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ハウリングソウル

第二話

『朝』









 パソコンの電源ボタンを入れ、適当にニュースサイトを巡る。大抵必ず見るのは神姫関係のニュースサイトだ。
 お気に入りフォルダのリンクをクリックすると、昨日のバトルの結果や新製品の情報等が画面に映し出される。
 その中に一つ、気になるニュースがあった。
 それは違法改造神姫に関することで、近年その違法神姫が徐々に増えつつあるとの事だった。

「・・・・・『切り裂き』の情報は、無いか」

 私はそう呟くと煙草の箱に手を伸ばした。
『切り裂き』とは、とある違法改造神姫に与えられたニックネームのようなものだ。
少し前から違法神姫バトル、通称『闇バトル』に出没し相手をバラバラにしてしまうと言う。
実は私は訳あってこの違法改造神姫を追っている。いるのだが如何せん自営業の身ではまるで情報が集まらない。
 ・・・・というか、さっきから煙草に手が行き着かない。
 おかしいな。昨日は確かにパソコンの傍に置いたはずなんだが・・・・・

「・・・・・ノワール。お前隠したな?」

 ノートパソコンのディスプレイを畳む。するとそこには何故か煙草の箱に入り込んでいるノワールがいた。
 猫型を迎えた覚えは無いのだが何故かこの悪魔型は狭いところと暗いところが大好きなのである。
 言動も悪魔型らしくないし。

「マイスター・・・・煙草くさいの、やだ」

 眠そうな目で煙草の箱に入ったままこちらを見上げるノワール。
 ・・・・何となくカタツムリとかヤドカリを連想してしまう。

「ノワール。私は煙草が吸いたいのだが」

「や。たばこ・・・・マイスター、体に悪い」

「体にいい煙草なんてものは無いのだよ。というかお前、中身はどうした?」

 今ノワールが入っている(詰まっている)箱は普通の小さいタイプだ。いくら神姫が小さいとはいえ中身が入ったままでは入らないだろう。

「・・・・・・隠した。隙間があったから入ったら、意外と居心地が良かった」

 毎度の事ながらこいつは本当に悪魔型ストラーフなのだろうか。
 知り合いのストラーフはもっとこう・・・・ちゃんとストラーフしているのだが。

「マイスター・・・・・『切り裂き』の事調べてた?」

 いきなり話を変え、少し不安そうな顔でノワールはこちらを見上げた。
 彼女の不安そうな表情には理由がある。

「・・・・・あぁ、今となっては別にどうでもいいのだが。やはり気になってしまってね」
 私はまだ煙草の箱に入っているノワールから視線を外し、私のベッドの脇に置かれたクレイドルに寝ているハウを横目で見た。







 実を言うと犬型MMSのハウは私が購入したものではない。
 数ヶ月前に私が拾ったのだ。
 その頃の私は精神的に参っていて雨の日だろうが傘を差さずに街中を徘徊していた。
 風邪を引いて死ねばいいとも思っていた。別に今死んでも何も変わらないし、正直生きるのに疲れていた・・・・違う、生きる気が無かったんだ。
 そんな遠まわしな自殺とも取れる徘徊に、ノワールは誘いもしないのにいつの間にかついて来ていた。
 常に私のウェストポーチに彼女は身を縮めて入っていた。
 今思えば私が自殺しなかったのは彼女がいたからなのかもしれない。何も言わずに常に自分の傍にいてくれる彼女に私は救われていたのだろう。
 そしてその日も私は徘徊していた。その日は雨が降っていたのを覚えている。
 目的も無く歩く自分。
 目に映る風景は全て意味のない背景で。
 そこに見知った顔がいても私は見えていなかっただろう。
 だからだろうか、道の脇に誰かが・・・・いや、何かが倒れているのも気にせずに素通りした。
 私は気にしなかったがノワールは気づいたようだった。恐らくソレの声でも聞こえたんだろう。ウェストポーチから抜け出すとそのまま倒れているソレに向かって歩いていった。
 仕方なく私も立ち止まる。
 ノワールは雨に濡れるのも気にせずに倒れたソレ・・・・・一体の犬型と思われるMMSに近づいていった。
 はっきり言って私は初め、それが犬型だとは思えなかった。
 スーツごと人工の皮膚は破け、内部のフレームが露出していた。
 他にも部分的に様々な部位が切り裂かれていた。
 人間なら出血で死んでいただろう。しかし彼女は神姫だ。血なんて流れていない。
 近寄ってきたノワールに気づいたのか、犬型MMSは地面に突っ伏していた顔を僅かに上げようとする。しかし首のフレームが折れているのか、少し上がった頭部はそのまま力を失って地面に落ちた。
 ノワールはそれを助けるでもなく棒立ちになって見ている。
 その顔には普段と同じように表情は無い。
 表情は無いのだが、私には彼女が何か考えているように見えた。
 暫くして彼女は振り返り、私を見上げた。
 やはり表情は無い。
 しかしその瞳にはいつになく強い意志を感じた。
 ・・・・・私とノワールはどの位睨みあっていたのだろう。
 ふいに、ノワールは私を見上げるのを止め犬型に近寄った。
 そのままなるべく傷に触らないように犬型を持ち上げ、よたよたと私のほうへと歩いてくる。
 足元にノワールと、抱えられた犬型が立った。
 私は何も考えず犬型とノワールを手の平に乗せると神姫センターに向かって歩き出した。
 犬型は意識が無いのか、うわごとを繰り返していた。「切・・・・り裂き・・・・・・・・・」と。






「正直に言うと、あの時私はこいつを見捨てていくつもりだったよ」

「マイスター・・・・・・・・」

 ノワールが少し悲しそうな目で私を見る。
 彼女は表情の変化が無い変わりに目が感情を表しているようだ。

「不思議でしょうがないんだが、なぜあの時私はこいつを神姫センターに連れて行ったのだろうな。自分の事で一杯だったのに」

 私はノワールから視線を外し、またハウを見る。
 彼女の寝顔はとても幸せそうだった。一体何の夢を見ているのか、時たま寝言のようなことを呟いている。

「マイスター・・・・優しいから」

「止めてくれよ気恥ずかしい」

 そう言って私は煙草の箱を掴む。勿論中にはノワールが入っている。

「私は顔を洗ってくるからお前はハウを起こしておいてくれ。今日は新しい本が来るから棚に入れないといけないんだ。お前たちにはジャンルとか出版社で分類してもらわないとな」

 私がそういうとノワールは少し目を細めて、楽しそうに

「ヤー、マイスター」

 そう言った。














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