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第十話<その名はG>

さて、実は「G」と出合ったのはこれが初めてではないのは前回の流れから分かっていただろうが、そういえば初対面した話を言っていなかったので丁度良いから今言っておこうと思う。
それは対セイレーン戦が過ぎて間もないある日のことであった。

「ネット上の神姫が狙われている?」
「うん、最近なんだけどね」
今、俺の部屋には本部直属の違法神姫ハンターで、ファーストランカーの黒淵創とその神姫、天使型のミーシャが来ている。
珍しいとは思ったがなるほど、そういうことね。
「で、なんで俺にそれを?」
一応聞いてみる。まぁ答えは分かってはいるのだが…。
「力を貸して欲しい」
ほらね?やっぱりか…まぁこの前の対セイレーン戦の決定打となった十兵衛の力は強大だ。
しかしまた危険な目にあわせるのか…。
「お前らの戦力じゃ無理なのか?」
本部ハンターなんだからそれくらいどうにかなるんじゃないのか?
前回はたまたま十兵衛に適任だっただけで…。
「いや、そんなことはない」
「じゃあ十兵衛の出る幕はないだろう?」
「礼ならする」
「金の問題でもないんだが」
「どうしても駄目か?いや、この前の十兵衛ちゃんの戦いぶりを見て、情けない話だが今回もいてくれたらどれだけ心強いかと思って…」
「え~と…何度も言うが…」
「ん?」
「決めるのは俺じゃないんだわ。な、十兵衛?」
「え?は、はぁ…」
おいおい、なにきょとーんとしてるのさ。
「これは十兵衛、お前の話だ。だからお前が決めろ。な?」
「あ、はい…」
「そうか、そうだったな。…改めてお願いだ!」
創が十兵衛に頭を下げる。まぁこの後十兵衛がなんていうかも分かる気がするんだよなぁ。
「良いですよ。やります!」
ほら、もう~お人よしなんだから…。また面倒事に首を突っ込む羽目になるのか…。
「いいのかい?」
「はい、放って置けません!マスター…」
「いいよ、お前が決めたんならそれのついていくさ」
「有難うございます」
「じゃあ、早速良いか?」
「ああ、詳しく聞こう」
「うん、最近深夜零時から一時までの間にログインした神姫がイレギュラーによってログアウト不能となる事件が発生しているんだ。今回のミッションはこのイレギュラーを排除し、捕らわれたと思われる神姫達を救出するのが目的だ」
「でもネットだろ?どこにいるのかわかるのか?」
「狙われる神姫はセカンドリーグの一定以上のレベルに達した神姫のみ。だからこちらから出向かなくてもあっちから出てくるはず」
「なるほど…」
「問題なのは集団戦が不可能な事。相手は三人以上の神姫がいるエリアには出没しない。
しかもファーストリーグクラスの神姫にも手を出してこない」
「は?」
「確かに被害を受けた神姫の中にもファースト所属の神姫はいる。でもそれらのほとんどが助けようと途中から同一エリアにログインした神姫なんだ」
「ッてことは…」
「多分察しの通りだと思うよ。十兵衛ちゃんがログインして待機。イレギュラーが出てきた瞬間に僕達の部隊を突入させる。本部ハンターの部隊長はファースト以上の神姫で、それ以外はリーグ登録されていない。だからイレギュラーを撃退するにはどうしてもセカンド以上ファースト未満の神姫が必要なんだ」
「で、十兵衛に白羽の矢が当たったと…」
「そう、だから十兵衛ちゃんは零時にログインしてイレギュラーの出現を待って欲しい」
「ふむ…」
「イレギュラーが現われた瞬間に僕の部隊をログインさせて一気に攻める。大まかな流れはこんなところかな」
「救出は?」
「イレギュラーの破壊と同時に開放されるみたいだけど詳細は分からない」
