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第五話:成上姫



 杉原のよくわからない計画を聞いて呆れる俺が外へ出るとそこには蒼貴と紫貴に話をしている少年とようやく来たらしい石火のオーナーがいた。
 彼は杖を持って座っており、石火が何をしているのかを話していた。

「戻ってきたようだね」

 俺の存在に気づいた石火のオーナーは俺の方を向いて、杖で立ち上がりながら話しかけてくる。
 その言葉に少年もエルザが心配で仕方のない様子で俺の方に駆け寄ってきた。

「安心しな。性格はアレだが、腕は確かだ。しばらくすれば目を覚ます。ボディの仕様が変わってるから、その事はこの嬢ちゃんに言っておけよ?」
「色々とありがと……」
「気にしなさんな。そんな事より、もうあんなのに手ぇ出すんじゃねぇぞ。勝利とこいつの命……どっちが大事かこれでわかったろ?」
「はい……!」
「それでいい。そういや、あのチョーカーは誰からもらったんだ? まさかお前が作ったって訳じゃねぇだろ?」
「実は……」

 エルザの無事を確認し、落ち着きを取り戻した少年は俺に問われてようやく自分が何故、そうしてしまったのかを答えてくれた。
 少年は例によって神姫センターで敗退を喫し、どうやれば勝てるのかとエルザと共にティールームで考えていたらしい。そんな中、何やら怪しげな青年が近寄ってきて、『簡単に強くなれる方法』として例のリミッター解放装置の装着を持ちかけてきて、どういう物なのかを口で説明した後、五千円で売りつけていったのだという。
 その説明とは

『これを付ける事で神姫の本来の力を百パーセント発揮できるFRONTLINE社の次世代型のパーツで今はまだ出回っていない限定パーツなのだが、自分には必要がなく、買い手を捜しているがどうか?』

 というものならしい。誰だかは知らないが、汚いやり口をしてくれたものである。恐らくは神姫の死を何とも思っちゃいないだろう。
 確かに神姫は身体が作り物で、脳味噌はAIでしかないだろう。しかしそれはその定義を越えて魂というモノになっており、それは創造主である人間であったとしても否定してはならないはず。
 騙される方が悪いというのがあいつ等の言い分だろうが、そういう考えの方がもっと悪いのは火を見るよりも明らかな事だ。
 もしかすると、今この瞬間にもこの少年みたいに騙されて、泣いている神姫とオーナーがいるのかもしれない。

「そうか……。よく話してくれた。お前の勇気のおかげでその悪さをしている奴をとっ捕まえる手がかりが拾えたぜ。ありがとな」
「はい……」
「それと他に何かあったら俺のオーナーアドレスに頼む。この研究所に情報を漏らしたって事で何かあるかもしれないからな。……今日はもう、帰んな。エルザを大事にしてやって、これからの事を考えてやれ。相談があれば少しは乗ってやるから、な」
「……うん! これからちゃんとエルザと強くなっておじさんみたいに強くなるよ!!」
「……まぁ、今日は帰んな。今はゆっくり考えろ。こいつの今後をな」

 おじさん扱いされた俺は何とかそれをこらえて少年に帰る事を勧めた。

「ありがと! 何かあったら連絡するよ!!」
 そうすると少年は笑顔を浮かべ、少年はエルザと共に去っていった。これであの少年もこれで何とか平気な様になるだろう。

 一応の一件落着はした。が……。

「おじさん……か……」

 まだ二十代にして『おじさん』扱いされるとはさすがにショックなものがあった。
 正直、ミコちゃん以上に悲しいものを感じてならない。

「オ、オーナーはまだ若いですよ! 渋くて、男前ですし!!」
「そうよ! あんなちっこいのにオーナーの魅力なんて分かるワケがないわ!!」

 蒼貴と紫貴は何とか俺の気を取り直そうと必死になって、フォローをしてくれた。
 ありがたい限りなのだが、それはフォローになっていないって……。
 そんなブルーな状況の中、杖を突きながら、石火のオーナーが近づいてきた。

