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「ある日」


 この町に来てから三週間が過ぎた。
 アタシがこの町に居られるのも、後一週間と少しだけ。
 なのにすっかり当初の目的なんて頭の中から無くなり、アタシは今日も公園の木陰で彼等が来るのを待っている。
 それにしても暑い。
 木々の陰により和らいだ熱の下にありながらも、それでも暑いと感じるのだから日向に居る人たちにはさぞ暑いことだろう。
 もう暑いじゃなくて、熱い。
 温暖化も二十一世紀初頭に比べればその悪化具合もだいぶ緩やかになってはいるけど、それでもその傾向がマイナスに転じてはいない現在。亜熱帯と化した日本の夏はけっして住み良い環境ではない。
 空気が流れた。
 体にまとわり付いた汗が、その風に反応して体の熱をほんの少しだけ、奪い去る。
 そしてその風と共に、待ち人がいつもの様に現れた。
「また、居たのか。案外お前も暇だねぇ?」
 開口一番、憎まれ口を叩くこの男に、会いたくて堪らないのだと自覚したのはいつだったか?
「なんだか今日はどっかのお姫様みたいな格好だなっ!」
 今まで自分とは遠くにある存在と思っていた小さな少女も、こんなにも愛おしく感じる。
「こんなに暑いと、スカートだってはきたくなるの。それに帽子だけじゃこの日差しは遮れないでしょ!」
 今日のアタシのいでたちと言ったら、フリルのあしらわれた薄手の白いワンピースに白い日傘と、一体何時代だよ! って突っ込みを入れたくなるくらいの時代錯誤な格好だった。
 正直照れくさい。
「あぁ~あ。口さえ開かなきゃ、深窓の御令嬢でも通じるのにな」
 意地の悪い笑みで男は言う。
「ちょっとー。いくらアタシでも傷つくぞ」
「でもカワイイじゃんかー。ちょっと憧れだぜっ!」
「まて、お前がこんな格好したらそれこそ喋るな! って話になるぞ」
「おう! それはこの刹奈ちんがとってもカワイイって言ってるんだよなぁ?」
 かわいい仕草をし、しかしその仕草を台無しにする口調でその小さな神姫は問う。
「だから色々台無しなんだよお前は」
 深々とため息をつく夢絃を見て、アタシは思わず大きな声で笑ってしまった。
「……ここにも台無しが一人」
 失礼だぞ!



「やっぱり今日もあの時みたいなのは起こらないね」
 ヴァイオリンを弾き終えた夢絃にアタシは言った。
「あれって、結局なんだったんだろうなー」
 アタシの方に跳ねて来た刹奈は、そう言うとアタシの肩に腰を下ろす。
「ね……ねぇ、体少し熱いけど大丈夫?」
 刹奈の座ったアタシの肩が、少しだけ熱を感じる。
「だーいじょうぶなのさー。外気が熱いから、ちょこっとだけ廃熱がままならないだけ。今日も一生懸命踊ったもんなー」
 そう言うと刹奈は花が咲くような笑みをアタシに向ける。そして小さな声で「アリガト」と言った。
「あぁ! もう! 刹奈ちんはかわいいなぁ」
 もうホント抱きしめたい! ……肩に座っている神姫を抱きしめるのはムリだけど。
「……なんだかんだでお前も結構神姫好きになってきたよな」
 ヴァイオリンを丁寧に片付けて、夢絃はそれとは別に持ってきていたリュックを開ける。
「これ、やるよ」
 そう言ってそのリュックから取り出した箱を、アタシに差し出す。
「ちょっ……!」
 どう見てもそれは武装神姫のパッケージで。
 いくらアタシが神姫に疎いからといっても、これが高価なものである事くらい知っている。
 ……親友であるセツナのおかげかもしれないけれど。
「こんなの受け取れる訳ないじゃん!」
 勢いよく立ち上がってしまう。肩に座っていた刹奈が振り落とされまいとアタシの髪にしがみついた。
「ちょっ! 待てって。……夢絃! 話がいきなりすぎなんだって!!」
「あ? あぁ、確かにそうか」
「朔良もさ、とりあえず話だけでも聞いてよ。判断はそれからでも遅くないだろ?」
 刹奈のその言葉に促される形で、アタシは静かにまた座っていたベンチに腰を下ろす。
「えっとな、実を言うとコレ、余りモンなんだ。でもさ、中古屋とかには売りたくねーし、ネットオークションなんて言語道断。だったら俺が気に入った、神姫が好きそうな奴に譲りたいって思ったんだよ」
「余り物って…… それでもこんな高価なもの貰えないよ」
 アタシの覚え違いじゃなければ、神姫一体でPC一揃えが購入できるはず。そんな物を「貰えてラッキー♪」とか簡単に言えるほど無邪気じゃない。
「でも、俺はお前に……『朔良』に貰ってほしいんだ」
 真剣な眼差しで、まっすぐにアタシを見て、そして初めてアタシの名前を呼んで――
 そんなのズルイ。そんなことされたら、絶対に断れない。
「う、ん。……わかった」
 熱くなる顔を隠すようにうなだれて見せる。
 上手くごまかせたかな?
 そんなアタシの心配をよそに、夢絃はアタシに一歩近づく。
 そして少しだけかがんで、アタシの傍らに神姫の箱を置いた。
「それならさ、明日駅前で会わないか? ここじゃセットアップ出来ないから、神姫センターにでも行こう」
「え? そんなに急がなくても……」
 アタシはそう言って顔を夢絃に向けた。
 その途端に――
 夢絃の唇で、アタシの口が塞がれる。
 それは本当に僅かな瞬間で。
 直に立ち上がった夢絃はくるりとアタシに背を向ける。
「明日十時に駅前の広場で。……遅れるなよ」
 と言うと振り向きもせずにそのままリュックとヴァイオリンケースを持ち上げる。
「にししししー☆」
 耳元で刹奈は笑うと、そのままアタシの肩から飛び降り、そのままの勢いで夢絃の元へ走る。
 そんな二人をアタシはただ真っ赤になって見送る事しかできなかった。
 そのアタシの手元には、MMS TYPE DEVILと書かれたパッケージが残されていた。






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