相も変わらず無機質なバトルステージ。
その中央にて対峙するスィーマァとゲイト。
その中央にて対峙するスィーマァとゲイト。
「苦手な機械腕での戦闘を捨てる…。さすがスィーマァ、単純だけどいいとこに気づいたね」
「全てある人から教えてもらったんですけどね…」
向こうはリボルバー・グレネードランチャーを主兵装とし、後は見た目に変化はない。
「でもハンドガン一丁はちと極端だと思うよ? ボクは」
「…まあ、見ててくださいな」
「全てある人から教えてもらったんですけどね…」
向こうはリボルバー・グレネードランチャーを主兵装とし、後は見た目に変化はない。
「でもハンドガン一丁はちと極端だと思うよ? ボクは」
「…まあ、見ててくださいな」
相手より早く床を蹴りあげる。
左の機械腕がこちらを見据える。
左の機械腕がこちらを見据える。
閃光。
スィーマァが飛びあがった直後、細々とした三つの光線がフィールドを焼く。
構造物を蹴り、さらに高みへと飛ぶ。
機械腕が振り回されると光線も共に剣として振るわれる。
スィーマァが飛びあがった直後、細々とした三つの光線がフィールドを焼く。
構造物を蹴り、さらに高みへと飛ぶ。
機械腕が振り回されると光線も共に剣として振るわれる。
「っと、やっぱりレーザーを仕込んでたのね…ってわわっ!?」
左を止め今度は右。
止むことのないレーザー光線をひらりくらりと避けつつ、防護壁から飛び降りる。
『ゲイト、防護壁ごと吹っ飛ばせ。相手は遠距離からの攻撃手段を持たない』
「はいはい、…真剣勝負なんだからちょっと黙っててよ」
左を止め今度は右。
止むことのないレーザー光線をひらりくらりと避けつつ、防護壁から飛び降りる。
『ゲイト、防護壁ごと吹っ飛ばせ。相手は遠距離からの攻撃手段を持たない』
「はいはい、…真剣勝負なんだからちょっと黙っててよ」
グレネードの制圧能力は高い。
防護壁が一度にまとめて四つは吹き飛ぶ。
スィーマァは爆撃の間を縫い、ステージの端から端へと走ってゆく。
「どういうつもりかな? グレネードを切らしたってレーザーがあるのに、…何を考えているのかなぁ?」
防護壁が一度にまとめて四つは吹き飛ぶ。
スィーマァは爆撃の間を縫い、ステージの端から端へと走ってゆく。
「どういうつもりかな? グレネードを切らしたってレーザーがあるのに、…何を考えているのかなぁ?」
考えつつも攻撃の手を緩めない。
聞くのは後でも構わない。
聞くのは後でも構わない。
……
数分後。
防護壁はすでに瓦礫の山と化し床を覆っている。
ゲイトの傍らには撃ち尽くしたグレネードランチャーが転がっている。
「何でずっと逃げ回ってたのさ?」
スィーマァを前にして聞く。
「もちろん無計画な訳ないですよ? …ではいきましょうか」
防護壁はすでに瓦礫の山と化し床を覆っている。
ゲイトの傍らには撃ち尽くしたグレネードランチャーが転がっている。
「何でずっと逃げ回ってたのさ?」
スィーマァを前にして聞く。
「もちろん無計画な訳ないですよ? …ではいきましょうか」
左手に持った筒の先端―スイッチ―を押す。
「一瞬で決める自信がありますよ?」
「一瞬で決める自信がありますよ?」
ガスが漏れる音と共に、濃い霧が立ち込めてきた。
「水蒸気!? …という事は…」
呟いた時、すでに視界はなくなっていた。冗談抜きで何も見えない。
「レーザーを封じる為か」
スィーマァが走り回った理由、それはこの舞台を作るための準備のため。
「水蒸気!? …という事は…」
呟いた時、すでに視界はなくなっていた。冗談抜きで何も見えない。
「レーザーを封じる為か」
スィーマァが走り回った理由、それはこの舞台を作るための準備のため。
一つ、二つと固いものが床に転がる音が響く。
『直感を信じろ、どれかが実際の足音だ』
三つ…四つ。
『直感を信じろ、どれかが実際の足音だ』
三つ…四つ。
むしろ直観で判断し、間違えたのは吹雪の方だった。
ボァン!!
音が聞こえた方向四か所が爆発した。
手榴弾でも使ったのだろうか。
「マスターのドジ!! 何判断ミスしてんの!!」
『それより前か後ろだ!! 警戒しろ!!』
言われて後ろを振り返る。
手榴弾でも使ったのだろうか。
「マスターのドジ!! 何判断ミスしてんの!!」
『それより前か後ろだ!! 警戒しろ!!』
言われて後ろを振り返る。
スッと、銃口がゲイトのあごを押さえた。
「そこで前を見ないで後ろを向くあたり、やっぱりゲイトですね」
指は引金に掛っている。
「サバーカは身長を高め索敵範囲広める反面、懐に飛び込まれると対処がしづらいという欠点があります。…勿論、動かないでくださいよ?」
チーグルだろうが自らの腕であろうが、動かしたら確実に撃たれる。
機械腕は独特の駆動音がする故、それをよく聞く者には一発で分かる。
「降伏、してくれますね?」
「そこで前を見ないで後ろを向くあたり、やっぱりゲイトですね」
指は引金に掛っている。
「サバーカは身長を高め索敵範囲広める反面、懐に飛び込まれると対処がしづらいという欠点があります。…勿論、動かないでくださいよ?」
チーグルだろうが自らの腕であろうが、動かしたら確実に撃たれる。
機械腕は独特の駆動音がする故、それをよく聞く者には一発で分かる。
「降伏、してくれますね?」
「……ふう、ちょっと調子に乗りすぎたかなぁ?」
どちらの手にも持ったブレードを落とし、両手を挙げる。
どちらの手にも持ったブレードを落とし、両手を挙げる。
[降伏の意思確認、勝者 スィーマァ]
「…ふぅ、やられた」
若干呆れた表情で言いだした。
淡白な反応が吹雪らしい。
「…くぅ、へし折るのに失敗した…」
若干呆れた表情で言いだした。
淡白な反応が吹雪らしい。
「…くぅ、へし折るのに失敗した…」
「ますたー…」
リフトで上がって来たスィーマァ、目を輝かせている。
「…うん、おめでとう」
リフトで上がって来たスィーマァ、目を輝かせている。
「…うん、おめでとう」
頭を指でなでなで。
目を細めて嬉しがる様子は、さながらHMX-12のようなの。
ああ、この小動物的かわいさがスィーマァの魅力なの……。
目を細めて嬉しがる様子は、さながらHMX-12のようなの。
ああ、この小動物的かわいさがスィーマァの魅力なの……。
「…ふん、よくやったな」
ムッツリした表情で言われても嬉しくない、…でもこれが吹雪だから許す事にしよう。
ムッツリした表情で言われても嬉しくない、…でもこれが吹雪だから許す事にしよう。
さて、どうするかなぁ?
「スィーマァ、今後もバトルする?」
「勿論、これからも続けたいと思います」
即答しちゃったよ。
どうやら自信がついたみたいね。
「スィーマァ、今後もバトルする?」
「勿論、これからも続けたいと思います」
即答しちゃったよ。
どうやら自信がついたみたいね。
「それじゃ、この次もがんばろーっ!!」
「おーっ!!」
「おーっ!!」
そんなこんなの、一月末だった。