「そうか…いけるか?十兵衛?」
「はい!なんとかします!」
「よろしくね。十兵衛ちゃん」
「はい!」。
『どうだ?十兵衛?』
「ええ、まだ何も無いみたいです」
『わかった、気をつけるんだぞ』
「はい」
現在夜の十一時、もう少しで零時になろうかという時間。
十兵衛は既にネット上にログインしていた。
武装はいつもの悪魔型レッグにサブアーム、左手首にライトサーベル、背中にはレーザーライフルを背負って待機している。
「もうじきだね…」
「あぁ」
「今更だが巻き込んでごめんよ」
「ほんとに今更だな…」
「すまない」
「ま、いいさ…俺は十兵衛を信じているからな」
「そうか…ミーシャ…」
「はい、マスター」
「小隊の展開準備は?」
「すべて完了しています」
「そうか、頼んだよミーシャ、皆」
「「はい!」」
ミーシャを筆頭に黒淵隊の面々が力強く応えた。その中には対セイレーン戦を潜り抜けたヴァッフェバニー、X2ことマヤ、セイレーンに取り込まれ奇跡の復活をなしたX3ことアヤの姿もあった。
「時刻あわせ…十、九、八、七、六、五、四、三、二、一…作戦開始!」
深夜零時…静かな戦いが幕を開けた。
『どうだ、何か変化は?』
「まだ何も無いみたいですね…」
『そうか…』
「まぁそんなに律儀に時間を守るような奴じゃないだろうからね…」
「…それもそうか…」
長い…時計を見るとそうでもないんだが…一分が十分にも二十分にも感じられる…。
創の腕を組んでモニターを眺めている。右手の指が左の二の腕にトントントンとリズムを刻む…。
心なしかそのリズムが段々早くなっているようで、その表情にはうっすらと焦りが感じられた。
「まだか…?」
「みたいだね…」
といっても時計を見た限りではまだ二十分回っていない。
ピピーピピーピピー。
唐突にアラーム音が響き静寂が終わりを告げる。
「来たか…?」
「良し、十兵衛!交代だ!リミッターを制限付きで解除!」
『はい!』
「センサーに反応を確認…数はお一人様みたいね」
はぁ、まったく…やっと久しぶりに出番が回ってきたかと思いきやこれ?
もう少し緩やかな時を過ごさせてくれないかしら…。
『悪いな、これが終わったらうまいチーズケーキを探して買ってくるよ』
「食べ物に釣られるのは十兵衛だけで十分よ。(ちょっと銃兵衛さん!どういうことですか~!)でも、まぁ良いわ。楽しみにしてる」
『あぁ、期待していいぜ』
「さて、お仕事お仕事…」
私は背中に懸架したレーザーライフルを射撃姿勢で保持。
眼帯のセンサーをライフルのセンサーと同期させ、狙撃準備を完了させる。
「…子猫ちゃん、か…」
標準の先にいるのはマオチャオタイプの武装神姫。見た目は同じだが、その目には光が無く、無表情でこちらに接近してきている。
「…今楽にしてあげる…」
ヒュイィィィィン…ズキュウゥゥゥゥン…!
ライフルのジェネレーターの機動音の後青い閃光が放たれる。
一直線に向かう先にはマオチャオタイプの首と素体の接続部分。
貫かれるマオチャオ。爆発することも無く慣性で大地を滑りながら落下し、その機能は停止した。
「これで終わり…?マスター?」
『あ、あぁあっけないな…創?』
「いや、安心するにはまだ早すぎるよ…」
「「確かに…」」
あ、マスターと被った…。まぁ思うことは同じよね。
「「これからが本番…」」
ピピーピピーピピー!
その言葉が引き金になったのかレーダーの反応が一気に増えた。
「あらあら…団体さんのご到着?」
照射される無数の閃光。はるか遠くで目的を全うする事無く崩れ落ちていく神姫達。
「張り合いがないわね?これじゃあ目を瞑っても完遂できるわ」
『うぅむ…創?』
「うん…こんなにあっさりか…僕達の出番がないなぁ…」
ピピーピピーピピー!
