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神姫ちゃんは何歳ですか?第三十話

初めての神姫バトルはタッグマッチ

書いた人 優柔不断な人(仮)



「で、挑戦状を叩き付けてきたって訳か」
「済まねぇ親父。でも、あたいガマン出来なかったんだ…せっかく親父達が直してくれたのに…」
顛末はユキ達から聞いた
「まぁ受けちまったものはしょうがない。二人とも辞める気は無いんだろ?」
「勿論です!」
「あたりまえだ!ああちくしょう、思い出しても腹が立つ!あのヤロウ『普通に戦っても面白くない。どうせならタッグマッチでやらないか。お前等は二人揃って一人前なのだろ?』と言いやがった!」
ティグリースとウィトゥルースは合体をコンセプトにしている為、そう思ってる人はかなり多い
実際には単体で使っている強豪も多いのだが。その中で武器パーツを購入してまで真鬼王やファストオーガを使ってる人なんて殆ど居ない
しかし、真鬼王のイメージがあまりに強すぎて、『二人揃わないと真価を発揮出来ない神姫』と勘違いされているのがこの2体を使っているマスターが少ない理由と言われている
「大丈夫よ二人共。なんたって、センパイが付いてるんだから」
二人を励ます皐月
「あまり…楽観視は…できません…」
しかし、水那岐がそれを否定する
「え?なんで?」
「あのな皐月…確かに俺は色んな神姫を見てきたり、様々なデータを見たりはしてきたが、俺自身はバトル初心者だぜ」
「あ…」
「しかもティールもファロンも原因不明のプログラム不調があって、まともに戦えるか不安だ。検査したが、サポートプログラムには何の異常も無い」
ユキやミチルが気づき、そして相手が指摘したという攻撃動作の不調。その原因が掴めないでいた
「とりあえずデフォ装備で行ってみるしか無いな。合体攻撃も封印だ。現状では使えるかも不安だし、なにより装備が無くなった方を狙われる危険がある」
「じゃな。相手も真鬼王が出る可能性の高いタッグバトルを挑んできたくらいじゃ。なんらかの策があるやもしれん」
ふと相手の戦績を見る
  • エル(セイレーン型):五戦四勝一敗
  • リーゼ(マーメイド型):五戦五勝
「まだ起動して日は浅いようだが、言うだけのことはありそうだな」
「たまたま当たりを引いて調子良く連勝して天狗になってるだけなのだ」
この当たりって言うのは、戦闘補助プログラムとコア適正、そして自身の装備とが合致した事を言う
そしてこの神姫達は、基本装備でしか戦っていない
「当たりを引いただけなのか…ん?」
「どうしたんですかセンパイ?」
当たり…か
当たりがあるという事はハズレもある
この子達のコアに入ってるサポートAIは『直した』だけだ
もし、コア適正と合わない為に不調をきたしているのなら、合った武器を用意すれば…
「ダメだ、探してる時間が無い。とりあえず今のままで行ってみるしかない」
俺は武装の入ったケースを開けた
「ヨウヤクオレノデバンダナ」
「すまんな剣王、まだ最終調整も済んでないのに」
「剣王?この真鬼王の名前ですか?」
皐月が尋ねてくる
「ああそうだ。俺はフィールドの外で指示を出す事しか出来ないからな。頼むぞ剣王、二人を守ってやってくれ」
「リョウカイ、マイマスター。ケンオウ、ブソウモードヘイコウシマス」
そう言って剣王はバラバラになり、ティールとファロンの装備となった
ちなみに真鬼王は、反重力フィールドと電磁ドライブによりこの合体機構を可能にしている
さらに陽電子砲まで装備してるというのだから、ラインバレル社の技術の高さが伺える
「だ、大丈夫よ!きっと勝てるわよ!」
と言う皐月の声は震えていた
「正直、勝てる確率は一割といったところじゃな」
「そ、そんなぁ観奈ちゃん。センパイが作った新素体と強化された真鬼王の剣王が付いてるのに…」
「それを加味して一割と言っておるのじゃ」
「そ、そんなぁ~」
「まぁ今回のバトルは勝ち負けよりも、二人のバトルに対する意気込みを見せられればいいと思っている」
「親父ぃ~、戦う前からそんな事言うなよ。あたい達は勝ってくるぜ!勝てる確率が一割もあるって言うなら、絶対あきらめないぜ!」
グっと拳を握り、気合い十分なファロン。そんな彼女を見て俺は
「…そうだなファロン。でもな、そんなフロートユニットに乗って言われても、迫力無いぜ」
と言った
「お、親父~」
「ぷっ…頑張りましょファロン。全力を尽くせば、きっと勝てるわよ」
クスクスと笑いながらファロンを励ますティール
「よし!俺も全力でサポートするぜ!」
「アンシンシナ。オレガフタリヲゼンリョクデマモルゼ」
剣王がファロンの上にある陽電子砲の上から言った
「ぷっ…あははっ!」
「ナ、ナンダヨ」
砲の上からひょっこり顔を出した剣王に一同は思わず笑ってしまった
「キ、キズツクナァ…」
「い、いや、頼りにしてるぞ剣王!」
そして俺は二人をアクセスポッドに入れ、電脳空間へと送り出した



