光の刃と、真心の白き翼(中編)
それは一瞬の隙だった。乱戦の中で組み付いた飛竜・ウィブリオが、その
“吐息”を解き放ったのだ。それは、液体窒素を詰め込んだ砲弾である!
ロッテはその余波を騎士・フィオナの変じたシールドで防ぎつつ、氷塊に
雷の弓を突き込み……凍結したフリッグの躯へと、閃光を叩き込むッ!!
“吐息”を解き放ったのだ。それは、液体窒素を詰め込んだ砲弾である!
ロッテはその余波を騎士・フィオナの変じたシールドで防ぎつつ、氷塊に
雷の弓を突き込み……凍結したフリッグの躯へと、閃光を叩き込むッ!!
「ぐ、ぁぅ……無謀だな。だが、乱戦を活かした良い一撃だ……!」
「でも、もう同じ戦法は使えないですの。さっきの強襲を凌いだ様に」
「如何にも。ならば尚の事、推して参る……往くぞ、ロッテ!!」
「でも、もう同じ戦法は使えないですの。さっきの強襲を凌いだ様に」
「如何にも。ならば尚の事、推して参る……往くぞ、ロッテ!!」
だがダメージを受けたフリッグも、決して怯んでいなかった。その手に
握られた大剣を開き、中心のエネルギーブレード部を青く発光させる!
これによって一回り……いや、二周り程巨大化したブレードを掲げて、
青き剣士が“剣の竜巻”と形容出来る姿となり、勇猛果敢に突っ込む!
握られた大剣を開き、中心のエネルギーブレード部を青く発光させる!
これによって一回り……いや、二周り程巨大化したブレードを掲げて、
青き剣士が“剣の竜巻”と形容出来る姿となり、勇猛果敢に突っ込む!
「剛腕一閃、ぬおおおおおッ!!!」
「これは……ウィブリオ、フィオナ!分離ですの!」
『キュイッ!!』
『Yes,sir(離脱します)』
「これは……ウィブリオ、フィオナ!分離ですの!」
『キュイッ!!』
『Yes,sir(離脱します)』
砲丸投げの如く水平に剣を薙ぎ払うフリッグに対して、ロッテは垂直に
飛び上がった。その右手に、一度ロッテの手元を離れたフィオナが再度
滑り込み、盾と別の姿を見せる。それは“スナイパー・フィギュア”。
狙撃用のロングレンジライフルを、敢えて不安定な飛行状態で用いる。
その狙いは、ほぼ真下にあるフリッグの頭部へと定まっていた。だが!
飛び上がった。その右手に、一度ロッテの手元を離れたフィオナが再度
滑り込み、盾と別の姿を見せる。それは“スナイパー・フィギュア”。
狙撃用のロングレンジライフルを、敢えて不安定な飛行状態で用いる。
その狙いは、ほぼ真下にあるフリッグの頭部へと定まっていた。だが!
「またも隙有りですの……フォイエルッ!!」
「ぬっ、おおおッ!!これしきの、事で……!!」
『何!?エネルギーブレードで、アルファルのビームを受けただと!?』
「私も、全身全霊でお仕えする主の為!退く事はない!!」
「ッ……鬼気迫る執念、ですの……!!?」
「ぬっ、おおおッ!!これしきの、事で……!!」
『何!?エネルギーブレードで、アルファルのビームを受けただと!?』
「私も、全身全霊でお仕えする主の為!退く事はない!!」
「ッ……鬼気迫る執念、ですの……!!?」
なんとフリッグは、強引にビームの圧力を押し切って肉薄してきたのだ。
慌てて体勢を立て直そうとするロッテだったが、それが却ってフリッグの
前進を赦す事となり、結果剣の間合いにフリッグが入り込んでしまった!
慌てて体勢を立て直そうとするロッテだったが、それが却ってフリッグの
前進を赦す事となり、結果剣の間合いにフリッグが入り込んでしまった!
「これで、終いとしようか……ふぅんっ!」
『キュイィィッ!!』
「なっ!?く、この龍もその騎士も、ロッテの為に戦うという事か」
「ウィブリオ!?……助かりましたの!」
「そして、その剣もまた……前回とは違う輝きを見せている」
『キュイィィッ!!』
「なっ!?く、この龍もその騎士も、ロッテの為に戦うという事か」
「ウィブリオ!?……助かりましたの!」
「そして、その剣もまた……前回とは違う輝きを見せている」
だがしかし、止めの一撃と思われたその一撃は、死角から飛び込んできた
“霜天龍”の勇猛なる斬撃によって、再び阻まれる事となる。あの弱虫な
竜は、もう何処にも居ない。フィオナは元よりウィブリオもまた、信じる
主の為に全てを賭けて、守り通そうとしているのだ。それは魔剣も同じ!
“霜天龍”の勇猛なる斬撃によって、再び阻まれる事となる。あの弱虫な
竜は、もう何処にも居ない。フィオナは元よりウィブリオもまた、信じる
主の為に全てを賭けて、守り通そうとしているのだ。それは魔剣も同じ!
