「納得いきませんわ!」
銀髪縦ロールが特徴的なイーダ型神姫がバトルロンドの敗北に納得が出来ずにバイザーを床に叩きつける。
「そうは言ってもあれも戦術の一つですから」
そのオーナーが宥めるように言う。年の頃合いは20代半ばと言ったところだろうか、無駄に育った大きな身長は平均を頭一つ半は抜きんでている。
「卑怯ですわ!姿も見せずに遠くからなんて!」
「エリアーデとは相性が悪いからね」
今回の相手は本当に相性が悪かった。近距離特化型のエリアーデの知覚外からの狙撃、それに文字通り手も足も出ずに一方的な試合になり姿すら見ることなく敗北、機嫌が悪くなるのもうなずける。
「もう!クロエ、貴方はいつもそうですわね。私にも銃器の一つでもつけたらどうですの!?」
ビシッと指を指されるクロエ
「いや、そうはいっても銃器扱えないでしょ」
「扱えます!当たらないだけですわ!」
薄い胸を張り自慢げに語るこのエリアーデには射撃のセンスは皆無だった。
「それを扱えないって言うんだよ。まぁとりあえずはお疲れ様、はいこれ」
クロエからジェリ缶を渡され、それを渋々ながら受け取るエリアーデ、中身は大好物であるバナナチョコ味である。
「もう、いつもこれで機嫌が治ると思ってもらっては困りますわ。ですけれど今日の所は許して差し上げます」
どうやら虫の居所は治ったようだ。いつもの定位置であるクロエの左肩に乗りジェリ缶を飲み始める。
そんな気分を直し始めていたところに、エリアーデが一気に不機嫌になるモノがやってきた。
「クロエさ~ん」
エリアーデいわく無駄に大きい脂肪の塊二つを付けた牛乳女、胸とは対照的に小さめの背に眼鏡をかけたまだ幼さが残る顔が特徴の今年高校生になったばかりの高月芽衣が大きく手を振りながら小走りにその揺れに連動して揺れる少々大きめの胸は周囲の男性オーナーの目を釘付けにしながら来た。
「芽衣さん、珍しいですね舞闘場に来るなんて」
芽衣はクロエの経営する小さなパーツショップの常連の一人だ。
「どうせ冷やかしに決まってますわ」
「エリアーデ」
「ふんっ!」
へそを曲げあさっての方向を向く
「助けてください!」
「え?」
銀髪縦ロールが特徴的なイーダ型神姫がバトルロンドの敗北に納得が出来ずにバイザーを床に叩きつける。
「そうは言ってもあれも戦術の一つですから」
そのオーナーが宥めるように言う。年の頃合いは20代半ばと言ったところだろうか、無駄に育った大きな身長は平均を頭一つ半は抜きんでている。
「卑怯ですわ!姿も見せずに遠くからなんて!」
「エリアーデとは相性が悪いからね」
今回の相手は本当に相性が悪かった。近距離特化型のエリアーデの知覚外からの狙撃、それに文字通り手も足も出ずに一方的な試合になり姿すら見ることなく敗北、機嫌が悪くなるのもうなずける。
「もう!クロエ、貴方はいつもそうですわね。私にも銃器の一つでもつけたらどうですの!?」
ビシッと指を指されるクロエ
「いや、そうはいっても銃器扱えないでしょ」
「扱えます!当たらないだけですわ!」
薄い胸を張り自慢げに語るこのエリアーデには射撃のセンスは皆無だった。
「それを扱えないって言うんだよ。まぁとりあえずはお疲れ様、はいこれ」
クロエからジェリ缶を渡され、それを渋々ながら受け取るエリアーデ、中身は大好物であるバナナチョコ味である。
「もう、いつもこれで機嫌が治ると思ってもらっては困りますわ。ですけれど今日の所は許して差し上げます」
どうやら虫の居所は治ったようだ。いつもの定位置であるクロエの左肩に乗りジェリ缶を飲み始める。
そんな気分を直し始めていたところに、エリアーデが一気に不機嫌になるモノがやってきた。
「クロエさ~ん」
エリアーデいわく無駄に大きい脂肪の塊二つを付けた牛乳女、胸とは対照的に小さめの背に眼鏡をかけたまだ幼さが残る顔が特徴の今年高校生になったばかりの高月芽衣が大きく手を振りながら小走りにその揺れに連動して揺れる少々大きめの胸は周囲の男性オーナーの目を釘付けにしながら来た。
「芽衣さん、珍しいですね舞闘場に来るなんて」
芽衣はクロエの経営する小さなパーツショップの常連の一人だ。
「どうせ冷やかしに決まってますわ」
「エリアーデ」
「ふんっ!」
へそを曲げあさっての方向を向く
「助けてください!」
「え?」
サロンルームに移動したクロエ達、二人用の小さなテーブルを挟み座る。
