「ようこそオレの部屋へ。まー狭いけど入ってくんねぃ!」
「マイマスターなんでそんなハンパに訛るのさ」
「いいだろー、そのくらいテンション高いんだよー」
「マイマスターなんでそんなハンパに訛るのさ」
「いいだろー、そのくらいテンション高いんだよー」
「……なんでこんなことに」
「お邪魔しまーす」
「お邪魔しまーす」
彼女のオレのお部屋訪問、実はちょっち緊張。
いや、別にそーいうことするわけじゃないんだけどね?
いや、別にそーいうことするわけじゃないんだけどね?
さて、どうしてこんなことになったと、言うと―――
「は?」
何いってんだコイツ、って顔された。ひどいっ、ひどいわっ。
「いやだから格闘戦のレクチャーとか、頼めない?」
なんとかしてオレは彼女に頼み込む。拝むようなポージングまでつくって。
「なんで、私がアンタにレクチャーしてやらなきゃいけないんだよ、倒すべき相手に」
ぶすーっとした顔で見上げられてる。そりゃまぁ、彼女の言うこともわかるけど……
「わざわざ相手を強くしてやることは無い。だからそんなことしてやる必要も無い、そうだろ?」
いや、確かにそれはザックリと刺さる正論デスケド、デスケド!
「頼むっ、この界隈キミほど強い人いないから、お願いできるのはキミしかいないんだ!」
もはや土下座に近いところまで体勢を低くする。
「頼むっ!納得できないかもしれないけど、次も負けたくないんだ!さっちゃん相手に無様な戦いはしたくない、そのためなんだ!」
「だから、それは理由に……」
トドメとばかり、、がばっとオレは頭を思いっきり下げた。
「頼むっ!」
―――しばしの沈黙。オレはただ、彼女の言葉を待つだけだった。
「……チッ」
「お?」
そこにあったのはすげェ不機嫌そうな顔で、でもそこはかとなーく嬉しそうに見えるのはオレの錯覚?
「……別に、アンタのためじゃない。アンタの神姫に、フランの凄さってヤツを教えてやる」
「……へぇ?マスターってもっとこう、バッサリ切り捨てるもんだとおもってたんだけど」
「別に、こうでも言わないと、いつまでもこんなことされそうで迷惑だから」
―――それは、OKってこと?Yesってこと?
「場所は。ここのトレーニング用の筐体?」
OKってことらしい。
「……よっしゃぁああああああッ!」
ロック歌手のシャウトのごとく雄たけびを上げて見る。神様バンザイ!ありがとうゴッド!
コレを機に再びあの頃への距離まで近づくチャンスもできる!
「ちょ、叫ぶな!クソヤロ!?」
「マ、マイマスターやめて!恥ずかしいからやめてぇ!」
ツッコミダブルハーケン。いやぁお兄さんまいったなぁあははははは。
―――そういやトレーニング場所はウチが使えるんじゃんか?
いきなりオレのお部屋へお邪魔しますなんて、ちょっといきなり急進展ジャン?
……よっしゃ、がんばれオレ。今度こそ、5年前にできなかった告白という大業を成す為にっ!
「で、場所はどうするんだよ、ここでもいいけど、人すごいよ?」
ニヤリとオレは笑う、ここはあくまでカッコよく、だぜ。
「実は、いい場所があるんだぜ?」
何いってんだコイツ、って顔された。ひどいっ、ひどいわっ。
「いやだから格闘戦のレクチャーとか、頼めない?」
なんとかしてオレは彼女に頼み込む。拝むようなポージングまでつくって。
「なんで、私がアンタにレクチャーしてやらなきゃいけないんだよ、倒すべき相手に」
ぶすーっとした顔で見上げられてる。そりゃまぁ、彼女の言うこともわかるけど……
「わざわざ相手を強くしてやることは無い。だからそんなことしてやる必要も無い、そうだろ?」
いや、確かにそれはザックリと刺さる正論デスケド、デスケド!
