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姫の閉ざされし檻、呪われし高貴(その二)




第三節:賢者




半ば日が中天に差し掛かる頃、私達はアキバへと帰ってきた。昼食さえも
摂る時間を惜しみ、駅の売店で買った栄養補助食品とスポーツ飲料を皆で
分け合いながら、神姫センターへと赴く。連休も明けて暫く経った平日の
センターは、多少賑わっていた物の……混雑という程の人は居なかった。

「ふぅむ……緊急充電用のレンタルクレイドルは、どれも正常だな……」
「ん~……電源ケーブルが何処かへ引っ張り出された跡も、ないですの」
「となると、ロキちゃんは一体何処で充電しているんでしょうね……?」
「……ひょっとして、充電が不要な位のジェネレータを積んでるのかな」

一緒になってクレイドル周辺をまさぐる梓から、そんな推論が飛び出す。
しかし、強ち的外れとも言えない事情がある。それは、彼女の躯に備わる
“装備”だ。可変式の高速電磁浮遊ウィングに、プラズマで固めた武装。
いずれも、莫大な電力がなければ満足に運用出来ない筈なのだ……だが。

「ロキは、平然と動き回っていた。有り得ない話ではないかもしれんな」
「あ、あのー……お客さん?そんな所でしゃがんで、お探し物ですか?」
「……あ、うん。スペーサーを落としたんだよ。でも、見つかったもん」
「気を付けて下さいね?センターではそういうの、賠償できませんから」

流石に不審だったのか、店員が私達に声を掛けてくる。ここでこれ以上の
捜索は無理かもしれぬな……。しかし何らかの形で補給をせねば、いくら
優秀なジェネレータでも限界はある。何処かで、ロキは補給をしている。
それは間違いないのだが、此処に今居ないとなると……何処にいるのだ?
私と梓はベンチに腰掛け、深く溜息をつく。痕跡さえ、見つけられない。

「うぅむ、参ったな。ここで補給しているとばかり思ったのだが……」
「他のセンターで、補給しているかもしれないんだよ。行ってみる?」
「でも、雰囲気悪かったり入った事無いセンターは捜索出来ませんの」
「そう、ですよね。ここでさえ、全てを把握している訳じゃないです」

馴染みの深いこのセンターで何も見つけられない、となると。私の往く
活動範囲には、最早探索できる場所は殆ど無いとも言えるだろう……。
途方に暮れるとはこの事か……?皆で、溜息をついた。その時だった!

「心配はいらないよ、小さなレディ達……奴は確かに、ここで補給した」
「何ッ!?き、貴様は……前田、そして“アラクネー”ではないかッ!」
「こんにちは。まさか、こんな形で再会するとは思わなかったけどね?」

私の眼前に、一人の男と一人の神姫が現れたのだ。“自衛官の”前田と、
“女郎蜘蛛の”アラクネー。何故神姫バトルをしているのかさえ不明な、
謎の多い連中……そして、クララの初戦を務め彼女を導いた“賢者”だ。
知らず知らずにクララ……いや、梓の躯が緊張する。未だ、彼女にとって
尊敬するべき“師”なのかもしれん。だが、彼らの雰囲気は剣呑だった。

「前田さん、アラクネーさん……お姉ちゃん達から、噂は聞いてるよ」
「ふむ、某とクララの仲を知っているのか……ならば、問題はないな」
「そうみたいだね。で、何かお探しなのかな?小さなお嬢さん達……」
「……惚けるな前田よ。貴様は今、確かに言ったろう。“奴”とッ!」

私は、自然と前田を睨む。喰えない男だとは思っていたが、今こうして
微笑みながら向かいのベンチに座る奴を見ていると、尚更分からぬな。
自衛官という立場上、何か知ってるのかもしれんが……どういう事だ?

「ああ、そう言えばそんな事を言ったね。僕もうっかりしていたよ」
「どう考えても、私達の探している者を知っているという態度だな」
「はは……出来れば、違っててほしいんだけどね。で、何だろうね」

梓に視線を移す。鷹揚に笑いかけ、世間話を始めようかというこの男に、
全てを話していいものか。私だけの判断では、どうにも雲を掴む様でな?
尤もロキの手懸かりその物が、既に雲を掴む様な状況になりつつあるが。
しかし暫し迷い、梓は肯いた。“クララ”として、彼らを信頼したのだ。
アルマとロッテも、二人の胸元で肯く。となれば、黙っている事もない。

「……探しているのは神姫だ。否、厳密には神姫と呼べぬかもしれん」
「北欧からやってきた、哀しい定めを背負った一体のMMSですの……」
「ひょっとしたらまだ秋葉原にいるかも知れないって、思ったんだよ」
「だから、その。探してたんですけど……そういう貴方達は、何を?」

前田は深く溜息をついてから、アラクネーを促した。この世の終わりでも
来たかの様なオーバーアクションを確認し、小さな神姫が重い口を開く。
それは私達にとって……そして彼女らにとっても、望まざる展開だった。

「某らが追い求めるは、“ハザード・プリンセス”の零号機に他ならぬ」
「“戦略級殲滅型MMS”って分類の、中規模破壊を行うテロ用兵器かな」
「神姫の皮を被った怪物、それこそが……“国家の敵”たる人形なのだ」