バトルスタート
フィールドは西部劇に出てくるような町となった

「へっ、決闘にはおあつらえの場所だな。でもあの人魚姫はどっかでピチピチ跳ねるしか出来ないんじゃないか?」
『残念だが、イーアネイラは浮かんで移動するぞ』
「なんで魚が飛べるんだよ!」
『マグネッサーのおかげだ』
「なんじゃそら!」
『気にするな、昔のネタだ。実際はお前のフロート同じ原理さ』
「まぁそうでもしないと、本当に水中戦しか出来なくなりますしね」
『ティール、適切な解説を有り難う。それより、敵さんの動きをキャッチした。北からこちらに向かってる…一体が先行してるな。速さから見てエウクランテ、エルだったか、だと思われる』
「ケッ!あの鳥女か。丸焼きにしてやるぜ!」
「この距離で陽電子砲撃っても当たらないわよ。私が接近するから、ファロンは援護して」
「おい、それじゃあティールが集中攻撃を喰らうじゃないか!大丈夫か!?」
「大丈夫よ。私、素早しっこいんだから。それんい、剣王もいるし」
確かにティールは普段はおっとりしているが、意外と素早いし、回避が得意な寅型だ
さらに背負っている炎機襲の両脇に付いている炎虎甲には防御シールド発生装置を増設してある
『よし、それで行こう。ティール、無理に避けなくても、剣王がシールドを張ってくれる。まずは相手の攻撃パターンを掴むんだ。それとファロン。ティールを援護しつつ、リーゼへの牽制も忘れるな』
「分かりました」
「おっけー、いくぜ!」
ティールがスラスターを吹かし、エルへと接近する



-どんなに凄い攻撃でも、見切ってしまえば恐れるに足らず-
よくミチルが言っている言葉だ
当たりを引いたのなら、攻撃は鋭くてもパターン自体はあまり無いはずだ
もし自分の攻撃が当たらなくなったら、動揺し隙が出来るはずだ
「勝機があるとすればそこか…」
俺はマスターシートでぼそっと呟いた
レーダーを見れば、相手も同じような動きをしている
あちらさんは、こっちの作戦に乗ってくれるらしい
それとも、俺達が乗せられてるのか…



