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第六話:肩書姫


『恐るべき新参者!? 蒼と紫の貴石を操る双姫主!!

 ここ最近、噂になっているというオーナー 尊とその神姫達であるフブキタイプの蒼貴とイーダタイプの紫貴について紹介していこう。
直接彼に会うことは出来なかったが、その戦い方は異色であり、OMESTRADA社主催のイーダ開発決定のオープニングイベントにおいてイーダ捕獲の実績によって公に出てきた事から多くのオーナーの記憶の中に残っている。
まずはそのコメントを紹介していこう。

「あの蒼貴って神姫はヤバい。武装っぽい武装が鎌と苦無しかねぇから武装をいっぱい持っていきゃ勝てるなんて思ってナメてかかったら、武装をパクられたり壊されたりして、挙句の果てには逆に盗られた武器で倒される羽目になっちまったよ……」
(十六歳:男性)

「最近入ってきたイーダはいったい何なの? トライクで壁走りやロールが出来る神姫なんて聞いた事がない。フブキみたいに盗みはしないけど、武装は壊してくるし、ダミートライクを上手く使いこなしてくるから厄介極まりないわ」
(二十歳:女性)

「オーナーの状況変化への反応、神姫への指示、互いの絆は並大抵じゃない。なんであんな一流が有名になっていないのかが不思議でしょうがなかったね。戦った時は思わぬ強敵に出くわしたと思ったもんだよ」
(十七歳:男性)

 この様に彼の神姫は共通して武装を破壊し、蒼貴に限っては武装を盗む事で相手の戦闘能力を弱体化させてから、周りを利用して戦うという真正面からは決して戦わない戦い方が特徴だ。
 卑怯、姑息といった批判のインタビューも少なくなかったが、それを実行するには神姫には高いスキルを、オーナーには全体を見渡せる判断力を要求するのは想像に難くない。
 真似しようとしたオーナーもいたらしいが、意図的に武装を破壊したり、武器を盗んでそのまま自分の物として使用したりする事は生半可な技量では出来るはずもなく、今の所、武装を盗み出す戦術をするのは蒼貴のみだ。これまでの有名な神姫を見てもそうする者はおらず、有名なオーナーや神姫はその戦い方や、今後に注目している。
 また、噂では武装を盗み取ってそのまま武器にする事から蒼貴は『盗賊姫』というあだ名が付いているらしい。
奪ってそのまま武器にする様は確かに盗賊と言える。筆者の考える対策としては武装を極力持たないことを心がければ、武装を奪われにくくなるかもしれないという事だ。
 しかし武装が少なくなる事は戦略性の低下に繋がり、少ない武器を武装破壊されれば、すぐに丸腰にさせられるため、難しい所だ。
 何にしても今後に期待の持てる大型のルーキーなのは間違い無い。
 型に填らない戦い方でどこまでいけるのか筆者としても非常に興味深いため、いつか本人に直接取材をかけてみたいものである。

「ねぇねぇ。どんな風に紹介されてた?」

 カバンから身体を乗り出して紫貴が俺に尋ねてきた。自分が有名神姫になっている事を期待している。そんな目だ。

「……ああ。お前は、あだ名がまだ付いていないが武装破壊が出来て、トライクの操作が飛び抜けて上手い事が書かれてあるな。俺達は全体的に高評価だ。直接取材で無い以上、俺の名は無いから、俺個人が晒される事はないみたいだがな」
「え~! 何で蒼貴だけ~!!」
「そりゃ、週刊バトルロンド・ダイジェストにでも聞いてみな。シカトされるだろうがな。つか、それを言ったら俺だってあだ名ねぇぞ? 双姫主ってのは固有のあだ名じゃねぇしな」
「そりゃそうだけど……」

 彼女にとって残念な結果を伝えると紫貴は自分の思った通りの事にならなかったためにしょんぼりとしてしまった。
見かねた俺は紫貴をカバンから出してやると手に乗せて自分と同じ目線にまで持っていき、彼女の目を見た。
 それは「自分が蒼貴に劣っているから通り名がもらえず、有名神姫になれない」、「蒼貴並に頑張らないと無理なんだ」と、不安と焦りを物語っており、彼女の心を苦しめている様だった。

「……紫貴、焦るな。いいか? あだ名ってのは名札みたいなものなんだよ。そいつのやり方を表現するためのな。それが無いからっていってお前が弱いって事にはならねぇ。これはわかるよな?」
「うん……」
「落ち込むな。お前だって蒼貴に負けないぐらい強い。お前が俺のオーナーであれるのも、こうして注目されているのも、お前の力で勝ち取ったからだろ? それで強いと言わず何と言うんだ?」

 力というモノは何か特別な形をしていればいい訳じゃない。自分に合った武器や技があってこそ実力を十二分に発揮する事ができる。それが特別珍しいものでなかったとしても、強く在る事ができるのならば、それで十分なはずだ。
 蒼貴がそんな通り名をもらったのもたまたま、珍しい戦術を覚えたからに過ぎない。
 俺は蒼貴もカバンから出して紫貴の隣に座らせる。彼女は紫貴が不安そうな顔をしているのを見て、そっと紫貴に身を寄せた。

「それに俺は本当の事を言えば、名誉や通り名なんて必要ないと思っているんだ。蒼貴はどうだ? 何が欲しいと思ってるんだ?」
「はい。三人で一日を過ごす事ができれば……何も要りません」