「頼むっ、この界隈キミほど強い人いないから、お願いできるのはキミしかいないんだ!」
もはや土下座に近いところまで体勢を低くする。
「頼むっ!納得できないかもしれないけど、次も負けたくないんだ!さっちゃん相手に無様な戦いはしたくない、そのためなんだ!」
「だから、それは理由に……」
トドメとばかり、、がばっとオレは頭を思いっきり下げた。
「頼むっ!」
―――しばしの沈黙。オレはただ、彼女の言葉を待つだけだった。
「……チッ」
「お?」
そこにあったのはすげェ不機嫌そうな顔で、でもそこはかとなーく嬉しそうに見えるのはオレの錯覚?
「……別に、アンタのためじゃない。アンタの神姫に、フランの凄さってヤツを教えてやる」
「……へぇ?マスターってもっとこう、バッサリ切り捨てるもんだとおもってたんだけど」
「別に、こうでも言わないと、いつまでもこんなことされそうで迷惑だから」
―――それは、OKってこと?Yesってこと?
「場所は。ここのトレーニング用の筐体?」
OKってことらしい。
「……よっしゃぁああああああッ!」
ロック歌手のシャウトのごとく雄たけびを上げて見る。神様バンザイ!ありがとうゴッド!
コレを機に再びあの頃への距離まで近づくチャンスもできる!
「ちょ、叫ぶな!クソヤロ!?」
「マ、マイマスターやめて!恥ずかしいからやめてぇ!」
ツッコミダブルハーケン。いやぁお兄さんまいったなぁあははははは。
―――そういやトレーニング場所はウチが使えるんじゃんか?
いきなりオレのお部屋へお邪魔しますなんて、ちょっといきなり急進展ジャン?
……よっしゃ、がんばれオレ。今度こそ、5年前にできなかった告白という大業を成す為にっ!
「で、場所はどうするんだよ、ここでもいいけど、人すごいよ?」
ニヤリとオレは笑う、ここはあくまでカッコよく、だぜ。
「実は、いい場所があるんだぜ?」
そして、現在へ。
いやーまさかムラクモさんの格闘ベタを解消するついでに、こんなサプライズがあるなんて。
マジやったぜ!
「で、これか。アンタのVRマシン」
部屋の隅に鎮座する、PCとケーブルで繋がった少し大きめのハコのような機械。
ファーストリーグの人間も愛用するものが多い、割と本格的な高級VRマシンだ。
いろいろ奮発したりしてそろえてみた、オレの自慢のマシンである。
「ふーん……結構いいマシン使ってるのか……」
「だろー、ちょっと自慢できるぜ」
「私としては確かにうれしいけど、そういうとこに使うリソースを少しは勉強に使おうよ、マイマスター……」
マイラブリー・ムラクモさんはちょっと頭を抱えてる。なんだよー、お前のためなんだぞ、これー。
「それはいいけど、となりのコレは……メイド服?」
「ま、マイマスター置きっぱ!ちゃんと片付けてって朝言ったじゃないかっ!」
おおぅ、それはオレが趣味で買ったムラクモさん用のメイド服じゃないかー。
昨日着せて恥ずかしがるムラクモさんをカメラ撮影とかしちゃった後、そのまま放っぽりっぱなしだったぜ。
「アイヤーごめん、ムラクモさん。朝遅刻寸前だったから忘れてたぜー」
「なんでそんな爽やかに言うのさ!?確信犯!?もしかして確信犯なのっ!?」
「いや、また着せようと思ってそのままに」
「また着……っ、は、恥ずかしいよ!やだよっ!」
「HAHAHAHAHA、そんなアナタがとてもかわいいデース」
「ふっ、ふざっ!?ふんにゃぁぁああああああッ!」
あーもームラクモたんかわいーなー、いいなぁー。
いやーまさかムラクモさんの格闘ベタを解消するついでに、こんなサプライズがあるなんて。
マジやったぜ!
