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えむえむえす ~My marriage story~

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「主よ、今日は良い天気だな」
「まさに秋晴れね」
 空はどこまでも高く、澄みきっていた。
 しかし、その陽射は僅かに夏の気配を残している
 主は陽光の中、ゆっくりと歩いている。無論、私も一緒だ。
 私は主の肩に座り、主と同じ光景を見ている。
「椛が色づき始めたみたいね」
 人通りの少ない、細い路地。
 左右はコンクリートの塀で埋め尽くされているが、その向こう側には一本の紅葉の木が佇んでいる。
「このまま気温が下がり続ければ、直ぐに紅くなろう」
 紅葉とは気温が下がり、日照時間が短くなると発生する現象だ。
 今の調子でいけば、来週頃には紅く色づくだろう。
「そうね……この椛は立派だから、きっと綺麗でしょうね」
 成程、幹の下半分は塀に隠れて見えないが、枝は太く葉はどれも大きい。
 静かな力強さ、そんなものを感じる椛だ。
「植物とは不思議なものだ」
 この力強い椛が、紅く染まった光景を思い浮かべながら呟く。
「葉の色が違うだけで、印象がだいぶ違う」
「それは人も同じよ……私も髪を結えたり、染めたりすれば印象が変わるかもしれないわよ?」
 そう言うと、主は腰まで届く長い髪をひと房持ち、手で弄んだ。
 確かに、この主が髪を縛り、染めて見た場合、印象は違うだろう。
「そんな主も見てみたいものだ」
「じゃあ、この椛が紅葉したら試してみようかしら」
 私に微笑みながら、主は再び歩き出した。
 目指す先は、学校だ。


 主の通う高校は、私立高校だと言う。
 県内でもそこそこ名の知れた高校らしく、生徒はかなり多いそうだ。
 私のデータ内の情報とも、それは合致している。
「人が一杯居るな、主」
「今が丁度通学のピークだからね」
 目指す高校は住宅街から少し逸れた場所にあり、大きな道路と面している。
 大抵の生徒はこの大きな道路を通る為、必然的に人が集中するのだろう。
「神姫が多いな」
「そういう学校ですもの」
 主の肩に座る私を含め、大抵の生徒は神姫を連れていた。
 オーナーの周りを旋回するアーンヴァル。
 頭の上で跳ねるマオチャオ。
 鞄の中から首だけを出している紅緒。
 オーナーの上着に入り込んでいるジュビジー。
 石を投げれば神姫に当たるのでは無いかと思うくらいだ。
「よぉ」
 不意に、背後から声がした。
 声質は低く、活力が感じられない声。
 恐らく、男性か。
「あら、宗太。今日は早いのね」
「あんま遅刻ばっかってのもアレだしな」
「まだ一年目なのに半分以上遅刻だものね」
「仕方ねーだろ。授業料稼がなきゃならねーんだから」
「お疲れさまね」
 ぼさぼさの髪の毛、眠そうな目、だらしない制服。
 いささか失礼だが、我が主と親しげに会話しているが、少し不自然だ。
「お、神姫買ったのか」
 うっすらとクマの見える目が、私を捉えた。
 私は反射的に目を逸らした。
「一昨日お迎えしたのよ」
 主の嬉しそうに聞こえる声が、少し痛い。
「それにしては随分懐いてるな……俺は越裏宗太だ、よろしく」
「エウクランテのシルフィだ。よろしく、越裏殿」
「……へぇ」
 越裏殿の目が軽く見開かれた。
 まるで、何かに驚いているようだ。
 何か、おかしい所があったのだろうか。
「サイフォスみたいな性格だな」
 私の訝しげな様子が伝わったのか、越裏殿はそう言った。
 神姫の性格はCSCによって左右されるというが、ある程度の傾向はあるとされている。
 サイフォスと言えば騎士型武装神姫。名の通り、騎士道精神に溢れ忠義を何よりも重んじると言うが……。
「そうかしら。サイフォスはパーシしか知らないけど、シルフィはパーシには似てないと思うわよ?」
「ま、神姫の性格はCSC次第だかんな。サイフォスっぽいエウクランテがいても何の不思議もねーわな」
 そう言うと、越裏殿は軽く笑いかけてこられた。
「それは褒め言葉であろうか?」
「そんなもんだーな」
「そうか。越裏殿、御褒めに与り光栄だ」
「……宗太でいーよ。そんな下手に出られるとヘンな感じだ」
 越裏殿……宗太殿は笑顔が良く似合う。
 無表情だと少々近寄りがたい印象だが、一度笑うと安心できるような雰囲気に変わる。
「良かったわ、仲良くなれそうね」
 その時、遠くから鐘が響いた。
 それを聞いた主と宗太殿を始め、周囲の生徒の動きが変わった。
「さーて、話し込んでたらもうこんな時間だな」
「……走るのなんて久しぶりだわ」


