「……という訳なのですが、あのような事に対しての10倍返しなど、何をすれば良いのか、今の私にはわからず。
このままでは、アキラ……私の主人の期待に応えられない。そこで誰かに相談を、と」
「ほほう。なかなか気を持たせるフリじゃないか。なるほど、主の為か。悪くない、悪くないな……ククク」
それまで話の経緯を黙って聞いていた店長の姉……秋奈女史だったが、話を聞き終わると、何故か愉快そうに低く笑い始める。其れほどの事なのだろう……か?
「それで、私は一体どうすれば……?」
私は恐る恐る、目の前で笑い続ける彼女に問いかける。
そしてひとしきり笑い声が店内に響いた後、彼女はふてぶてしいまでの自身に満ち溢れた顔で、
このままでは、アキラ……私の主人の期待に応えられない。そこで誰かに相談を、と」
「ほほう。なかなか気を持たせるフリじゃないか。なるほど、主の為か。悪くない、悪くないな……ククク」
それまで話の経緯を黙って聞いていた店長の姉……秋奈女史だったが、話を聞き終わると、何故か愉快そうに低く笑い始める。其れほどの事なのだろう……か?
「それで、私は一体どうすれば……?」
私は恐る恐る、目の前で笑い続ける彼女に問いかける。
そしてひとしきり笑い声が店内に響いた後、彼女はふてぶてしいまでの自身に満ち溢れた顔で、
「キスの後とくれば、SEXと相場が決まっとる」
と、一撃の下に断言した。
~ファイルⅡ~
「……それは、あの」
「まぁ、文脈からして正しいのは性交渉に他なるまい。何しろ十倍返しなのだからなぁ?
あえて言い方を変えれば夜伽、生殖行為、夜の夫婦生活、♂と♀の交わり、子作り、ABCのC。
まぁ同性同士のケースもあるがな。とにかくエロい事だな。なんだ、理解出来ない訳ではないだろう?」
「それは……そうですが」
思わず声が上擦る。恐らく顔も少し赤くなってしまっているだろう。
あの一件以降なくなってしまったとはいえ、むしろ、私たちは既に何度も肌を重ねて……
「……フ。プラトニックがどうこうなどと腑抜けた関係を求める貴様でもあるまいよ。
ならばここは一つだ。放置プレイの後の女がする事など濃厚なセックス以外の何がある。これは妄言ではない。
そう──『お約束』だ。まさに色んなイミでな」
まるで私の思考を見透かし、かつ畳み掛けるかのように得々と話を続ける、秋奈女史。
「なぁに、所詮は人間だ。原始的欲求に訴えかけるのは有効だよ。
機械のお前にはロジックで腑に落ちんかも知れんがな……だが結論身体で繋がるのが一番早い。相手の心に入るにはな。良くも悪くもだが」
「アキラの心に……入る……」
その一言が、今の私には、とてつもなく甘い果実のように感じられる。
嘗ての一方的な行為であっても、絶大な快楽と愉悦があった。それが両想いの現在であれば、どれほどの……
「そうだな。なんなら素っ裸の身体にリボンを巻いて『私がプレゼントだから、食べて♪』なんてプランはどうだ。
今なら夜伽の技術指導と調教もサービスでしてやらんことも無い」
ククク、と悪魔的な笑い声と微笑を湛える、秋奈女史。
「指導と……、調教……?」
「『愛』の表現・コミュニケーションツールとしての1つの形がSEXな訳だが、よりお互いの肉体的・精神的快楽とを追求し、より確かな愛の形としての表現、あるいは繋がりを求める為には、それ相応の技量と経験が必要だからな。
貴様のような、おままごとの延長線上のような行為ばかりしている輩には、大変重要な事だと思うがね。
特に貴様の主人はまだ未通娘なのだろう。ならば貴様がそれ相応の技量を持たなければ、苦痛を感じるだけで終わるやもしれんな」
「苦痛……」
アキラには私のせいで、消えない傷痕を負わせてしまった。その辛い記憶が思わず呼び覚まされる。
苦痛を再び……あれだけ10倍返しを楽しみにしてくれているアキラに対して、してしまう事など許されることではない。
例えアキラが許したとしても、私が……自分自身が自分を許せない。許す事など、絶対に出来ない。