「で、助けてほしいというのは?」
「あの…ですね…その…」
なかなか言い出しにくいのか芽衣が言い淀む。それを見かねたのは芽衣の神姫シュメッターリンク型のアムだった。
「芽衣の代わりに私が言います!」
「どっちでも構いませんから早くしてくれませんこと?私エステの予約が・・・」
「ひぅ」
アムがエリアーデに怯え目に涙を浮かべ始めた。
「大丈夫ですよ。エステの予約なんてしてませんから、ゆっくり自分のペースで喋って」
それにアムの顔が明るくなる。
「はい!あの…芽衣に最近、しつこく付きまとってくる人がいて」
「ふん!自慢話なら結構よ、帰りましょうクロエ」
「ひぅ!」
「エリアーデ、話の腰を折らないでくれ。アム続けて」
促されなんとか喋り出すアム
「それで、ずっと断っていたんですけど、あんまりにもしつこいので芽衣が自分には彼氏がいるって言ってしまって」
どうやら芽衣のSOSはクロエの予想のナナメ上を行ったようだ。
「それで?」
「あの…」
「待ってアム、それから先は自分で言うから」
芽衣がアムを制止し、クロエを見据え言った。
「クロエさんの名前出しちゃったんです」
「はぁ!?なんですのそれ!勝手にクロエの名前を出したですって!」
当の本人であるクロエではなくエリアーデが声をあげた。
「まぁまぁエリアーデ、それでその人が諦めたんならいいじゃないですか」
しかし芽衣の表情は晴れない
「いえ、その、実はまだ続きがありまして…」
「はい?」
「その人に交際を賭けてバトルロンドを申し込まれてしまって」
どうやらその相手は諦めが悪かったらしい
「受けたんですか?」
「まさか、受けれるわけありませんわよね、だってこの子一度もしたことないんですから」
エリアーデの言葉通り、アムは一度もバトルロンドをしたことが無い、そもそもアムの性格的に向いていないのと、芽衣はバトルロンドをさせるためにアムをパートナーとして選んだわけではないのだからバトルロンドなどするわけがない。
「いえ…その…受けちゃたんですけど…」
芽衣が申し訳なさげに告げる。
「あぁそれでアムの特訓に付き合ってほしいと?」
その程度なら快く引き受けるものを、とクロエは思ったが自体はそうもいかなかった。
「いえ、受けたのはクロエさんなんです」
「はい?」
「ですから、バトルロンドを申し込まれたのはクロエさんなんです」
「どうして?」
「クロエさんに勝ったら付き合ってもいいということになってしまって」
「「な!・・・」」
驚きすぎてエリアーデはうまく言葉が出なかったらしい。
「ちょっと待ってください。話を整理しましょう。まず芽衣さんはある人に言い寄られていたと?」
「はい」
「それで困って彼氏がいると嘘をついて、僕の名前を出した」
「・・・はい」
芽衣の返事が小さくなっていく。
「そしてその人が諦めきれないから僕にバトルロンドを叩きつけたと?」
「・・・・・・はい・・・ごめんなさい」
うつむき元々小さい芽衣が更に小さくなる。
「ごめんで済めば警察はいらないのですわ!」
「エリアーデ少し静かに」
「むっ」
「芽衣さんはそれほど嫌だったんですか?」
「はい…だって好きでもないのに付き合いたくありませんから…ご迷惑ですよね」
芽衣はもうこの場から消えるのではないかと思うほど小さくなってしまった。それは普段とても明るく笑顔の絶えない芽衣の姿からは想像できないその姿はクロエにとって見るに堪えないものだった。
「ふぅ、まぁ仕方ありませんよね。嫌なものは嫌ですからね。引き受けましょう。それでそのバトルロンドの日はいつですか?」
芽衣の顔に少しではあるが光が戻ってきた。
「ありがとうございます!・・・それで、その今日なんです。そのあそこにいる人です」
芽衣の視線の先にいる人をクロエとエリアーデが見つけた。その出で立ちはお世辞にもセンスが良いと言えるものではなかった。年の位は幼く見える芽衣を差し引きさらに贔屓目に見ても30代、いや20代後半と言ったところだろうか
「あー」
本人の名誉のために身体的特徴を上げるのはやめておこう
「あれはお断りですわね。芽衣、貴方に初めて同情致しますわ」
「うぅ」
もう芽衣は泣きそうどころか、涙が零れ落ちている。よほど怖い思いをしたのだろう。
「芽衣さん泣かないでください。大丈夫ですから。エリアーデ」
「分かっていますわ。いつもならわざと負けるところですけど、アレはあり得ませんわね」