「なんだ、威勢が良い狂牛の方が来るかと思ったが、大人しい子猫ちゃんか」
エルが接近してきたのがティールだと確認し、ボアレスをしまいエウロスを構えながら言った
「私は子猫じゃありませんよ」
ティールも極閻魔を構える
共に2刀同士。目線が合い火花が散る
「見せてもらおうじゃない、キャッキャウフフ仕様じゃ無い所をさぁ!」
エルが叫び、ティールへと襲いかかる
ガキッ!
あまりの突進スピードに避ける動作さえ出来なかったティール
「…チッ、防御シールドか!」
しかし、間一髪張られた防御シールドがティールの身を守った
「でも、それだけか!」
ガン!ガン!とシールドへと攻撃を続けるエル
(このままじゃシールドが…なんとか避けないと…)
ブン!
ようやくエルの攻撃が空を切る
「ふん、ちょっとはマシになったようね…そうこなくっちゃ」
エルは一度空中へと飛び、ティールの様子を窺った
「機動とシールドで耐えて、それでどうするの?」
「こうするんだよ!」
ファロンが空中へと飛んだエルへ向かってルインM21二丁とラピッドランチャー二門による集中砲火を浴びせる
しかし、その攻撃はエルには当たらなかった
「…いや、当たらないとは思ってたけどさ。ここまでヒドイとは…敵ながら哀れだ」
「うるせぇ!避けんじゃねぇこのやろ!」
『いや避けてないし…』
ファロンの攻撃は、明後日の方角、とまではいかないが、微動だにしていないエルに対しことごとく外れていた
『ファロン。ラピッドランチャーの官制を剣王に回すんだ』
「あ、ああ。その方がよさそうだ…」
落ち込みながらも指示に従うファロン
「むっ!なんだ?急に…うわっ!」
いきなり攻撃が命中コースになった事に驚くエル。それでも命中弾をゼピュロスでしっかりと防御する
慌てて回避行動を取るも、避けた先に弾が飛んでいたり
「うわっ!なんでこんな所に?」
剣王の正確な射撃とファロンのいい加減な射撃が組み合わさり、回避困難な攻撃となったようだ
たまらず地上へと逃げ込むエル
「くっ…私だって!」
ティールは降りてきたエルに向かって突撃をする
ガシィ!
「ふん。ちょっとはマシになったんじゃないの?」
エルはティール渾身の一撃を、二振りのエウロスで防御する
「まだまだぁ!」
左手に構えた極閻魔でエルの腹を斬りつける
ブゥン!
「そんな大振り!あたらないよ!…っと!」
ドン!ドン!
エルは空振って隙だらけになったティールに斬りかかろうとしたが、ファロン(というか剣王)からの援護射撃に、避けるしか無かった
『いいぞ、この調子で二人がかりで…あれ?』
そういえばリーゼは何をしている?
ふとレーダーを見れば、ゆっくりとファロンへと近づいてるようであった
ウィトゥルースは射撃重視の神姫だが、イーアネイラは…
『マズイ!気を付けろファロン!リーゼがそっちに向かってる!』
気づいた瞬間、リーゼは人魚型とは思えない程の速さとなり、ファロンへと急接近した
「あの人魚姫、ようやくお出まし…ってなんだあり…ぐはっ!」
どごっ!
轟音を響かせながらファロンへと急接近したリーゼは、そのまま体当たりをぶちかましてきた
剣王が反重力フィールドを展開してくれたおかげで致命傷とはならなかったが、浮いていた為に派手にぶっ飛ばされる
「あら残念。防がれましたか」
リーゼは自分の両脇に付けられたブースターを排除しながら言った
迂闊だった。今まで標準装備しかしてなかったからって、今回も標準で来るとは限らないじゃないか
リーゼは人魚型本来の装備に加え、アーンヴァルのExブースターを4つも増設していたのだった

-イーアネイラは、その容姿からは想像出来ない程の高い強襲性能を持っている-
元々水中使用を前提に作られた体は、高い出力がある
さらに武装に於いても、射撃戦から格闘戦まで幅広く用意されている
若干、防御力が低く回避性能に弱みがあるものの、その強力な攻撃力からこういった強襲戦法を取らせているオーナーも多いと聞く