それくらいならば、いっそ死んでしまった方がマシだとさえ思っている。
「……お願い、します。私に教えて、調教して……頂きたい」
例えこの身がどうなろうとも、守らなければいけないものが、今の私には、ある。
「いい覚悟だ。それならばこの私としても、全力で相手してやろう。ならば最初は……そうだな」
片手を顎に軽く当てるながら、フムと思慮に深ける秋奈女史。
「……ぇ」
その時、私の隣から、カタカタという物が小刻みに動く音が聞こえてきた。
「……ジェニー女史?」
そこには、顔を茹蛸のように真っ赤に膨れさせ、かつ苦虫を何十匹も噛み締めたような、とても人には見せられないような表情になった彼女の姿が。やがてワナワナと震えたその口をゆっくりと開き、渾身の一言を……
「あらぁ。ボスやないの。どなしはったん?」
言おうとした瞬間、カウンターの奥から良く響く声が聞こえてくる。
「貴様に障害が発生したというから様子を見にな。徒労で終わって何よりだ」
奥から現れたのは、シックな修道服を着込んだハウリン型の神姫。何故か亀の甲羅に乗って、それがふよふよと空中に浮かんでいる。恐らく浮遊亀はウィトゥルースの浮遊ユニットのようなシステムを搭載した物なのだろう。……が、奇異な光景だ。
「あ……ラストさん、その」
話の腰を折られたジェニー女史の視線が、ハウリン型神姫……ラストに向けられる。
「……ふぅん」
そのラストはジェニー女史と、彼女がボスと呼んだ秋奈女史、そして私の顔を興味深そうに交互に見やり。
「嗚呼、そうそう。ジェニーはん店長はんがお呼びやで?
なんやバックヤードからGに必要な部品見つけてから来て欲しいて言ってはりましたわ」
「あ、そうですか……。わ、わかりました」
完全に毒気を抜かれた表情のまま、ふよふよと胸像のまま浮かんで店の奥へと消えてゆくジェニー女史。
やがて気配が完全に消えた頃合を計ったかのように、
「パーフェクトだな、ラスト」
「これ位初歩の初歩、どすえ?」
この2人、アイコンタクト、いや雰囲気だけで連携してジェニー女史を追い出したとでも言うのか。
まさに阿吽の呼吸と言うべきなのだろう、か……。確かにこの2人は何か強い絆で繋がっている、といえるのかもしれない。
やはり、この人の言うとおりにすれば、私も……
「さてと。邪魔者は消えたが時間も惜しい。
おい、ラスト……金は私持ちでいいから、先ずは其処の小娘に性感という物を教えてやれ」
「へ……?って何をっ」
秋奈女史の言葉に気を取られていたうちにラストが私の後ろに回りこみ、更に後ろから覆いかぶさるように抱きついてきた。
「了解やで。ほな子猫ちゃんを可愛ごうてあげるとしまひょか……んふ」
「やっ……。ふぁっ!?」
ラストは私の耳を、まるでアイスクリームでも舐めるように、ねっとりと舌で舐め上げてくる。
リンにされた時と同じように、身体の奥底から快感の電流が走りぬけ、思わずはしたない声を漏らしてしまう。
「なんや、まだ耳だけなのに、随分と過敏な娘やねぇ。意外ともぅ結構経験済みちゃうん?」
「そんな事……いえなぃ……っ。はぅんっ!」
わざと唾液でぬかるんだ音を立てながら、まるで脳髄に直接甘い媚薬を嗅がせるように耳元で囁く彼女。
「それにこのボディ、あの白雪姫どすか。SEXまで完全保障されているカラダなんやから、そら淫乱な素質は十分やね」
彼女は慣れた手つきで、するすると私のボディスーツを脱がせていく。あっという間に上半身が脱がされてしまい、ひんやりとした外気が私の肌に直接感知される。
「まるでさくらんぼみたいな乳首やねぇ。ふふ、まだ触っておらへんのにぷっくりと勃起してきて……ほんといやらしいカラダしてはるわ。羨ましいくらいに……」
私の頭はその甘い囁きと、刺激によって蕩かされて……思考が低下して、視界が歪んで……
「なぁに、そんなに惚けたエロい表情してしもうて。此処が真昼間の商店街なのを、お忘れどすぇ?」
「……っ!?」
