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……


「零牙、起きてください」
「む……ん。」
主に呼ばれて、我は目を覚ました。
いつもならばその立場は逆であるのに。
「珍しいですね、あなたより先に私が起きてしまうなんて」
「…面目ない、主。」
主はすでに外行き用の服に着替えていた、手には我の武装が入ったボックス。
今日はこの前知り合ったヒカルとのバトルロンドの予定があった。



主の家から一kmほど先に、神姫センターがある。
秋葉原などにある店舗ほどではないが、規模は大きい。
しかし、約束の時間より三十分も早く来てしまう主の癖のせいでヒカルのマスター氏は
まだ来ていなかった。
ベンチに腰掛け、来るのを待つ主。
ここのセンターは順番などの関係で、バトルロンドは対戦相手と一緒に申し込む決まりとなっていた。
「遅いですね」
「主の来るのが早すぎるのかと。」
主の笑顔が一瞬引きつった。
「…一応、これでも気をつけている方なのですが…」
後に聞いたのだが、我が来る前は一時間以上前に待ち合わせ場所に居たらしい。

……

十五分くらいが経過した。
六月中頃の暖かな日差しが、ガラス張り天井のホールに降り注ぐ。
見ると、主はウトウトと睡魔に襲われている最中だった。
誰にでも敬語を使うのと、少しのんびりしているのが主の特徴だか、寝てしまってはヒカルのマスター氏に悪いし。
万が一置き逃げに遭ったら我だけでは対処が出来ない。

「主、炭酸飲料か何かを買ってきましょうか?」
「あなたじゃ大変でしょう。私が行きますよ」
「主がここに居なければヒカルのマスター氏が困ります。それに武装していればその程度、持てます。」
主は少し考え
「…じゃあ、お願いします」
と言って財布の中から百二十円を取り出した。
我はそれを受け取り、自販機があるエリアに走りだした。


~・~・~・~・~・~・~


ホールにある自販機は故障中で、炭酸を販売している自販機を探すのに苦労した。
見つけたのはバックヤード近くにある、薄暗く人があまり通らない場所でだった。
コーラを抱えて急いで戻ろうとした時

殺気を感じた。
圧縮空気が噴出する音と共に黒光りする物体が飛んできた。
武器は持っていない、飲料缶を盾にした。

ぷしゅっ

何かが缶に突き刺さり、間の抜けた音と共に中身が噴き出た。
我は缶を盾にしたまま、物体が引き戻されてゆく方向に声をかけた。
「…何者だ。」

言った先、ごみ箱の影から現れた影。
その体を漆黒に染め、存在しない青い薔薇を思わせる透き通った髪。
ベースが少女型である 花型MMS「ジルダリア」 とは思えない程、妖艶な雰囲気を持つ相手だった。

「"蒼穹の猟犬"…で合ってるわね?」
青く塗られた唇が動き、低く、抑揚の無い声を紡ぐ。
その体と同じく、吸い込まれそうな程深い緑の瞳が、我を見据える。

「"蒼穹の猟犬"? …そうだ。」
人違い…ではなさそうだ、"蒼穹の猟犬"とは以前アピールに使用した覚えがあるからな。
「ふぅ…ん。『瞳に瞳孔がある』のねぇ、前見た時は気付かなかったわね」

瞳孔?
我の目には"瞳孔"がある。Kemotech社に勤めている主の父親が、関係者に放出された試作品を貰ってきたからだ。
放出された『目に瞳孔がある頭部』の内の一つが我に使われている。

「…何の用かは知らぬが、バトルの申し込みならば表でやってくれぬか?」
中身の抜けた缶をごみ箱に放り投げる、壁に跳ね返り箱に入って行った。
ジュース代をフイにしてしまったが、まあ仕方があるまい。
そのままジルダリアの横を通り過ぎる…と