「ちっきしょー。人魚姫様、やってくれるじゃねーか」
ファロンは慌ててルインM21からコンピクトU7へと持ち替える
「あら、わたくしの事をそんな可愛く言ってくれるだなんて。少しは手加減して差し上げましょうか?」
リーゼは肩からスキュラを取り、ファロンと対峙する
「…そいや変だよな。姫なんてオバサンに向かって言っちゃ」
ピキ
「…なんですって?」
さっきまでのどちらかと言えば穏やかだった表情とうって変わり、鬼の形相へと変わったリーゼ
「…あーあ。あの丑型、NGワード言っちゃったよ。こりゃ無事じゃ済まないね」
リーゼは尾鰭を使って地面を蹴り、ファロンへと急接近する
「うわっ!なんだこのオバサン!」
パンパン!
慌てて牽制するも、弾は当たらない
ガン!
リーゼはファロンへと取り付き、スキュラを出鱈目にに振り下ろす
「訂正しなさい!私はオバサンじゃなくてよ!」
ガン!ガン!
ファロンは反重力フィールドで身を守るのが精一杯だった
「ファロン!…きゃっ!」
「ほらほら、よそ見してる場合じゃないよ!」
ティールはファロンを助けに行こうとしたが、エルに阻まれた
「くぅっ!えいっ!」
「貴方の攻撃は、基本がなってないのよ子猫ちゃん!」
ティールの攻撃を軽く受け流し、回し蹴りを放つエル
ガスッ!
強烈な蹴りが、ティールの腹にヒットする
「がはっ!」
そのまま吹き飛ばされるティール
「ティールっ!」
「貴方の相手はわたくしですわよ、お嬢ちゃん」
ガスッ!
強烈な尾鰭の一撃を受け、ファロンもまた吹き飛ばされる
「…まぁ、キャッキャウフフ型にしては、よくやった方かな。その装備をくれたオーナーに感謝するんだな」
「…そうですわね。今ならわたくしをオバサンと言ったことを謝って訂正するなら許して差し上げてもよくってよ」
…ここまで、か
やはりバトルをデータで見るのと実際にやるのとは大違いだ
俺はサレンダーボタンに手を伸ばした
「ダメだよお兄ちゃん!」
そんな俺をユキが制止した
「ユキ…」
「ティールちゃんもファロンちゃんも、まだ諦めてないよ!なのにお兄ちゃんが諦めてどうするの!お兄ちゃんが信じないでどうするのよ!」
ユキの言葉にモニターを見れば、二人とも砂を掴んで立ち上がろうとしていた
「…まだやるです気か」
エルの言葉に
「当たり前だ、勝負はまだついちゃいねぇ!」
「そうです!私達はまだ戦えます!」
と力強く答える二人
それを見たエルは
「…そうか。ならば私は、それに応えねばならんな」
とバイザーを下ろしながら言った
「あら、エルが本気になったわね。それじゃあわたくしも、本気を出そうかしら」
とリーゼも構える
「…なぁ親父、今からアタイ達の好きなようにやらせてくれ」
「試してみたい事があるんです」
ファロンとティールが俺に言ってきた
『よし分かった!こうなったら、お前達の好きなように暴れてこい!』
ここまで実力差があるのに、合体封印とか言ってられない
俺は二人に任せる事にした
「よし、いくぞティール」
「うん!」
二人は気力を振り絞ってジャンプする
「来るか、真鬼王!」
「相手にとって、不足無し、ですわ」
と構えるエルとリーゼ
二人の武装が離れ、別の形となる
そして降り立つ二つの人影
『…って二つ?』
よく見ると、二人は武装の一部を入れ替えただけだった
ティールの方は炎機襲に付いていた炎虎甲を外し、代わりにラピッドランチャーを付けている
さらにルインとインフェルノキャノンまで取り付け、武装も剣が無くなっていて、大腿にコンピクトを下げている
ファロンの方はといえば、フロートユニットを背面に回し、炎虎甲を装着
極閻魔を大腿に吊し、風神・雷神・そして朱天を背面ユニットに下げている
「こ…これって…」
「武器を取り変えただけじゃない!」
エルとリーゼの背後に、『ガビーン』という文字が見えた気がした

「今のあたい達に、真鬼王が使える自信はねぇ」
「だけど、これが今の私達に出来る精一杯です!」
というファロンとティールに対しリーゼは
「そんな付け焼き刃で何を…」
と言ったがエルは
「…成る程な。お察しな部類にある剣術や射撃術に頼るより、今出来る可能性を模索した訳か」
『そうか!その手があったか!』
基本的に、剣術がダメな神姫は射撃が、射撃なダメな神姫は剣術や格闘術が得意な傾向がある
ティールとファロンが、それぞれコア適正が合わないでダメだったのなら、その反対の装備を試してみるべきだった
こんな事を失念していたとは…
「いくぜティール!」
「うんっ!」
そしてティールはエルに、ファロンはリーゼへと向かう