「ええ。貴女に答えを示す為に、一杯自分を磨きましたの」
「ならば、見せてもらおうか……せぁッ!!」
「ここからは、益々本気ですの……フィオナッ!」
『Yes,sir(合体します)』
「ならば、見せてもらおうか……せぁッ!!」
「ここからは、益々本気ですの……フィオナッ!」
『Yes,sir(合体します)』
その信じる剣を掲げて、ロッテは“戦乙女”の姿を久々に取り戻した!
上半身を“アルファル”の鎧で包み込み、脚をウィブリオに接続して、
今度は敢えてボウガン形態とせず、ライナスト本体を握りしめたのだ。
それを見たフリッグは、勢いよく青き剣を振り抜き……光を撃ち出す!
上半身を“アルファル”の鎧で包み込み、脚をウィブリオに接続して、
今度は敢えてボウガン形態とせず、ライナスト本体を握りしめたのだ。
それを見たフリッグは、勢いよく青き剣を振り抜き……光を撃ち出す!
「高速戦闘なら、アーンヴァルタイプの十八番ですの!ウィブリオっ!」
『キュイッ!キュィィーッ!!』
「ぬ、速い……!?それに、あの剣。放電量が増えている……!」
「“疾く、疾く!速き翼を広げる力で、天を覆え!”」
『キュイッ!キュィィーッ!!』
「ぬ、速い……!?それに、あの剣。放電量が増えている……!」
「“疾く、疾く!速き翼を広げる力で、天を覆え!”」
だが身を縮ませ翼を畳み、デルタ翼の様な空力特性を得たウィブリオと、
その上で天使の翼を広げるロッテの力によって、光は間一髪避けられる。
その間、必死にコマンドワードを紡ぐロッテは時折剣を振り抜き、雷撃を
フリッグに浴びせかけた。だが、こちらも極みに達した見切りで避ける。
さながら白と青の輪舞曲とも形容出来そうな、超高速の戦いが始まった!
その上で天使の翼を広げるロッテの力によって、光は間一髪避けられる。
その間、必死にコマンドワードを紡ぐロッテは時折剣を振り抜き、雷撃を
フリッグに浴びせかけた。だが、こちらも極みに達した見切りで避ける。
さながら白と青の輪舞曲とも形容出来そうな、超高速の戦いが始まった!
「アーンヴァルの特性は、ただ飛べるというだけじゃないのですのっ!」
「何、どういう事だ……ふぅんっ!!」
「くっ、それは『高速で飛翔しながら、安定して戦える』事ですの!」
「……なんだと!?それは、どういう……ぐぁっ!?」
「こういう事ですの!!」
「く……!」
「何、どういう事だ……ふぅんっ!!」
「くっ、それは『高速で飛翔しながら、安定して戦える』事ですの!」
「……なんだと!?それは、どういう……ぐぁっ!?」
「こういう事ですの!!」
「く……!」
時には離れ、瞬時に肉薄する。剣で斬り付けたかと思えば、剣風で相手を
薙ぎ払う。フリッグは“ソードダンサー”の出力で、見事応じてみせた。
だが、遂にロッテがフリッグの後を取った!その隙を狙って撃ち出された
白き雷は、強かにフリッグの背中を打ち据える……待て、“白”だと!?
薙ぎ払う。フリッグは“ソードダンサー”の出力で、見事応じてみせた。
だが、遂にロッテがフリッグの後を取った!その隙を狙って撃ち出された
白き雷は、強かにフリッグの背中を打ち据える……待て、“白”だと!?
「ぅ……先程までとは、剣に宿る雷の質が変わっている!?」
「これが、わたしの決意ですの。わたしの心、わたしの真心ですの!」
「何……!?」
「わたしは……わたしはっ!」
『キュイッ!!』
「これが、わたしの決意ですの。わたしの心、わたしの真心ですの!」
「何……!?」
「わたしは……わたしはっ!」
『キュイッ!!』
意識しない内にロッテも高ぶってきたのか、その顔に覇気が宿る。しかし
魂は何処までも穏やかに、決して純粋な輝きと大切な“心”を忘れない。
その在り様こそ、ロッテが“大事な言葉”を見つける契機となったのだ!
魂は何処までも穏やかに、決して純粋な輝きと大切な“心”を忘れない。
その在り様こそ、ロッテが“大事な言葉”を見つける契機となったのだ!
「わたしは、大切な……“大好きな人”の笑顔を取り戻しますのッ!!」
『な、何ッ……ロ、ッテ……ッ!?』
『ふぇ……ロッテちゃん、貴女……そんな、ハッキリと……』
『これが、ロッテお姉ちゃんの……そして、ボクらの“心”!?』
「いいだろう。ならば、私を退けてみせろ……“愛する主”の為に!」
『な、何ッ……ロ、ッテ……ッ!?』
『ふぇ……ロッテちゃん、貴女……そんな、ハッキリと……』
『これが、ロッテお姉ちゃんの……そして、ボクらの“心”!?』
「いいだろう。ならば、私を退けてみせろ……“愛する主”の為に!」
──────曇りのない、澄んだ心。それは眩しすぎる、光なんだね。