空気を切り裂く甲高い音、そして熱気を感じ咄嗟に後方へと飛びのいた。
胸甲の手首が斬りおとされたが、自らの腕は無傷であった。

ジルダリアの右腕に装備されている物に目を落とす。
カッターナイフの刃らしき物が背部コンバータにコードで接続されている。
刃は熱を帯び、紅く輝いていた。
「…ふん、工作用の電熱カッターを改造したものか…。」
斬り口から漏電している、電力の無駄なので胸甲の電源を落とした。
「当たり♪、当然金属も切断できるだけの出力は出せるわよ」
ジルダリアが子供の様に笑う、我が苦しむのを見たいようだな…。

そう思った瞬間、横一文字に斬りかかってきた。
胸甲に大きく切り裂かれた、気付くのか少し遅れていれば本体を切り裂かれていた所である。
ABS樹脂が溶ける際に発する臭気が鼻につく。

「さあ"蒼穹の猟犬"…零牙と言ったっけ?」
切先を我の頭に向ける、熱気が顔の近くまで来ていた。
「武器が無いと戦えないのかしら?少しは芸があるはずよね?」

ふ…む。
機能停止状態の胸甲を排除した後、どうするべきか。
先ほどの銛状飛翔体は背部ユニットと一体化しているようだが、そこを無力化するにしても武器が無い。
五寸釘の一本でも落ちていれば話は別だが。
「考える時間は終わりね、…始めましょう」
刃先を我の顔から離し、振りかぶる態勢で構えた。

さて…風はどちらに吹くかな?



刃先が頂点まで達した瞬間、硝子が割れる音に似た破砕音が響いた。
ふぅむ…我に吹いたか。

本来なら、我に向かって振り下ろされる筈のカッターの刃は、細かい破片となって散らばり床を焦がしている。
突然の事に動揺を隠せないジルダリア、まだ未熟だな。
「誰なのっ!?」


「ちぇえぇぇぇぇぃ!!!」
突然、視界に赤い何かが割り込んできた。
それと同時に目の前に居たジルダリアが五十センチ位奥に蹴り飛ばされていった。

赤い何か。
黒い素体に赤と白の装甲、緑の頭髪。
サンタ型MMS「ツガル」 の姿がそこにあった。
しかも、我はそのツガルを知っている。

ジュラーヴリク 、何故お主が?」
「"正義は悪と紙一重"ってところかしらね」
ジュラがフォービドブレードを押しつける。
「…なるほど、"狩人"か」
「そう言う事、…ようやく起き上がったか」
ブレードを握ると、刃の部分が発光し始めた。

「時にジュラ、あのジルダリアの相手は我がしよう。お主は見ているだけでいい。」
「…"蒼穹の猟犬"のお手並み、久しぶりに見させてもらうわ」
さて、と。
リアルバトルは初だが、何とかなるであろう。


「我は零牙、蒼穹の猟犬なり。…ゆくぞ」



~・~・~・~・~・~・~


「ようやく乗り気になったわね!」
ジルダリアは銛を二・三本まとめて撃ちだした。

(剣の振りは…右斜め上六十七度からといったとこか。)
零牙は心の中で呟き、流れるような動きでそれを実行した。

振り下ろされたブレードに綺麗に弾かれ、金属音を響かせる。
あらぬ方向に飛んでいき、様々な場所に突き刺さる。
「嘘ッ!? 五ミリの鉄板を貫くのに!」

「ふっ!」
身をかがめ、クラウチングスタートの要領で床を蹴り飛ばす零牙。
一秒もかからずその距離を縮め、大きく振りかぶる。
「そのブレードにこのタイミング…」

風切り音、そして異臭。
直撃は避けたものの、ダーツ発射器を兼ねるリアパーツを斬りおとされるジルダリア。
「まさかあんたは!?」
「ハァッ!!」

右手の短刀で止めようとしたが、刃と刃がぶつかった瞬間短刀の刃が割れ落ちた。

イリーガルハンター !?」
「当たりよ。…ようやく来た」


出入り口側から悠々と歩いて来た人物。
センター職員の制服に身を包み肩にはアーンヴァル、胸のネームプレートには「長瀬」と書かれていた。
「祁音遅い!」
「別に急がなくたってたも良かったみたいだしな、被害者はピンピンしてるし」

