そして姫を護る、神竜へ(後半)
暢気にじゃれ合う竜達を横目に、アルマ達三人の神姫は己の服に新たなる
パーツを付け足していく。まずは“セイクレール”だ。大柄のケープに、
長手袋とブーツ。そして、四肢に嵌め込む“リング”で構成されている。
ケープの留め金には、“階級章”を用いたペンダントヘッドを流用する!
これで“シルフィード”標準装備のロザリオを併用出来る、という訳だ。
パーツを付け足していく。まずは“セイクレール”だ。大柄のケープに、
長手袋とブーツ。そして、四肢に嵌め込む“リング”で構成されている。
ケープの留め金には、“階級章”を用いたペンダントヘッドを流用する!
これで“シルフィード”標準装備のロザリオを併用出来る、という訳だ。
「流石マイスターなんだよ、デザインも色味もボクらにぴったりだもん」
「“シルフィード”のデザインも殺さないですしね、良い感じですっ♪」
「後は、この盾を利き腕の逆に嵌めて武器を持って……出来ましたの~」
「よし!では早速、見せてやれ……私もそうだが、何より彼女らにな?」
『グオオオォォンッ♪』
「“シルフィード”のデザインも殺さないですしね、良い感じですっ♪」
「後は、この盾を利き腕の逆に嵌めて武器を持って……出来ましたの~」
「よし!では早速、見せてやれ……私もそうだが、何より彼女らにな?」
『グオオオォォンッ♪』
待ちこがれたッ!という感じの“プルマージュ”達が一斉に飛びかかる!
そう、彼女らは全機飛行能力を備えている。“霜天龍ウィブリオ”は特に
空中戦志向だが、他の二機もそれなりの大推力を持って飛翔出来るのだ。
対する神姫達の姿は、“レーラズ”の姿とも違い非常にスタイリッシュ。
一方で少女らしい可憐さも忘れておらず、“竜と騎士”の対比……と共に
“竜とお姫様”の対比も象徴している。後は、それらに見合う“竜”だ!
そう、彼女らは全機飛行能力を備えている。“霜天龍ウィブリオ”は特に
空中戦志向だが、他の二機もそれなりの大推力を持って飛翔出来るのだ。
対する神姫達の姿は、“レーラズ”の姿とも違い非常にスタイリッシュ。
一方で少女らしい可憐さも忘れておらず、“竜と騎士”の対比……と共に
“竜とお姫様”の対比も象徴している。後は、それらに見合う“竜”だ!
「もうウィブリオってば、そんなに待たされて不安だったんですの~?」
『キュィィッ……!キュイイ、キュィッ!』
「ん……そんな絡みつかれるとボク苦しくなりそうだよ、リンドルムっ」
『クルルッ、クル!クルルッ!』
「ファフナーも、落ちついてくださいってば!突進しちゃダメですっ!」
『グァウウッ!グァッ!』
『キュィィッ……!キュイイ、キュィッ!』
「ん……そんな絡みつかれるとボク苦しくなりそうだよ、リンドルムっ」
『クルルッ、クル!クルルッ!』
「ファフナーも、落ちついてくださいってば!突進しちゃダメですっ!」
『グァウウッ!グァッ!』
……その成果は遠くに見えていた、が。私はその考えを一瞬で改める。
何故か、だと?私の足下をうろつく、三つの“機影”が見えたのでな?
作業台の方を見れば、クララが案の定後手に“ヘル”を用意していた。
そして、その時は訪れる。力を振りかざすファフナーの突進が契機だ!
何故か、だと?私の足下をうろつく、三つの“機影”が見えたのでな?
作業台の方を見れば、クララが案の定後手に“ヘル”を用意していた。
そして、その時は訪れる。力を振りかざすファフナーの突進が契機だ!
『きゃああああああっ!?!!』
『グァ……?アアアッ!?』
『クル!?クルゥウッ!?!』
『キュィィイーッ!!』
『グァ……?アアアッ!?』
『クル!?クルゥウッ!?!』
『キュィィイーッ!!』
その優しさに欠けた一撃で、クララは無論ロッテやアルマまでが跳ねた!
軌道は大きく放物線を描き、三人は『一塊りとなって』台から落下する。
──────そこからは刹那。気高き“竜の魂”は、危急を見過ごさぬ!
軌道は大きく放物線を描き、三人は『一塊りとなって』台から落下する。
──────そこからは刹那。気高き“竜の魂”は、危急を見過ごさぬ!
『キュ、キュィィィィーッ!!』
『クルゥンッ!クルルルゥッ!?』
『グァオンッ!!』
『クルゥンッ!クルルルゥッ!?』
『グァオンッ!!』
最初に動いたのは、スピード特化の“ウィブリオ”。彼女は“本能的”に
翼をはためかせ、作業台の下へと飛翔したのだ!それを、波打つ様にして
“リンドルム”が追い掛け、最後に“ファフナー”が走って飛び降りる!
全ては、己の未熟で危機に陥った“護りたい者”を救い出す為に……だ。
翼をはためかせ、作業台の下へと飛翔したのだ!それを、波打つ様にして
“リンドルム”が追い掛け、最後に“ファフナー”が走って飛び降りる!