「ふっ。見せて見ろ。さっきとは違うという事を!」
エルはエウロスを構え、ティールと対峙する
「はっ!」
パンパン!
ティールはコンピクトを二丁構え、エルに向かって発砲する
「さっきのヤツよりも、ずっと正確な射撃だ」
時に避け、時にエウロスで弾丸をはじくエル
「んもう、ファロンたら無駄撃ちするから…」
残弾が無くなったのか弾倉を捨てるティール
「リロードする隙など与えるものか!」
猛然と飛びかかるエル
ティールは背中のラピッドランチャーを放ち牽制する
「そんな弾が当たるものか!」
炎機襲の外側に付けられたランチャーでは間隔が広すぎて、この至近距離ではマトモに狙えない
「せいやっ!」
エルは気合いを入れ斬りかかる
ガキッ!
ティールはそれを避けず、唯一残された格闘武装・滅爪で受け止める
「まだまだぁ!」
もう一方のエウロスも振り下ろすが
ガキッ!
これもまた滅爪で防ぐ
「くっ…結構やるな…だが、これからどうする気だ?」
「こうするんですよ」
と言いながらティールは手首を曲げ、弾倉の無い銃をエルへと向け、トリガーを引いた
ドン!
弾が無いはずの銃から放たれた一撃は、エルの腹部へとヒットした
「ぐっ…バカな…」
当然の疑問
「弾倉を取り替える時は薬室内に一発残しておく。常識ですよ?」
当然のように答えるティール
そして、もう一つの銃を頭へと狙いを付け、トルガーを引く
パリン!
弾丸はエルのバイザーへと命中し、割れた



一方、リーゼと対峙したファロンは…
ガキィッ!
スキュラにより強烈な斬撃を繰り出すリーゼ
ファロンはそれを風神でガードしていた
「…なんなのコイツ…」
イーアネイラのパワーとテティス・テイルパーツの質量を考えれば、相当な衝撃が加わってるはずである
もしガードしても、その衝撃で弾き飛ばされてもおかしくない
それなのに目の前のファロンは微動だにしない
リーゼの攻撃は、逆に自身の間接にダメージを与えているようだった
「まるで岩でも叩いてるみたい…まさか、反重力システムを逆転して?」
「へっ、やっと気づいたのか?意外に抜けてるんだな」
いくら攻撃力に優れるイーアネイラでも、そのパワーと耐久力はサイフォスにも匹敵すると云われるウィトゥルースをまともに相手するのは難しい
しかも唯一勝っている『重量による安定感』も、重力制御システムを正方向へと向け自身に高重力を掛け押しつける事によってカバーされてはお手上げである
本来のウィトゥルースの傾向ならば格闘が苦手な為、こういう事はしないのだが
「…だったら、離れてしまえばタダの的ですわ!」
リーゼは接近戦を諦め、射撃戦へと移行した