 紫貴を助け出してやったのも最初は真那に付きあわされただけだとは言え、蒼貴が彼女を助けたいと思ったからだ。金と栄誉のためにやった訳じゃない。ただ、助けたいという気持ちに従っただけでしかない。そのはずなんだ。
 結果的に杉原のバイトをもらって、イベントクリアの実績を得たが、実際には紫貴が残ってくれる選択をしたおまけみたいなものだ。

「紫貴」
「……何?」
「私も貴方の性能に嫉妬してました。性能の無い私はその内、役に立たなくなって捨てられるんだとも思ってます」

 寄り添っていた蒼貴は紫貴から離れ、彼女の顔を見て、名前を呼び、何も飾ることのなく、ストレートに自分の思っている事を告白した。
 その言葉を聞いた紫貴はやはり本人から聞くと重いものがあったのだろう、事前に俺から聞かされていたというのに、蒼貴本人から聞く事になって動揺の表情を出す。

「そ、そんな事ないわよ。強い蒼貴がどうしてそうなるのよ!?」
「貴方に技が加われば必然的に性能差で私は負けてしまいます。それも近い将来、そうなるものと考えていました。そうしたら……」
「そんな事を言わないで! 蒼貴を追い出すなんて事しないよ! 私だって……私だって三人で一緒に過ごせればそれでいいの! ……あ」

 蒼貴の正直な気持ちに思わず、紫貴は叫んで彼女と同じ言葉を言った時、気づいた。

「そういうこった。何の事もない。俺たち三人で強くなって、そんでもって日々を過ごしていく。そんだけでよかったのさ」

 これまでも、これからも、誰かに注目されようが、通り名が付こうが、「俺たちが三人で一緒にいる」という事実は変わる事はない。それだけを忘れない限り、どこまでも駆け抜ける事ができるだろう。
 それは神姫とオーナーが望む極当たり前の事であり、一番大事な事でもあるのだ。
 そして注目され、賞賛されるのは望むものではなく、気づいたらあったものという程度のものだ。
 確かにあれば便利なものではあるが、それがいいかどうかは正直、状況にも寄るだろう。
 何にしても今という時間を大事に生きていくという事が一番大事だって事だ。

「まぁ……なんだ。三人で上手くやっていこうぜ。俺らは三人で一つだ。……そうだろ?」
「ええ。もちろんです」
「うん!」
「OK。これで悩み解決だな。……ありがとな」 

 二人の元気な返事に頷くと、俺はこいつらに色々な出来事をめぐり合わせ、絆を教えてくれた事に柄もなく一言だけ感謝の言葉を漏らしてしまった。

「え?」
「どうしました?」
「……い、いや何でもねぇよ。気にすんな。それより、あれだっ。これを買って後でゆっくり読もう」
「はぁ……そうですか」
「変な辰巳ね」

 俺は何とか平静を装い、話題を無理やり変えて、二人に納得してもらおうとしたが、蒼貴は不審な目で見ながらも納得したのに対して、紫貴はさりげなく俺の本名で呼んできた。

「うぉい! 外で俺の本名を出すなって!!」

 それに雑誌を買っていた俺は焦る。
 神姫センターで友人やらバイト先が出来たとは言え、正直、大学の知り合いにこういう所を目撃されたくはない。
 大学生活において神姫はあまり持ち込みたくはないし、俺はそれに似つかわしくない武術の類の部活に入っており、何というかその……そういうのに免疫の無い堅物野郎の巣窟に行き来しているのである。
 バレるとまずは色々と勘違いを始め、それが連鎖的に起きるのは目に見えているため、少しでも素性を隠してやらないと厄介な事になりかねない。

「じゃあ、尾上」
「そりゃ名字だ! ここで言うのはマジでやめろって! このアホンダラ!」
「別にいいじゃない。ここまで有名になったら大学でもバレバレになるのは火を見るよりも明らかじゃないの?」
「それでもだっ。つか名前割れしてねぇんだから、まだ大学じゃ何とかなる」
「そういうもの? それで彼女も出来たんだし、バレてもそれで帳消しになると思うんだけど。むしろ気味悪がられるどころか、そんな単純バカ相手なら『神姫をやればそれをしている内に彼女が出来る』なんて勘違いをしてくれて、皆がやり始めてそれがうやむやになると思うわ」
「真那の事かっ! あいつはただのダチだって!」
「その割によく付き合うわよね。飲み会にはついていってあげちゃうし、ああだこうだ言いながらも色々とカバーしてあげてなかったっけ?」
「紫貴、オーナーは素直ではありません。ですので直接聞くのではなく、そういう状況にして言わせるのです。さっきも『ありがとな』ってデレをして下さったでしょう?」
「げ! お前ら、しっかり聞いていやがったのかよ!?」

 そう問いかけると二人は答えの代わりに口を軽く緩ませながら俺の方に向いて笑ってみせる。それは完璧に肯定しており、確信犯である事を如実に物語っていた
 こいつら、最近黒すぎるぞ……。

「それもそうよね。さっすが蒼貴」
「ふふふ……さて、輝さんが待っていますのでここでこんな話もアレですし、行くとしましょうか」
「こんにゃろう……勝ったと思うなよ……」
「もう勝負は付いていますので」

 俺の苦し紛れの言葉にも蒼貴は軽く受け流してみせる。
 全く……女ってのはつくづく怖ぇ生き物だぜ……。





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