「で、これか。アンタのVRマシン」
部屋の隅に鎮座する、PCとケーブルで繋がった少し大きめのハコのような機械。
ファーストリーグの人間も愛用するものが多い、割と本格的な高級VRマシンだ。
いろいろ奮発したりしてそろえてみた、オレの自慢のマシンである。
「ふーん……結構いいマシン使ってるのか……」
「だろー、ちょっと自慢できるぜ」
「私としては確かにうれしいけど、そういうとこに使うリソースを少しは勉強に使おうよ、マイマスター……」
マイラブリー・ムラクモさんはちょっと頭を抱えてる。なんだよー、お前のためなんだぞ、これー。
「それはいいけど、となりのコレは……メイド服?」
「ま、マイマスター置きっぱ!ちゃんと片付けてって朝言ったじゃないかっ!」
おおぅ、それはオレが趣味で買ったムラクモさん用のメイド服じゃないかー。
昨日着せて恥ずかしがるムラクモさんをカメラ撮影とかしちゃった後、そのまま放っぽりっぱなしだったぜ。
「アイヤーごめん、ムラクモさん。朝遅刻寸前だったから忘れてたぜー」
「なんでそんな爽やかに言うのさ!?確信犯!?もしかして確信犯なのっ!?」
「いや、また着せようと思ってそのままに」
「また着……っ、は、恥ずかしいよ!やだよっ!」
「HAHAHAHAHA、そんなアナタがとてもかわいいデース」
「ふっ、ふざっ!?ふんにゃぁぁああああああッ!」
あーもームラクモたんかわいーなー、いいなぁー。
「……いつまでやってるつもりさ、帰るよ?」
「バカっぽいっていうかバカ?」
ずばーっ、と二人に真っ二つにされてしまいました、あのフランドールって子も案外やりおる。
「ごめんごめん、まーとりあえず始めようか。父上さま母上さまは今日ちょっち遅いからけっこー騒げるぜー?」
「騒いでるのはアンタだけだろ、私は何もしてない」
言いながら、さっちゃんこと咲耶さんは、テキパキと準備を始めてる。
かくいうオレも、VRマシンの起動とか、そういうのでいろいろやってるけど。
「バカっぽいっていうかバカ?」
ずばーっ、と二人に真っ二つにされてしまいました、あのフランドールって子も案外やりおる。
「ごめんごめん、まーとりあえず始めようか。父上さま母上さまは今日ちょっち遅いからけっこー騒げるぜー?」
「騒いでるのはアンタだけだろ、私は何もしてない」
言いながら、さっちゃんこと咲耶さんは、テキパキと準備を始めてる。
かくいうオレも、VRマシンの起動とか、そういうのでいろいろやってるけど。
「連れないなぁ、昔はそんなキツイこと言うやつじゃなかったろー?」
瞬間、場の空気が少し変わった。
オレ、なんかヤバイ地雷、踏んだ?
オレ、なんかヤバイ地雷、踏んだ?
「……人間変わるんだよ、昔には戻れない」
「……さいですか」
シミュレーターの設定なんかしながら、オレはそう言い返すしかなかった。
何だ今の、少し、背中がぞくっとした。
そういやっさっちゃんも、昔とまるで違う。初対面の人間にあんな言い方するようなやつじゃなかったはずだ。
この3年でなにがあったのか、知りたいけど……今は、とりあえず、いい。
少しずつ距離を縮めていこう。そしたら、話してくれるかも知れないし。
「できたよ、フランちゃんはこっちのケーブルにつないで」
接続用のケーブルを渡す。無言で、少し乱暴にさっちゃんはそのケーブルを受け取った。
―――あれ、フランちゃんの装備がこないだと違う。
「今日はあのデカイヤツじゃないの?」
「レクチャーにあんな重いのはいらない。これで十分」
フランちゃんは、黒いマフラーと黒いコートのようなものを羽織っていた。どっかで見たなアレ。
そして装備は、あのデカイ大太刀と、最後に撃ち合ったハンドガンのみ。
―――そうか、あれ、アウタースキンだ。「呼子鳥」って言ったっけ。マフラーは……なんだろう。