「くそっ!」
脚部ユニットのロケットモーターが点火し、飛び上がるジルダリア。

「逃がさないわよ…精密射撃技術をなめなさんな!」
両手で構えたホーン・スナイパーライフルが火を噴き、弾丸がジュビジーに襲い掛かる。
「ガぁッ!?」

正確無比な銃撃により右脚を吹き飛ばされ、バランスを崩すジルダリア。
「追え、ラスター!」

男の肩から飛び発ったアーンヴァルが、ジルダリアを追う。
本来の性能では考えられない加速で飛んでゆく。
「覚えていらっしゃい零牙! いつかまた会いましょう!」
曲がり角を曲がり、見えなくなった。

零牙はここで、ようやく息をついた。

「大丈夫かい?、零牙」
男がしゃがみこんで、零牙と視線を合わせて言う。
「長瀬氏、"狩人"だとは聞いてはおらぬぞ?」
「違法行為だから普通は教えないさ、それより一応検査をしよう」





我はメンテナンスショップの中にいた。
念の為に検査されているのだ。

主が長瀬氏から説明を受けている、傍らには忙しく歩き回るショップ所属の修理用MMS達。

…と、説明が終わり、主がこちらに来る。
「零牙、大変でしたね」
そう言う主の目は、この騒ぎの真実を知っている事を語りかけていた。
「心配を掛けてしまい、申し訳ありません。」
「大丈夫ですよ。…形人さんとヒカルさんに多少迷惑を掛けましたが、納得してくれました」
「二人は人が良いですからな…。」

……

ジュラの説明によると、あのジルダリアは以前我と公式戦で戦い、敗北した神姫だと言う。
マスターについては調査中で、今の所ターゲットは我だとしか判っていないらしい。
「神姫をあんなにしちゃうなんて、きっとマスターが病んでるのよ」
ややオーバーアクションで呆れるジュラ。
「ジュラ、そう言えばあやつの名は…何とゆうのか?」
「確か…んー。確か"ダイアトニック"って名乗ってたかしら」
「ダイアトニック…、音楽用語だな。」


「話は済んだかい?、二人とも」
長瀬氏が会話が詰まった隙を見て、話に参加してきた。
「祁音、アイツの脚の調査結果は?」
「公式戦なんて問題外の改造だね。フレームはチタン製で電熱カッターが仕込んである、並の神姫なら一蹴りで一刀両断だな」
「下半身電熱カッターって事ね、アイツ…」
「オマケに電圧が高いのなんの、あんなの外部電力無しだと二秒でバッテリー切れさ」
「あの…」
完全に置いていかれてる…どうしようか。

まあ、ひとまずは良しとするか…。


~・~・~・~・~・~・~


深夜。
某マンションのベランダで煙草を吹かす影ひとつ。
長瀬祁音(ながせけいん) は思案に暮れていた。
(目にはつけていたが…本当に立ち向かうとはね)
零牙の実力の凄さを改めて知り、それがこの町の"裏神姫"をどう動かすかを考えていた。
ここで言う"裏神姫"とは、長瀬が"動向が怪しい"と見た神姫をまとめた物であり、決して確実なものではない事を留意してもらいたい。

「キャプテン」
そう言って、アーンヴァルが彼の右肩に乗る。
「どうだったか?  ラースタチュカ
ラースタチュカは、首を横に振り
「駄目でした。規格外のロケットモーターを使用したと思われます」
「そうか」
「すみません…」
「仕方がないさ、待てばいいさ。また零牙に挑戦する時を」

「しばらく姿を現さないと思うね、私は」
ジュラーヴリクが話に割り込む。
「それまでヒマだなぁ…」

「本当なら、俺達が動くような事件など、起きてほしくないんだがな…」
そう言って、長瀬は銜えていたケントを床に落とし、踏み消した。


2037年、武装神姫を悪用した犯罪が増えてきているという。
そういった犯罪に、"同じ力で"対処する人達も居る。

しかし、それは別のお話である。





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