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過去と流血に囚われし、嘆きの姫(その一)




──嘆きと喜びで飾った時を分かち合い、追い求めるは彼方よりの使者。
それは私達の予想を超えて、絶望を深く纏った憎悪と哀しみの塊だった。
しかし恐怖を感じてもなお……だからこそ、それは皆の心に留まる──。



第一節:鳴動




あの爆発事故……否、“事件”より数日後。私・槇野晶は神姫達と相棒を
伴って再び秋葉原の雑踏に繰り出した。あれから店の営業を半日で休み、
もう半日を周辺の聞き込みや路地の捜索に費やす日々が続いている。無論
警察等も出張っては居た様だが、爆発その物が“事故”扱いされた事で、
街全てを洗う程の捜査ではなかった。その間隙を、私は縫っているのだ。

「ふぅむ……小学校近辺までの路地は凡そ調べたが、目立った物証は」
「ないですね、お姉ちゃん……あの“闇樹章”以外影も形もないです」
「有無。やはり、残党か運び屋か……兎も角誰かが匿っているのか?」

這いつくばって地面を漁っていたアルマのHVIF・茜が溜息をつく。
そう、相棒は彼女だ。クララは私の胸ポケットで携帯電話を掛けており
ロッテは神姫用の電子双眼鏡で、茜の頭頂部に乗りビルの外壁を見る。
しかしその何れからも、これという手懸かりは掴めなかった様だ……。

「う~ん……流石に、これだけ離れちゃうと爆発の痕も少ないですの」
「……倭さんにも電話してみたけど、噂以上は聞き出せなかったもん」
「すまんなクララや、まさか“梓”の友達にも当たってくれるとはな」
「どの道、怪我した娘には電話したかったから……構わないんだよ?」

クララは首を振り、“梓”のPHSに繋いだイヤホンマイクを仕舞う。
更にロッテも双眼鏡を茜の胸ポケットに放り込み、肩に腰を下ろした。
どうやら、ここでの捜索は無駄な様だ。私達は立ち上がり、埃を払う。

「しかし、混雑するメインストリート以外は大凡当たったが……むぅ」
「何にもないですの。建物や敷地にまで踏み込んでない所為ですけど」
「流石に無許可で入っちゃうと、住居侵入とか色々言われますし……」
「かといって許可を一々もらってたら、“当たり”の時に面倒だもん」

所詮一個人。しかも私達のナリは、誰を掻き集めても少女しかいない。
OK、“幼女”とか言うな。今この場でボロゾウキンに換えてやるぞ?
ともかくだ。捜査する権力もノウハウもない私達の限界は、早かった。
こんな姿を巡回中の警官に見つかり、職務質問されては面倒だからな。
従って、発見できる手懸かりは殆ど皆無と言っても良かった……むぅ。

「……帰るか、皆。しかし参ったな、逃げられていたら一巻の終わりだ」
「もう一度近所で爆発事故が起きれば、その時に追い縋れそうなんだよ」
「でも……流石にまた被害を出させるのは、不謹慎ですからね……はふ」
「偶然でも何でもいいから、もう少し手懸かりが欲しい所ですの~……」

絶望は捨てた。が、こうも手応えがないと徒労感を覚えてしまう。それは
神姫の感情としても同じらしい。一度紅茶でも飲んで、情報を整えた方が
いいのかもしれん。と言っても、ネット検索が精々だが……実に参った。

「……しかしだ、あれだけの“事故”があったというのに賑やかだな」
「やっぱり、人の欲望……というか感情は強力なんだよ。神姫も然り」
「オタクさんのパワーは、かつて台風さえ退けたそうですしねぇ……」
「ふぇ?え、ええと……茜お姉ちゃん、それ何処で聞いた話ですの?」

そんな事を皆でぼやきつつ、店へ戻る前に昭和通を見てみる事とした。
ゲーム店や書店を中心に、相変わらずヲタ共でごったがえしている街。
“欲望の生命力”というのは恐ろしい物だ。そう簡単に客は減らぬな。

「……まぁ、ここでぼぅっとしていてもしょうがない。戻ろう──」

諦めの混じった私の呼びかけは、最後まで届かない。再び場を覆うのは、
耳障りな爆音。電器部品を扱う古いビルの看板が、光に包まれて捻れる。
そう、紛れもなく数日前と全く同じ手口の“爆破”だった!爆風に混じる
異質な閃光は、火薬とは違う……プラズマの様な波紋を放っていたのだ!
網膜を焼き尽くす勢いのそれを感知して、私の眼鏡がフィルタを掛ける。
車道や太陽から届く強烈な光に対抗する為のそれは、先日入れた機能だ。

「ぐぁ!?眼、眼が……く、また爆発か!フィルタ機能オフ、くっ!」
「大丈夫ですか、お姉ちゃん!?また看板が歩道に……きゃあっ!?」
「おのれ、また犯行に及びおったか……む!?茜、アレを見ろッ!!」

鈍い轟音と共に、大質量の残骸は路面の石畳を割り潰す。だが、その中で
私は見たのだ。それは、“影”。頭上を覆う黒煙と、鉄道の高架に隠れた
とても小さな“影”。それは到底石礫とは思えぬ、直線的な軌道を描いて
私達の上空を今まさに通り過ぎていったのだ!反射的に、脚が動き出す!