「でも、ぼくはこの装備スキだよ。お気に入りを思う存分使えるから」
「耐刃、防弾性あるからね。実戦でも使える」
フランちゃんは、ばさっとコートをなびかせながら華麗にウォーキングしている。背中にケーブル刺さってるけど。
そうだ、オレも準備準備。
「それじゃムラクモさん、失礼しますよー、痛くしませんからねー」
「いやもともと痛くないっていうかなんでそんなアヤシイ言い方で言うのさ」
「ふ、ふ、ふ」
「笑い方がなんかやだー!?」
「……さいですか」
シミュレーターの設定なんかしながら、オレはそう言い返すしかなかった。
何だ今の、少し、背中がぞくっとした。
そういやっさっちゃんも、昔とまるで違う。初対面の人間にあんな言い方するようなやつじゃなかったはずだ。
この3年でなにがあったのか、知りたいけど……今は、とりあえず、いい。
少しずつ距離を縮めていこう。そしたら、話してくれるかも知れないし。
「できたよ、フランちゃんはこっちのケーブルにつないで」
接続用のケーブルを渡す。無言で、少し乱暴にさっちゃんはそのケーブルを受け取った。
―――あれ、フランちゃんの装備がこないだと違う。
「今日はあのデカイヤツじゃないの?」
「レクチャーにあんな重いのはいらない。これで十分」
フランちゃんは、黒いマフラーと黒いコートのようなものを羽織っていた。どっかで見たなアレ。
そして装備は、あのデカイ大太刀と、最後に撃ち合ったハンドガンのみ。
―――そうか、あれ、アウタースキンだ。「呼子鳥」って言ったっけ。マフラーは……なんだろう。
「でも、ぼくはこの装備スキだよ。お気に入りを思う存分使えるから」
「耐刃、防弾性あるからね。実戦でも使える」
フランちゃんは、ばさっとコートをなびかせながら華麗にウォーキングしている。背中にケーブル刺さってるけど。
そうだ、オレも準備準備。
「それじゃムラクモさん、失礼しますよー、痛くしませんからねー」
「いやもともと痛くないっていうかなんでそんなアヤシイ言い方で言うのさ」
「ふ、ふ、ふ」
「笑い方がなんかやだー!?」
そして私たちはVRフィールドへ。
ホール状の空間になっており、無機質なカベと床しかない。スペースはそこそこ広め。
『そんじゃープリセットしてある仮想敵だすから、まずはフランちゃんの腕前から見せてくれなー』
「あれ、レクチャーするんじゃないの?」
フランドールはマイマスターの言葉に首を傾げてるようで。
『いや、どのくらいの剣の腕なのか、オレ個人が気になってるだけだけどー』
「……いいのマスター、やっちゃって」
不満の声、それはそうだろう。ここで戦えば、私の目の前で、こないだはあまり活用しなかった剣の腕を見せることになる。
こないだはその片鱗しか見られなかったから、私自身も気になることだけど。
『承知した以上、覚悟してたことだけどね……いいさ、レベルの違いを見せ付けてやれよ、フラン」
「うん……じゃ、暴れちゃうよ」
その言葉を合図にしたように、彼女の周囲から5つ、淡い光が現れる。
その中から、黒い身体のネイキッドボディのMMSが現れる。
顔はなく、あるのは無機質な輪郭だけ。
それぞれに片手剣、矛槍、大剣、大鎌、日本刀と、バリエーションのある装備をしている。
格闘装備が多いのは、フランドールのことを考えてなのか―――
各々はすでに戦闘準備が完了しているようだ。構え、格闘チームが歩み始める。
対するフランドールは大太刀を鞘に納めたまま。抜こうとも、構えようともしない。
連中はじりじりと距離を詰め、そして飛び掛り、切りかかった。
けど、この後、私はとんでもないものを目にしたのだ。
ホール状の空間になっており、無機質なカベと床しかない。スペースはそこそこ広め。
『そんじゃープリセットしてある仮想敵だすから、まずはフランちゃんの腕前から見せてくれなー』
