獣と狩人
「・・・・・・」
上を見上げる。さっきまで見ていたドームの天井や控え室の天井は無く、青空が広がっている。
顔に当たる風が気持ちいい。だけどこの空も、風も、自然の物ではなくて。
「ここが、バーチャルスペースって奴か・・・結構いいね」
目を細め、伸びをする。
すると、近くの風が、揺れた。
「もう来ちゃったか・・・もう少し風に当たってたかったけど・・・バトルだし仕方ないか」
周囲には誰も居ない。と、ピクニックか何かに来た者なら思うだろう。
ただ、獲物を求めて周囲の気配を探る狩人なら、わかるはずだ。微妙な風の動きと、音。自分では無い、他人の接近。
オイルにはそれがわかった。なぜなら彼女もまた―――
「・・・闘ろっか」
狩人だから。
上を見上げる。さっきまで見ていたドームの天井や控え室の天井は無く、青空が広がっている。
顔に当たる風が気持ちいい。だけどこの空も、風も、自然の物ではなくて。
「ここが、バーチャルスペースって奴か・・・結構いいね」
目を細め、伸びをする。
すると、近くの風が、揺れた。
「もう来ちゃったか・・・もう少し風に当たってたかったけど・・・バトルだし仕方ないか」
周囲には誰も居ない。と、ピクニックか何かに来た者なら思うだろう。
ただ、獲物を求めて周囲の気配を探る狩人なら、わかるはずだ。微妙な風の動きと、音。自分では無い、他人の接近。
オイルにはそれがわかった。なぜなら彼女もまた―――
「・・・闘ろっか」
狩人だから。
風が自分に向かって動いた。オイルはエアロヴァジュラを風に向けて構える。
次の瞬間、強い衝撃が刀身に走った。
「ッ・・・流石、素手を売りにしてるだけはあるね・・・すごいパワー」
風がようやく止まった。そこには、腕甲・万武に包まれた右腕を突き出したハウリン・・・アースと、それをエアロヴァジュラの刀身で受け止めるオイルがいた。
「これでも初心者なんだ。手加減頼むよ」
「・・・これだけ出来れば、手加減なんてしない」
アースはそれだけ言って、右腕を突き出した状態のまま左腕で殴りかかった。
「おっと・・・ッ」
決して右腕から目を離さずに刀身を右にずらし、左腕も受け止める。予想通り右腕で再び殴りかかってきた。
「何度も同じことしてるほど暇人じゃないよ」
左腕に刀身を当てたまま横向きになり、回転しながらこちらから斬りかかる。
右腕からは狙いにくい位置からの攻撃だったが、アースは驚く様子も無くサイドステップで距離を取り、こちらに向き直って次は下段からのアッパーカット。
それを体を反らして回避し、戻る勢いで斬りかかる。
だが腕が振り下ろされ、流された。
「ふぅ・・・やっぱ一筋縄じゃ行かないか」
一度距離を取り、オイルがため息雑じりに行った。
「私も小柄な相手は苦手」
アースのような軽装で無ければ、アースの拳はかわせないだろう。
「それでもここまで長くなったのは久しぶり。名前は?」
「あたし?あたしはオイル。安直だけど気に入ってるよ」
「いい名前」
「あんたは・・・アースだったっけ?初戦でこんないい戦いできて、嬉しいよ」
「それじゃあ」
「闘ろっか!」
二人の獣と狩人が、再びぶつかり合った。
次の瞬間、強い衝撃が刀身に走った。
「ッ・・・流石、素手を売りにしてるだけはあるね・・・すごいパワー」
風がようやく止まった。そこには、腕甲・万武に包まれた右腕を突き出したハウリン・・・アースと、それをエアロヴァジュラの刀身で受け止めるオイルがいた。
「これでも初心者なんだ。手加減頼むよ」
「・・・これだけ出来れば、手加減なんてしない」
アースはそれだけ言って、右腕を突き出した状態のまま左腕で殴りかかった。
「おっと・・・ッ」
決して右腕から目を離さずに刀身を右にずらし、左腕も受け止める。予想通り右腕で再び殴りかかってきた。
「何度も同じことしてるほど暇人じゃないよ」
左腕に刀身を当てたまま横向きになり、回転しながらこちらから斬りかかる。
右腕からは狙いにくい位置からの攻撃だったが、アースは驚く様子も無くサイドステップで距離を取り、こちらに向き直って次は下段からのアッパーカット。
それを体を反らして回避し、戻る勢いで斬りかかる。
だが腕が振り下ろされ、流された。
「ふぅ・・・やっぱ一筋縄じゃ行かないか」
一度距離を取り、オイルがため息雑じりに行った。
「私も小柄な相手は苦手」
アースのような軽装で無ければ、アースの拳はかわせないだろう。
「それでもここまで長くなったのは久しぶり。名前は?」
「あたし?あたしはオイル。安直だけど気に入ってるよ」
「いい名前」
「あんたは・・・アースだったっけ?初戦でこんないい戦いできて、嬉しいよ」
「それじゃあ」
「闘ろっか!」
二人の獣と狩人が、再びぶつかり合った。