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第三話:共感姫




 真那が廃人探偵事務所に行くのを見送ると俺は妹や親の真那との関係に関する追及を回避しつつ、引き続き、イーダについての情報を調べる事にした。
 俺が調べるのは実際にイーダと戦って取り逃がした者の情報だ。
 多少、信用は出来ないが、多量の戦闘情報を集めれば戦い方を探る事が可能となり、そこからイーダを追い込む手段を見つけることが出来るだろう。
 まずは大型の情報掲示板に当たってみる。一週間という長い時間が経っているためか、かなりのスレッドが立っており、皆してイーダについての議論をしていた。
 ある者はイリーガルとなって暴走した、何らかの試作システムが暴発したなどと噂し、またある者はイーダの目撃情報を求めていた。
 しかし、掲示板に巣くう者達はそれを面白がり、笑い、話題を提供する者達をはやし立てる。ここはある種の無法地帯だった。書き込むには相当の覚悟と頭の良さが無くてはやれないものだ。
 それを知らずに書き込んだ空気が読めなかったり、軽はずみな事しか言えない奴はそこで喰われるのである。
 まぁ、恐ろしい場所だが、見る分には良い情報収入源だ。
 情報の取り方を知っていれば何の事もない。
 では何を俺はやるのか。……それは『愚痴』を聞く事だ。負けず嫌いそうな奴を探し出し、その人が零す『愚痴』という名の情報を引き出すのである。
 俺は早速、その愚痴を聞くべく、イーダの戦闘に関するスレッドを開いてみた。そこにはイーダ捕獲を試みて失敗した者達がそこに集い、イーダが強さについて語り合っている真っ最中だった。
 そこには各武装に関する情報がわんさか書かれてあった。書き込みを行っている者のあまりの迂闊さに俺は感謝をしてそれを見る事にした。
 まず、イーダの特徴であるビークルユニット『ヴィシュヴァ・ルーパー』。これは可変機構を備え、トライクモードとバトルモードの二つの形態になることが出来る。
 トライクモードになると非常に素早くなり、特にグリップ力と加速力が高いため、変則的な機動を得意としている。最高速度は時速四十キロ。普通道路での自動車並みの最高速度だ。平均速度はこれ以下になるだろうが、かなりの性能である。
 バトルモードに変形した場合はトライクがイーダのアーマーとなって彼女をサポートする。非常に装甲が厚く、強力な大型クローを内蔵するサブアーム『エアロチャクラム』が最大の武器となる。
 近接戦でのパワーはこれまでの機種の中では最強のパワーを誇る建機型であるグラップラップに多少劣る程度とかなりの強さを誇るようだ。これではまともにやりあったら勝ち目はない。
 さらに細身の躯体であるにも関わらず、こんなゴツいトライクをぶん回しているにも関わらず、消耗があまり無いらしい。
 これは恐らくこのマシンに限ってはソーラーバッテリーか何かの補助動力源を搭載しているためのものと推測できる。
 そうでなければ書き込みでのイーダのパワーが成立しない
 次は本体に搭載されている武装であるアサルトカービンとエアロヴァジュラに関する情報を見る。
 アサルトカービンは中距離をカバーする機銃であり、砲身を追加する事で射程距離を伸ばすアサルトカービン・エクステンドという形態を有した中、遠距離を補うための射撃武器だ。
 ノーマルは連射性の高いマシンガンタイプで弾幕を張るのに適し、エクステンドは連射性を捨てて、反動性能と消音性を向上させ、安定性を重視した物になっている。
 ノーマルとエクステンド両方に言える事だが、アサルトカービンそのものは自分の得意である近接戦を仕掛けるための牽制武器としての意味合いが強い。
 これを主武装とするのも可能であると言えば可能であるが、イーダという機体全体を活かすならこれは牽制として使うのが吉と言えよう。
 現に書き込みにはイーダはアサルトカービンを牽制に使用しているという情報が多く、イーダは近接戦を意識した戦闘をしている事を察する事が出来た。
 となるとイーダのメインウェポンは肩刃のブレード……エアロヴァジュラになる。
 それはナノ単位で振動して焼き切る方式のヒートブレードであり、まともに受ければ一太刀で普通の神姫の躯体は真っ二つになってしまうだろう。
 リーチも長く、軽量とメインウェポンとしては申し分の無い性能である。