「あれ、レクチャーするんじゃないの?」
フランドールはマイマスターの言葉に首を傾げてるようで。
『いや、どのくらいの剣の腕なのか、オレ個人が気になってるだけだけどー』
「……いいのマスター、やっちゃって」
不満の声、それはそうだろう。ここで戦えば、私の目の前で、こないだはあまり活用しなかった剣の腕を見せることになる。
こないだはその片鱗しか見られなかったから、私自身も気になることだけど。
『承知した以上、覚悟してたことだけどね……いいさ、レベルの違いを見せ付けてやれよ、フラン」
「うん……じゃ、暴れちゃうよ」
その言葉を合図にしたように、彼女の周囲から5つ、淡い光が現れる。
その中から、黒い身体のネイキッドボディのMMSが現れる。
顔はなく、あるのは無機質な輪郭だけ。
それぞれに片手剣、矛槍、大剣、大鎌、日本刀と、バリエーションのある装備をしている。
格闘装備が多いのは、フランドールのことを考えてなのか―――
各々はすでに戦闘準備が完了しているようだ。構え、格闘チームが歩み始める。
対するフランドールは大太刀を鞘に納めたまま。抜こうとも、構えようともしない。
連中はじりじりと距離を詰め、そして飛び掛り、切りかかった。
けど、この後、私はとんでもないものを目にしたのだ。
左右と後方から迫る矛槍と剣を鞘に収めたままの太刀で弾き、相手の体勢を崩す。
時間差で飛び掛ってくる相手を前に向き直り、ゆっくりと鞘から刀を抜く。
その間の時間が、やたらゆっくりと見える。抜かれていく刀身から、ヌルリとした煌き。
刹那、光の線が縦に走った。
見ると、飛び掛ってきたはずの大鎌が左に逸れていく。
―――大鎌ネイキッドは真ん中から二つに両断されていた。
次いで、右後方の日本刀へ縦からの一撃。
「……Die!(死ね!)」
直後、そのまま回転するように反対側へ向けて水平に刀を振り抜く。
その一撃から一呼吸。残っていた4体のネイキッドの内1体が縦に、3体が横に、身体の半分ずつがスライドしていく。
時間差で飛び掛ってくる相手を前に向き直り、ゆっくりと鞘から刀を抜く。
その間の時間が、やたらゆっくりと見える。抜かれていく刀身から、ヌルリとした煌き。
刹那、光の線が縦に走った。
見ると、飛び掛ってきたはずの大鎌が左に逸れていく。
―――大鎌ネイキッドは真ん中から二つに両断されていた。
次いで、右後方の日本刀へ縦からの一撃。
「……Die!(死ね!)」
直後、そのまま回転するように反対側へ向けて水平に刀を振り抜く。
その一撃から一呼吸。残っていた4体のネイキッドの内1体が縦に、3体が横に、身体の半分ずつがスライドしていく。
私の体内クロックが故障してなければ、ネイキッドの攻撃を弾いてから、4体全てを切り伏せるまでの間、わずか2秒。
こんな速さの剣技は初めてだ。
認識はギリギリでできたけど、こんなのを繰り出されたら、身体が対応できない。
あの時戦ったときとは違う、恐るべき速さだった。最初からこの剣技を駆使していれば、私なんかあっという間に……。
『さすが、アラストルがないと速いね、フラン』
「そりゃね。アレあると重くて、こんなことできないから」
―――それが理由か。この剣技を出さなかったわけは。
ウイングの操作もあわせると、系4本の外部アームを操作しなければならない。本体のリソースが食われてしまうのも当然なんだろう。
『……すっげ!お前のフランちゃんすげぇよ!?どっかのゲームみたいなコトしてくれちゃって……』
マイマスターが興奮している様子でフランドールを褒め称えた。
私も、戦慄しつつも、どこか身体が興奮している。
だって「カッコイイ」んだ。剣を振るっているフランドールは、とても。
『んじゃ、次行ってみようか!今度は火器も混ぜるよー』
