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えむえむえす ~My marriage story~

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キズナのキセキ
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引きこもりと神姫
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戦うことを忘れた武装神姫
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The Armed Princess―武装神姫―
ウサギのナミダ
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神姫☆こみゅにけ~しょん
アルトアイネス奮闘姫
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双子神姫
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犬子さんの土下座ライフ。
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武装神姫のリン
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戦う神姫は好きですか
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迫りくるのは鋭い弾丸と、炸裂する榴弾。
あれから5分、あれだけ燃え滾っていたぼくの熱は、焦りに変わりつつあった。
ステップとショートダッシュで距離を詰めようとはするけど、相手はホイールでギュンギュン逃げ回る。
―――あーもう、うざったいなぁ。
「...You scared?(……キミ、ビビッってんの?)」
反応は無し。ただ黙々と遠距離から攻め立てるだけ。


「つれないなぁ……さっきみたいにさ、打ち込んでみてよ!それが楽しみなんだから」

やっぱ応答なし、挑発ももうダメかな?

しかし、なんだかんだでグレネードが厄介だなぁ……。
破片痛いし。

『弾だって無限じゃないよ、フラン?』
さっすがマスター。
爆発したのは6回。シュラムのグレネードなら、シリンダーに弾はすでにないはず。
ローダーなんかないから装填に時間もかかる。
でも、ガトリングが痛いかもしれない。

それがどうした、多少の鉛弾が当たろうが、大爪で引っ掻かれようが。

ただアイツを斬れればいい。
それで一切合切終わるんだから。


爆発の間隔が途切れた。
立ち込める硝煙と黒煙。時折、木片がぱらぱらと混じる。
エンジン音と、ゴムタイヤが床を擦る音が反響。

耳を済ませる。聴覚センサーを最大級に。
ここまで大きな音なら、どこにいるか、大まかな判断くらいはできる。

黒い靄からぼくは、一気に飛び出した。

「!」

いた。けど、ちょっと遠いかな。
『足裏のブースト。ここで行かなきゃ、ジリ貧だよ』
「言われずとも」
二つに分かれた踵の間、小型のダクトノズルから白光が迸る。
強いGと、ほんの一瞬の解放感。

「つぅかまえたぁ!」

燃焼の終わったブーストブーツとブレードラックを切り離し、さらに身軽に。
右手の降魔刀を振り上げ、ほぼ同時にトリガーに指を掛ける。
左の銘無しは右脇に構え、さながら抜刀術のごとく、素早く抜けるように。
さっきまで離れていたアイツの顔はすぐそこ、刃が届く距離まできてる。
対して向こう側は、チャクラムですでに防御体制を取り始めてる。
いい反応してる、ちゃんと対応してきた。
そうそう、そうやってちゃんと抵抗してくれないと、面白くない!
さぁさぁ、始めようじゃぁないか。

「It's begining!(始めるよ!)」


柄のトリガーを引く。
小さなスプレーの噴射音から、炎が勢いよく燃え上がる。
「ッ!?炎……ッ」
液体燃料による高熱がチャクラムの樹脂外装と、降魔刀、ぼくとルリを焼く。
「...Die!(死ね!)」
炎剣によってできた、その小さな隙に、左手の銘なしを右脇から滑らせる。
赤の中で白光一閃、その場に瞬く。
左の刃は、ほとんど抵抗なく、炎に炙られて蕩けた、右チャクラムの外装を切り裂く、が、内部までは到らなかった。
―――でも。
「……タイヤ……ッ」
その一言で十分、ルリが驚いてるのがわかる。

斬破の一撃ならともかく、こんな軽い打刀じゃ切り落とすなんてことは出来ない。
でも、ホイールのとこならどうだろうね?