またアラーム。
「あら…これは少しやりすぎじゃないかしら…?」
私は少し驚いた…その数…ざっと500…いくら単体が非力でもこの数なら強引に押し切れるだろう。
「ま、歓迎しちゃうけど…ねっ…!」
私は引き金を引き、その団体さんにレーザーの洗礼を浴びせた。。
『行きます!!』
『了解!』
その言葉と共に私の周囲に実体化するミーシャと隊員達。
「散開!各個撃破!」
「了解!」
私を中心に一気に飛び上がり広がってゆくヴァッフェバニー部隊。
「さ、ちゃっちゃと終わらせちゃいましょう!」
ミーシャが叫ぶ。
「ええ、言われなくてもそのつもりよ…」
私の近くにはミーシャがいてマヤとアヤがいた。
「で、あなた達は行かないのかしら?」
「私達二人の任務は銃兵衛さんの護衛です」
「そう、だから狙撃に専念して」
「…そう…」
マスター以外に指図される筋合いはないんだけど…。
精々邪魔はしないでよ?もし私の射線上にいてもそれは自業自得だからその辺よろしく。
「ってね…私がそんなヘマするわけ無いじゃない…十兵衛じゃあるまいし…(だからどういう意味ですかぁ~!!)」
ふふ…冗談よ…。さっさと終わらせて帰りましょ。
「第二小隊、第三小隊は一時後退、武装変更の後、支援のまわって!」
『了解!!』
「ふぅ…きりが無い…」
ライフルがオーバーヒートしそう…ちょっと左眼も熱いわね…。
状況は五分五分、だが数の関係か少し押され始めている。
しかもジャマーが展開されているのか、レーダー上では敵味方の識別が出来なくなっている。
しかも
「マスター?マスター??」
ザザザ…ザザザザ…
「無駄か…」
通信不可。
なのに多分敵と思われる増援ばかりが到着する。
「そんなに私って魅力的なのかしらね?」
「それはジョーク?それとも本気?」
応戦しつつマヤが答える。
「…別にどっちでも良いわ…少し現実逃避がしたかっただけ」
「そう、確かに逃げたいわね」
「まぁ無理ね」
「えぇ、無理な願いよ」
「言われなくても知ってるわ…!」
飛び上がってきた敵に引き金を引いて応戦する。
「…ああもうっ!!」
マヤが飛び上がりブレードで敵を斬りつける。
「雑魚ばかりで反吐が出るわ…」
「ほんと、いつまで続くのかしらね…!」
全員ほぼ無傷だが、その体は酷使されて疲労感が漂っている。
「いつまでもつかしらね…」
私は思わず呟いた。
「何?何か言った?」
あら、聞かれたみたいね…
「いえ、なんでもないわ…」
私が余裕を忘れることは私が許さないわ…。
ピピー!
アラーム…また増援?…って一体だけ?タイプはヴァッフェバニー…?
「なに…カスタムタイプ…?いよいよお出ましの様ね…」
私は標準をその兎に合わせ、比類なき超長距離射撃を敢行する。
「私の目が紅い限り、あなたに勝ち目はないわ…!」
照射、その後に着弾。そして
ゴォォォォォォォ!!!
「…!!」
凄まじい速度でこちらに向かってくるヴァッフェバニー。
「ちょっと…聞いてないんですけど…」
呟きつつチャージの完了したライフルの引き金を引く。
しかしひらりとかわされる光線。
「落ち着け…まだ行ける…」
不規則な機動を描きながら突撃してくる兎。
「チャンスは一回…かしら…?」
既に周りにはミーシャもマヤもアヤも混戦状態で姿がない。
「これで決めなきゃ棺桶行きかしらね…」
ピッピッピッピッピッピッピッピピピピピピピピピピ…。
ロックオンアラームが響く。
「まだ…まだ駄目…」
ピピピピピピピ…ピピ!