全ては、己の未熟で危機に陥った“護りたい者”を救い出す為に……だ。
「きゃうっ!……“ヘル”の反動、じゃないですの。これってまさか?」
「そのまさか。みたいだよ。危険を冒して一芝居打った甲斐があるもん」
「失敗してもいい様に“アルファル”は呼んでおきましたけど……ふぅ」
「そのまさか。みたいだよ。危険を冒して一芝居打った甲斐があるもん」
「失敗してもいい様に“アルファル”は呼んでおきましたけど……ふぅ」
そして、その志は実った。三機の竜は、己の躯を張って落下せんとする
神姫達を見事受け止めたのだ!尤もクララが咄嗟に張った“ヘル”で、
床への落着はしない様に細工が施されていたし、万一の場合でも床下に
隠れていた“アルファル”がキャッチする手筈になっていた様だがな?
神姫達を見事受け止めたのだ!尤もクララが咄嗟に張った“ヘル”で、
床への落着はしない様に細工が施されていたし、万一の場合でも床下に
隠れていた“アルファル”がキャッチする手筈になっていた様だがな?
『キュィ、キュイッ!?』
「ええ、もう大丈夫ですのウィブリオ♪やればちゃんと出来ますの~♪」
『Yes,sir(評価出来る仕事です)』
『グゥゥゥ……』
「えと、しょげないでくださいファフナー。助けてくれましたし、ね!」
『No problem(これなら心配は無いようです)』
『クルルル、クルルッ』
「甘えるだけじゃなくて“役”を果たす……出来るかな、リンドルム?」
『Ja(問題ないでしょう)』
「ええ、もう大丈夫ですのウィブリオ♪やればちゃんと出来ますの~♪」
『Yes,sir(評価出来る仕事です)』
『グゥゥゥ……』
「えと、しょげないでくださいファフナー。助けてくれましたし、ね!」
『No problem(これなら心配は無いようです)』
『クルルル、クルルッ』
「甘えるだけじゃなくて“役”を果たす……出来るかな、リンドルム?」
『Ja(問題ないでしょう)』
下手すれば自らの破損さえ有り得た荒療治だが、本能を刺激する意味では
大いに効果があった様だ。事実、“竜”達は先程までと全く違った動きを
見せている。未だ覚束ぬ所はあるが、しっかりと主を背に乗せて飛翔した
その動きから無駄や迷いは凡そ消え失せ、“竜の威厳”の片鱗が見える。
大いに効果があった様だ。事実、“竜”達は先程までと全く違った動きを
見せている。未だ覚束ぬ所はあるが、しっかりと主を背に乗せて飛翔した
その動きから無駄や迷いは凡そ消え失せ、“竜の威厳”の片鱗が見える。
「しかしここまで“プルマージュ”達に“本能”が宿るとはな。意外だ」
「やって出来ない事はないですの!この娘達もわたし達も、そして……」
「……マイスターだって、“アルファル”達だってそうなんだよ?うん」
「だから、第一段階はクリア。もっと絆と経験を深めていくんですっ!」
『グォォォンッ!!!』
「やって出来ない事はないですの!この娘達もわたし達も、そして……」
「……マイスターだって、“アルファル”達だってそうなんだよ?うん」
「だから、第一段階はクリア。もっと絆と経験を深めていくんですっ!」
『グォォォンッ!!!』
皆の殊勝な態度に、私はある部品を取り出した。本来ならばもう少し後で
ロッテ達三姉妹に与える筈の物……それは、半透明のプラスチック片だ。
“階級章”を嵌め込んだペンダントを覆う様に装着する、ハードカバー。
更に、このカバーには“コレ”と同じ意匠の“紋章”が刻んであるのだ。
私は“それ”を……常時首から下げて服に隠している物も、取り出した。
ロッテ達三姉妹に与える筈の物……それは、半透明のプラスチック片だ。
“階級章”を嵌め込んだペンダントを覆う様に装着する、ハードカバー。
更に、このカバーには“コレ”と同じ意匠の“紋章”が刻んであるのだ。
私は“それ”を……常時首から下げて服に隠している物も、取り出した。
「マイスター、これは……“階級章”のカバーですの?でもこの印……」
「そう、このペンダントを模した“剣の紋章”だ。以前も使っていたぞ」
「え?……あ、旧バージョンの“W.I.N.G.S.”で使ったペンダント!?」
「その通りだアルマよ!これは私の宝なのでな、是非復活させたかった」
「……マイスターと改めてお揃い、って事になるのかな?嬉しいんだよ」
「照れる事を言うなクララッ!さ、“竜”達との訓練を見せておくれ?」
『はいっ!!!』
『グォォォンッ!!!』
「そう、このペンダントを模した“剣の紋章”だ。以前も使っていたぞ」
「え?……あ、旧バージョンの“W.I.N.G.S.”で使ったペンダント!?」
「その通りだアルマよ!これは私の宝なのでな、是非復活させたかった」
「……マイスターと改めてお揃い、って事になるのかな?嬉しいんだよ」
「照れる事を言うなクララッ!さ、“竜”達との訓練を見せておくれ?」
『はいっ!!!』
『グォォォンッ!!!』
──────深まる魂と心の絆、その果てに何が見えるのかな?