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● 三毛猫観察日記 ●



◆ 番外編4 「彩音とトモコと黒い神姫(後編)」 ◆



≪第六節:「桜花」稽古中に悩む≫

「最初は準備運動からだ。『短冊の構え』から素振り百本、始め!」
アキオの号令に従い、短冊の構え―――山城自顕流の八双―――を構える。
ここはアキオの屋敷の一画、トレーニングジムを兼ねた小さい道場。アキオも私も
羽織袴の格好で稽古に臨んでいます。

素振りをしながら考える。あの女の子……人の心とはあんなに変るものなのだろうか?
その変容ぶりは姉さん達を思い起こさせる。でも皆の場合はアキオを襲うために頭脳回路を
改造された結果。つまり金城さんにも「改造レベル」のショックがあったってこと?
心の移ろい……人間だけ?いえ神姫にも。私の思い、移ろい。そもそも神姫に心って?

「桜花、何をやってるんだ!注意力散漫だぞ!!」
アキオに嗜まれて現実に戻る。
「ああっ、ゴメンなさい!………」
「どうしたんだ、今日は全然集中出来てないじゃないか」
少し心配そうに訊くアキオに私は答えた。
「……アキオ、心って何なのでしょう?」

ちょっと考えてからアキオは私の傍に来ると、そのまま目の前で正座をした。
「難しい質問だな、俺に答えられるかどうか……ちょっと違うかもしれないが……
 山城自顕流の本質は『後の先』にある事は理解しているな?それはつまり相手を理解して
 先んずると言う事だ。その究極形に『絶刀』という奥義がある」

「絶、刀、……ですか」
「あぁ。『己が意を絶ち、気配を絶ち、相手と同化する』―――極めれば相手の考えが
 読めるというテレパシーみたいな技だ。まぁそんなの空想だとは思うがな。
 だがその根底にある考え方は間違っていないと思う。つまり相手を理解する為には
 先入観や思い込みを排除し、ありのままを受け入れる必要があるということだ。

 桜花、オマエは考えすぎなんだよ……相手の心なんて考えたって解らない。なら
 いっそ頭を空っぽにして相手にぶつかる……そういうのもアリだと思うぞ」

「頭を空っぽ、ですか……」
また考え込んでしまった私を見て、ヤレヤレと仕草をしてアキオが言いました。
「桜花、出かける準備をしろ。これからカルチャーセンターに行こう」
「えっ?急にどうして……」
「悩みの原因ってあの女の子だろ?頭を空っぽに……考えるより行動だよ」


≪第七節:「転機」幾つかの出会い≫

「先生、彼女の事を教えてくれませんでしたね……」
「予想はしていたがな。やっぱり他人に軽々しく言う事じゃないし」
「さて、どうしましょうか……」

「あ、あの……ちょっとよろしいでしょうか?」
二人でロビーで考え込んでいると、突然セーラー服の女の子が話しかけてきました。
「えっと、君は……?」
「失礼しました。私は金城静音(かねしろ・しずね)、彩音お姉ちゃんの妹です……」
ちょっとビックリ。そういえば顔立ちとか似ていますねぇ。
「ご免なさい、立ち聞きをしてしまいました……お姉ちゃんのお知り合いでしょうか?」

アキオが事の経緯を詳しく説明します。
「……そうですか、やっぱりお姉ちゃん……
 多分お姉ちゃん、貴方の思っている以上に酷い状態なんです。精神的に追い詰められてて、
 家族の皆もまるで腫れ物に触るみたいに敬遠して、家でも孤立して……
 もう私、どうしたらいいのか………お願いします、お姉ちゃんを助けて下さい!」

姉を想う心。助けたいと願う心。これも人の心。
「俺もそのつもりなんだけど……とにかく色々と状況が解らなくてね」
「それならお姉ちゃんを助けてくれた大学生さんに話を聞くと良いです。事件の事は多分
 あの人が一番詳しいと思いますから」
「へぇ。その人って?」
「赤峰秀弘(あかみね・しゅうこう)さん。携帯の番号は………」


静音さんと別れて駅前の喫茶店へ。赤峰さんとはここで待ち合わせをすることに。
突然の電話なのにちゃんと対応をしてくれるあたり、しっかりした人物みたいですね。

それから20分ぐらいして、店に一人の男性が入って来てレジの人に声を掛けました。
「すみません、待ち合わせをしているのですけど……」
「あっ、赤峰さんですか?徳田です。お忙しい処を急にお呼びして……」
「いやいや大丈夫。マヤーとテレビを見ていただけだから」