蕩けかけた思考が、まるで氷水を浴びせ掛けられたかのように一瞬で現実に引き戻される。
「見られてるかもしれないのが、そんなに気になりはんの?」
「あ、当たり前だ!」
「あらあら。視姦されるのも、結構おつどすぇ。ほら乳首も、こっちもこんなに潤んではって」
ラストの細長く滑らかな指が、私の乳房をしっとりと撫で回し、更には私の秘所へと、そっと這わされて……
「ひゃぅっ!?や……おねがぃ…………いやぁ」
撫でられるたびに激しく打ち跳ねる鋭い快楽の波と、理性の堤防。
その波飛沫は儚い雫となって、ポロポロと私の瞳から零れ落ちてゆく。
「なんだ、案外打たれ弱いな小娘。
まぁ、店頭の見世物にしては刺激が強いか…慈悲をくれてやろう。後で愚弟にどやされても適わん」
「ふぇっ!?」
そんな声が聞こえたと同時に、一瞬のうちに周囲が暗闇に閉ざされる。
「これなら周りの目も気にならんだろう。たっぷりと乳繰り合うがいい」
「おおきに、ボス」
暗闇の外より声が聞こえる。センサーを暗視モードに切り替えれば暗闇の中にうっすらと枠が見えてくる。
どうやら大きな箱か何かを被せられたようだ。た、確かに外の目は気にならなくはなったが、これは……
「ふふ、安心した顔しはってまぁ、これからたんと可愛がってあげるで、な?」
「だ、誰が……」
蛇のようにぬろりと私の秘所を這っていた指が、半脱ぎにされたスーツの隙間からするりと、私の火照ったカラダの中心部へと滑り込んでゆく。
「ほんま、白雪姫素体はえっちぃなあ。でもそれ以上にネメシスはんがえっちぃのかもしれはんけど、ねェ」
細部まで人間の女性と同じ、いやそれ以上に精巧に作られた秘所を指先が蹂躙してゆく。真っ赤に充血して潤んでるであろう襞を掻き分け、くちゅくちゅと淫靡な水音がこの暗闇の空間を支配してゆく。先程までの数倍の快楽が、私の全身を犯し、貫いてゆく。
「……ぁ、くぅ……っ……!」
私はその暴力的なまでの快楽に対して、唇を痛いほど噛み締め、ぐっと声を漏らさないようにする事しか出来ない。
「ん、声抑える事あらへんで。もっと素直になりなはれ、な?」
「だ……だめだっ。こんな薄壁じゃ絶対……。っ!?!?」
私の意志を無視、いや理性に反発して快楽を何処までも貪欲に求め、完熟したチェリーのように紅く大きく膨れ上がってしまったクリトリスを、まるで果実を収穫するかのように、鋭く爪先で摘まみあげる。
「ぁ……ぁ……!?――――っ!?!?ひきゅ―――!?」
刺激、快感が強すぎる……。息も吐けず、私のカラダはその強烈すぎる快楽の波に揉まれ突き飛ばされ、ビクンビクンと大きく全身を壊れたマリオネットのように跳ね付かせてしまう。
「かは……っ。ひぐ……しぬぅ…………」
「んー?エエ声どすなぁ…こないに大きく口開けて真っ赤になってぇ。一生懸命で可愛いねぇ」
彼女は私の髪を梳き上げ、頬に柔らかいキスをしてくる。
私はソレに対して最早まともに返事、いや呼吸するすら出来ない。私の肢体はだらしなく投げ出され、スーツの中には漏水したかと思えるほどの愛液が溢れ出し、今はただ与えられるこの快楽を受け止める為だけに存在している。
「あら、返事あらへんのやね?でも……此処は正直、よねぇ」
「――――ぁ…………っひ!?」
まだ愛液に塗れたままヒクヒクと痙攣しているクリトリスを、労わる様に優しく指で撫でまわし、頃合を見計らって急激に爪先で摘まみ、次の瞬間にはスイッチでも入れるかのように、キュっと捻り上げる。
「ひぁ――っ、ふああああああああああああああっ!」
脳髄に雷の直撃を喰らったかのような衝撃が、私の全身を怒り荒れ狂う。それは快楽最早快楽ではなく、性欲という名の暴力で。次の瞬間、私は全身からあらゆる冷却水を噴出しながら、そのまま気を失った……
「あはは、完全にイッてしまいましたん?こないに真っ赤になってもうて……可愛い寝顔ですえ?」
「まぁ、文脈からして正しいのは性交渉に他なるまい。何しろ十倍返しなのだからなぁ?