「そこ!墜ちなさい…!」
軽い衝撃と共に発射されるレーザー。最大出力で放ったそれは掠っただけでも十分なダメージになる。
兎が反射的に機動を変え、回避行動を取る。
「残念…その道はハズレ…」
そう、まさしく回避行動をとった先に青い光りが向かっていた。
そして轟音。
「チェックメイト…」
黒煙の中から背部の装備を破壊されたヴァッフェバニーが出てきた。
「あら…勝負まではついていなかったようね…じゃあこれで終わり…」
引き金を引き、相手に最後の瞬間をプレゼントする。
が…。
「!」
それは妨げられていた。銀色の盾が空中から飛来していたのだ。
「いや…違う…あれは」
ソードバイザー…?
AM社製の追加装甲ユニットの中でも特筆すべき性能を誇る機体である。
それが銀色で塗装され、凄まじい輝きを放っていた。
「何?兎だけに月からの使者でも現われたのかしら…?」
瞬間、バイザーが分解、ヴァッフェバニーを包む。
「とりあえず…月に帰ることをお勧めするわ…」
私をここまでさせるなんて中々じゃない?せっかくだから楽しませてもらう。
先ほどよりも数倍の速度で向かってくるヴァッフェバニー。
「そろそろ私も動かないと駄目ね…」
私は一定距離を保ちつつ移動を開始した。しかし相手の速度は武装神姫のそれを軽く凌駕している。
「時間の問題か…どうしたものかしら…」
もう左眼は結構限界、ライフルは冷却中。相手はおかしい位の性能を誇る兎さん。
「まったく楽しいったらないわね…」
ドン!!
その瞬間激しい衝撃が走る。目の前には剣を構え、振り下ろした兎さん。私はその剣をライフルで受け止める。あ~あ…もうこれは使えないわね…。
「あなたの目的はなんです!!」
「…は?何言ってるのかしら…!」
ブンッ!!
私はライフルで剣を振り払った。
「その言葉、そっくりそのまましかも速達で返してあげるわ…!」
「何を言っても無駄のようですね!!」
ブォン!!兎が剣をもう一振り。
「あら怖い…短気は損気って言うわよ?落ち着いら?」
ギィン!!ライフルで再び受け止める私。
「ええ、あなたを倒したらいくらでも!」
「へぇ、それは無理なお願いよ?」
「いいえ、悪は滅びる運命にあります!」
「ち、ちょっとぉ…悪はどっちよ…なんであなたが正義の味方気取りなわけ?」
「言ってる意味が分かりませんね!」
「だから私の台詞とらないでくれる?」
何度かつばぜり合いを繰り返しながら何時の間にか討論している私達。
何なのよこの兎さん…。
「あなた、名前は?」
「悪に名乗る名など持ち合わせていませんね!」
「…まったく失礼しちゃう…」
「それに名乗るなら自分からでしょう?!」
「おあいにく様、私は名乗るに値する相手にしか名乗らない主義なのよ」
「あぁそうですか!!だったら黙ってやられなさぁい!!」
剣を水平に構え一気に迫る兎さん。
「だからやられるわけには行かないのよ…!!」
ライフルを振り、応戦する私。
ブォォン!フュン!!ライフルが衝撃に耐えられなくなり、真っ二つに斬りおとされる。
ま、良く持ったほうね。
「もうそれは使えませんね!これで終わりです!!」
兎さんはもう一撃加えようと白銀の剣を振りかざす。
「はぁぁぁぁぁ!!!」
「もぅ…まったく…」
さすがにこれで終わりかな…
「なんちゃって…!」
ズキュウン…
「!?…うぐ…な、何…」
「誰ががあれしか使えないなんて言ったかしら?」
「そ、そんな…カロッテ…?」
「ご名答。結構効いたかしら?」
「っく…」
隙間を狙うのに苦労したけど、どうやら当たってくれたようね…。
私は一気に距離を離す。左手にカロッテハンドガン、右手にはライトセーバーを装備。
あんまり得意じゃないんだけどなぁ近距離戦って…だって
「あ~あ…少し汚れちゃったじゃない…」
そう、戦場の汚れを被るのは好きではない。
「…やりますね…近距離精密射撃とは…」
「有難う。その言葉、受け取っておくわ」
「なんなんですその余裕…」
「余裕?ふふ、そのほうがかっこいいじゃない?」
「ふざけたことを…」
「見栄っ張りなだけよ」
「まったく、あなたとは違う形で出会いたかったですよ」
「そうね、今更だけど…」
剣を構える兎さん、私もそれに習いライトセーバーを構える。一か八かか…十兵衛よりはうまくやってみせるわ…。(私そんなにへたれじゃありませぇぇん!!)