『レクチャーはどうするのさ、時間なくなるよ?』
そのやりとりに、フランドールは、血糊を払うかのように太刀を振り、口を開く。
「ぼくはいいよマスター。久々だから……ちょっと、興奮してきちゃった」
口元が愉しそうにゆがんでいるのが、見えた。
『……しょうがないな、フランは』
その一言にコクリ、と頷き、鞘と刀を持ったまま佇む。
こんな速さの剣技は初めてだ。
認識はギリギリでできたけど、こんなのを繰り出されたら、身体が対応できない。
あの時戦ったときとは違う、恐るべき速さだった。最初からこの剣技を駆使していれば、私なんかあっという間に……。
『さすが、アラストルがないと速いね、フラン』
「そりゃね。アレあると重くて、こんなことできないから」
―――それが理由か。この剣技を出さなかったわけは。
ウイングの操作もあわせると、系4本の外部アームを操作しなければならない。本体のリソースが食われてしまうのも当然なんだろう。
『……すっげ!お前のフランちゃんすげぇよ!?どっかのゲームみたいなコトしてくれちゃって……』
マイマスターが興奮している様子でフランドールを褒め称えた。
私も、戦慄しつつも、どこか身体が興奮している。
だって「カッコイイ」んだ。剣を振るっているフランドールは、とても。
『んじゃ、次行ってみようか!今度は火器も混ぜるよー』
『レクチャーはどうするのさ、時間なくなるよ?』
そのやりとりに、フランドールは、血糊を払うかのように太刀を振り、口を開く。
「ぼくはいいよマスター。久々だから……ちょっと、興奮してきちゃった」
口元が愉しそうにゆがんでいるのが、見えた。
『……しょうがないな、フランは』
その一言にコクリ、と頷き、鞘と刀を持ったまま佇む。
再び、周囲に光が現れ、その中から黒色のネイキッドたちが現れた。
今度は格闘武器に混じって、ハンドガンやマシンガン、オマケにロケットランチャーまである。
それにしても……今回は数、多くない?
「ちょ、ちょっとマイマスター、なんか数多いよ!?いくらなんでも……」
『このくらい数いないと、この子のスゴさがわかんないって思ったからなっ!さぁどうするフランちゃん」
剣が構えられ、銃が構えられ、ランチャー、ライフルが構えられた。
けど、それらに対峙するフランドールはひどく落ち着き払っている。いや、むしろ楽しんでるようにも見える。
再び迫ってきた多くの刃を前に、彼女は動いた。
今度は格闘武器に混じって、ハンドガンやマシンガン、オマケにロケットランチャーまである。
それにしても……今回は数、多くない?
「ちょ、ちょっとマイマスター、なんか数多いよ!?いくらなんでも……」
『このくらい数いないと、この子のスゴさがわかんないって思ったからなっ!さぁどうするフランちゃん」
剣が構えられ、銃が構えられ、ランチャー、ライフルが構えられた。
けど、それらに対峙するフランドールはひどく落ち着き払っている。いや、むしろ楽しんでるようにも見える。
再び迫ってきた多くの刃を前に、彼女は動いた。
「Come and get me(捕まえてみなよ)」
正面から走る刃を身体を軽くそらして回避、刃を左手の鞘で弾く。
後方からの大剣を右手の太刀で受け流し、太刀の峰で足元を打つ。
右側へ浮かされたネイキッドを振り向きざまに一閃、腹部から身体が分かたれていく。
断たれた大剣ネイキッドの影から躍り出るように、斧ネイキッドが横へ振りかぶる、が。
縦の一撃で斧の柄を断ち、続けざまに横の一撃で身体を断つ。
背中から斬りかかろうとした片手剣ネイキッドに対し、背中を向けたまま脚を蹴り、相手を宙に浮かす。
またも振り向きざまに、横へ刀身を走らせる。更にその左側にて、槍を突き出そうとしていたネイキッドを斬る。