あえて言い方を変えれば夜伽、生殖行為、夜の夫婦生活、♂と♀の交わり、子作り、ABCのC。
まぁ同性同士のケースもあるがな。とにかくエロい事だな。なんだ、理解出来ない訳ではないだろう?」
「それは……そうですが」
思わず声が上擦る。恐らく顔も少し赤くなってしまっているだろう。
あの一件以降なくなってしまったとはいえ、むしろ、私たちは既に何度も肌を重ねて……
「……フ。プラトニックがどうこうなどと腑抜けた関係を求める貴様でもあるまいよ。
ならばここは一つだ。放置プレイの後の女がする事など濃厚なセックス以外の何がある。これは妄言ではない。
そう──『お約束』だ。まさに色んなイミでな」
まるで私の思考を見透かし、かつ畳み掛けるかのように得々と話を続ける、秋奈女史。
「なぁに、所詮は人間だ。原始的欲求に訴えかけるのは有効だよ。
機械のお前にはロジックで腑に落ちんかも知れんがな……だが結論身体で繋がるのが一番早い。相手の心に入るにはな。良くも悪くもだが」
「アキラの心に……入る……」
その一言が、今の私には、とてつもなく甘い果実のように感じられる。
嘗ての一方的な行為であっても、絶大な快楽と愉悦があった。それが両想いの現在であれば、どれほどの……
「そうだな。なんなら素っ裸の身体にリボンを巻いて『私がプレゼントだから、食べて♪』なんてプランはどうだ。
今なら夜伽の技術指導と調教もサービスでしてやらんことも無い」
ククク、と悪魔的な笑い声と微笑を湛える、秋奈女史。
「指導と……、調教……?」
「『愛』の表現・コミュニケーションツールとしての1つの形がSEXな訳だが、よりお互いの肉体的・精神的快楽とを追求し、より確かな愛の形としての表現、あるいは繋がりを求める為には、それ相応の技量と経験が必要だからな。
貴様のような、おままごとの延長線上のような行為ばかりしている輩には、大変重要な事だと思うがね。
特に貴様の主人はまだ未通娘なのだろう。ならば貴様がそれ相応の技量を持たなければ、苦痛を感じるだけで終わるやもしれんな」
「苦痛……」
アキラには私のせいで、消えない傷痕を負わせてしまった。その辛い記憶が思わず呼び覚まされる。
苦痛を再び……あれだけ10倍返しを楽しみにしてくれているアキラに対して、してしまう事など許されることではない。
例えアキラが許したとしても、私が……自分自身が自分を許せない。許す事など、絶対に出来ない。
それくらいならば、いっそ死んでしまった方がマシだとさえ思っている。
「……お願い、します。私に教えて、調教して……頂きたい」
例えこの身がどうなろうとも、守らなければいけないものが、今の私には、ある。
「いい覚悟だ。それならばこの私としても、全力で相手してやろう。ならば最初は……そうだな」
片手を顎に軽く当てるながら、フムと思慮に深ける秋奈女史。
「……ぇ」
その時、私の隣から、カタカタという物が小刻みに動く音が聞こえてきた。
「……ジェニー女史?」
そこには、顔を茹蛸のように真っ赤に膨れさせ、かつ苦虫を何十匹も噛み締めたような、とても人には見せられないような表情になった彼女の姿が。やがてワナワナと震えたその口をゆっくりと開き、渾身の一言を……
「あらぁ。ボスやないの。どなしはったん?」
言おうとした瞬間、カウンターの奥から良く響く声が聞こえてくる。
「貴様に障害が発生したというから様子を見にな。徒労で終わって何よりだ」
奥から現れたのは、シックな修道服を着込んだハウリン型の神姫。何故か亀の甲羅に乗って、それがふよふよと空中に浮かんでいる。恐らく浮遊亀はウィトゥルースの浮遊ユニットのようなシステムを搭載した物なのだろう。……が、奇異な光景だ。
「あ……ラストさん、その」
話の腰を折られたジェニー女史の視線が、ハウリン型神姫……ラストに向けられる。
「……ふぅん」
そのラストはジェニー女史と、彼女がボスと呼んだ秋奈女史、そして私の顔を興味深そうに交互に見やり。
「嗚呼、そうそう。ジェニーはん店長はんがお呼びやで?