「大丈夫かい……?」
「ああ……。何とかな……」
「そう。それはよかった。まぁ、なんだろう。子供っていうのは素直だし、仕方ないんじゃないかな……?」
「まぁな……。それにしてもよくここまで来れたな。目が見えなくて大変だったろう」
 そう。俺が石火のオーナーからエルザを預かった時からそれはわかっていた。「早く行けない」とは「目が見えないから、早く行けない」という意味だったのだ。

 だから杖が必要であり、迂闊に走る事もできない。案内人もいなかったら歩く事すらままならないだろう。
 しかし案内人はいない。どうやってここまで辿り着いたのだろうか。

「僕には石火がいるから心配ないよ。彼女が僕の目の代わりをしてくれているからね」
「盲導犬ならぬ盲導神姫という事ですか」
「そうだよ」

 蒼貴の答えを石火のオーナーが肯定すると、「なるほど」と俺は思った。
 確かに神姫は犬よりも鮮明に『見る』事ができる。色を見分け、遠くまでを見抜き、見たものが何であるのかを正確に把握して伝えられる。
 犬みたいに補助をする事が身体の大きさの関係上、限られているにしてもその大きさ故に胸ポケットにでも忍ばせて周りを見てもらえば、言葉のやり取りも容易であるため、とても分かりやすい導きをしてもらう事が出来るだろう。
 それに人と同じ様に会話することも出来て、退屈もしない。
下手すれば欠点を補って余りあるかもしれない事を考えれば、非常に興味の持てるものなのは間違いない。
 チョーカーの様な悪い使い道とは反対に、こうして神姫が人間を手助けできる良い使い道や可能性を垣間見れそうだ

「あれれ? 何? 珍しい?」
「ああ。神姫もこういう使い方があったんだなと感心していたとこだ。正直、戦わせるか愛でるかの二択しかないんじゃないか思っていたからよ」
「まぁ、確かに神姫のやる事って大抵はそういう感じだよね」

 石火は「やっぱりか」という様な顔をする。確かに神姫というものは戦いをし、主を癒すためにあるというのが一般的な定義だ。
 しかし、その癒し方というのはこういう事もまた一つの手段だというのは忘れられがちなのかもしれない。

「そりゃ、仕方ないさ。ならない事にはそういう事を知る機会もねぇしな。だが、なかなか面白ぇとも思う。考えた事もなかったよ」

 実際に盲目を始め、身体が不自由にならなければこういう事に出会う事はない。
 それでもそういう事を垣間見られるというのはある種の幸運の様に俺は思う。
 神姫が本当の意味で人間を助ける手段として、こういう可能性があってもいいと考えられるのはなかなか楽しいものだ。

「それだったら、隣の駅の方にちょっと私が訓練した施設にでも行ってみる? 色々と見れると思うよ」
「そうか。なら、ちょっと見に行ってみていいか?」
「いいよ。君にも興味があるから話をしながら行こう。ちょっとゆっくりになっちゃうけどね。……あ、名乗り忘れていたけど、僕は輝(あきら)って言うんだ。よろしく」

 興味を持った俺の申し出に輝が了承してくれた。

「構わねぇよ。杉原の用事もしばらく後になりそうだしな。……俺は尊だ。こちらこそよろしく頼む」

 輝が申し訳なさそうに言ってきた言葉を何の事もない様に俺は返す。少年から情報も聞き出したし、杉原の準備もしばらくかかるだろうからゆっくりといけそうだからたいした問題じゃあない。



 言葉を交わした俺達は自分たちの神姫を連れ、OMESTRADA社の外を歩き始めた。
 その時から、輝を見ていたが、彼は石火の言葉に従って、ゆっくりながらも確実に歩みを進めていた。
 犬みたいに引っ張る事はなく、引き寄せられる様に歩く事は出来ないが、遠くを見通し、全体を見て判断する石火の導きの言葉に迷いなく進んでいる。
 これは、彼女に絶大の信頼を持っているからこそそうできる事だ。輝と石火は普通の奴の何倍も固い鋼の絆で結ばれているのは想像に難く無かった。
 俺と蒼貴と紫貴はそんな鋼の絆を結べているだろうか。すれ違い、喧嘩し、それでも笑って、日常を過ごしてそんな当たり前のような事を繰り返しているだけだが、果たしてそれであいつらは俺を信頼してくれているだろうか。

