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第五章:反省姫




「ちょっといいかしら?」

 俺が蒼貴を褒めていると声をかけられた。そこを振り向くとさっき戦ったルナのオーナーである女性が立っていた。

「あ?」
「貴方、凄いわね。最初は正直、楽勝で勝てると思っていたわ」
「そりゃどうも……」

 要するにこいつは俺と蒼貴を侮っていたらしい。確かにこいつはあまり装備らしい装備をしていない。それが無いためにBB弾まで持っていたのだからこれを見りゃ、誰だって神姫をなめているとしか思えないだろう。

「あのさ。オーナーカードを交換しない?」
「オーナーカード?」
「オーナーの間で交換する名刺です」

 突然の単語に混乱したが、蒼貴がオーナーカードについて説明してくれた。
 それには神姫の公式HP内ででのみ使えるメールシステムのアドレスと簡単なプロフィールが封入されており、メールやティールームでのやり取りが出来るものであるとの事だ。
 それを交換するには登録証にそのオーナーカード用のコードが入っており、それを教えてもらって公式HPの自分のアカウントで登録すると入手できるらしい。

「なるほど。んなもんがあるのか」
「貴方、オーナーカードを知らないの?」
「二週間前に成り行きで始めた人間なんでね。戦闘以外の事はあまり知らん。丁度いいから聞きたいんだが、Sランクって何だ? 痛い人形にも階級付けがあるのか」

 そう。一度、ここから一度逃げる前、皆、口々に「Sランクを目指す」と言っていた。どうもそれは神姫内では名誉ある称号であるのはわかるが、正確にはよくわからない。

「確かにそういう趣味の人の神姫はいるわね。でも出会い頭にそう言われるのは心外だわ」
「そりゃそうだ。失礼」
「大いに失礼よ。で、ランクの事だったわよね。この武装神姫にはS、A、B、C、Exの五つでランク分けされているわ」

 鋭い目の女性が説明を始める。
 ランクとは簡単に言えば強さの指標とするための称号であり、規定以上の勝ち星を挙げる事で一定数の戦闘が終了するとランクが上がり、規定の勝ち星に満たない場合はExランクという無差別級に叩き落されるというシビアなものならしい。
 で、蒼貴のランクはCで目の前の女性の神姫であるルナもまたCだった。レベル差はあちらの方が上だがね。
 ちなみにオーナーにもグレードがあり、銅、銀、金、プラチナという順にレベルが上がっていくようだ。こちらの場合はアチーブメントという特定の条件を満たす事でスコアが溜まっていく一定の数値に達するとランクアップしていく仕組みでそうするとパーツの購入や神姫の修理でいろいろな特典がつくらしい。……そういや、蒼貴が勝った時、アチーブメントを達成したって表示があったな。後でそれでもらったアクセスコードを打ちに行っておくか。

「なるほど。助かったよ。……ああ。そうだ。オーナーカードだったな。ほら。俺のコードだ」
「ありがと。これが私の。言い忘れたけど私のオーナー名は真那よ。よろしく」
「ここでは尊って名乗っている」
「そう。よろしくね。ミコちゃん」
「ミコ……ちゃん?」

 互いに名乗り、オーナーカードを交換した。鋭い目の女性……真那は俺に変なあだ名をつけやがった。俺はそんな人間じゃないってのに……。

「いいじゃない。可愛くって。口の悪い仏頂面には丁度いいわ」
「あのなぁ……」

 ニヤリと笑う真那に俺はため息をつく。随分な言われ様だ。

「で、これからどうするの?」
「とりあえず何回か戦ってこいつの訓練の成果を見てみる事にするさ。一回勝ったからと言って効果がわかる訳じゃあない」
「なるほどね。じゃぁ、その成果を私は見物してもいいかしら? ルナのバッテリーもちょっときつめだしね」
「別にいいぞ。俺らの戦いを他人の目から見てもらうのもいいだろうしな」