なんやバックヤードからGに必要な部品見つけてから来て欲しいて言ってはりましたわ」
「あ、そうですか……。わ、わかりました」
完全に毒気を抜かれた表情のまま、ふよふよと胸像のまま浮かんで店の奥へと消えてゆくジェニー女史。
やがて気配が完全に消えた頃合を計ったかのように、
「パーフェクトだな、ラスト」
「これ位初歩の初歩、どすえ?」
この2人、アイコンタクト、いや雰囲気だけで連携してジェニー女史を追い出したとでも言うのか。
まさに阿吽の呼吸と言うべきなのだろう、か……。確かにこの2人は何か強い絆で繋がっている、といえるのかもしれない。
やはり、この人の言うとおりにすれば、私も……
「さてと。邪魔者は消えたが時間も惜しい。
おい、ラスト……金は私持ちでいいから、先ずは其処の小娘に性感という物を教えてやれ」
「へ……?って何をっ」
秋奈女史の言葉に気を取られていたうちにラストが私の後ろに回りこみ、更に後ろから覆いかぶさるように抱きついてきた。
「了解やで。ほな子猫ちゃんを可愛ごうてあげるとしまひょか……んふ」
「やっ……。ふぁっ!?」
ラストは私の耳を、まるでアイスクリームでも舐めるように、ねっとりと舌で舐め上げてくる。
リンにされた時と同じように、身体の奥底から快感の電流が走りぬけ、思わずはしたない声を漏らしてしまう。
「なんや、まだ耳だけなのに、随分と過敏な娘やねぇ。意外ともぅ結構経験済みちゃうん?」
「そんな事……いえなぃ……っ。はぅんっ!」
わざと唾液でぬかるんだ音を立てながら、まるで脳髄に直接甘い媚薬を嗅がせるように耳元で囁く彼女。
「それにこのボディ、あの白雪姫どすか。SEXまで完全保障されているカラダなんやから、そら淫乱な素質は十分やね」
彼女は慣れた手つきで、するすると私のボディスーツを脱がせていく。あっという間に上半身が脱がされてしまい、ひんやりとした外気が私の肌に直接感知される。
「まるでさくらんぼみたいな乳首やねぇ。ふふ、まだ触っておらへんのにぷっくりと勃起してきて……ほんといやらしいカラダしてはるわ。羨ましいくらいに……」
私の頭はその甘い囁きと、刺激によって蕩かされて……思考が低下して、視界が歪んで……
「なぁに、そんなに惚けたエロい表情してしもうて。此処が真昼間の商店街なのを、お忘れどすぇ?」
「……っ!?」
蕩けかけた思考が、まるで氷水を浴びせ掛けられたかのように一瞬で現実に引き戻される。
「見られてるかもしれないのが、そんなに気になりはんの?」
「あ、当たり前だ!」
「あらあら。視姦されるのも、結構おつどすぇ。ほら乳首も、こっちもこんなに潤んではって」
ラストの細長く滑らかな指が、私の乳房をしっとりと撫で回し、更には私の秘所へと、そっと這わされて……
「ひゃぅっ!?や……おねがぃ…………いやぁ」
撫でられるたびに激しく打ち跳ねる鋭い快楽の波と、理性の堤防。
その波飛沫は儚い雫となって、ポロポロと私の瞳から零れ落ちてゆく。
「なんだ、案外打たれ弱いな小娘。
まぁ、店頭の見世物にしては刺激が強いか…慈悲をくれてやろう。後で愚弟にどやされても適わん」
「ふぇっ!?」
そんな声が聞こえたと同時に、一瞬のうちに周囲が暗闇に閉ざされる。
「これなら周りの目も気にならんだろう。たっぷりと乳繰り合うがいい」
「おおきに、ボス」
暗闇の外より声が聞こえる。センサーを暗視モードに切り替えれば暗闇の中にうっすらと枠が見えてくる。
どうやら大きな箱か何かを被せられたようだ。た、確かに外の目は気にならなくはなったが、これは……
「ふふ、安心した顔しはってまぁ、これからたんと可愛がってあげるで、な?」
「だ、誰が……」
蛇のようにぬろりと私の秘所を這っていた指が、半脱ぎにされたスーツの隙間からするりと、私の火照ったカラダの中心部へと滑り込んでゆく。