「…よく考えれば、相手は射撃武器を持っていないのでしたわ…持っていても当たらないですし」
スキュラを肩に付け、ネプチューンを構え、発射する
「うおっ!」
ドン!ドン!ドン!
弾が次々とファロンへと命中するが、咄嗟に防御態勢を取った為、有効打にはならなかった
「やったなこのぉ!」
ファロンはリーゼ目がけて風神を投げつける
ガスッ!
「当てましたね…このわたくしに当てましたね!」
「へへっ、投げる方が性に合ってるらしいぜ」
今度は極閻魔を構え、投げつける
「そうそう何度も当たりませんわ!」
リーゼは今度はしっかりと回避し、逆にネプチューンを発射した
ガン!
「あたたっ!」
命中したが、ダメージは軽微のようだ
「なんて頑丈な!でもコレならどうですか!『メイルシュトローム』起動!」
リーゼはスキュラ・ネプチューン・プロテウス・サーペントといったイーアネイラの武装を全て合体させた最強武装『メイルシュトローム』を起動させた
「ターゲットロック…発射!」
超高速の弾丸が、ミサイルが、メーサー砲がファロンに襲いかかる
ドンドンドン!…ドゴォッ!
爆炎に包まれるファロン
「ふっ…一時はどうなろかと思いましたが、わたくしにかかれば…」
「…人魚姫様にかかれば、どうだって?」
「それは、わたくしにかかればイチコロ…って!」
爆炎の中から聞こえてくる声に驚くリーゼ
ブゥン!
シールドの出力を一瞬だけ上げ、煙を払いのけるファロン
少々煤けてるものの、ほぼ無傷だ
「バ、バカな!わたくしの最強の攻撃を喰らって無傷だなんて!」
「へっ!そんなの知るか!こんどはあたいから行くぜ!」
雷神を構え、重力を反転させ浮遊し炎虎甲のブースタを点火するし突撃する
「くっ…回避は…間に合わないっ!」
リーゼは回避を諦め防御態勢に入る
オルフェウスを構え、重力制御を正方向に加えて体勢を崩さないようにする
「お~~~りゃぁ~~~!」
猛牛さながらの体当たりとも言える攻撃
ドガッ!
「きゃぁっ!」
先程のファロンと同じ防御方法、にもかかわらずリーゼは派手に弾き飛ばされた
小型ながらも高い防御力を誇るオルフェウスは割れ、自身の左手までも切り落とされる
「まだまだぁ!」
ヒュン、ヒュン!
ファロンは追い打ちとばかりに雷神を投げつける
グサグサッ!
「はぐぅ!」
それはテイルパーツへと刺さり、重力制御装置を破壊する
「コレでトドメだぁっ!」
バシュ!
炎虎甲を分離させリーゼへと飛ばす
それはリーゼを掴んで空高く持ち上げた
「いくぜ!必殺!」
ファロンは朱天を構え、高くジャンプする
空中で朱天を開き、リーゼを拘束する
「ま…まさか…」
リーゼの顔が恐怖に染まる
ニタァと笑うファロン