「大丈夫じゃ無いニャ!二人のスウィートなヒトトキが邪魔されたのニャ!!」
赤峰さんの胸ポケットからマオチャオ型の神姫が顔を出しました。
「あ~コイツの事は無視して。とにかく座って話をしよう」
自分の頭の上によじ登って髪を引っ張ってる神姫を無視して、赤峰さんが言いました。

「つまり君達は金城さんを助けたいと?」
「ええ。彼女とは多少の縁がありますし」
「……失礼な言い方になるが勘弁してくれ。
 それは自己満足かい?好奇心かい?半端な気持ちなら止めたほうがいい。これは小説でも
 テレビドラマでも無い。ましてや人一人の人生が係っているんだ。
 事の重大さを理解した上でのことだろうね?」

「……ええ。よく考えた結果です。
 俺は基本的に損得で動く人間ですからね。普通ならこんな得にならない事はしませんよ。
 でも赤嶺さん、俺はね、この桜花に命を助けられているんですよ。比喩じゃなく実際に。
 その為に桜花は闇に堕ちた。俺はこれ以上桜花に闇を見せたくないんです……」
「あ……アキオ…………」思わず呟いてしまう。
「……まぁソチラの事情は解らないが、半端な気持ちじゃないって事だけは解ったよ」

頭の上にマヤーを乗せたまま、赤峰さんが真剣な顔で話します。
「とにかく違法神姫狩りを止めさせる事だ。このままじゃ目的が達成されたとしても
 彼女が救われる事なんて無いぞ」
「そうですね。止めさせて……そして彼女の心を救うには……」

ちょっと考えてから赤峰さんは答えました。
「違法神姫狩りを妨害していればイヤでも俺達を意識するようになるだろう。
 そうやって関係を深めていけば、いつか説得するチャンスも出来るかもしれない。
 俺達で彼女を阻止しよう。でもその為には「怨蛇」に対抗出来るような神姫じゃないと」

彼は頭の上のマヤーを掴むと、自分の目の前にぶら下げました。
「マヤーは起動してまだ一年経ってないからな。ちょっと役不足か……」
ムキャーとか言いながらジタバタするマヤー。何か……妹のナンバー6に似ている……

「だ、そうだ。桜花、オマエは自信あるか?」
「楽勝ですよ!……とは言えませんね。彼女の“メガス・磁界制御装置”ってつまり
 テレキネシスみたいな物ですからね。モチロン制限はありますけど」
「ふむ。アメコミでも磁力を操る悪ボスがいるしなぁ。キビシイか?」
ニヤニヤしているアキオの表情に少しカチンときた。
「何言ってるんですか!私に勝てるのは姉さんだけです!」
私の返事を聞いて、アキオは赤嶺さんに答えました。
「と、いう事です。その線で行ってみましょうか」


≪第八節:「怨蛇」天使と死神≫

「やった……遂にやったでぇ!!!」
部屋に入るなり、マスターは私を机の上に放り投げて、枕元のトモコの写真に話しかけた。
「トモコ、遂に『蛇』のシッポを掴んだんや!ヤツは郊外で違法神姫の賭けバトルの
 胴元をやっとったんや!やっと…………やっと!!!!!!」

血走った目。上ずった声。口元には泡を吹いている。
マスターは……本当にギリギリの所で正気を保っている。狂気の一歩手前。
無理も無い。無二の親友を殺され、敵討ちの為とはいえ自ら闇に堕ちた女の子。
まだ中学生なのよ……何故マスターがこんな目に……

「三日後や。三日後、ヤツは月イチの大会を開催する。そこで大会優勝者と
 自分のご自慢の神姫、『蛇』を戦わせる気なんや!!!
 チャンスや、怨蛇で大会を勝ち抜いて『蛇』をバラバラにしてやるんや!!!」

マスターは私の事を「チップ抜き」、感情の無い違法神姫だと思っている。
実際マスターは違法改造屋にそう注文したし、その方が良かったのだ。
でもその違法改造屋は……意図的なのか偶然なのか、その注文には答えなかった。

そう、私には心がある。
何を以って「機械に心」かは解らないけど、少なくとも私はマスターを愛しいと感じてる。
友達を想う気持ち。傷ついて尚その意思を貫こうとする強さ。そして弱さ。
あぁ、私はマスターを愛している……だからこれ以上マスターを傷つけたくない……

「もうスグや、もうスグで全てが終わる……待っててや、トモコ……」
そのままベッドで眠ってしまうマスター。トモコの写真を抱えながら。
そう、もうすぐ全てが終わる……
それまで私は「チップ抜き」、非情な死神の役を演じよう。