間髪おかず、少し距離置いたところにいる、残った3体の格闘装備ネイキッドへステップ。
一番手近にいたヤツの脚を鞘で打つ。打たれたネイキッドはその後方にいる2体へかぶさるような軌道で倒れこむ。
「……Be gone!(失せろ!)」
その身体が2体へ接触するより速く、太刀の一閃が繰り出され、3体同時に斬り裂かれた。
後方からの大剣を右手の太刀で受け流し、太刀の峰で足元を打つ。
右側へ浮かされたネイキッドを振り向きざまに一閃、腹部から身体が分かたれていく。
断たれた大剣ネイキッドの影から躍り出るように、斧ネイキッドが横へ振りかぶる、が。
縦の一撃で斧の柄を断ち、続けざまに横の一撃で身体を断つ。
背中から斬りかかろうとした片手剣ネイキッドに対し、背中を向けたまま脚を蹴り、相手を宙に浮かす。
またも振り向きざまに、横へ刀身を走らせる。更にその左側にて、槍を突き出そうとしていたネイキッドを斬る。
間髪おかず、少し距離置いたところにいる、残った3体の格闘装備ネイキッドへステップ。
一番手近にいたヤツの脚を鞘で打つ。打たれたネイキッドはその後方にいる2体へかぶさるような軌道で倒れこむ。
「……Be gone!(失せろ!)」
その身体が2体へ接触するより速く、太刀の一閃が繰り出され、3体同時に斬り裂かれた。
「……すごい……」
組み込まれてる強化アクチュエーターのおかげなのか、凄まじい速さの体捌きを見せてくれる。
太刀の切れ味もさることながら、ソレを扱うフランドールの太刀筋に、全く淀みがなかった。
でも、まだ敵は残ってる。それも銃をもった連中ばかりだ―――
どうする、フランドール。あいつらをどんな風に、斬るんだ。
組み込まれてる強化アクチュエーターのおかげなのか、凄まじい速さの体捌きを見せてくれる。
太刀の切れ味もさることながら、ソレを扱うフランドールの太刀筋に、全く淀みがなかった。
でも、まだ敵は残ってる。それも銃をもった連中ばかりだ―――
どうする、フランドール。あいつらをどんな風に、斬るんだ。
マシンガンから軽快な音と共に銃弾が吐き出される、
ハンドガン、大型ライフルも加わり、弾幕といっても差し支えない量の弾。
けど、その弾を物ともせず、軽やかなステップで回避しつつ、距離を縮めるフランドール。
まずたどり着いたのはマシンガンをもったネイキッド。
鞘でマシンガンを弾き落とし、腹部に水平斬り。
くるりと回転するようなステップを踏み、2体目のマシンガンネイキッドを、勢いをつけたまま横薙ぎにする。
鞘を手放しつつ、その横に展開していたハンドガンチームへ、踏み込みからの突き。
空いた左手で銀色のハンドガンを抜き、こちらに照準をつけていたハンドガンその2に対し、即座に発砲。
薬莢の転がる音が響いて、ネイキッド2体が倒れこむ。
残る、大型ライフルが照準を定め、発砲、重たい銃撃音とマズルフラッシュ。
大型のライフル弾頭に、太刀の刃を水平に寝かせ、先端をなぞるように走らせて、弾丸を斬り裂き、勢いを殺して弾き落とす。
すぐさま、ライフル持ちの方へダッシュ、再び距離を縮める。
その間飛来するライフルの弾を次々を斬り裂いて、払っていく。
そして太刀の有効距離、刃を地面と垂直に立てて、踏み込みとあわせて上段からの振り下ろし。
ライフルごと、左右へスライドしていくネイキッド。
やられた味方ごと吹き飛ばそうというのか、ランチャーネイキッドが砲口をフランドールへあわせ、トリガーを絞る。
鈍く輝く、金属の大型弾頭が、火を噴きながら直進、迫る。
それにあわてた様子もなく、向かってくるロケット弾に向かってダッシュした。
ハンドガン、大型ライフルも加わり、弾幕といっても差し支えない量の弾。
けど、その弾を物ともせず、軽やかなステップで回避しつつ、距離を縮めるフランドール。