 ――近接戦では装備で押されかねないな……。

 俺は書き込みの情報をまとめ、難しい顔をする。恐らくは蒼貴とルナでやりあう事になると思うが、敵は非常に素早く、場所は十中八九、街中になるため、ルナの砲撃では周りを破壊しかねないし、蒼貴が接近するのはそう簡単にはいかない。
 それに通常の神姫としてはかなり性能が高い。堂々と賞金を賭ける事から違法改造機であるイリーガルではない事を考慮すると、恐らくは性能テストのためにロールアウトされた量産性を考慮していない高性能なワンオフ機ではないかと推測できる。
 まだ量産体制を整えられておらず、公開されていないものだ。そうした可能性も十分にありえるだろう。
 もしそうならイリーガルではないにしろ、二対一でも不利であると見るのが道理だろう。
 俺は蒼貴とルナの連携戦術を試行錯誤する。しかし、イーダの近接武器の充実と砲撃不可が邪魔をして思いつかない。

――くそっ。焦るな。俺。手はあるはずだ。完璧なんて言葉なんてあるはずが無いんだからな……。
「オーナー。あの……」

 俺と共に掲示板を見ていた蒼貴が突然話しかけてきた。その顔はどこか悲しそうな顔をしている様に見える。いったい、どうしたというのだろうか。

「どうした? 蒼貴」
「この子、辛そうです」
「……どういう事だ?」

 蒼貴の言葉に俺は疑問を抱き、彼女に問う。
 蒼貴は答える代わりに掲示板に添付されてある携帯電話で撮影されたと思われるイーダの顔を指差した。

「何かから逃げのびようとしている。そんな感じがします」
「賞金を賭けているOHMESTRADA社だろ? そりゃわかりきった話だぞ」

 そうだ。こいつは企業に追われているお尋ね者、捕まる事を拒み、逃げるのは当たり前で言うまでも無くやる行為だろう。
 しかし、蒼貴はそう思っているわけではないらしい。

「そうじゃないんです。何か私と同じものを感じるんです」
「お前と同じ……?」

 蒼貴とこいつの共通点……考えた事が無かったな。
 蒼貴は……一ヶ月前に倒した前オーナーに捨てられた神姫であってCSCを何度も取り替えられた神姫だ。
 捨てられて何とか生き延びようと俺の家に入り込んできて死にたくないってあの時は必死だったな……。

 ―― ……死にたくない?

「おい……。まさか……。こいつは『CSCを抜き取られる』って事に怯えているって言いたいのか?」

 俺が思い至った結論を意味する質問を問いかけると蒼貴は無言で頷いた。その瞬間、俺の頭の中で全ての点が一気に一つに繋がり、大体を理解した。
 ……なんてこった。それなら話が全て繋がる。俺の推測通り、生産性を考慮していない試験機であるとするならば、役割を終えてバラされる可能性は非常に高い。
 試験機は貴重なデータの詰まった研究所にとっての宝だ。それをそのまま、外部に渡すはずが無い。そのためにデータ……記憶を抹消するためにCSCを抜き取り、初期化してしまうという手段は十分、ありえる。
 当然、神姫には心がある。それを拒否する心もまた存在する。だからイーダは役目を負え、大人しく、解体される事を良しとせず、脱走したのである。
 そうしてしまったイーダのCPUにはOHMESTRADA社の重要な情報も仕込まれている。そのため、OHMESTRADA社は金を掛けてでも捜そうとしているのである。

「まいったな……」

 そう。これが正しいとするならばイーダを渡せば賞金は手に入る。しかし、それはイーダの死も同時に意味するのである。
 金と命、その二つを天秤にかけるという選択する者の人間性を問うあまりにも残酷なものだった。

「オーナー。捕獲ではなく、保護を提案したいのですがどうでしょう?」
「つまり、説得するって事か。撃破、捕獲以上に難しいぞ。やれるのか?」

 蒼貴が提案したのは説得する事で俺達がOHMESTRADA社に渡さず保護し、面倒を見るというものだ。それは神姫の命をとる選択肢になる。
 しかし、そうするのは簡単な事ではない。
 先に言った通り、イーダはワンオフ機という高い性能を有した機体だ。
 それを相手にして自分は一切、攻撃せずに彼女の攻撃を回避し続け、心を動かすなどどうしようもなく難しい手段である。

「……やります。やってみせます」
「……真那への言い訳、考えておけよ」
「お任せ下さい」






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