だから冗談よ。せっかくだし、もう少し目立ちたいじゃない?
「いきます!!」
「…」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「ふぅ~はぁっ!!」
ゴォォォォォォォォ!!
接近する剣と剣。銀と青。しかし
ビャァァァァァァァァン!!
「「!?」」
彼方から二人を分断するように巨大なレーザーが降り注ぐ。
「ちょ、なんなの?意外と卑怯な手を使うのね?あなた」
さすがに声を荒げてしまった。いけないいけない…。
「なにを!あれはあなたのでしょう!?」
「知らないわ、あんな変なの。センスがないし」
それは四脚型のボディに巨大なレーザー砲、サイドにはミサイルポッドのようなユニットが付いている。なんというか…とにかく変としか…。
「何ですって!?それは本当なの!?」
「ええ、私はさっきから事実しか言ってないわ…って」
降り注ぐボム、追尾してくる機雷が迫る。
「もう、じゃああれは何?」
振り払いながら言う。
「知りませんよ!」
同じく兎さんも回避しつつ答える。
ピピィン。
「?ジャマーが解除された?」
「あ、あなた!!」
「?あらあら…」
お互いが顔を見合わせる。発した言葉は見事に被った。
「「味方だったの…!?」」
そしてあの変なのは
「「…あれが本当の敵…」」
また被った…あんまり被るのは好きじゃないんだけど…。
『…兵衛!!銃兵衛!』
「マスター!?やっと繋がったのね…」
『良かった、繋がったぞ!』
『おぉ!!』
「で、マスター?あれは何?」
『あぁ、あれが親玉みたいだ。あれを倒せば何とかなる!』
「…そう、オッケー…」
「はい、はい!分かりました。あの、少し良いですか?」
「…?何?」
「相手の分析が終了しました。情報の共有をしたいのですが…」
「いいわ、もう味方だってわかってるんだし?良いわよね?マスター?」
『あ、創?分かった、頼む!』
「オッケ~…良いわよ」
「では、リンク開始します。ネーム公開…私の名はG。よろしく」
「G?へぇ…私は銃兵衛。今はそういうことにしておいて」
「???…はぁ…リンク先ネーム受理、リンク開始!」
解析した情報が私を通じて流れてくる。
ゴゴゴゴゴゴゴゴ!
「あら…」
敵の巨大砲台、ジグラットというらしい。金色に光り始めた。そして中央から砲台本体が競りあがり、こちらへ砲身を向ける。
「あらあらぁ…」
「ちょっと、銃兵衛さん!?ほうけている場合じゃないでしょう?」
「え、あぁ…そうね…」
ゴゴゴゴゴゴゴ!!