まずたどり着いたのはマシンガンをもったネイキッド。
鞘でマシンガンを弾き落とし、腹部に水平斬り。
くるりと回転するようなステップを踏み、2体目のマシンガンネイキッドを、勢いをつけたまま横薙ぎにする。
鞘を手放しつつ、その横に展開していたハンドガンチームへ、踏み込みからの突き。
空いた左手で銀色のハンドガンを抜き、こちらに照準をつけていたハンドガンその2に対し、即座に発砲。
薬莢の転がる音が響いて、ネイキッド2体が倒れこむ。
残る、大型ライフルが照準を定め、発砲、重たい銃撃音とマズルフラッシュ。
大型のライフル弾頭に、太刀の刃を水平に寝かせ、先端をなぞるように走らせて、弾丸を斬り裂き、勢いを殺して弾き落とす。
すぐさま、ライフル持ちの方へダッシュ、再び距離を縮める。
その間飛来するライフルの弾を次々を斬り裂いて、払っていく。
そして太刀の有効距離、刃を地面と垂直に立てて、踏み込みとあわせて上段からの振り下ろし。
ライフルごと、左右へスライドしていくネイキッド。
やられた味方ごと吹き飛ばそうというのか、ランチャーネイキッドが砲口をフランドールへあわせ、トリガーを絞る。
鈍く輝く、金属の大型弾頭が、火を噴きながら直進、迫る。
それにあわてた様子もなく、向かってくるロケット弾に向かってダッシュした。
「そんな!いくらなんでもそれはムチャだよ!」
いくら抗刃素材で破片は防げても、爆風でダメージをモロにくらう、無理だ。
いくら抗刃素材で破片は防げても、爆風でダメージをモロにくらう、無理だ。
けれど、それは私の杞憂でしかなかった。
ロケット弾まで、一定の距離まで詰めたフランドールはそのままジャンプ。
「Let's rock(ハデにいくよ)」
そして、ロケットの上に脚を置き、そのまま蹴り上げるように再びジャンプ、飛びざまにロケット弾へハンドガンを一発。
―――爆発を推進力にした!?
爆風にのって、ランチャーネイキッドへ。
勢いのまま、太刀を担ぐように構え、接触するか否か、という距離で刃を振るう。
それが最後だった。
―――爆発を推進力にした!?
爆風にのって、ランチャーネイキッドへ。
勢いのまま、太刀を担ぐように構え、接触するか否か、という距離で刃を振るう。
それが最後だった。
もう、声が出なかった。
なんだこれ、私はいつ映画のセカイに入りこんだのか。
B級映画に出てくるような銃と剣のやりとりに、私はただ口を開けたまま。
『……マジ?これ、マジ?』
『大マジ。ちょっとハデにしすぎた気はするけど」
なんだこれ、私はいつ映画のセカイに入りこんだのか。
B級映画に出てくるような銃と剣のやりとりに、私はただ口を開けたまま。
『……マジ?これ、マジ?』
『大マジ。ちょっとハデにしすぎた気はするけど」
「マイマスター……ほんとによく、この人たちに勝てたね……私たち」
『オレも、そう思う、ぜ』
『オレも、そう思う、ぜ』
それから、結局マイマスターがもう一回とせがんで、レクチャーどころでは無くなってしまった。
でも、そのリクエストに答えてくれるこの人たちは、私が最初思ったような悪い人たちでは、無いのかもしれない。
でも、そのリクエストに答えてくれるこの人たちは、私が最初思ったような悪い人たちでは、無いのかもしれない。
『もっかい!次はこのプリセットでいこう!』
「まだやるの?いい加減疲れてきたんだけど……」
『……レクチャーはどうするんだ、このバカ……』
―――そのときウインドウに移っていた、咲耶というオーナーの顔がどこか嬉しそうだったのは、私の気のせいだろうか。
「まだやるの?いい加減疲れてきたんだけど……」
『……レクチャーはどうするんだ、このバカ……』
―――そのときウインドウに移っていた、咲耶というオーナーの顔がどこか嬉しそうだったのは、私の気のせいだろうか。