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ただその翼は、姫を解き放つ為に(その四)




第八節:明星




それは星が生じる時の様に、極々低い確率でしたの。ロキちゃんの言葉に
共鳴したわたし達の超AI……そして“プロト・クリスタル”。繋がった
“心”の中で見出した共通のイメージが、“魔術”にも似た空間の侵蝕と
いう形で、皆の躯を覆いましたの。マイスターの、叫ぶ声が聞こえます。

『“約束の翼”!?歩姉さん、ペンダントに……予期していたのか?』
「さぁ、最期の勝負ですの!……絶対に、勝ちますの!」
「やって、みせなさいよぉぉっ!!せやぁぁあっ!!」

隠し機能なんか無いはずのわたし達に、何故こんな異変が起きたのか……
それは、マイスターも分かりません。それでも“心”は叫んできますの。
一秒でも速くロキちゃんを止めろと、“心”が皆を突き動かしますの!!

「ふっ!!う、受けられた……これならっ!!」
「な!?そんな、アタシのラッシュが……この、このぉっ!!」
「今なら、躯が追い付きます!これ、どうして……!?」
「なんで!?どうして、こんなボロボロなのに此処まで……!」
「わかりません。でも……ロキちゃんを、止めたいんです!せぁっ!」
「きゃうっ!?」

翼は飛べそうですが、防具と武具は固いという以上の効果はないですの。
でも躯はそれこそ羽の様に軽くて……ロキちゃんの憎悪に満ちた連撃にも
耐えきるだけのスピードを、アルマお姉ちゃんに与えてくれましたのッ!
そして返す刀で一閃!光の刃を受けて、ロキちゃんの“闇の衣”は崩壊を
始めましたの!今なら勝てる。そんな想いが、わたし達を満たしますの!

「ボクも、負けてられないよ……“セイクリッド・ストリーム”!!」
「きゃああああっ!?光の、嵐……ッ!?こ、のぉっ!!」
「……“魔術”の出力も上がってる。どうせだし、連打だよッ!」
「ひゃ、あああっ!?調子に、乗るんじゃないわよぉ……!?」

そしてクララちゃんには、ロキちゃんの黒いオーラを撃ち破る光の風を
与えてくれるこの装備。まるでロキちゃんを止めるためだけにある様な
凄まじい力は、彼女を覆う“魔術”の殻を少しずつ剥ぎ取りますのッ!
そんな隙を狙って、わたしは槍を振り回して……飛び込みましたの!!

「ふっ!せやあああっ!!」
「きゃん!?壊す、殺す!滅ぼす!!うわああああぁぁッ!!!」
「ッ……皆、耐えて下さいですの!!!」
『はいっ!!』

十字に切り裂かれたロキちゃんは死力を振り絞って炎の龍を振りかざし、
更に自らの背に生えた黒い翼から羽を吹き散らして、空間を満たします。
わたし達は、そんな“破壊の暴風”に数秒耐えて……間一髪、五体満足で
凌ぎきる事が出来ましたのッ!ロキちゃんは、可哀想な程に戦慄します。

「そんな、アタシが負ける……!?アタシが、押し切られるッ!?」
「そうですの。こうなったら、この決闘は……わたし達の勝ちですの!」
「嫌、嫌ぁ!アタシから、皆で何もかも奪うの!?」

反撃が皮一枚の所で届かなかったショックから、完全に体勢を崩している
ロキちゃんに向かって、わたしは槍を掲げましたの。浮遊感が腕を包み、
槍がすぐにでも飛んでいきそうなイメージを形取りますの……わたしは、
それをしっかりと握って、彼女に語りかけます。わたし達の“真心”を。
更にアルマお姉ちゃんとクララちゃんは、わたしの手を握りますの……。

「奪いませんの……与えますの」
「……あた、える……!?」
「そう、何者にも負ける事のない……“真心”をあげますの!」
「ぐ、あぅっ──────!!!」

その手から流れ込む暖かい力は……想いと共に凝縮され、弾けましたの!
それは、容赦のない……或いはとても慈悲深い一閃ですの。わたしの手を
離れた槍は、文字通り閃光となってロキちゃんの胸に突き立ちましたの!
同時に、わたし達の躯を覆っていた白い光は消え失せて……ロキちゃんも
また光となって、ポリゴンに還元されていきましたの。勝利ですの……!

