本触れさせない」

「チッ……」
 回避する為に気を逸らした隙に移動したのだろう。少女を守るようにその前に佇み浮遊する、1人の神姫の姿がある。
 その神姫……顔からムルメルティア型と判断できる……は、自らの身長よりも長い大型の狙撃銃を持ち、足首からは光の翼のようなフライヤーフィンが煌めき羽ばたく様に展開している。恐らくはそれで浮遊をしているのだろう。
「先程のはサービスです。次は全て命中させてみせます」
 だが面妖にも、その神姫は何故かロングドレスのメイド服を着こみ、頭にはご丁寧にカチューシャまで着けている。殺気に満ちた表情とは対照的でいささか困惑してしまう。
 尤もそれが目的でそのような姿をしているのであれば、此方も油断するわけにはいかない。何しろ比較的低速とはいえ飛翔するグレネード弾を全て撃ち落したのだ。少なくとも、射撃の腕に関しては非凡といわざるをえない。
「アガサ、や~っておしまい」
「お嬢様、そのセンスは古いです……」
 30年以上前の国民的?アニメのセリフに少し困惑した様子をみせながらも、両手で抱えるように所持していた実弾式大型ライフルをゆっくりと威嚇するようにしながら此方へ向け、構える。
「二度目は……ありません」
「く……っ」
 狭い室内、しかも正面から向かい合っていている状況下では、此方の高速装備ではかなりの不利は免れない。
 ジリジリと間合いを計るように後退し、反撃の隙を狙おうとした、その時。

「――お姉様の凛々しいお顔と、ネメシスちゃんのボンテージ姿、同一カットでゲットですわー♪」

 パシャリと光を浴びせかけられ、同時に緊張感で水を打つように静かだった空間に、パシャリと無思慮なシャッター音が木霊する。そしてシャッター音とフラッシュの光源の元に居たのは……
「そ、そこの飛鳥ぁっ!!!」
「……あ゛!」
 急いで物陰に隠れようとするが、急旋回が祟ってゴンと家の柱にぶつかり、そのままみっともなくずるずると滑るように落下してゆく。
「……居たが?」
 ギギギ、と軋む首を鈴乃とアガサ、2人の方へ恨みがましく向ける。
「あら、何か居ましたわね。でも余所の子でなくって?」
「そ、そんな酷いですわっ。鈴乃お嬢様ぁ!?緋夜子(ひよこ)は、身も心も鈴乃お嬢様の神姫ですのにっ」
 視線の先には先程から表情の変わらない鈴乃と、こめかみに手を当てて頭を抱えた様子のアガサの姿があった。
「……どうやら、馬脚を現したようだ。今度は逃がさん――――フ、フフフフフ」
 ペキペキと指が鳴る。ヤツの頭部を粉砕するだけでは飽き足らない。さぁ……どう料理してくれようか。
「――――待ちなさい。私が相手だと言った筈です」
 すぅっと空中を滑るように、私と飛鳥型……緋夜子と言ったか……の間に割り込んでくるアガサ。
「邪魔をするなメイド。――この位置なら、一緒に葬ってやる」
 LC3レーザーライフルの出力ゲージをMAXにセットし、照準を2人に向けて合わせる。先程は人間を巻き込み殺傷する可能性がある以上、最高出力はプロテクトにより発射出来なかったが、今度は違う。最高出力で2人まとめて吹き飛ばしてやろう。
「どうぞお撃ちなさい。でも、『ネメシス』ちゃん?。可愛い神姫が暴走神姫として廃棄処分になったら……『アキラちゃん』でしたっけ。とてもとても悲しむでしょうねえ……ふふふ」
「なっ!?」
 その名前を聞いた瞬間、ピタリと2人を捉えていた照準が、AIの、身体制御の異常によって激しくブレる。心臓に無形の槍を突き立てられ、抉りまわされているかのようだ。
「貴様……自らの神姫を犠牲にしてまで、私を貶めようとするのかっ!?」
「あら、先に仕掛けたのは貴方。それに貴方の求める物を、まだ緋夜子が持っているとは限らなくてよ?」
 和装の袖で口元を隠し、くすくすと笑う鈴乃。ヤツは人を貶める事を、心底面白がっている……
「さぁ、貴方はどう動くのかしら。楽しみねぇ」
 ヤツの言葉はブラフかもしれない。今撃てばデータを消し去れる可能性は、半分はある。
 だが今、ヤツは私とアキラの名前を出した。特に公式試合にはリングネームで出場しているアキラの名前を知っているという事は、私たちの身元を多かれ少なかれ把握しているという事に他ならない。
「………ッ」
 ギリ!、と皮膜が破れオイルが滴るほど、この手を強く握り締める。

「――――何のつもり、かしら?」

 私はゆっくりと下降して地面に降り立ち、武器を捨て去り、その身ひとつで、土下座をしていた。
「――私はどうなっても、構わない。殺してくれても、いい。
 だから……だから、アキラだけには……手を出さないでくれ……!」
 深々と地面に頭を擦りつけながら、憎しみと恥辱と敗北感でオーバーヒートしそうな思考の中、搾り出すような声で懇願をする。
 悔しさと情けなさで、涙が止まらない。だが今の私には、こんなことしか残された手段がないのだ……

「……しょうがないわねぇ」
 その鈴乃の今までと明らかに違う軽い口調に、思わず顔を上げる。そこには、くっくっと愉快そうに笑う鈴乃の姿があった。
「私も鬼ではありませんから。そこまで貴方が懇願するのなら、チャンスを差し上げましょう。
 見事チャンスをモノに出来たのならば、データは消去しましてよ。そして――失敗したならば、貴方の言うとおりにすると致しましょう」
「…………有難う。――チャンス、とは?」
 本来被害者である私の方が、有難うなどと言わざるを得ない、この屈辱。だが屈辱に耐えなければ、私たちの未来は永劫に暗黒の光に覆われてしまうだろう。
「私の神姫と戦い、勝ちなさい。
 貴方に真に守るべき者と信念があるのならば、例えその身を滅してでも、自らの力量を以って道を切り開きなさい」
「――――承知」
 再び大空を見上げるようにその顔を力強く上げ、地獄の業火の熱さを持つ灯火の宿った瞳が、鈴乃の凍てつく瞳とその視線が交差する。
「――――良い表情ね。それこそ武装神姫の顔だわ」
「当然だ。――――私は……アキラの誇るべき、武装神姫だ」
 立ち上がるんだ。自らの足で、自らの力で。自分の汚名を、自分自身で晴らす為に。
「所で、その格好なんだけど……私は構いませんが、着替えた方が宜しいのではなくて?」
 再びその表情を崩す鈴乃。今度は何か失笑を抑えきれないような、いや既にこらえきれずに笑い出している。
「……? 一体何……を……ををを!?!? 」
 その姿は、エルゴの店内で診断を受けていたときの姿のまま……SMチックなエナメルボンテージの衣装のままだったのだ。しかも髪も衣装にも精液がこびりついて、一部は既に乾燥してカピカピになり始めている有様。
 更に今の今まで気づかずに、この恥辱にまみれた格好で街中を滑走し、緋夜子を追いかけ、鈴乃相手にタンカをきっていたのだ。
「……きゅぅ」
 そう思考が現実に追いついた瞬間、私の羞恥心はその限界を一瞬で突き破り、気を失った。




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