「で、助けてほしいというのは?」
「あの…ですね…その…」
なかなか言い出しにくいのか芽衣が言い淀む。それを見かねたのは芽衣の神姫シュメッターリンク型のアムだった。
「芽衣の代わりに私が言います!」
「どっちでも構いませんから早くしてくれませんこと?私エステの予約が・・・」
「ひぅ」
アムがエリアーデに怯え目に涙を浮かべ始めた。
「大丈夫ですよ。エステの予約なんてしてませんから、ゆっくり自分のペースで喋って」
それにアムの顔が明るくなる。
「はい!あの…芽衣に最近、しつこく付きまとってくる人がいて」
「ふん!自慢話なら結構よ、帰りましょうクロエ」
「ひぅ!」
「エリアーデ、話の腰を折らないでくれ。アム続けて」
促されなんとか喋り出すアム
「それで、ずっと断っていたんですけど、あんまりにもしつこいので芽衣が自分には彼氏がいるって言ってしまって」
どうやら芽衣のSOSはクロエの予想のナナメ上を行ったようだ。
「それで?」
「あの…」
「待ってアム、それから先は自分で言うから」
芽衣がアムを制止し、クロエを見据え言った。
「クロエさんの名前出しちゃったんです」
「はぁ!?なんですのそれ!勝手にクロエの名前を出したですって!」
当の本人であるクロエではなくエリアーデが声をあげた。
「まぁまぁエリアーデ、それでその人が諦めたんならいいじゃないですか」
しかし芽衣の表情は晴れない
「いえ、その、実はまだ続きがありまして…」
「はい?」
「その人に交際を賭けてバトルロンドを申し込まれてしまって」
どうやらその相手は諦めが悪かったらしい
「受けたんですか?」
「まさか、受けれるわけありませんわよね、だってこの子一度もしたことないんですから」
エリアーデの言葉通り、アムは一度もバトルロンドをしたことが無い、そもそもアムの性格的に向いていないのと、芽衣はバトルロンドをさせるためにアムをパートナーとして選んだわけではないのだからバトルロンドなどするわけがない。
「いえ…その…受けちゃたんですけど…」
芽衣が申し訳なさげに告げる。
「あぁそれでアムの特訓に付き合ってほしいと?」
その程度なら快く引き受けるものを、とクロエは思ったが自体はそうもいかなかった。
「いえ、受けたのはクロエさんなんです」
「はい?」
「ですから、バトルロンドを申し込まれたのはクロエさんなんです」
「どうして?」
「クロエさんに勝ったら付き合ってもいいということになってしまって」
「「な!・・・」」
驚きすぎてエリアーデはうまく言葉が出なかったらしい。
「ちょっと待ってください。話を整理しましょう。まず芽衣さんはある人に言い寄られていたと?」
「はい」
「それで困って彼氏がいると嘘をついて、僕の名前を出した」
「・・・はい」
芽衣の返事が小さくなっていく。
「そしてその人が諦めきれないから僕にバトルロンドを叩きつけたと?」
「・・・・・・はい・・・ごめんなさい」
うつむき元々小さい芽衣が更に小さくなる。
「ごめんで済めば警察はいらないのですわ!」
「エリアーデ少し静かに」
「むっ」
「芽衣さんはそれほど嫌だったんですか?」
「はい…だって好きでもないのに付き合いたくありませんから…ご迷惑ですよね」
芽衣はもうこの場から消えるのではないかと思うほど小さくなってしまった。それは普段とても明るく笑顔の絶えない芽衣の姿からは想像できないその姿はクロエにとって見るに堪えないものだった。
「ふぅ、まぁ仕方ありませんよね。嫌なものは嫌ですからね。引き受けましょう。それでそのバトルロンドの日はいつですか?」
芽衣の顔に少しではあるが光が戻ってきた。
「ありがとうございます!・・・それで、その今日なんです。そのあそこにいる人です」
芽衣の視線の先にいる人をクロエとエリアーデが見つけた。その出で立ちはお世辞にもセンスが良いと言えるものではなかった。年の位は幼く見える芽衣を差し引きさらに贔屓目に見ても30代、いや20代後半と言ったところだろうか
「あー」
本人の名誉のために身体的特徴を上げるのはやめておこう
「あれはお断りですわね。芽衣、貴方に初めて同情致しますわ」
「うぅ」
もう芽衣は泣きそうどころか、涙が零れ落ちている。よほど怖い思いをしたのだろう。
「芽衣さん泣かないでください。大丈夫ですから。エリアーデ」
「分かっていますわ。いつもならわざと負けるところですけど、アレはあり得ませんわね」