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Memories of Not Forgetting 第一話・1

 ――こどものころ。
 父に連れられて、自衛隊の演習を見に行ったことを覚えている。
 地を埋め尽くす戦車と、空を舞う航空機。
 雷のようなエンジン音。空を割らんばかりの砲音。
 恐怖はなかった。むしろ、興奮と歓喜があった。

 無骨そのものの戦車のデザインが、とても魅力的に思えた。
 空を切り裂き飛行する航空機が、美しく舞う鳥のように思えた。
 高らかに己を謳う高射砲が、リズミカルに歌う小銃が、私を歓迎し、祝福しているようにすら思えた。

 あの思い出を、忘れる事が出来ない。



 地を揺るがすような砲音が鳴り響く。一発。二発。三発目で、桐山優花(キリヤマ ユウカ)はベットからとび起きた。
 飛び起きざま、枕もとの携帯電話をひったくる。高らかに五発目の砲音を鳴り響かせようとしていたアラーム機能を慌ててオフにし、一息。
 優花はベットから飛び降りると、無造作に寝間着を脱ぎすて、タンスへと向かった。適当に服を取り出し、さっさと着替えてしまう。
 桐山優花は地元の公立中学校に通う、ごく普通の少女である。年齢は14。ちょうど思春期真っただ中でありながら、おおよそそういった色気など全く感じさせない性格は、先ほどの「ごく普通の」と言う評価を改めなければならないかもしれない。
 優花の部屋には服や化粧品、あるいは可愛らしいぬいぐるみだろうと言ったものは一切ない。あるのは質実剛健そのものの作業机に、多量の塗料とパテ、そして各種工具類。本棚には兵器、模型といった各種の資料書と、自身の場違いさに縮こまっている、数冊の教科書。
 壁の一面を占拠する戸棚に鎮座するは、無数の戦車、航空機、艦船のプラモデル。これが男子の部屋だというのならまだしも、花も恥じらう乙女の部屋だというのだから、優花は確かに「普通の」と言う評価からはかけ離れていた。
 「普通ではない」とは言え、彼女には多くの同性の友人がいるし、そんな友人たちと他愛のないお喋りをすることも、放課後に寄り道をして買い物にふけることも、全く苦ではない。つまり、彼女の異常性は「兵器に異様な興味を示す」と言う点にのみ集約される。
 優花は、部屋で唯一、少女らしいオブジェともいえる姿見の前に立つ。
 ショートカットの黒髪。大きく丸い瞳。やや凹凸の現れ始めた体は、まぎれもなく中学生女子のそれである。
 よし、と小声でつぶやき、優花は元気よく部屋から飛び出た。一分一秒が惜しい。廊下を疾走し、洗面所に飛び込む。歯ブラシをひったくるように取り出し、歯磨きの開始。念入りに。どれだけ急いでいても、歯磨きは五分間、丁寧に、しっかりと。幼い頃に刷り込まれた父の教え――律儀に守り、五分間の歯磨きの終了。
 口をゆすぎ、ついでに水をかぶって寝癖を直し、洗顔も済ませる。ガシガシとタオルで水気をふき取りつつ、簡単に髪型と顔をチェック。異常がないことを確認し、洗面所を飛び出した。
 一度部屋に戻って、机の引出しから財布と自転車の鍵を取り出し、部屋を後にする。
「優花! もっと静かにしなさい!」
 キッチンから、エプロン姿の母親が顔を出した。洗い物の途中だったのだろう、腕に少量、泡がこびりついていた。 
「ごっめん、母さん! ちょっと急いでるの」
 形だけの謝罪の言葉を口にして、玄関に向かって疾走。靴をはきながら、
「お昼までには帰るね?」
「またあのおもちゃ屋? 毎日毎日、飽きないのね、あなたも」
 あきれるような母に、優花は極上の笑顔を浮かべる。
「今日は違うよ、母さん。やっと手に入るんだ!」
 扉を開けた。いってきます! 叫び、飛び出して、乱雑に扉を閉める。一向に女性らしくならない娘に苦笑しながら、母親はリビングの端、仏壇に顔を向けた。
「育て方、間違えたのかしらねぇ?」
 遺影には、精悍そうな顔つきの男が一人、笑っていた。

 優花の家は、七階建てのマンションの三階にある。完成は2020年代、そこここがちらほらと老朽化しはじめており、近々改修工事を行うという話だ。その老朽化の最たるものがエレベーターであり、ボックス内はあちこち壁紙がはがれはじめ、移動するだけでギシギシと軋むこのエレベーターを、優花は嫌っていた。なんとなく、落ちそうで怖いからだ。優花はいつもどおり、階段を一段飛ばしで駆け降りた。最後の階段を、四段ほど飛ばして跳躍――大きな音を立てて着地。
 共用の駐輪スペースに向い、自身の自転車を見つけ出すと、ロックを外して乗り込んだ。
 強く、漕ぎだす。徐々に加速しながら、駐輪スペースを抜け、敷地内を駆け抜ける。出口から飛び出し、さらに強く強く、ペダルを踏みしめ、加速する。
 母親に向かって言った言葉が、脳裏によみがえった。
 やっと手に入る。
 彼女の、彼女だけの、武装神姫。


 -01- 生誕:エフラファ


「あぁ、まぁ、その、そう落ち込まないで、ね?」
 放心した優花の肩をぽんぽん、と叩きつつ、その女性は言った。
 年齢は30を迎えたあたりだろうか。見事なブロンドを肩のあたりで切りそろえていた。瞳はややたれ気味で、温和そのもの、と言った表情だ。白いエプロンを着ており、胸元には「ホビーショップ・ナットハンガー」と記されている。
 女性の名を、ルーシィ・ケインといった。このホビーショップ・ナットハンガーの店主である。
 優花はナットハンガーの店舗、レジの前でうずくまり、なにやらブツブツと呟きながら、床にのの字を書き続けていた。

 今から数分ほど前の話になる。





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