-後にリーゼは語る このとき見た丑型の表情は、今まで見た神姫のどの表情よりも怖かったと-

ファロンはリーゼを逆さまにして、叫ぶ
「朱天!煉獄堕としぃ!」
高高度から重力制御を掛け、一気に下降する
あっという間に眼前に迫る地面に、リーゼは失神した
ドゴオオオオオッ!
ものすごい衝撃波が辺りを破壊してゆく
二人が『墜落』した所には巨大なクレーターが出来、その中心にリーゼは突き刺さっていた

《リーゼ・戦闘不能!》



「くっ…リーゼが負けたのか…」
腹部を押さえ、額からオイルを流しながらヨロヨロと立ち上がるエル
どうやら腹部への直撃は防弾スーツが、頭部への攻撃は咄嗟にバイザーに当てる事で致命傷を免れたらしい
「ファロンてば、無茶するんだから」
弾倉を装填しながら答えるティール
「凄いヤツじゃないか。まさか真鬼王幻の大技・煉獄堕としを、合体しないで一人でやってのけるとは」
「やった本人ものびちゃってますけどね。調子に乗りすぎです」
『え…なんで知ってるんだ?』
確かにファロンもクレーターの中でノビている
しかし損傷は軽いとは言えないが、戦闘不能になる程のダメージでは無い為、アナウンスはされていない
あの位置からではクレーターの中までは見えない
俺はモニターしているから知っているが、剣王も伝えてないしティールには分からないはずだ
「衝突の際、0.03秒程シールドを張るのが遅れてましたから」
俺が知らない事まであっさりと答えるティール
…そういえば、今でにもファロンにティールを呼んでくるように頼んでも動かないで、叱ろうとしたらティールが来た、なんて事はしょっちゅうあった
もし二人になんらかの繋がりがあって、お互いの事が分かってるのなら…
「まぁいい、一対一の決闘と行くか。行くぞティール!」
俺が考え事をしていると、二人がバトルを再開した
エルが地を蹴り、ティールへと襲いかかる
バンバンと射撃した後、炎機襲を切り離しエルへと向かっていくティール
「まさか、拳銃で接近戦をやるとはな」
エルの剣撃を、手首の内側を押さえ反らせる。そしてそのまま零距離で発砲
一見、弾数に限りのあるティールの方が不利なようだが、焦りの表情を浮かべているのはエルだった
小型で威力の小さいコンピクトだが、装弾数は多い
しかもこの至近距離ならば防弾越しにでも十分なダメージが出せる事は、先程身に染みて分かっているのだろう
さらにエルの攻撃は、殆どティールには当たらなくなっていた
鋭い剣筋で短時間に勝利を収めてきた彼女にとって、この戦いは長すぎたのだ
短銃での近接戦、等という今まで体験した事のない戦法を取るティールは、彼女にとって脅威であった
ドンドン!
「くぅっ!」
ティールの攻撃が、エルの大腿にヒットする
「まだまだ!」
バンバンと追撃をかけるティール
たまらず大きく飛び避ける
ダダダッ!
「なんだと!?」
エルが離れると、先程切り離した炎機襲が攻撃してくる
エルはさらに大きく避けなければならなくなった
「このままではマズイ!」
大きく距離を取り。ボアレスを放つ
これを落ち着いて回避するティール
その間に更に距離を離すエル
『どうやらあちらさんは、遠距離でも撃ち合いをする来らしいぞ?』
今までの戦歴を見る限り、彼女に射撃戦の経験は無い
しかし、このまま『不利』な近接戦をやるより、ティールもやったことがない射撃戦をする事に賭けたのだろう
しかもエウクランテには『奥の手』がある
「…私にも、奥の手はありますよ?」
俺の考えを見抜いたのか、ティールが自信たっぷりに言った
そして炎機襲と再び合体し、空へと跳んだ
「跳んでくるとは、迂闊な!」
飛んでいるエルと違って、ただジャンプしているだけのティールは空中での回避が困難になる
このチャンスにエルはボアレスを放ち、牽制する
「剣王、お願い!」
ティールの指示を受け、剣王は炎機襲に取り付けられたルインを使い、飛んできた弾丸を打ち落とす
エルはこの隙に奥の手の『テンペスト』を完成させた
「いっけぇ~~~!」
ドン!
ものすごい轟音を立て、光弾が発射される
しかしティールもただ黙ってはいなかった
「…エネルギー充填完了…全武装、発射!」
バシュゥ!
インフェルノキャノンが、ラピッドランチャーが、ルインが、コンピクトが、合計7門の火器が一斉に火を噴く
それはテンペストが放った光弾を打ち抜き、エルへと襲いかかった
「うわああああっ!」
エネルギーの殆どを飛行とテンペストに回していた為身動きの取れなかったエルは、それをまともに喰らってしまった
翼は焼け、テンペストは砕かれ、全身に無数の銃弾を浴びる
そして墜落していくエル
『やったなティール!』
俺はマスターシートでガッツポーズを取っていた
そして地面に着地しようとスラスターを吹かすティール
ぼすっ…
「…あ、エネルギーが切れちゃいました」
炎機襲のスラスターから光が消え、自由落下を始める
『そっか。さっきのインフェルノでエネルギーを使いすぎちゃったのか…っておい!』
いくらなんでもこの高さから落下したらタダじゃ済まない
いくらおっとりしてるといっても、もうちょっと慌ててもいいんじゃないか?
と思っていると、下から何かが飛んできた
「全く、ティールは手間が掛かるな」
それは意識を取り戻したファロンだった
「ありがとうファロン」
ティールを抱えながら反重力を働かせ、ゆっくりと降下する
スタッ
二人は鮮やかに着地する
《エル・戦闘不能。勝者ティール・ファロン組!》
AIジャッジが、二人の完全勝利を告げた



