「ヒカル、起きろ」
「んー…」
「起きろっつの」
「ひゃわっ!?」
夜更かしして「ファントム無頼」を(全巻)読破し、続いて「エリア88」を読み始めたが、
文庫2巻目の途中で寝てしまったヒカルをひょいっと指でつまみ起こす。
「んー…」
「起きろっつの」
「ひゃわっ!?」
夜更かしして「ファントム無頼」を(全巻)読破し、続いて「エリア88」を読み始めたが、
文庫2巻目の途中で寝てしまったヒカルをひょいっと指でつまみ起こす。
「なぁにぃ…眠いんだけど…。……zzz」
「寝るなっつの!、お前のために出かけるんだぞ」
「?……zzzz」
また寝やがった…
「寝るなっつの!、お前のために出かけるんだぞ」
「?……zzzz」
また寝やがった…
「コイツ…時間感覚ないな。いま十一時だぞ」
そのまま起きないヒカルをクレイドル(もう一つの箱の中身だ)に乗せ、バッテリーチェック。
全くもって問題なし。
左胸のポケットにヒカルをつっこみ、そそくさと出かける自分だった。
そのまま起きないヒカルをクレイドル(もう一つの箱の中身だ)に乗せ、バッテリーチェック。
全くもって問題なし。
左胸のポケットにヒカルをつっこみ、そそくさと出かける自分だった。
~・~・~・~・~・~・~
自転車で堤防を進むと、坂を上がってくる自転車がひとつ。
「少し早いぞ! 遅れるところだった!」
「そりゃお前が家を出るのが遅いだけだ」
僕の小学校以来の親友、風間健人(かざま たけひと)だ。
「少し早いぞ! 遅れるところだった!」
「そりゃお前が家を出るのが遅いだけだ」
僕の小学校以来の親友、風間健人(かざま たけひと)だ。
「で?、お前の神姫は?」
「爆睡してるからポケットの中」
呆れたもんである。
「おや、ずいぶんとネボスケのようですね」
そう言って風間のウエストポーチから顔を覗かせる神姫。
「爆睡してるからポケットの中」
呆れたもんである。
「おや、ずいぶんとネボスケのようですね」
そう言って風間のウエストポーチから顔を覗かせる神姫。
……
えっと…なんだっけ?
「Vulcan Lab製兎型神姫、ヴァッフェバニーだ」
「心を読むな。…グレースだっけ?」
「yes、以後忘れないように」
「Vulcan Lab製兎型神姫、ヴァッフェバニーだ」
「心を読むな。…グレースだっけ?」
「yes、以後忘れないように」
「こっちも自己紹介だ。…起きろヒカル」
しかし、反応がない。
「起きろって言ってるだろが」
バシンとヒカルが入ってるポケットを叩くが、それでも反応がない。
「バッテリー切れじゃねーのか?」
「そうじゃない、性格の問題だ」
とんでもない寝起きの悪さだな、こいつ。
しかし、反応がない。
「起きろって言ってるだろが」
バシンとヒカルが入ってるポケットを叩くが、それでも反応がない。
「バッテリー切れじゃねーのか?」
「そうじゃない、性格の問題だ」
とんでもない寝起きの悪さだな、こいつ。
「そんな時は、これが1番起き易いかと」
そう言ってグレースが取り出したものは拳銃だった(「カロッテP12だ」by風間)
そう言ってグレースが取り出したものは拳銃だった(「カロッテP12だ」by風間)
引金が引かれると共に、甲高い発砲音が響く。そして
バシュウ!