 時々……気になるな。

「そういえば、君は双姫主なんだってね。すごいじゃないか。僕には出来ない芸当だ」
「……何でそんな事まで知ってんだ?」
「あれ? 知らないのかい? 君、週刊バトルロンド・ダイジェストでOMESTRADA社の賞金騒動で優勝してそのまま、専属テスターになったとかって事で今活躍中のオーナーとして紹介されている様だけど……」
「はぁっ!? マジかっ!!?」

 絆の事を考えていると輝に突然、双姫主の事を言われて思わず聞き返した。いつの間にか俺が紹介されているとは一体どういうことだろうか。
 いつの間に俺たちはそんな紹介されるほどの事は……しているのか。これじゃあ、いい晒し者じゃないか……。

「うん。そこのフブキ……蒼貴も『盗賊姫』ってあだ名を付けられて紹介されていたかな」
「わ、私もですか……?」

 自分がまさか通り名付きの有名神姫になっているとは思わなかったと言わんばかりな驚きの表情で蒼貴は自分を指し、輝に聞き返す。

「武器を盗んでそのまま自分の武器として扱えるなんて、どんな武器も扱える並外れた器用さが無きゃやれるものじゃないよ。僕が今まで見てきた中でこんな戦い方をする神姫は一人もいなかったね」
「輝~。あたし達だって超スゴいっしょ? なんたってあたしは『ダブルトリガー』ってあだ名があるし、神姫の最初の世界大会で優勝までしちゃってブイブイ言わせていたんだからさっ」
「こらこら。そういうのは軽く言いふらすものじゃないでしょう。それに……昔の話だよ。それはね」
「いいじゃない。減るもんじゃないし。私はまだ戦えるから輝はそれを感じていてよ。目が見えなくたって参加できるし、いつか輝をチャンピオンに返り咲かせてあげちゃうぞっ?」
「あはは。ありがとう」

 こいつら、なんて事を軽く言っているんだろうか。
 神姫の世界大会といえばとてつもない金が動く神姫の大会の中でも一番でかい祭りだ。それを一回でも優勝しようものなら、とんでもない賞金と世界大会優勝者という大きな名誉を得る事が出来る。
って事は目の前にいる輝という奴は相当凄い奴だって事になる。そんな奴と共同戦線を張れるとは……世の中はわからないもんだ。
 その時、偶然、立ち読みできる本屋を見かけた。そこには新型の神姫であるランサメイト、エスパディアの二機が裏表紙を飾っている週刊バトルロンド・ダイジェストが置いてあった。
 そういえばCMでランサメイトとエスパディアの発売が発表されていた。恐らくはそれらに関してのレビューも書いてありそうだが、気になっている事はそれじゃない。

「……すまん。ちょっと、週刊バトルロンド・ダイジェストを読んでいいか?」
「ん? 本屋でもあったのかい?」
「そうみたいだよ。外で売りに出されていて立ち読みも出来そうな週刊バトルロンド・ダイジェストが置いてあるみたい。ひょっとして自分の活躍が気になっちゃった~?」
「……そんなとこだ」
「なら、見てみるのもいいかもね。行ってきていいよ。近くまで行くから」

 俺は早速、輝と石火の許可をもらって週刊バトルロンド・ダイジェストを開いた。
そうすると最新の神姫素体やパーツのレビューや組み合わせの情報が最初に出てきたが、この辺は今は用がないため、そのページをパラパラとめくっていく。
 そして辿り着いた。『注目!! 今を駆ける神姫とオーナー達!!』という記事に。
 そこには様々な武装と戦術を使いこなす柔軟なオールラウンダーな戦い方を繰り広げるストラーフタイプの神姫 アイゼンや相手の武装と戦術を模倣し、『ミラー・オブ・オーデアル(鏡の試練)』の異名で恐れられるアーンヴァルタイプの神姫 マスターミラーといったハイレベルな神姫達を絶賛する記事が紙面を彩っていた。
 そんな中、記事に目を通していると……あった。





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