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「後始末」


 ここから先はただの蛇足。
 本当の意味で一ヶ月の間にあった話はもうおしまい。
 何よりもう二学期は始まっていて、あの夏の一ヶ月は過ぎ去っている。
 だからここから先は、本当にただの蛇足。



 アタシはこの白いストラーフを親友である結城セツナに託そうと決めた。
 誰よりも信頼していたし、海神を失った悲しみも焔と心を通わせた喜びも知っている彼女になら、この娘を幸せにしてくれるだろうと確信していたから。
 それに、彼女の名前は刹奈を思い出させてくれる。
 正直に言ってしまえば、未だ悲しみはアタシの中でしっかりと存在していて、時々その重さに潰れてしまいそうな時もあるけど、でもそれと共に思い出される楽しかった事が、アタシをまた奮い立たせもした。
 あの町にいた時は、刹奈の名前からセツナを連想したものだったけど、今じゃその逆だなんて、少しだけ面白い。
「なんか踏み込めないって言うか。……壁を感じることがあるんだ。はぐらかすような、そんな感じにも見えたし。やっぱり年上って不利なのかなぁ……」
 目の前でセツナはティーカップを弄びながら、気になっている年下の彼の事を話している。
 まぁ、アタシが話を振ったんだけど。何事にも前振りって必要だしね。
 ……確かその件の彼も、『せつな』って言ったっけ?
「具体的には、どんな?」
 アタシはセツナの言葉を促すために言う。
 丸々会うことの無かったこの夏の間、お互いに何があったのか話せる雰囲気が欲しかった。半ばそのために聞き始めたようなものだったんだけど。
 でも「フラれた」なんて言われてしまえばそんな考えもどこかに飛んで行ってしまう。
「……なんて言うか、二人きりになることをまず避けようとする、かなぁ。友達か、神姫が必ず一緒にいる状況を作っているかな」
 よっぽど思い悩んでいたのか、セツナは次々とその具体例を挙げていく。そして最後に、
「結構態度にも出していたし、遠まわしかもしれないけど口にも出して言ったんだけど。それとも男の人って、そこまで鈍感でいられるものなの?」
「うーん……そこまで行くと、どうなのかなぁ?」
 少しだけ考えてみる。
 少なくても、アタシならそこまで好意を寄せられたら少しくらいは「そうかも」とか考える。
 夢絃みたいに、結局何も言わずに……逝ってしまっても、彼から受けた好意はしっかりと伝わっていた。
 ただ、確信と自信が無かっただけで。
 でも、それはあくまで女であるアタシの事であって、男である件の「せつな」君の事ではない。
 思い出した心の痛みに耐えながら、アタシはセツナに言う。
「……実際の所、その彼がどう思ってるのか知らないけど、でもそれって、全部憶測なんでしょ?」
彼の行動からセツナが読み取った、彼の思惑というのは。
「まあ、ね。あくまでそういう風に感じた、ってだけ。それ以上は別に避けられているわけでもないし」
「狙ってやってるとしたら許せない所もあるけど、でもそれも思うところもあるのかもしれないし。どっちにしろ相手のこれからの出方次第だよねぇ」
 あたしがそう言うと、セツナは頷く。
「ま、あんまり考えていても、なんともならないわね。この話はこれでおしまい」
 確かにこれ以上考えても埒が明かないし、アタシの用件を切り出すのにもタイミングが良かった。
「で、今日は本当は何の用なの? まさかその話題だけで家まで訪ねて来たわけじゃないのでしょう?」
 アタシが話を切り出す前に、セツナが話を促してくれる。
 このあたりの察しの良さは、さすがと言うしかない。
「私も武装神姫やってみたいと思ってさ、ちょうど良いからってこれを注文したんだ。……だけど、これが届いた頃には、興味が無くなっちゃったんだよネ。まぁ、色々理由はあるんだけど、それは追求しない方向で」
 別に隠すこと無いんだけど、この嘘で納得してくれるのであればそれに越した事はない。
 そんなつもりでアタシは言った。
 まぁ察しの良いセツナの事だから、嘘がすぐにばれてしまうかも、とは思っていたけれど。
 そして案の定、すぐにばれたんだけど。
 やっぱり嘘ついて引き取って貰うのは、フェアじゃない。
 でもやっぱり、全部話す事は出来なかった。
「正直に秘密があるって言ってるんだもん。それをちゃんと言ってくれたんだから、それで十分」
 そんな卑怯なアタシにセツナのかけてくれた言葉はとても優しかった。
 そんなセツナが、「ねえ、朔良。この娘が起きるの、一緒に見届けない?」と言い出す。「なんとなくだけど、この娘が起きるときに朔良が居ないといけない気がするの」と。
 なんだか本当に、セツナのこの察しの良さには救われると感じずに入られない。
 アタシは少し緊張して、頷いた。
 初めて見る神姫の初起動はなんか感動的で、その新たな意識の目覚めはアタシの心の傷に優しく触れてくる気がした。
 不意に涙が零れる。
「……朔良、今ならまだ間に合うわよ?」
 アタシの流した涙の事には触れず、それでもそっと確認をとる。
 親友の、その思いを受け取りながらも、アタシは首を左右に振った。
 この娘の為に、アタシの為に、アタシがオーナーじゃない方がいいという意見は、あの町で話したときと変わらずにアタシの中にある。
 そのアタシに小さく頷いたセツナは、オーナー名の登録後、またアタシに視線を向ける。
 その視線は「名付け親にもならなくてイイの?」と聞いてくる。
 アタシはやっぱり首を振った。セツナに託したんだ。だから、全てがセツナによって行われなければならない。
 アタシはそう考えていた。だから、アタシはこの娘の名前も付けられない。
 この娘には、アタシの痛みを負わせたくないから。
 そんなアタシを知ってか知らずか、セツナは悪戯めいた笑みを一瞬だけ浮かべる。
 そして
「個体名、朔。 ……貴方の名前は朔。ここに居る朔良から一文字戴いたの。大切な名前よ」
 さすがに驚いた。いくらなんでも、なんて皮肉な……。いや、違う。そのねじれたおかしな偶然こそ、きっと必然。
 アタシ朔良が出会った神姫、刹奈。
 親友セツナに託した神姫、朔。
 そんな符号に、心のそこから嬉しくなる。
 こんな気持ち久しぶりで。
 だからちょっとだけいたずら仕返してやった。



 あの夏の日は過ぎ去り、それはもう閉じられた扉の向こう側にある過去でしかないのだろうけれど。
 アタシは忘れない。
 あの人を忘れはしない。
 あの出会いがあったから、アタシはここに居るのだから。






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