「……潰してやるッ!」
開始時よりなお濃い憎悪の視線とともに、チーグルと左のチャクラムがぼくに向かう。
予想はしてたけど、存外速いなぁ……避けきれない。

―――じゃあ避けなきゃいいか。

前から突き出してきたチーグルに、こちらも銘無しを素早く振り下ろす。
流石に直撃コースはまずいと思ったか、ぼくの体に食い込ませるはずだった掌で刀をキャッチ。
白銀に輝く刃は、チーグルのハイパワーで無残にも拉げた。
そして、追い討ちとばかりに迫るチャクラムは、このままじゃ当たる。

そこで降魔刀をチャクラムに突き出してみた。
もちろんトリガーに指を掛けて。

刃の分厚いこれなら、すぐ折れることはない、はず。

「ッ!?」

ルリの声にならない声が聞こえる。
案の定、それはチャクラムの掌に該当する部分に、硬質のものが擦れ合う嫌なノイズを奏でながら食い込む。
すかさず人差し指を引き絞り、火炎を放射。
左と右の刀から手を離し、サバーカで地面を蹴り上げ、ある程度の距離をあける。

炎を浴びるチャクラムから紫電が走り、爪の動きが止まった。

「ごめんマスター、決められなかった」
『あの二本じゃちょっと無理だったかな……でも十分』
やりきれなかったのが、少しだけ悔しいかも。
ふと、眼が合った。
ムラクモの時とは違う、あの憎悪の瞳。
なにがなんでも壊してやるって瞳。
「やるじゃん!おかげで剣2本ともダメになっちゃったよ」
「……舐めるな、悪魔……!」
「何度も言わせないでよ、ぼくは悪魔型なんだよ?」

そうさ、ぼくは悪魔だ。
少なくとも、こいつらの前では、悪魔でいるつもり。
とっておきの斬破刀を抜きつつ、挑発を続ける。

『挑発するのはいいけど、こっちもそろそろヤバいよ』

わかってる、わかってるさ。

自分のコトだもん、わかんないわけないじゃない。

もう、バッテリーが危ないことくらいは。


斥力場と強引な全開ブースター、そして回避の応酬でぼく自身のバッテリー残量が少ない。
自分でも動きのキレがなくなってきてるのがわかるくらいだ、マスターどころか、相手も気づいてるかも。
このままじゃ負ける、かな。電池切れで判定負けだけど。
『フラン、聞いて』
「なに、マスター」
声のトーンがいつもより低い。なんだろう。

『アイツは多分、バッテリー切れ直前を狙ってる』
「……?なんで直前?」
『自分が一番憎んでる相手を、バッテリー切れで判定負けなんかさせると思う?』
「あ……」
そうか、そんなことさせるわけがない。
アイツが『あの男』の神姫なら、そんなヌルい勝ち方で満足なんかできない。
あの二人は今のぼくたちと同じなんだ。

『そして、動けるギリギリの時間は約3分。戦闘行動ならその3分の1もない』
ぼくの身体の中も、アラートが鳴りっぱなし。充電しろってね。
『向こうの足は潰せたけど、それでもかなり強引に仕掛けてくると思う』
「どうするのさ……判定負けでもいいなら、逃げ回る、けど」
『それでもいいけどね……そうさせてはくれないと思うよ』
「やっぱり?」
そりゃまぁ、そうだよね。
ぼくもヤだよ、逃げ回るのってさ。
『フランがいいなら、サレンダーってのもあるけど』
「絶対ヤだ」
『……じゃあ、手を考えるしかないわけだ』
降参って選択肢は、ぼく的に選択したくない。
「考えてくれるなら、全力で乗って打ち負かすよ。崖っぷちなのに燃えてて楽しいなんて、初めてだもん」
もしかしたら、本気で壊れるかもしれない。
なのに、まだまだ熱は治まらない。
トリップしちゃってるのかもね、このヤバいバトルに。



『手がないわけでもない……けど』
「けど?」
戦闘中に言い渋るなんて、マスターにしてはすごく珍しいこと。
『相打ち覚悟。運が悪ければ……フランもどうなるかわからない』
それは、つまり―――。
「ぼくが、壊れる?」
『……そう、多分無事じゃすまない』
……そりゃ、言い渋るよね。勝てるかもしれないけど、無事じゃないって。
『できることなら、このまま徹底的に逃げ回って判定負けに持ち込んでほしいのが本音』
「……」
『……フランがまた壊れるところなんて、見たくない』
―――そっか、マスターの目の前で壊れるの、2回目なんだっけ。
ぼくもマスターのあんな顔、見たくなんかないけど。
「でもさ、これ、結局ぼくたちが招いたことなんだよね」
『……そう、だね』
あの二人をここまで駆り立てたのはぼくら。ひどい目にあわせたのはぼくら。
「相手だって、今のぼくらと同じコトを、あのとき思ってたかもしれない」
初めてあの子らと戦った後のことを、思い出した。
目を涙で真っ赤にして、震える神姫を抱きながらぼくらのほうを睨みつけてきてた。
憎悪の眼、復讐の眼。