また地響き。
「今度は何??」
次はジグラットの周囲から反応が多数。地面から競りあがってきたそれは。
「なんていうか悪趣味ね…」
「ええ、私もそう思います…」
ジグラットの周囲には無数の十字架。そしてそれにくくりつけられている神姫達。
『銃兵衛!その神姫達は!』
「わかるわ、どうせ捕らわれた神姫なんでしょう?」
『あ、あぁ…』
その瞬間照射される極太レーザー。
「当たるわけないじゃない…」
「同じくですね」
そのレーザーをすっと回避する。
「見掛け倒しも良いところね…」
「…!!待ってください!あのままでは!」
「え?」
見るとジグラットはレーザーの照射をやめない。それどころかその矛先が捕らわれた神姫達に向けられている。
「あら…本当に悪趣味…」
「そんなのんきに構えている場合ではありません!守らなければ!!」
「え、ちょっと冗談!?」
Gと名乗った正義の味方気取りの神姫が十字架に向かってブーストを吹かす。
「何を…!?」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
Gは十字架の前に到達すると剣を構え
「ぐぬぅぅぅぅぅ!!!」
レーザーを受け止めた。
「あ、あなた!馬鹿!?そんなことしたら!!」
私は通信モードに切り替えて叫ぶ。
「ここにいる神姫達を殺させるわけにはいきません!!」
Gはそう言い放った。
「ちょ、あなたいったい何なのよ!?」
いくらなんでも無理しすぎも良い所じゃない!!
「そうですね…しいて言うならば…」
Gはレーザーを受け止めながら、不適に笑いこう言った。
「正義の味方」
「…は?はは…」
そうか、正義の味方か…ここまではっきりといわれて、しかもそれに見合う行動を取られてしまってはあぁそうか…というしかない。
「なるほどね…認めるわ…」
「ぐ、うぅぅぅぅ!!!」
「G!あぁもう!」
敵はジグラットだけではないさっきから雑魚が迫ってきている。それを退けつつ、通信しているのだ。まったくなんて器用なんでしょう私って。
「でも余裕はないわね…」
それは本当だ。こっちはこっちで結構手一杯。あちらはあちらで防戦一方。しかも結構まずい状況に陥っている。
おまけにさっきの戦闘で愛用のライフルはこの手にはなく、適当にその辺に転がってる射撃武器を拾い上げて使っている。
「こんなに落ちてるのになんでライフルはないのかしら…!」
迫る敵。あぁもう!しつこい!!
雑魚の癖にうじゃうじゃと…!!
一体どうしたら良いってのよ!!

カワルカ?ワレト…。
はぁ?なによいきなり…って…あなた十兵衛じゃないわね…
ワガナハジュウベエ…シンナルジュウベエ…。
何それ?良い所持っていこうっての?
ワレニマカセロ…
何を根拠に!!

ワ カ ル ハ ズ ダ キ サ マ ナ ラ … 。

っく…結局あなたも私だものね…いいわ、さっさと終わらせましょう?
ギョイ…シバラクコノカラダカリルゾ…。
はいはい。

目の前が霧に包まれ、私の意識は深く深く潜行した…。
「くぅぅぅぅ!!」
一体いつまで照射する気!?なんてパワー…!!
【損傷率増大中…危険域、危険域、危険域…】
駄目か…ええぇい!!
シャキィィィィィィン……。
金属音と共に照射が止まる、目の前の砲身がずり落ちて落下した…。
「え…」
その視線の先のは霧…そして奥から見えるのは紅い光点。その光点の持ち主は…
「…我が名は十兵衛…刻め…!」
「十…兵衛さん?」
「待たせた…後は任せろ…」
「え、はぁ…」
雰囲気が違いすぎる…全身から溢れる敵に対する殺気。しかしその殺気は私にとってもっとも心強いものとなっていた。
「参る…」
瞬間、ライトセーバーを構えジグラットに突進する十兵衛さん。
迫る機雷やボムを斬り、受け流して無力化していく…あんな動きが出来るのなら始めからしてくれれば良いのに…。
『いやいや、奥の手を最後にとっておくとはさすがだな!』
ちょっとマスター…何をのんきに…。