なぜそんなフリをするかって?解らないの?
マスターは……ちゃんと自分が悪い事をしているのを理解している。そのうえで「仇討ち」
だからと、「正しい行い」だと自分に言い聞かせている。本当にギリギリなのよ……
なのにもし自分が「心ある存在に非情な事を強要していた」なんて気が付いたら……
マスターの精神は………本当に崩壊してしまう………

無論私はマスターの為に喜んで戦っている。でも潔癖なマスターは自分を許さないだろう。
だから私は……最後まで非情な死神を演じていなくてはいけない。
そして私は。全てが終わったら自らを破壊しよう。心があると気付かれる前に。

そっとベッドに上がり、眠っているマスターの傍へ。そして彼女の頬を軽く撫でる。
でもねマスター、私は死神なんかじゃなく………本当は貴女の天使に成りたかったのよ……


≪第九節:「賭けバトル」桜花、開眼する≫

「待たせたね徳田君。ここがその場所かい?」
私とアキオが到着してから5分後、マヤーを連れた赤峰さんが到着しました。
「えぇ。妹さんが教えてくれたのはココ……破棄された神姫の公式大会会場です」

喫茶店での初顔合わせから一週間、事態は急変しました。
どういう経緯で判明したのか、金城さんは遂に『蛇』を発見したそうなのです。
そしてこれはその会場、『蛇』が治める万魔殿。私達はこの巣窟に足を踏み入れました。

中には思ったより人が。10、20、30………50人弱?観客席にポツポツと座ってます。
「とにかく彼女の居場所を知る事が先決だな。その上で阻止しないと」
「そうですね。それじゃ俺と桜花は………桜花、大丈夫か?ボンヤリして」
心配そうに私を見るアキオ。
「え、ええ。大丈夫ですよ……私は単独行動をします。こういうのは慣れてますから」
アキオの返事を待たずに一人で飛び出す。

そんなにボンヤリしてたんでしょうか?……してたわよね。
アキオに『絶刀』の事を聞いて以来、努めて私は心を無にしようとしている。
でもダメ。単にぼけぇ~っとしてるだけになる。やっぱり空想上の奥義なのかしら……
気を取り直して自分の装備を点検する。今日の私は侍型の標準装備と花鳥風月を身に付けて
います。これならあまり目立たないでしょう。それじゃ行きましょうか!

昔取った杵柄、潜入作戦は得意なのです。天井裏から控室を順番にチェックしていき、
7つ目の部屋で……彼女達を発見しました。
『トモコ……見ててや。遂にこの日が来たんや!仇は絶対に……………』
気付かれていない。センサーすら作動させてないみたい。まぁこの状況じゃ当たり前か。
とにかくインカムでアキオに知らせないと……

ふと机の上を見る。居た。黒い神姫・怨蛇だ。
写真に語りかけているマスターを無表情に見つめ………
無表情?確かに無表情なんだけど、何か、こう、違うような……
彼女を見ていると、今まで感じたことの無いデータが流れ込んでくる。
そのデータの処理に困り、一時的に自分の機能を制限する。

気持ちとか、思いとか、自分を、静めて、このデータを、でもこれは、初めてなのに、
知っている、これは、決意、覚えている、私も以前、同じ思い、守ると決めた、
そして戦い、自らで決着を、自分を破壊、彼女は………私と同じだ!!!!!

私は天井板をブチ抜くと、勢い良く彼女達の部屋へ飛び降りた。
「な、なんや!何事やぁ!?」
驚くマスターを無視して、私は黒い神姫に近づいた。
無表情に構える怨蛇。でも今の私には……何故か貴女の心が理解できる……
「貴女、感情があるわね?」
一瞬、彼女の表情に変化が現れたような気がしたけど……そのまま襲ってきた。

私はその攻撃を軽く避けると、そのマスター―――金城さんに小刀を投げつけた。
突然の事に仰天したのか、怨蛇は必死にその攻撃をギリギリで防いだ。
その形相を……慌てぶりを……マスターは見た。

「あ……え……怨蛇ぁ?アンタ本当に………」
「ち、違いますマスター!!私に心なんて有りません!!!」
その返事こそ隠し切れない証拠だった。
「そんな………それじゃウチ……今までウチは………そんなぁ………」
力無く床にへたりこむ金城さん。呆けた表情で怨蛇を凝視する。

「マスター、聞いてください!私の名は怨蛇、復讐の為だけに存在する死神。
 その性格は残忍で非情、感情という物を持ち合わせていません。戦いを好み、
 相手を破壊する事こそ喜び………マスター!!聞いてくださいマスター!!!!」