「ほんま、白雪姫素体はえっちぃなあ。でもそれ以上にネメシスはんがえっちぃのかもしれはんけど、ねェ」
細部まで人間の女性と同じ、いやそれ以上に精巧に作られた秘所を指先が蹂躙してゆく。真っ赤に充血して潤んでるであろう襞を掻き分け、くちゅくちゅと淫靡な水音がこの暗闇の空間を支配してゆく。先程までの数倍の快楽が、私の全身を犯し、貫いてゆく。
「……ぁ、くぅ……っ……!」
私はその暴力的なまでの快楽に対して、唇を痛いほど噛み締め、ぐっと声を漏らさないようにする事しか出来ない。
「ん、声抑える事あらへんで。もっと素直になりなはれ、な?」
「だ……だめだっ。こんな薄壁じゃ絶対……。っ!?!?」
私の意志を無視、いや理性に反発して快楽を何処までも貪欲に求め、完熟したチェリーのように紅く大きく膨れ上がってしまったクリトリスを、まるで果実を収穫するかのように、鋭く爪先で摘まみあげる。
「ぁ……ぁ……!?――――っ!?!?ひきゅ―――!?」
刺激、快感が強すぎる……。息も吐けず、私のカラダはその強烈すぎる快楽の波に揉まれ突き飛ばされ、ビクンビクンと大きく全身を壊れたマリオネットのように跳ね付かせてしまう。
「かは……っ。ひぐ……しぬぅ…………」
「んー?エエ声どすなぁ…こないに大きく口開けて真っ赤になってぇ。一生懸命で可愛いねぇ」
彼女は私の髪を梳き上げ、頬に柔らかいキスをしてくる。
私はソレに対して最早まともに返事、いや呼吸するすら出来ない。私の肢体はだらしなく投げ出され、スーツの中には漏水したかと思えるほどの愛液が溢れ出し、今はただ与えられるこの快楽を受け止める為だけに存在している。
「あら、返事あらへんのやね?でも……此処は正直、よねぇ」
「――――ぁ…………っひ!?」
まだ愛液に塗れたままヒクヒクと痙攣しているクリトリスを、労わる様に優しく指で撫でまわし、頃合を見計らって急激に爪先で摘まみ、次の瞬間にはスイッチでも入れるかのように、キュっと捻り上げる。
「ひぁ――っ、ふああああああああああああああっ!」
脳髄に雷の直撃を喰らったかのような衝撃が、私の全身を怒り荒れ狂う。それは快楽最早快楽ではなく、性欲という名の暴力で。次の瞬間、私は全身からあらゆる冷却水を噴出しながら、そのまま気を失った……
「あはは、完全にイッてしまいましたん?こないに真っ赤になってもうて……可愛い寝顔ですえ?」
「おい、何をしている?極楽トンボ」
ヒーローならではの第6感か、あるいは姉君への特殊レーダーか、ともかくジェニーさんの様子から異変を感じ、店内へ戻った店長が見た光景は、ふてぶてしくカウンターに足を十字掛けして座り込み、イヤホンで何やら聞いている自らの姉の姿と、その前に置かれ、何やらゴトゴトと怪しい動きと艶やかで悩ましい声がそこからうっすらと聞こえてくる、MGパーフェクトジ○ングVer5,0の箱だった。
「しかもその声って……聞き覚えあるんだが……まさかオィ」
「当人の希望だぞ愚弟。まぁ、趣味も入ってるが」
「…他所でやらんかい」
当然であろう。流石に客がいないとはいえ、真昼間から店先でギシアンしていいものではない、はずだ。
しかし当の姉貴はニヤニヤと何時ものふてぶてしい笑みを浮かべつつ、胸元に挟んでいたボイスレコーダーをこれ見よがしに振ってみせる。
「そう愚痴るな…役得ぐらい用意してやろう。メール添付でいいか?」
「……取りに行くわ。データは検閲されかねん」
「よし」
お互い見つめあい、グっと勢いよくサムズアップする姉弟。
