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「そして公園にて」


 通夜も葬儀も終わって。
 アタシは真っ黒な服に身を包みあの公園にいた。
 アタシのこの風貌は今も葬儀の時も目立ってはいるのだけど。
 それでもアタシは堂々とそこにあった。
 この服は元々母のもので、でもまるであしらえたかのようにアタシにぴったりで。
 もしかしたら母も、アタシくらいの時にこの服に袖を通したのかもしれない。
 葬儀から四日が過ぎ、アタシは明日にもこの町去る。
 あの日から約一週間。何かの拍子で訪れる悲しみに抗う事も出来ず、そのたびに涙を流す。アタシの中にはコレだけの涙があったのだと、驚くほどに。
 癒えない胸の痛みに苦しみながら、それでもその痛みを無くしたいとは思えず、胸を押さえ感情の波が引くのを待つしか出来ない日々。
 この町に来てから一月が過ぎた。もう夏も終わる。
「やっぱり、ここに居たんだな」
 その声の主はあの人がいた時と同じように、でも違う人に伴われて現れた。
 そっと、目を拭う。
「ん。なんとなく、ね。流音と刹奈は何でここに?」
「私たちもなんとなく。でもあなたに会えたらいいな、とは思っていたけど」
 流音はそう言ってかすかに微笑む。
 でもその表情は、アタシ以上に辛そうに見えた。
「朔良さ、明日には帰っちゃうんだろ?」
「……うん」
 刹奈の表情も、初めて会ったあの時とはまるで違っていた。
「だからさ、あたし最後に言いたい事があって。ちょっとムリ言ってここまで連れてきてもらったのさ」
 そう言うと刹奈は、流音の手の中から勢いよく飛んでみせ、アタシの側に来る。
「朔良さ、お前あの神姫どうする気だ?」
 あの神姫とは夢絃がアタシに託した神姫の事だろう。
「もし、ムリにでも起動させるつもりなら、そんなのはやめろよな」
 それはとても真剣な顔で。
 だからアタシは何で? とは聞けなかった。
「神姫のあたしが、こんな事言うのもどうかしてると思う。だけどさ、だけど言わせて欲しんだ」
 そう言って刹奈はちらと自分のオーナーである流音を見て、そしてまたアタシを真っ直ぐに見つめる。
「お願いだから、その娘は幸せにして欲しい。でも、お前が夢絃をその娘に重ねたりしたら、きっとお前もその娘も幸せになれない。……神姫はさ、自分のオーナーを選べないから、だからそのオーナーと絶対の関係を築きたがるんだ」
 刹奈はそこで視線を落とす。そして少しだけ間を空けて、再び話し始めた。
「……そういう風に、出来てんだ。そしてオーナーが自身の事をちゃんと見てくれてない事に凄く敏感で、そしてそんな神姫じゃオーナーを幸せにする事なんて、出来ねーんだ!」
 その言葉はまるで慟哭のようで。だからアタシはただ聞く事しか出来ない。
「あたしは! あたし達神姫は! オーナーと幸せを創るために在るんだと、あたしは信じたい! そしてあたしは……朔良の事大好きだから、だからちゃんと幸せになって欲しい!」
 その顔はまるで泣いてるようで。だからアタシは何も言う事が出来ない。
「だから……だから、朔良のためじゃなく、夢絃のためだけなんだったら、そんな出会いじゃ朔良は幸せじゃないよ。それなら、その娘は起こしちゃダメだ」
 そして刹奈はその場に崩れるようにしゃがみこむ。
 そんな刹奈の頭を、アタシは優しく撫でた。
「うん……大丈夫。判ってるよ。アタシ、判ってるんだ。……もしアタシがこの娘を起こして、でもアタシがこの娘の後ろにある夢絃の影しか見てないんだったら、それはアタシにもこの娘にも不幸でしかないって」
 そう、アタシは知っている。親友が悔いたあの出来事も。そしてすれ違ってもがいたあの苦しみも。
 彼女達のすれ違いと同じ事が、誤解ではなく真実としてあったのなら、そこには幸せな事なんてどこにも無い。
 そして目の前の小さな少女は、アタシにそんな風になって欲しくないと泣いている。
 こんな関係こそ、本当に築き上げなければいけないものだから。
 だからアタシは刹奈に言った。
「多分……ううん。間違いなく今のアタシじゃこの娘を幸せになんて出来ない。だからきっとアタシは、この娘のオーナーにはなれない。……ならない」
 刹奈が顔を上げる。今度はアタシが、真っ直ぐに刹奈の瞳を見つめた。
「多分、これから先も、アタシは神姫のオーナーにはならない。きっとアタシは、刹奈以上に他の神姫を好きになれない。刹奈にとってアタシは流音や夢絃の次なんだろうけど、でもアタシにとって一番の神姫は、刹奈だから」
 そんなアタシの言葉に、刹奈の表情はクシャクシャに歪んで。
 そしてアタシの胸に飛び込んできた。
「何言ってんだよ! 確かに神姫にとってオーナーは特別かもしれないけど、でもそれと同じくらい大切な誰かだって、作れんだよ!! バカァ!!」
 そうだ。神姫も人間もある次元で同じものなのだとしたら、そんな事は当たり前で。
 当たり前すぎて。
 その当たり前な事に、アタシは凄く嬉しくて。
 心のどこかで流音に申し訳ないなぁとか思いつつも。
 刹奈を抱きしめて泣いてしまった。



「でもさぁ、それならこの娘はどうやったら幸せになれるかなぁ?」
 気恥ずかしさを隠すように歩き始めたら、いつの間にか防波堤まで歩いていた。
 そんなアタシに、当たり前のように流音と刹奈は付き合ってくれている。
「……夢絃と同じ事すればいいんじゃない?」
 防波堤から海を臨むアタシと同じ方向を見つめ、流音は答える。
「つまり、あなたが信頼している人に、その娘を託せばいいんじゃないの?」
 夏も終わろうとして入るが海は穏やかだ。
「……それって、アタシが夢絃から信頼されてたって事かな?」
 頬を撫でる潮風が心地いい。
「ちょっと妬けちゃうけど、その娘を託す相手に、私よりあなたを選ぶほどには信頼されていたと思うわ」
 そう言うと、流音は微笑む。
「実の、しかも双子の妹よりも信頼されたんだから、よっぽどよ?」
「そっかぁ」
 その言葉に、アタシは嬉しくなった。
その喜びには、まだ大きな悲しみが共にあるのだけれど。
「……それと、明日になったら言えないかもしれないから今言っておく」
 海に向けていた目を、流音はアタシに向けた。
「私とあなたは、確かに余り付き合いが無くて、関係も希薄なんだろうけど」
 そこで言葉をいったん区切り、鮮やかな笑みを見せる。
「刹奈の大切な友人は、私にとってもやっぱり大切な人だから。明日でさよならかもしれないけど、これからも会いに来て」
 そう言って差し出された手を、アタシはしっかりとつないだ。
 悲しい気持ちはきっとこれからも心を締め付け続けるのだろうけど、それでもアタシは生きていける。
 夢絃とすごした鮮やかなあの夏の日の想いと絆とで。






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