「主よ、大丈夫か?」
「……ええ……何んとか、ね」
 ここは既に学校の敷地内、主の教室だ。
 主はあの予鈴の後、大急ぎで教室まで駆けたのだった。
 主は想像通り、余り運動が得意でない様子で、椅子に座りながら肩で息をしている状態だ。
「加奈美、ほれ」
「……ありがとう」
 一方、宗太殿は主の荷持つと私を抱えて走り、一旦ここ―――三階にある教室―――に荷物と私を置き、一階の自販機に向かい、主を引っ張って来たのだ。
 主に今渡した炭酸飲料はその時買って来たものだ。
「宗太殿は運動が得意なのか?」
 汗一つ掻いていない宗太殿に聞いてみた。
「得意ってーかアレだな。毎日バイトしてっから自然と体力付いてるだけだな」
 そう言って、宗太殿は炭酸飲料を一気に飲み干した。
「加奈美、お前は相変わらず運動できねーのな。ちっとは運動したらどうだ?」
「……私は頭脳労働派なのよ」
「わーってるよ。まぁ、今日も頼むぜ」
 その時、丁度朝のHRの始まりを告げるチャイムが鳴り、宗太殿は涼しい顔で主の隣に座った。
 それとほぼ同時、気の弱そうな教師が表れ、何事か話し始めた。
 朝の連絡事項だろうが、私がそれを聞いても仕方が無い。
 手持無沙汰になった私は教室をぐるりと見渡した。
 教室に中には30名程の生徒が居る。
 机と机の感覚は人一人通れる程度で、普通の人口密度だろう。
 主の席、即ち私が居る席は窓側に面した席だ。
 教室が三階である事も合わさってここからはかなり遠くのものまで見える。
「シルフィ、何か面白い物が見える?」
 すっかり呼吸が整い、元に戻った主だ。
「面白いものは無いが、遠くまで良く見える」
 HRは終り、教室は静かな喧騒に包まれている。
 壁にかけられた時間割に目を向けると、一時間目の授業まで数分ほど時間があった。
「主よ、私は授業中はどうすればよろしいか」
「何時もと同じで大丈夫よ」
「了解だ、主よ」


 時刻は、12時30分。昼休みの時間だ。
 次の授業は13時20分から。昼食を取り、身体を休めるには充分だろう。
「シルフィ、食堂に行きましょうか」
「了解だ」
 そう答え、主の肩に飛び乗る。
 ここは私の定位置だ。
「主よ、宗太殿はあのままでよろしいのか」
「そうね、忘れてたわ」
 机に突っ伏し、静かに寝息を立てながら眠る宗太殿。
 主は宗太殿の積の横に立ち、その身体を軽く揺すった。
「宗太、もうお昼よ」
 主はそう声をかけたが、宗太殿は一向に起きる気配が無い。
「宗太。食堂に行きましょう」
 身体を揺する力を強めるが、宗太殿は一切反応しない。
 気付けば、周囲から視線を感じる。
「もう。今日はいつもに増して熟睡してるのね」
 やや立腹した様子で主は言った。
 周囲からの視線には気付かない様子だ。
「宗太、起きないと……」
 そう言うと、主は自身の机に置かれた分厚い辞典を持ち上げた。
 そして、それを宗太殿の頭上にかざし、
「こうするわよ」
 手を放した。
 主の手、という支えを失った辞典は重力に引かれて真っ逆様。
 宗太殿の頭上目掛けて落下した。
 ガコ。という音と、何か空気が漏れるような声がした。
「……加奈美よぉ、お前はもう少しマシな起こし方は出来ないのかねぇ」
 後頭部を押え、よろよろと起き上がる宗太殿。
 寝起きの頭にあの衝撃だ。ダメージは相当だろう。
「じゃあ宗太も起きる努力して貰えるかしら?」
 しかし、主の言葉にも一理はある。
 宗太殿はばつが悪そうに目を逸らすと、教室を後にした。
「宗太は昔っからああなのよ?」
 困った様に、しかし嬉しそうに主は笑った。
 私も釣られて、笑った。









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