「やったぁ勝った勝ったすご~い」
大はしゃぎな皐月
「よく…がんばりました…ぱちぱち…」
水那岐も喜んでいる
俺達が騒いでいると、エルとリーゼがやってきた
「すまなかった。君達をキャッキャウフフ型などとバカにして。君達は立派な戦士だ」
深々と頭を下げるエル
「今回わたくし達が負けたのも、たまたまですわよ。次回はこうは行かないんですからね」
ふん、とソッポを向くリーゼ
「こらこら。リーゼも謝りに来たんだろ」
と、オーナーと思われる人が言った
「う…あ、愛玩用だなんて言ってごめんなさい…」
顔を真っ赤にしながらペコリと頭を下げるリーゼ
「まぁいいって事よ。それより、面白い戦いだったぜ!」
バンバンとリーゼの背中を叩きながら言うファロン
「あうう…」
しょんぼりとファロンの為すがままにされているリーゼ
…随分と態度が変わったな?
「あのー…」
「ん?どうしたのムツキちゃん」
「気になってたのですが、どうしてキャッキャウフフ型をそんなに嫌うのですか?私達が占拠してたといっても、ほんの一部でしたし、時間もそんなに居たわけでは無いですし」
「あ、それは…」
と相手のオーナーが口を開いた瞬間
「それは俺から説明しよう」
と話って入る人物がいた
「って、日暮さん、どうしたんですか?」
「いや、あの二人がバトルするっていうから気になって、兎羽子にレジ任せて見に来ちゃった」
「いいんですかそんなんで。ホントに店を高階さんに取られちゃいますよ」
「う…まぁそれは置いといて。エルとリーゼがキャッキャウフフ嫌いになったのは、ウチにも責任があるんでね」
「え?どういうことですか?」
「去年の暮れにやった武器在庫一掃セールで、普段戦わない神姫達がこぞって武器を買いに来てね。選んでるならと大して気にも留めなかったんだが、まさか5時間も占拠してたとは気づかなかったんだ」
「なるほど…」
「しかも性能じゃ無くて「キャーこの武器可愛い」とか「なにこれキモーイ」とか言いながら騒いでばかりいて、普通に買いに来たバトル派の神姫を閉め出していたんだよ」
「そりゃ、イヤになるわよねぇ…」
ウンウンとうなずく皐月
だったらもうちょっとデパートで悩むのは止めてください
「まぁその後、ジェニーさんに叱られてその子達も納得して謝ってくれたんだけどね」
「バトルを始めたばかりのエルちゃんとリーゼちゃんがそのセールを楽しみにしていた気持ち、分かるなぁ」
と俺が言ったら
「そうなんですよ!広告にあったハンドガン、試してみたかったのにあの連中ときたらいつまでもいつまでも…」
思い出して興奮したらしいエル
「セールを逃したら、お兄ちゃんがまたパスタ生活です」
「そうですわね。お兄さまの健康を守るのも、私達の役目ですから」
はぁーっとため息を付きながら健気なことを言うエルとリーゼ
「そっか、君達はセールの事よりも、オーナーの事を心配して怒ってたんだね。えらいえらい」
つい他人の神姫なのに撫でてしまった
「あっ…何をするんですか…」
「あうう…ちょっといいかも…」
照れながらもはにゃ~んとする二人
「ちょっとお兄ちゃん」
ユキが止めに入った
「うわっ!どうしたユキ?」
「ダメだよお兄ちゃん。それはオーナーさんの役目だよ?」
「ああそうか、ワリィワリィ…」
ウチの環境に慣れきって、普通はオーナーがナデナデするって事をすっかり忘れてた
「…まぁお兄ちゃんが撫でたくなる気持ちも分かるけどね…えらいえらい」
といって二人を撫でるユキ
「あーっズルイぞ。かーちゃん、あたいも撫でてくれ!」
「私も…撫でて欲しいな…」
それを見ていたティールとファロンも撫でろと騒ぎ出す
そんな光景を見ていたエルとリーゼのオーナーは
「一体、何なのですかこれは?」
と言った。そこで俺は
「撫でて上げれば分かりますよ。貴方の神姫達は、貴方のために戦ってるのですよ。たまには労をねぎらって上げてください」
と教えて上げた
「そ、そうなのか…よし。おーい、エル、リーゼ」
「あ、はい」
「なんですかお兄さま」
「…二人とも、頑張ったな…」
なでなで
「は、はい…はふぅ…」
「お兄さま…暖かい…」
「…たまにはキャッキャウフフもいいかも…」



おまけ

「ところで、何でこの二人は貴方をお兄ちゃんとか呼ぶのですか?」
ウチも人のことは言えないが、普通のバトルユーザーに見える彼が、そう呼ばせていたのが気になった
「いや、登録中に妹のヤツが「お兄ちゃん、電話だよー」って叫んだのを拾ったらしい。訂正するのもメンドイからまぁいっかってね」
いいのか、それで?



ゲスト解説

  • 墨井 進(すみい・すすむ)
エルとリーゼのオーナー
以前から神姫は気にしていたのだが、受験が終わり一人暮らしにも慣れた所を妹に押され、ようやく購入を決意した新参者
別にヲタな趣味は無い真っ当な大学生である
アパートに一人暮らしをしているのだが、妹がちょくちょく遊びに来て食料を持って来てくれるの、でさほどキビシイ食生活は送っていない
  • エル(エウクランテ型)
どちらかというと生真面目な性格をした神姫
自分にも他人にも厳しい
戦績よりも内容を重視するタイプだが、割と順調に白星を重ねていた
  • リーゼ(イーアネイラ型)
自分に甘く他人に厳しいワガママな神姫
内容よりも戦績を重視するタイプで勝つためには何でもするタイプ(反則などはしないが)
でも切れやすい






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