「誰だって、目の前で自分のパートナーを壊されたら、怨みたくもなる。そこは共感できるよ」
その気持ちは、ぼくら自身も経験して、今でもそれに苛まれてるから。

『復讐の連鎖、ってか……不毛だね』
「……そうだね。ただ、バーチャルとリアル。実害があったか無いって違いはあるけど」
会話をしている間に、エメラルドブルーの神姫はこちらへ向き直った。
審判の時間、というところ。
「……不毛でも、ぼくは、逃げないよ」
『フラン……』
手に持つ一本の大太刀を強く、握り締めて。
「逃げちゃいけない。こうなった原因がぼくらなら」
そんな気がする。

それにね。

「あの二人の前では、悪魔でいたいんだ。復讐の対象に相応しい悪魔で」
ぼくとマスターの生き写しのように見える、今のあの二人。
徹底的にやらなきゃ、きっと気がすまない。
―――容赦ない本気を見てみたいってのも、あるけど。

「湿っぽい正念場って、なんか苦手だし……悪魔ぶってたほうが相手も、本気出してくれるしね」

『…………判ったよ、フラン』
少し悲しそうなため息を吐いた後、マスターから、同意の一声。

―――ごめん、マスター。

『……打つ手っていうのは、アイツがバッテリー切れ直前にしてくるであろう最後の攻撃……ほら、読みどおり』
見ると、相手はグレネードとガトリングを捨てていた。
『直接嬲りにくるよ、たぶん、あれはそのためのチーグルだ』
さっき、斥力場に過負荷をかけてきたものの一つ。
『自分の腕でめちゃくちゃにしたくなるものさ、そういう憎い相手にはね』
「それは……判る気がする」
アイツがぼくなら、きっとそうしたくなる。
自分の手でバラバラにしたい。倒したという実感が欲しいんだ。

『で、本題だけど……もうすぐ怨みの相手をやれるってとき、全神経は攻撃に集中する。そこを狙うんだ』
「わかるけど……それはどういう?」

『自分の体を囮にして、必殺の一撃を叩き込む』
「!?」
自分を囮って……マジで!?

『相手は至極冷静にみえるけど、さっき言ったとおり、壊してやりたいって衝動が渦巻いてるはず』
それもわかるよ、わかるけど、マスターがそんな手を考え付くなんて。
『そこに付け入る隙ができる。こちらも攻撃はもらうだろうけど、相打ち気味に剣を決められるはず』

―――それにしたって。
「流石マスター……無茶苦茶な手考えるね」
『……だから、なるだけなら提案したくなかった』
―――確かに、成功しても無事じゃすまないな。
決めることが出来ても、向こうの勢いが止まるわけじゃない。
動作が止まったとしても、物理的な加速まで殺せるわけじゃないから。

足とか腕とか、その辺りがもげるくらいならなんともないけど。
『どうする……まだ、間に合うよ。サレンダーするなら』
「絶ッ対にヤだ」
『……強情』
「似たんだよ、マスターに。負けず劣らずの強情じゃん」
ペットは飼い主に似る、ともいうしね。
「いいよマスター……マスターの言うことは、いつもぼくの一番だから」
マスターに言った言葉。でも、自分にも向けた言葉。
「さっき言ったとおり、最後までCrazyに行くってね。いいじゃん、最高に悪魔っぽくて」
『……大概にバカだ、私たち』
「バカだからこんな風になっちゃったのさ……来た」

目前に迫らんとする双輪の体躯。
ぼくはそれに左手を突き出し、握りこぶしをつくって。

「Hurry up baby!(早く来なよ、マヌケ!)」

親指を突きたて、思いっきり下へ向けた。

左側のチャクラムから紫電を吐き出しつつ、歪んだホイールをなおも酷使して向かい来る、復讐の韋駄天。
右手の黒いツメが私に向かって伸びる。

「……潰すッ!」

その右腕に合わせるように、ぼくは、右手の斬破刀を横へ走らせる。

「……斬るッ!」


二つの一閃が交差した。







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