 なんだかよくわからんが、真那が俺らのバトルに興味を持ったらしい。別に減るもんでもないし、見てもらう事にしておこう。


 ……一勝をして自信を持った俺と蒼貴だったが、五回の戦闘を重ねた結果、結果は最初の一勝と合わせて二勝四敗というあまり良くない結果に終わってしまった。
 順調に勝てるとは思っていなかったが少々、内容に問題がありすぎた。
 まず一つ目は俺達が装備を知らなすぎた事だ。
 普通の刀剣類や銃火器などを想定していたが、レーザーライフルやランチャーといった重火器、手数の多い二刀流、ステッキによる魔法、さらには土鍋やちゃぶ台といったどうやって使うのかも予想できない武器による特殊な攻撃を仕掛けてくる奴らと多く当たってしまったのだ。
 この時、俺は対処と把握に遅れ、蒼貴に手傷を負わせてしまった。
 二つ目はスキルの存在だ。
 特定の装備にはスキルが秘められており、そのスキルは通常攻撃とは違って予備動作こそあるが、出したら非常に威力が高く、回避不能と謳われる攻撃が多い。
 さらに補助スキル、追加攻撃スキルなど様々な種類のものが存在しているため、それについて打つ手を探さなくてはならない。
 手っ取り早いのは自分も何か買う事なんだろうが、それは無理な話である。こちらは蒼貴の修理に金を出すのが、現状での精一杯だ。
 最後は蒼貴の実戦経験不足だった。
 戦場で戦うという事はトレーニングとは違う経験を得られる。俺はそれを見越して実戦を想定した訓練をさせていたが、やはりそれでは限界があったらしい。
 他にも細かい反省点はあるが大雑把はこの三つが主なものだろう。最後の方は六戦の中で実戦経験をそれなりには積めたために解消し、六戦目で勝利を収められたため、今後はマメに実戦をさせ、スキルの見切り方を研究していく必要があると考えられた。

「ざっとこんなとこか……」

 俺はティールームで真那と同席し、彼女と紅茶を飲みながら手帳にピックアップした反省点を記しつつ呟いた。

「すいません……。負けてばかりで……」

 テーブルの上にいる蒼貴は四連敗してしまった事に深く落ち込んでいる様でかなり暗い顔をしていた。名誉挽回のために頑張りすぎだと思うんだがな……。

「そんなに落ち込むなよ。最後は一回勝てたじゃないか」
「ですが……」
「うっさいなぁ……。そんなウジウジすんな……」
「やっぱり……こんなヘタレ忍者なんて……きゃっ!?」

 蒼貴の後ろ向きな態度に腹が立ってきて蒼貴のつむじを人差し指でグリグリと潰し始めた。彼女は突然の事に驚き、俺を見る。

「また捨てるって思ってんのか? んな事する訳ねぇだろ」
「オーナー……!」

 俺の言葉を聞いた蒼貴は嬉しさのあまり感激した様子で俺を見つめ始めた。俺は感謝される事をしている訳でもないのに何やってんだか……。

「勘違いすんな。お前は俺を深みに引きずり込みやがったんだ。お前はその責任を取ってもらわにゃならん。バラして死ぬとか捨てるとかして逃げようたってそうはいかねぇぞ」
「はい……。ありがとうございます……」
「おいおい……」
「ミコちゃんは素直じゃないわねぇ。普通にその子が大事だって言えばいいのに」

 俺と蒼貴が会話していると真那がニヤニヤ笑いながら話に入り込んできた。なにやら勘違いしてくれやがった。勘弁してくれ……。

「何、言ってんだ。俺はこいつが頑張りたいって言うから仕方なくだな……」
「その割には結構、彼女の戦術の把握や欠点のピックアップ、戦った後の褒め方、叱り方をかなり考えてやっていた様だけど? でなきゃ多分、全敗だったわよ」

 否定は出来なかった。俺は装備で対抗できない分、それを補うために装備以外の要素を可能な限り努力している。戦術、育成法、情報収集を突き詰める以外に自分には勝つ手段が無いのだから。

「うっさいなぁ……ん? どうした? 蒼貴」

 真那の言葉を適当に返していると蒼貴の様子がおかしい事に気づいた。何かに恐れている。そんな感じがした。
 俺はそんな彼女の視線の先を見る。そこにはなにやら人相も頭も悪そうな典型的な中二病な痛いお方を発見した。
そんな奴の持っているのは砲台型フォートブラッグタイプ。重装備に適正のあり、かなり新しいシリーズに当たる躯体である。蒼貴の言っていたかつての装備をフルセットで装備しているのを見るとどうも奴がこいつを捨てたとかいう奴ならしい。

「おい。お前、どこかで見たような顔をしているな」
「あ……」
「おい。蒼貴。まさかあいつが……」
「……はい」
「なるほどな……」

 蒼貴の返事で確信した。どうにも今、見ている奴がこいつを捨てた奴ならしい。
 偶然出会うにしてももう少し、先の話にしておきたかったが、見た瞬間、これを終点にするのが馬鹿馬鹿しくなってきた。
 自分の考えが正しいと信じて疑わず、失敗は周りのせいにするという性格が雰囲気からにじみ出ているからだ。
 こんな前オーナーにやれば出来る蒼貴の自由が奪われていたと思うと腹が立ってきた。

「そうだ。お前は××××だったな。捨てたはずなのに何でここにいるんだ?」
「それは……」
「お前に見返すためさ」

 前オーナーに恐れをなしている蒼貴に代わって俺が宣戦布告を行った。とりあえず嫌でもこいつとの戦いに持ち込んでおく必要がある。
 いや、戦いはもう始まっているんだ。オーナーである俺が進んで先頭に立たなけりゃ、何も出来やしない。蒼貴も付いて来ないだろう