「追うぞ、茜!ロッテ、クララッ!あれが実行犯のMMSだ!急げッ!」
「茜お姉ちゃん、早くしてくださいのっ!軌道は、真っ直ぐ北西ッ!」
「は、はいっ!!その方向って、確か小学校か神社がないですか!?」
「あるんだよ。多分これは……神社の方角だもん。近道を行こうよっ」

クララのナビゲートとロッテの目測によって、幸いにも超高速で飛翔する
その“影”が着陸するまで、私達はそれを見失わず追跡する事が出来る。
黒い物体が降り立った先は……クララの予測通り、極々小さな社だった。
そして私達が入口にたどり着いた時、石畳の上に……それはあったのだ!

「うッ……こ、これは……“闇樹章”!?」

──────それは、暗く切ない定めへの呼び声……かな。



第二節:邂逅




“闇樹章”に見えたそれは、同じ柄の符丁をプリントされた紙片だった。
ズタズタに破けて吹き曝された紙クズが周囲に散乱しており、この紙片も
その一部だったのだろう……しかもこの紙は、よくよく見ると妙だった。
陽光に照り映え私達を照らすのは、透明なビニール片であった。それが、
紙片の至る所に張り付いていたのだ。引き剥がし、破いた様な格好でな。

「む……透明なテープが張り付いている。これで何か梱包したのか?」
「間違いないですの、裏に張り付いてるこれは……梱包用の帯ですの」

符丁を内側にする様な形で箱か何かを包み、テープで止めたのだろう。
それを強引に破いた様なテープ屑の帯も、程なく石壁の側で見つけた。
つまり“実行犯”は、この辺りで封を開けられ解き放たれた事になる。
そして爆破工作を追えたそのMMSは、この社へと帰ってきたのだ……。

「……にしても、警察どころか公安や防衛省にさえ追われる身の筈だ」
「ふぇ?そ、それってどういう事なんですかお姉ちゃん?意味が……」
「あまりにも不用心すぎますの。わたし達で無くても見る人が見れば」
「誰が此処にやってきたのか、判るだろう。そうなればすぐ足が着く」
「これはすぐ側にいる……そうでなくてもここに居たという証明だよ」

『そう言えば!?』と、茜が納得した様に手を打つ。そう、MMSは確実に
この社から放たれここに舞い戻った。恐らく、遠くには行っていないな。
時間的な余裕を考えると、ひょっとしたら……この社にいるかもしれん。
となればやる事は一つだ。機会を浪費するのは、この場合良策と言えぬ。

「……皆、探すぞ。だが気を付けろ、潜んでいたら抵抗されるだろう」
『は、はいっ!!!』

と言う訳で、茜・ロッテと私・クララの二手に別れて小さな社を漁る。
小さな、と言っても……家の一軒程度は入る敷地だ。潜んでいるだろう
MMSを逃がさない様にしつつ、植木や繁みを中心に捜索していく。その
最中に、私は先の疑問を反芻した。致命的な痕跡を、運び屋が遺すか?
……プロフェッショナルという認識があるのならば、断じて否だろう。

「運び屋がそもそも二流だったのか、それともよもや……いやいや」

運び屋なりエージェントが、そこまで気の回らぬ二流で有ればまだいい。
だがしかし、そうでないとしたらどうなる?敢えて気を回す必要がない、
それ故に残骸を“棄てていった”のなら?それが、私の不安だったのだ。
そんな事を考えていた時、ふと眼に止まるのは……無惨に割れた賽銭箱。

「……む?あの賽銭箱、側面にヒビが入っているな。見てみるか……?」
「うん、気を付けてほしいんだよ。何処に潜んでいるか分からないもん」

頭を掠めた嫌な予感を振り解きつつ、私はそっと賽銭箱に近付いて……
割れ目から中を覗き込もうとする。だがその瞬間に、クララが叫んだ!

「……ッ!?マイスター、退いて!モーターの音がするんだよッ!!」
「何ッ!?……そこに、誰か居るのか。出てくるのだ、隠れるな……」

ハウリンタイプならではの超感覚に加え、“ゲヒルン”によって身体の
運動能力を抑制されているクララは、私には聞き取れぬ僅かなノイズを
鋭く察知してくれた。クララの忠告に従い、私は賽銭箱から顔を離す。
モーター音の持ち主が爆弾かトラップならば、逃げなければならん……
しかし、不思議と恐れはない。逃げてはならない予感が、私にはある。

「……出てくるのだ、さぁ。お前がここへ飛んできたのを見ている」
「誰……誰なの、人間?警察とか軍隊……スパイ?別の、運び屋?」

暗い亀裂の底から聞こえてきたのは、怯えと怒りに満ちた声。厳密には、
“怒りの相”が遙かに勝っている……様にも感じたが。兎に角、この中に
MMS……否、神姫同然の娘が居るのは間違いない……何故分かるかだと?
憎悪の色が濃くとも、私が聞いたのは紛れもなく少女の声だったからだ。
だが……そんな私達の予想を越える存在が一人、この中には入っていた!

「違う……運び屋、じゃない!?何しに来たのよ、貴女!来ないで!」
「お姉ちゃん、どうしまし……ってこれは、MMS?!でも、これ……」

剣幕に気付いてやってきた茜の表情が強張る。出てきたのは、どうみても
フルフェイスのヘルメットだった。その表情は窺い知れない。否、顔面が
有るのかさえ分からない。鏡面仕様のバイザーは、私達の目ではその中を
見ることも叶わぬからだ。最悪、人間型の顔ですらないかもしれん……。
やがて、私と茜……人間の姿を認めたその娘が、ゆっくりと姿を見せた!

「アタシは止まらないわよ!絶対に、絶対に赦さないんだから……!」

──────貴女は、一体……誰?







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