そしてジグラットの真上の飛び乗った十兵衛さんは一思いに剣を突き刺した。
崩れ落ちるジグラット。そして爆発と呼ぶにはあまりにも綺麗なエフェクトで消滅した。
その消滅に伴い十字架も消滅、何時の間にかそれ以外の敵神姫も跡形もなく姿を消していた。
「…」
あまりの動きの違いにすっかり呆けてしまう…。
「十兵衛さん…」
ゆっくりとこちらに歩いてくる十兵衛さん。
『よし…良いとことられた気もするが、とりあえずミッション完了だな…後は本部に任せよう』
「はい…」
「…行くのか…」
十兵衛さんが言う。
「はい、お別れですね…あ…」
「?」
「あの、ライフルを壊してしまいました…恐らくデータが破損しているので、リアルでは問題なくてもヴァーチャルでは使えなくなっているかもしれません」
「…そうか…我は使わぬから問題ないが…少し待て…」
目を瞑る十兵衛さん。
「…で?どうしてくれるのかしら?」
「へ?」
急に口調が変わる。雰囲気も先ほどまでの殺気が嘘のように消えうせ、表情もあの優雅で、余裕をもった不敵な笑みに戻っていた。
「聞いてるの?」
「あ、はい…それでここに来てください。今から十兵衛さんだけに位置情報を送信します」
「来たけど…ここは?」
ホビーショップエルゴ?玩具屋じゃないの。
「来てくだされば分かりますよ」
「罠…じゃないわよね?」
行ったら実は…みたいな…。
「意味がないですよ?」
「それもそうね」
それに今衛星から位置確認したし…本当に玩具屋みたいね。
「ワンランク上の物を用意させますから」
「そう、期待しておくわ」
「では、これで失礼しますね」
「ええ」
光に包まれるG。まったく、まさか正義の味方が現われるなんてね。
「大丈夫!?十兵衛ちゃん!!」
「あら、ミーシャ…ええ、この通りよ」
「よ、よかったぁ…ごめんなさい」
「謝る必要はないわ、結果皆生きている」
「ええ、本当によかったです」
『全員に告ぐ、要救助者を確保した後、ログアウト。繰り返す!要救助…』
「じゃ、行かなきゃ」
「ええ、お疲れ様」
「皆!あと一息だから!がんばっていこぉ~!!」
「「了解!!」」
「ふぅ…疲れた…」
『お疲れ、銃兵衛』
「ええ、約束忘れないでよ?」
『もちろん。それにしてもお前…』
「ええ、またあの人格が出てきたわ…確かに強いけど…かなり疲れるわね…体中が熱いわ…」
『そうか、よし…一足お先に離脱するぞ』
「オッケー…少し寝るわ…冷やさなきゃ…」
『あぁ、お休み…良い夢を』
「有難う…」
「いやぁお疲れ様、今本部から連絡があって、無事に犯人を確保したらしい」
「そうか…それは良かった」
「とりあえず報酬はこの前の口座に振り込んでおくよ」
「また破格じゃないだろうな?肝を冷やすぜ?」
「ははは、期待して良いよ?」
「いや、やめとく」
「とにかく、有難う、凪、それに十兵衛ちゃん…」
「ふ、良く眠ってら」
「あぁ、本当、気持ちよさそうだね…」
「さて…俺も寝るかぁ…!!」
「はは、良い夢を」
「あぁ、お前もな」
「僕はもう少しやることがあるからなぁ…眠くない眠くふぁ、ふぁ~あ…あはは…」
「ふ、嘘つけよ。はははははは」
「参ったなぁ…ははははは」
そうして深夜の攻防戦は幕を閉じた。
そして、
「ここか…」
「はい、ホビーショップエルゴです…」
俺達はGと名乗ったヴァッフェバニーが送信した位置情報を元にここにきていた。
場所は驚くほど近く、家から容易に寄れてしまうような距離だった。
実際ここにチャリで来てるし…。
「よし、行くぞ!!」
「はい!!」
俺達は意気込んで勇ましくエルゴの看板をくぐった…。
「「いらっしゃいませ~…あ!!」」
「「な!!」」
そこからである、俺達が本格的にいろんな事に首を突っ込む羽目になったのは…。
今となっては結構楽しんでいるが…やれやれ、運命って意外と近いのな…。
そんな事を思った事件であった。





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