「ぎ、ぎょわーーーっ!?」
閃光と共に、燃え上がる風間のウエストポーチ。
そして俺のポケットから身を乗り出し、大型ビーム砲「ボレアス」を構えているヒカル。
人に向けていいのか?それ。
閃光と共に、燃え上がる風間のウエストポーチ。
そして俺のポケットから身を乗り出し、大型ビーム砲「ボレアス」を構えているヒカル。
人に向けていいのか?それ。
「発砲音から反撃までに、0.74秒。寝てたわりには中々のようだな」
知らない内に風間の自転車のベルの上に立っていたグレースが言う。
目をそらすと、燃え上がるポーチを踏んづけて消す風間が見えた。
「形人…」
すごいジト目でこちらを見る風間。
「あー…、すまん」
目を見れば判る、「弁償しろ」と言いたいのだろう。
知らない内に風間の自転車のベルの上に立っていたグレースが言う。
目をそらすと、燃え上がるポーチを踏んづけて消す風間が見えた。
「形人…」
すごいジト目でこちらを見る風間。
「あー…、すまん」
目を見れば判る、「弁償しろ」と言いたいのだろう。
~・~・~・~・~・~・~
そして着いた先は、堤防沿いでごみ処理場の近くにあるディスカウントショップ。
その店内にある某100円ショップが、今回の目的地だ。
「行くついでに買出ししてきて」とは母の言である。
あー、この100円ショップにウエストポーチはあったかなぁ。
その店内にある某100円ショップが、今回の目的地だ。
「行くついでに買出ししてきて」とは母の言である。
あー、この100円ショップにウエストポーチはあったかなぁ。
目的のものはすぐに見つかった。
最近の神姫人気にかこつけて、100円ショップも苦心しているようだな。
昨日ヒカルが「無頼」読んでいるとなりでググった訳だが、見つけたウィキにその名があった。
最近の神姫人気にかこつけて、100円ショップも苦心しているようだな。
昨日ヒカルが「無頼」読んでいるとなりでググった訳だが、見つけたウィキにその名があった。
「…MMS用衣類セット、ねぇ…」
縫い目が粗いとか耐久性に難ありだとか色落ちしやすいとか書いてあったが、そんな事はどうでもいい。
要は着れればいいのだから。
縫い目が粗いとか耐久性に難ありだとか色落ちしやすいとか書いてあったが、そんな事はどうでもいい。
要は着れればいいのだから。
見れば少なからず人がいる。
裁縫ができない(もしくは僕と同じで無関心か)人達であろう。
裁縫ができない(もしくは僕と同じで無関心か)人達であろう。
適当に二種カゴに入れ、店内を散策していると、ポケットの内側が引かれる感触。
「あの、形人」
「何だ?」
「あれ、欲しい」
そう言って指差した先はぬいぐるみコーナー。
種類は熊に偏っている。
「どれだ?」
「それ」
指を指した方向には、九センチ程の熊のキーホルダー。
神姫を人間大で考えたら一メートルくらいになるだろうか。
「これか?」と言いつつ、それと思わしきものを掴み上げる。
「うん、それ」
ヒカルの目が、気のせいか輝いて見えた。気のせいか?
どうせ105円だし、別にいいかとそのキーホルダーをカゴに入れた。
「あの、形人」
「何だ?」
「あれ、欲しい」
そう言って指差した先はぬいぐるみコーナー。
種類は熊に偏っている。
「どれだ?」
「それ」
指を指した方向には、九センチ程の熊のキーホルダー。
神姫を人間大で考えたら一メートルくらいになるだろうか。
「これか?」と言いつつ、それと思わしきものを掴み上げる。
「うん、それ」
ヒカルの目が、気のせいか輝いて見えた。気のせいか?
どうせ105円だし、別にいいかとそのキーホルダーをカゴに入れた。
~・~・~・~・~・~・~
「それじゃ、またな」
そう言って走り去っていく風間の腰には、新品のウエストポーチ。
グレースも(なぜか)フードの中から手を振っている。
そう言って走り去っていく風間の腰には、新品のウエストポーチ。
グレースも(なぜか)フードの中から手を振っている。
ヒカルはとゆうと、ポケットの中でまたしても眠っている。
一日何時間寝るつもりだ?コイツ。
行きと違うのは、さっき買った熊のキーホルダーを抱いて寝ているとゆう事か。
かなり幸せそうな顔で寝ている。
そういえば、MMSも夢を見るのだろうか?
一日何時間寝るつもりだ?コイツ。
行きと違うのは、さっき買った熊のキーホルダーを抱いて寝ているとゆう事か。
かなり幸せそうな顔で寝ている。
そういえば、MMSも夢を見るのだろうか?
「ま、どうでもいい事だな」
そう呟き、自転車を家へと走らせるのだった。
そう呟き、自転車を家へと走らせるのだった。
流れ流れて神姫無頼に戻る