ヒーローならではの第6感か、あるいは姉君への特殊レーダーか、ともかくジェニーさんの様子から異変を感じ、店内へ戻った店長が見た光景は、ふてぶてしくカウンターに足を十字掛けして座り込み、イヤホンで何やら聞いている自らの姉の姿と、その前に置かれ、何やらゴトゴトと怪しい動きと艶やかで悩ましい声がそこからうっすらと聞こえてくる、MGパーフェクトジ○ングVer5,0の箱だった。
「しかもその声って……聞き覚えあるんだが……まさかオィ」
「当人の希望だぞ愚弟。まぁ、趣味も入ってるが」
「…他所でやらんかい」
当然であろう。流石に客がいないとはいえ、真昼間から店先でギシアンしていいものではない、はずだ。
しかし当の姉貴はニヤニヤと何時ものふてぶてしい笑みを浮かべつつ、胸元に挟んでいたボイスレコーダーをこれ見よがしに振ってみせる。
「そう愚痴るな…役得ぐらい用意してやろう。メール添付でいいか?」
「……取りに行くわ。データは検閲されかねん」
「よし」
お互い見つめあい、グっと勢いよくサムズアップする姉弟。
「……ヤベ、ジェニーさんが来る」
「ち、ここまでか」
それは遠くからごく僅か、微かに聞こえてくるモーター音。だが今の2人にとってはパトカーのサイレンも同様である。
「ラスト連れて行くか?」
「若干面白みに欠けるな…次の趣向を考えるとしよう」
クククと、新しい玩具を見つけた子供のように愉快そうな笑みを浮かべる姉貴。
「……人様の娘に無茶すんなよ?」
「なぁに悪くはせんさ。とりあえず事後の片づけをするから倉庫で足止めろ」
「オーケー。ぷーらーんBねー」
この姉妹、反発してるようで、こういう時の連携はどんな熟練コンビよりも練達している。
「リスクの無い愛など興味ないというヤツか」
「姉貴が言うとマジでそれっぽいからヤメれ」
そして、店長が時間を稼いでいる間に姉貴とMGパーフェクトジ○ング箱内の2人はそそくさと店を後にした。
「ち、ここまでか」
それは遠くからごく僅か、微かに聞こえてくるモーター音。だが今の2人にとってはパトカーのサイレンも同様である。
「ラスト連れて行くか?」
「若干面白みに欠けるな…次の趣向を考えるとしよう」
クククと、新しい玩具を見つけた子供のように愉快そうな笑みを浮かべる姉貴。
「……人様の娘に無茶すんなよ?」
「なぁに悪くはせんさ。とりあえず事後の片づけをするから倉庫で足止めろ」
「オーケー。ぷーらーんBねー」
この姉妹、反発してるようで、こういう時の連携はどんな熟練コンビよりも練達している。
「リスクの無い愛など興味ないというヤツか」
「姉貴が言うとマジでそれっぽいからヤメれ」
そして、店長が時間を稼いでいる間に姉貴とMGパーフェクトジ○ング箱内の2人はそそくさと店を後にした。
「さて、箱ごと逃げてきたはいいがそろそろ時間もリミットだな…」
場所はエルゴ近くの市民公園。この時間ならばまだ幼児連れの親もゲートボール目当ての老人軍団もまだいない。
「消化不良ではプロとは言えまい。ラスト、後で時間は指定する。もう少し付き合え」
「ウチはボスから代金出るなら、ナンボでも?」
――悪魔の契約、継続である。
場所はエルゴ近くの市民公園。この時間ならばまだ幼児連れの親もゲートボール目当ての老人軍団もまだいない。
「消化不良ではプロとは言えまい。ラスト、後で時間は指定する。もう少し付き合え」
「ウチはボスから代金出るなら、ナンボでも?」
――悪魔の契約、継続である。
「ふふ、次もまたよろしゅうにな。ネメシスはん」
「はぅ……ん……」
まだ気を失ったままのネメシス……眠り姫の唇へ、自らの唇を重ね合わせるラスト。
ネメシスは甘いキスに対して、ほんの少しだけ、表情を綻ばせたように、2人には見えた。
「はぅ……ん……」
まだ気を失ったままのネメシス……眠り姫の唇へ、自らの唇を重ね合わせるラスト。
ネメシスは甘いキスに対して、ほんの少しだけ、表情を綻ばせたように、2人には見えた。