いくら怨蛇が話しかけても金城さんの反応は無い。まるで魂が抜けた様。
怨蛇は振り返ると、私に近づいて頬に平手打ちをした。パン!と乾いた音が部屋に響く。
「だから……だから秘密にしなくちゃいけなかったのに!!こうなると解っていたから!!
 マスターの心は壊れてしまった……アンタの……アンタのせいで!!!!」

私は怨蛇の手を掴むと、彼女を睨みつけながら諭した。
「だったら心を癒してあげればいいじゃない。貴女、最初から間違っていたのよ。
 貴女がやらなくちゃいけないのは戦うことじゃない。マスターの心を癒す事だったハズ」
「そんな、知った風な事を………!!」殴りかかろうとする彼女。
「だから戦うよりやる事があるでしょ!マスターをあのままにしておくつもり!?」
怨蛇は私を睨みつけながらもマスターの傍へ行き、優しい言葉で彼女に語りかけ始めた。

『まもなく試合が開始されます。控室の選手は会場へお願いします』
部屋のスピーカーからアナウンスが流れた。
二人を後に残して部屋を出て、一人会場へのゲートへ向かう。下品な歓声が近づいてきた。

そう、ここからは私が引き継ぐ。彼女の替わりに私が戦おう。その思いを引き継いで。
ふと金城さんの事を考える。彼女はきっと大丈夫だろう………怨蛇が傍にいるから。
でも怨蛇はきっと私を死ぬまで許さないでしょうね。まぁそれは仕方が無い……
私は花鳥風月の鞘を強く握りしめると、跳梁跋扈の舞台を目指してゲートをくぐった。


≪第十節:「後編エピローグ」一ヵ月後のアキオ邸にて≫

あの時は大変だったなぁ。まさか桜花が替わりに大会出場しちまうとは……
結局桜花は全ての敵を粉砕して親玉を引っ張り出したんだが、アレは『蛇』じゃなかった。
だから『蛇』は今でも何処かで身を潜めている……

「おーい徳田君、ジュースがもう無いんだけど」
「あ、ウチにはポテチ持って来てくれんか?」
……………何故この二人が俺の家に居るんだ……………エラい寛いでいるし。
そのリクエストに答えて桜花が試作品の大出力低速ブースターで二人に給仕する。

「あら桜花さん、ご苦労様」
怨蛇―――今はボディを交換して正規のアーンヴァル―――が桜花を迎えた。
「怨蛇……アンタも手伝いなさいよ!」
「その名で呼ぶの辞めてもらえません?あれは単なるニックネームで、私にはちゃんと
 『アルテア』って本名があるんですから」
「……それじゃアルテアさん、ちょっと手伝って貰えないかしら?」
「まぁ、私だってお客さんですよ?何て失礼な事を言うメイドさんでしょう!」
「……ちょっとでもアンタを心配してた私がバカだったわ……(怒)」

二人のケンカ(?)を無視して赤峰さんが大声を出した。
「そうだ徳田君、君の名前でウチにハムの詰め合わせを贈ってもらったから」
「ち、ちょっと何を勝手な事を!非常識じゃないですか!!」
「非常識なのは君だろぉ?お世話になってる人にお中元を贈るのを忘れるなんて。
 『仕方ないから』代わりに手配までしてあげたんじゃないか!」
ぽかーん。

「あ~金城さん、君のウチにも高級菓子の詰め合わせが届く予定だから」
「わぁ、サスガ赤峰はんや!徳田はんも見習わなくちゃアカンでぇ?」
「だから何を一体………」
非難しようとした俺の傍に来て、赤峰さんが小さい声で話した。
「……いいか、彼女は今までツラい事ばっかりだったんだ。違法神姫狩りを辞めて
 立ち直ったとは言っても心の傷はそう簡単には消えやしないだろ。『蛇』もまだ
 捕まってないしな……今はこうやってバカ騒ぎをして慰めてやるしかないんだ。
 その為に俺はピエロを演じているんだぞ」

「そ、そうだったんですか……スミマセン、俺、一瞬でも赤峰さんを疑っちゃって……」
そんな俺の肩をポンポンと叩くと、赤峰さんは金城さんに向かって言った。
「おーい、徳田君がお昼に天ぷらをご馳走してくれるって!これから料亭に行くって!」
「ホンマかいな!ウチ金持ちは嫌いやけど、徳田はんなら友達になってあげてもええで!」

あ、あの……赤峰さん?俺、貴方の事を信じて良いんですよね?本当に良いんですよね?
大喜びをする金城さんを見て、とりあえず俺は無理矢理納得する事にした。



第十九話  ※作成中※

番外編3 彩音とトモコと黒い神姫(前編) へ戻る
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