「……いや、アタシ……消えるの……?イヤァァァァアアアアッ!!」

荒野と成り果てた花畑の全てを閃光が覆い、暫しの時間が流れました……
その間にわたし達の意識は実空間へと引き揚げられ、元に戻りましたの。
皆の目に飛び込んできたのは、泣きそうなマイスターの笑顔でしたのっ♪

「御苦労だったな。アルマ、ロッテ、クララ!しかし、アレは何だ」
「ふぅ……あたし達が聞きたい位です、あんな機能あるんですか?」
「お前達のCSCにか?チェックした限りでは、無い筈だがな……」
「変なデータが出来ちゃったのかもしれないもん……このままじゃ」
「有無、迂闊に公式バトルへ出す訳にはいかん。一度検査せねばな」
「それは、後でも出来ますの。今は……ロキちゃん、ロキちゃん!」

笑顔に見惚れていたかったし、わたし達の身に起きている不可解な現象を
解明したかったですけど……まずはそれよりも、トレーニングマシンから
出てこない、ロキちゃんの方が心配でしたのっ!ハッチを開けて、彼女を
出してあげます。でも、可哀想な位に彼女は震えて……怯えてましたの。

「こ……壊しなさいよ!さぁ、負けたんだから殺しなさいよッ!!?」
「ロキちゃん!そんな事は、誰も望んでいないですよ!落ちついて!」
「いや、やぁ!アタシは全てを壊すのよ!何もかも壊したいのよッ!」
「……もう、そんな事はさせない。しなくていいんだよ?だから……」
「嫌!壊すの!アタシさえも、この手で壊すの!!そう、せめて──」

でもそれはとても我が侭な、拗ねた子供の様にも見えて……だからこそ、
わたしの小さな手が動きましたの。彼女の頬を、思いを込めて打つ為に。
即ち、してきた事としている事……『もう一つの事』を告げる為ですの。

「……貴女は今、とても軽率な事を言いましたの」

──────だって、誰かが言わなければならない事ですの。



第九節:開花




乾いた音が居住区画に響き渡り、空間を静寂が満たしますの。彼女の……
ロキちゃんのヘルメットはその衝撃で外れて、暫く宙を舞った後に床へと
落下。わたしは、彼女の“素顔”を認めて……もう一度、言いましたの。

「ロキちゃん。貴女は今……そしてこれまで、軽率な事をしましたの」
「……ぁ?けい、そつ?……アタシがしちゃいけない事を……した?」
「はいですの。どれだけ貴女が苦しくても、決してしちゃいけない事」

ロキちゃんは、自分が何をされたのか……何を言われているのかさえ半ば
分かっていない様な、気の抜けた“表情”で此方を見ていますの。でも、
それは何れ誰かが言わないといけない、彼女の“罪”を示す言葉ですの。

「まず……無関係な人々を、貴女の我が侭で傷つけ……苦しめ続けた事」
「だ、だって!“ベルンハルト”達に笑ってほしくて、それに彼らを!」
「想う歓びも、奪われた哀しみも。人を傷つける材料ではないですよ?」

覚悟を決めたのか、アルマお姉ちゃんが続きます。そう、彼女の我が侭で
多くの人が傷ついてきました。それだけは、絶対に消せない過去ですの。
でもそれ以上に、もっと大事な想いを伝えないといけませんの。その任は
クララお姉ちゃんが買って出てくれましたの……そう、例え辛くてもっ!

