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ハウリングソウル

第五話

『トラウマ』









「・・・・・・さってと。ハウちゃんはこっちに来てね。今から健康診断するから」

 マスターのいなくなった神姫用の医務室で吉岡さんは少し楽しそうに言った。
 僕は差し出された吉岡さんの凄く大きな手のひらにバランスを崩さないように座る。それを吉岡さんはとても優しい顔で見ていた。
 連れて行かれた先は大きなクレイドルがおかれた机だった。
 壊れてしまったり何か異常が起きた神姫はまずここで簡単な検査を行う。そしてその後に症状に応じた処置がされるのだ。
 僕はもう何度かここに来ているので特に指示もされないままに、大きなクレイドルの上に座る。
 ・・・・・・それにしても、いつ見ても吉岡さんは大きいなぁ。
 マスターが子供に見える位だ。

「とりあえずいつも通りの検診と~簡単な問診をするわね? 検診しながら問診もしちゃうから、質問に答えてね?」

「はい」

 いつもは検診だけで終わるのに、今日は何だか質問もされるらしい。僕は少し緊張した。

「あん、そんなに身構えてもらっても困るわよ。本当に簡単な質問だけだから」

「はい・・・でもやっぱり少し緊張しますね」

 そう?、と吉岡さんは返事をしてクレイドルにつないだパソコンのキーを叩き始めた。そして画面を見たまま問診を始めた。

「さて、最初の質問。みーちゃんの好きな食べ物は?」
「レアチーズケーキです。生地が硬いのが好みみたいで」

「最近身の回りで起こった出来事について、簡単に教えて?」

「朝起きたらマスターとノワールが喧嘩してました。ノワールがマスターの煙草を隠しちゃったみたいで。煙草は机の後ろにありましたけど」

「みーちゃんの恥ずかしい秘密を一つ教えてくれない?」

「・・・・えと、それって問診に関係あるんですか?」

「ただの個人的興味よ。次の質問、銃とナイフ。使うならどっち?」

「・・・・銃です。遠距離からも攻撃できますし、TMPやハンドガンのサイズなら近距離にも対応できます」

 僕が答えた瞬間に、僅かに吉岡さんの顔が変わった。
 サングラスに隠されて表情は良く判らないけれどモニターを睨んでいるような・・・・?

「・・・・アナタの戦闘スタイルを教えて?」

「遠距離の敵にも近距離の敵にも同じように銃で攻撃します。近距離の場合は・・・・銃で殴ったり、ナックルみたいに使います」

「・・・・それじゃあ最後の質問よ。ちょっと恐いかもしれないけれど目を閉じて、あたしがいいって言うまで開いちゃダメよ」

 これの一体どこが質問なのかと思いつつも、僕は言われたとおりに目を閉じる。
 真っ暗になった世界で、なにかを探すような音が耳に付く。
 一体吉岡さんは何をするつもりなんだろう?

「いい? 落ち着いて深呼吸をしてから目を開いて。何があっても取り乱しちゃダメよ」

 無言で肯いてから僕はゆっくりと瞳を開く。
 光が僕の人口の眼球に届いて、真っ暗だった世界は急に色と光を取り戻す。
 と、視界に他の神姫の足が映っていた。
 誰だろう?
 そのまま顔を上げて ―――――――目にしたものに凍り付いた。
 まず視界に入ってきたのは尖った刃先、そしてなだらかな曲線を描く刃。

 『スキュラ』と呼ばれる剣を、僕は突きつけられていた。

「・・・・・・・・・あ・・・・・・・ああ・・・・・・・・・・」

 自分に突きつけられていたものが刃物だと知ると、僕の体は力を失ってしまった。
 どうして、どうして僕が? なぜ?
 ・・・・・指先にさえも力が入らない。視線は刃物に固定されてしまって動かない。
 動いたら斬られる。視線を外した瞬間に、あの刃物は、僕を、『切り裂く』!!
 ・・・・怖い。
 怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖いい怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖怖い怖いい怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖怖い怖いい怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖怖い怖いい怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖怖い怖いい怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖怖い怖い怖い怖い怖い・・・・・・・・・恐い!!

「あ・・・・やだ・・・・・ます・・・ますたあ・・・・!」

 僕はマスターを呼ぼうとした。でも出たのは擦れたような小さな声だけ。
 ・・・・届かない。
 これじゃ届かない!!
 どうしよう!?
 どうしようどうしようどうしようどうしようどうし ―――――

「ハウちゃんっ!!」

 突然地面が思いっきり揺れた。
 僕は座ったまま、衝撃で少しだけ浮き上がってそのまま落ちた。
 ・・・・・・・・・お尻が痛い。
 声のしたほうを見てみると吉岡さんが机に両手を叩きつけていた。
 ・・・・・・・・あれ、今僕は・・・・・・・・・。

「旦那様・・・・・やはりこの方法はどうだったものかと・・・・」

「うるさいわねっ! 確かに軽率だったわよっ! とりあえずアンタはそれをハウちゃんの目の届かないところに置いてきなさいっ!」

 ・・・誰かが吉岡さんに怒られている。誰だろう。
 怒られた誰かはそのまま走り去ってしまった。多分何かを置きに行ったのだろう。

「・・・・・・・御免なさいね。まさかあんなに恐がるなんて思って無くて・・・・」

 クレイドルに座り込んだまま、身動きの取れない僕の視線に合わせるように吉岡さんは身をかがめて顔を近づける。視界いっぱいに吉岡さんの大きな顔が広がった。

「・・・・・・吉岡さん・・・今の・・・は・・・」

「・・・・アナタの症状の回復具合を見ようと思って・・・・ほら、『刃物恐怖症』・・・・あの子から大分よくなったって聞いてたから・・・・」

 ・・・・・・・・僕は元々、道端に捨てられていた神姫だった。
 それをマスターが拾って、大事にしてくれて今の僕がいるのだけど・・・・・僕は捨てられる以前の記憶を失っていた。
 拾われたときにはオーナー登録がされていなくて、体中がボロボロの状態だったらしい。体のいたるところに傷があったけれど、その全てが刃物による傷だったそうだ。
 それ以来、僕は・・・・『刃』が怖くて仕方なくなってしまった。武器のナイフも、ブレードも、マスターが使ってるハサミもカッターも包丁も・・・・・全てが怖くて怖くてどうしようもなかった。
 僕を直してくれた吉岡さんは・・・・フラッシュバックがどうのこうのって説明してくれたけど難しくてよく覚えていない。

「本当に・・・・ごめんなさい」

「・・・・大丈夫・・・です・・・」

 声をどうにか絞り出す。
 マスターが良くなったと思うのも無理は無い。だって今では神姫バトルでも・・・・刃物を装備した相手にも、ちゃんと戦えているから。
 でも、それは私が銃で応戦しているからだ。近寄らなければ向こうの攻撃は当たらないし、近寄られる前に倒してしまえばいい。それでも近距離に近づいてくる相手もいた。そんな時はいつも、ノワールが助けてくれていた。
 あの大きな腕で。敵から私を守ってくれていたのだ。

「・・・・少し、休みましょうか。美代子さん! ハウちゃんに毛布持ってきてあげて!」

 吉岡さんがそういうと机の向こうでマーメイド型のMMSが手を振った。
 多分あの人が『美代子さん』なんだろう。
 美代子さんが毛布を持ってくるまで、僕は少し震えていた。









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