──────世界はやっぱり、残酷なんだよ。



第四節:信念




自衛官の前田と、彼の神姫たるアラクネーから出た言葉。それは正しく、
最悪の運命が間近に迫っている事を告げる、“賢者の忠告”に他ならぬ。

「テロ用の兵器、人形……だと?貴様、知っているのか……ロキを!」
「知っているよ。僕らの任務は、アレを追いつめ無力化する事だから」
「どうしてですか!あの娘は、マスター達の為にやっただけなのに!」

アルマが梓の胸から乗り出し、泣き叫ぶ。助けようと思った存在が、既に
国家という巨大な“モンスター”から目を付けられているという現実に!
それは既に、ロキが『“世界の敵”として認識されている』事にもなる。

「存在自体が、極めて危険なのだ。国家という“大を救う”べき者には」
「彼女の存在その物が、罪でしかないんだよ。そこに在るだけで、拙い」
「故に何としても、彼女を無力化せねばならない。破壊してでもな……」

『存在その物が罪』。この世に産まれ出る者にとって、理不尽の極みとも
言える断定であった。それが器物であろうと……神姫であっても、そこに
“心”がある以上、これを理不尽と言わずに何というのか。だが同時に、
国家を……民衆を護らねばならぬ者からすれば、ロキは正に害悪である。

「それが、日本って言う国の考え……でいいのかな?前田さん……?」
「構わないよ。ついでに、日本と繋がる主要な国家の考えでもあるね」
「……驚いた。既に世界規模で指名手配されているのか、ロキは……」
「当然であろう、マスター……晶殿。彼女は、“ラグナロク”の残党」
「僕らもつい先日、逮捕したエージェントの自白で知ったんだけどね」
「捕まったんですか、運び屋さん!?……まさか、彼女を棄てたから」

前田は軽く溜息をついてから、肯いた。あの爆破はやはり“事件”として
警察とは別の治安組織が追っていたのだ。ロキを追う過程で、彼女を運び
秋葉原で棄てていった運び屋の存在が、露呈したのだろう。些か現実味に
欠ける話ではあるが、それでも認識せねばならない……事の重大さをな。

「僕らには、上の命令に従ってロキを無力化するという責務があるんだ」
「その為に……無闇に関わろうとする部外者は少ない方が良い、となる」
「だったら、なんですの?わたし達を傷つけて、国の為に封じますの?」

だが、それよりも早く……身を弁えるという理性的な選択より早く、私の
胸元から“感情”に満ちた声が響く。それこそ、黙って前田達の言い分を
聞いていたロッテの声だった。それは、怒りと哀しみに満ちた音である。

「ロッテ君、だったかな。君達を捕まえたり、傷つけるつもりはないよ」
「ただ……そなたらの介入でロキを逃がす事になっては困る、とな……」
「だったら、わたし達が自己責任でロキちゃんを止めればいいですの!」

啖呵を切るロッテに、前田が目を見開く。この反応は、予想外らしいな。
それは、全てを敵に回してでも助けたいという“信念”故の叫びだった。
アラクネーが睨め付ける様に、アルマと梓……更に私を見据える。それは
幾多の死地を潜ってきた主に引けを取らぬ、一種独特の凛とした気配だ。

「万一そなたらや主に危険が及んでも、何の救済も受けられぬのだぞ?」
「……保険を申請しても、事実は隠蔽されるから保証されないんですね」
「そう言う事、だね。秘密裏に全てを終わらせたい。それが上の考えさ」
「話を聞いてて気になったけど、“破壊”は義務じゃないのかな……?」
「執るべき手段の一つであって、確定事項ではない。無力化こそが重要」

しかし己を譲らないロッテに気圧されたのか、アルマと梓も食い下がる。
ここで自分だけ荷を擲つ事は、“姉妹”として考えも及ばぬのだろうな。
二人の事実確認を受けて、ロッテは続けた。それは、私の考えでもある!

「なら……ロキちゃんが破壊を止めて普通の神姫になれば大丈夫ですの」
「普通の、神姫に?……確かに、神姫の因子を持つ相手だが……無謀だ」
「無茶でも無謀でも、そうなれば国家として敵視する道理はあるまい!」
「ま、そうだけどね。僕としても命令は果たせる。でも、いいんだね?」

それは国家の代行者として『失敗した時は私達を見捨てる』という言外の
意味を含んだ、最終確認だった。本当に、私達は後に退けぬ事へ関わって
しまったのだ……しかし、それを悔いるのは全てが終わってからでいい!

「いいですの!わたしは……ロキちゃんを必ず救うと決めましたの!」
「はぁ……参ったね。ここで退いてくれた方が、堅実だったんだけど」
「主よ、最早言っても聞いてはくれますまい。やらせてみては如何か」

がっかりした、という様なアクションをしつつ前田は肯き、立ち上がる。
最早、大っぴらに助けを借りる事は出来ない。私達の力で、なんとしても
ロキを“日常”へ引き戻してやらねばならぬ。僅かの失敗も、赦されん!

「小さなレディ達、出来れば……僕らに手間を掛けさせないでくれよ?」
「無論そうする。何処の所属かは聞かぬが、本拠で報せを待っていろ!」
「そなたらは不器用すぎる。だが、そういう生き方も嫌いではない……」
「……恐れ入るんだよ、アラクネーさん。でも、必ず成し遂げるからね」
「あたし達には、それしか出来ませんから……きっと、助けてみせます」
「“武装神姫”の意地にかけて、絶対にやってみせますの……絶対ッ!」

──────想いの力は余りに強く、皆を震わせるんだよ。







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