「そして、自分さえ傷ついてしまえばいいなんて事も……ないんだよ?」
「どうして……アタシは醜くて人を殺して、全てを傷つけたガラクタよ」
「だったら、なんで“ベルンハルト”さんは……庇ってくれたのかな?」

ロキちゃんが息を呑みます。そう。どれだけ辛くても息災でいてほしいと
願ってくれた人がいるならば、決して自分を粗末にしてはいけませんの!
人の隣人として、マイスターを愛する神姫として。ずっと幾つもの経験を
してきたわたし達が一番告げたいのは、たったそれだけの事ですの……。

「……そして今また、私達もお前を大事にしたいと願っているのだぞ?」
「あ、あぁ……ああぁ……ッ!ごめんなさい、ごめんなさいッ……!!」

そして、マイスターの『受け入れる決意』を聞いたロキちゃんは小刻みに
震えて……膝を突きそうになりますの。わたしは、彼女をそっと抱きしめ
その“長い髪”に指を通してあげますの。恐らくは、誰も触れた事のない
艶やかな人工毛髪は、長く外気に触れなかった為か未だに綺麗でしたの。

「死んで償う必要はなくても、誰かが叱らないといけない事でしたの」
「でもそれは悪い事をしただけ。ロキちゃんが“悪”ではないんだよ」
「あたし達を嫌ってくれてもいいです。憎かったら振り解いてもいい」

落ちつかせる様に、わたしは背中を撫で……アルマお姉ちゃんが右から、
クララちゃんが左から、ロキちゃんを優しく抱きしめますの。罪の意識と
自己認識を乗り越えた先で待つわたし達の存在を、深く教え込みますの。
そう……『例え嫌われても、わたし達は貴女を信じているんだよ?』と。

「……ぅうん、嫌いじゃない。嫌いになんか、なれる筈ないわ……!」
「そう。有り難うですの……♪それならもう、泣いちゃダメですの♪」
「泣く?……アタシが、泣くの……泣けるの?只の人形なのに……?」
「涙を流す機能はなくても、“心”が泣いている……震えてるんだよ」
「それがMMS……いえ、神姫って存在なんです。“心”を持った存在」
「あ──ああ、ああぁぁ……うわぁあああっ!うく、ひっく……うっ」

漸くそれを分かってくれたロキちゃんは、嗚咽の様な声を上げましたの。
わたし達はそれが落ちつくまで、ずっと抱きしめて……支え続けますの。
だって、これからずっと“五人”でそうしていく筈なんですから……ね?

「そういう訳だ。私達はお前を歓迎するぞ、ロキ……いや、そうだなぁ」

マイスターは、わたし達を胸元に抱き上げて……何か考え始めましたの。
それは、呪わしき過去を棄てるとまでは言わなくても。光輝く“未来”を
目指す為には必要な事かもしれなかったですの。そう、それは……命名。

「エルナ、なんてどうだ?可愛らしいお前に、相応しい新たな名前だぞ」
「“エルナ”?それが、アタシの名……でも、可愛らしくなんてないわ」
「何を言う!“菫色”の髪を靡かせて、とても可憐ではないか。ほれっ」

与えられた名前に戸惑う“エルナちゃん”でしたが、その抗弁はすぐに
消え失せましたの。マイスターが差し出したのは、鏡。そこに映るのは
紛れもなく、紫色の髪を持った可愛らしい“神姫”の顔でしたの……♪

「……これが、アタシなの?誰も、言ってくれなかったわよ……これ」
「初めてなのかな、自分の素顔を見るのは?とっても、可愛いんだよ」
「ええ……顔立ちも整ってますし、作った人の“愛情”を感じますね」
「エルナちゃん、貴女は最初から愛されていましたの。そして今も♪」
「あ──ッ!?」

褒められて頬を染めるエルナちゃんのおでこに、わたしはそっと口付けを
してあげましたの。それに続いて、アルマお姉ちゃんとクララちゃんも、
左右の頬に優しく……いよいよ以て、エルナちゃんは真っ赤っかですの♪
何故か、マイスターまで頬を赤らめて目を逸らしてますけど……ふふっ。

「あのあの、えとその……ごめんなさい!そしてよろしくね、皆……」
「消え入る様な声で哀願するでない。此方こそ宜しく頼もう、エルナ」
「これで今日からエルナちゃんも、ボクら“姉妹”の仲間入りだよ?」
「そうですね……とっても愛らしいですし、さながら“五女”ですか」
「新しい“妹”ですの~♪改めてよろしくですの、エルナちゃんっ♪」
「ぅ、ん……アルマ、ロッテ、クララ……そして、ま……マイスター」

──────これで全てが終わった。そう、想っていましたの……。







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