「誰だ? お前は?」
「こいつのオーナーだ。聞いたぜ? 相性もろくに考えられないバカなんだってな」
「な!?」

 まずは挑発する。こういう単純な奴は適当に悪口を並べれば結構、気にして引っかかってくれる。楽なもんだ。

「そいつはCSCの組み合わせが間違っていたからだ! 素体を勘違いしたからじゃないぞ!! それにこいつは俺の言う事を聞かなかったんだ! それだからダメなんだよ! 何度もCSCを組んでも同じだ!」

 早速、反応していろいろと言ってくれた。あまりにも呆れたやり口に俺は失笑を禁じえない。こんな事じゃ一生、本当の意味での勝利なんて得られないだろう。

「おいおい……CSCのせいにするのかよ? って事は、お前は蒼貴を何度も殺したのか? よくもまぁ、躊躇いも無くそんな事が出来るな……」
「ぐっ……」
「フブキタイプの躯体に重装したり、それをCSCで補ったりなんてのを馬鹿と言わずして何て言うんだよ? それで役立たずでポイ捨てなんて筋違いにも程があるぞ……」

 呆れる態度とともにこの前オーナーの弱みを突く。全く。蒼貴も悪いオーナーに当たったものだ。こんなんじゃ、こいつの真の実力を四分の一も引き出せないだろう。
 そして俺は周りを見る。俺達の口喧嘩に野次馬達が寄ってきてそれを見ているが、正論を並べる事でそいつらは俺と蒼貴の味方になってくれている。
 こうした喧嘩を始める時は周りを味方につければ勝とうが負けようが場の雰囲気的に奴は必ず負ける事になる。
 無論、戦いで負けるつもりはさらさら無いがね。

「……てめぇ! 勝負しろ!! その減らず口を黙らせてやる!!」
「……いいぜ。こいつの真の力、見せてやるよ」

 前オーナーはもう言葉が出ず、早々にオフィシャルバトルの予約をしに行った。
 まずは口喧嘩で勝った。これで周りを掌握し、有利な状況を作り出せた。場の雰囲気を味方につけるのはかなり大きい。はっきり言って神姫とオーナーの精神状態を大きく左右するといっても過言ではないだろう。
 不利な場合、余程の胆力がなくば、雰囲気を覆せやしない。

「……あれはどういう事?」

 事情を知らない真那が蒼貴について尋ねてくる。

「蒼貴はな。元々、あのオーナーのものだったんだ。だが、あんまりにも勝てないから捨てられたのさ。で、俺がこうして拾って面倒を見ているんだ」
「酷い……。役に立たないから捨てるなんて……」
「いるんだよ。これが。それも目の前にな。……短絡的な奴が考えそうなこった。使えなきゃ新品なんてな。神姫に心がある事なんざ全然、考えちゃいないだろうぜ」
「確かにそうね。そういう人、結構いるもの」

 彼女と話していてわかる。やはりオーナーと神姫が信頼しあう事が大事であると。CSCでもなく、装備でもなく、心こそが何物よりも重要なファクターだ。
 それがあれば装備なんてものを跳ね除ける事など不可能ではない。
 そう。不可能を可能にする事がそれにはできる。

「蒼貴!」
「は、はい!」

 俺が蒼貴に喝を入れ始めるとそれに反応して背筋を伸ばす。

「今から奴を倒す。意外と早かったが、お前の心の中を巣食う悪魔をぶっ潰す時が来た。お前の修行は何のためだったのか、言ってみろ」
「……勝つためです。あんな奴に私は負けません! 絶対!」
「上出来だ。よし。とっとと片付けようぜ」
「了解」
「待って」
「あ?」

 蒼貴に鼓舞していた俺が振り向くと真那は俺に何かを握らせた。
 それを見てみるとそれは神姫用の武装……飛苦無だった。手裏剣とは違い、威力は劣るが、命中率が高く、さらには様々な用途に耐えられる柔軟性をも持ち合わせ、古来より忍者が愛用してきた万能武器である。

「アチーブメントでもらったけど私の神姫には不要の装備よ。貴方の神姫の方が上手く使えるんじゃない?」
「助かる。悪いな」

 思わぬ贈り物に俺は素直に真那に感謝した。これならば奴に勝てるだろう。

「気にしないで。私もそういう人、許せないから」

 その言葉を聞き、俺は笑って返した。こうなったからには何が何でも勝つ。これは負けられない闘いになりそうだ。

『尊様。C-11においてオフィシャルバトルが始まります。至急、お越し下さい。繰り返します……』
「よし。蒼貴。行くぞ」
「はい」


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