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回の02「朔とそして……」




 瞼が開く
 初めてその瞳に写る世界。
 そして初めてその目が認識する一人の顔。
 その存在はきっと、お互いにとって尊く……



 その神姫は『朔(さく)』と名づけられた。長い髪が風に揺れる。
「『せっちゃん』は複数の神姫をいっぺんに持つようなタイプに見えないのだけど、なぜあたしを起こしたのだ?」
 朔は自身のオーナーの名前をもじり、『せっちゃん』と呼ぶ。
 オーナーの友人が朔にそう登録し、そしてオーナー自身もそれを了承したのだから、朔にとってオーナーとは『せっちゃん』である。
 『せっちゃん』は朔の問いに答えて笑う。そして「だけど」と言葉を紡いだ。
「そうだね。原因はどうあれ、『せっちゃん』があたしをちゃんと大事にしてくれているの判るよ」
 『せっちゃん』の言葉に満足し、朔はうれしそうに笑った。
 実際、『せっちゃん』は朔と元々いた神姫――姉といっても良い存在――とを隔てることなく接してくれる。
 それでいて姉と朔をそれぞれの個性を持った『家族』、『友人』として認識してくれている。
 それは『せっっちゃん』が神姫を都合の良い玩具以上の存在と認識してくれている証明だと、姉は言っていた。
 確かにお気に入りの玩具に飽きて新しい玩具を購入した、といった空気を朔は感じる事はない。
 ただ、それが幸せな事だと言った姉の言葉も、実感は出来なかった。
 だから、
「ねーちゃんはそれが幸せだって実感できるのだなぁ」
 という感心したような朔の呟きに、姉が複雑な顔をした理由が判らなかった。



 初めて自分で神姫を初起動させた晩。僕は変な緊張から来る疲れで、早々にベッドに横になる。
 別に眠るわけじゃないけど、とにかく体を横にしたかった。
 ティキは初めてできた妹にはしゃいでいたから、今は二人の自由にさせている。
 そういえばあの娘が目を開けた時、まるで計ったかのようなタイミングで式部敦詞が家に来た。
 すでにもう当たり前になっていて、今更怒る気にもなれないけど、無断で家に侵入。
 あの娘が初起動するのを見てなぜか大興奮。よりにもよってオーナー呼称を勝手に登録しちゃうし。いや、まあ、僕もそれでかまわないって言ったわけだから、敦詞を責めるのはお門違いもいいところなんだけど。
 いや、アイツにしては許容範囲な呼称だった、って言うのが大きいんだけどね。
「マスタ、寝てしまったのですかぁ?」
 ティキの声がすぐそばで聞こえた。色々思い出していて、ティキが近づくのにまるで気が付かなかった。
 それにどうやら僕は目を瞑っていたらしい。
「いや、まだ寝てないよ」
 そう言うと僕はゆっくりと瞼を開く。
 目の前に、僕を至近で覗き込む二つの顔が、悪戯めいた笑みでそこにあった。
「へ?」
 その二人の表情が何を意味するか僕が理解する前に……
「「むぎゅー」」
 二人は声を合わせて僕の顔に飛び乗る。
「ちょ、ちょ、ちょっと待てーーー!!」
 神姫の体って、当たり前に女の子を連想されるくらいに柔らかいんだよ!?
「「ぎゅーーーーー」」
「?○×△☆※□¥!~~~」
 だから、抱きついたり、したら、ダメーーー!!!



 朔にとって『せっちゃん』の部屋はとても広く感じられる。
 それがこの家全体だと、それは途方も無いほどに。
「あたしの『世界』がまだ狭いから……かな?」
 部屋の中を行ったり来たりしながら朔は呟く。
 姉の言葉を信じるなら、やはりこの部屋は広いらしい。
 しかし朔にはそれがまだ実感として感じられない。
 比べるべき対象がまだ朔の内に存在していないから。
 『せっちゃん』は明日になれば外に連れて行ってあげる、と言っていた。
「外にでたら、あたしの『世界』も広がるのかな?」
 そう呟くと、なんだかそれがとてもうれしい事のように感じて。
 朔は笑う。



 何とか天国のような地獄から抜け出した僕は、心底疲れを感じて少し早めの就寝を決意。
 だって、ティキたちのはしゃぎっぷりは無理やりにでもクレイドルに寝かせなければ収まりそうに無かったし、何よりあのテンションについていけるほどのバイタリティーは今の僕には無い。
 ようやくおとなしくなった二人の、鮮やかな緑色の髪とつややかな乳白色のポニーテールをなでてから、僕は部屋の電気を消し再びベッドに横になった。
 目を瞑ると、今日あったことが自然と脳裏に浮かぶ。
 そういえば夕方、結城さんが焔と新しい神姫をつれて店に来たっけ。
 結城さんの新しい神姫は白いストラーフで起動したばかりらしい。
「まさか藤原君も新しい神姫を起動していたなんて。しかも、ウチの娘と対になっている黒いアーンヴァルかぁ」
 そう言って、結城さんはうれしそうな顔をした。
 綺麗という印象が強いその顔が、とても可愛く見える。
 けど。
 なんて言うか、今は結城さんが僕の事でうれしそうにするのはマズイ気がする。
 僕だって鈍感じゃないし、ある程度人から寄せられる好意は判るつもりだから、結城さんが抱いているだろう好意は、ちょっと困る。
 結城さんだからって訳じゃない。いや、ある意味では結城さんだから、ダメなんだ。
 ただそれは、どうしようもないくらいに自分本位なだけの、そんな理由で。
 さりとて避けるわけにもいかず、何より友人としてはこれからだって付き合っていきたいわけで……
そんな自分のエゴに、さすがに嫌悪する。
「ハァ~」
 大きくため息をつく。
 ヤメヤメ。もう、寝ちまえ。
 考える事を放棄して、僕は今日から二つ並んだクレイドルに向かって声をかける。
 もちろん、二人はすでにスリープしてるんだけど。
「おやすみティキ、そして――」



「朔、そろそろ寝るわよー」
 『せっちゃん』の声が聞こえる。
「今行くよー」
 朔は元気に返事をする。クレイドルのそばに居る姉が優しい顔で朔を見た。
「ねー『せっちゃん』、あたし焔ねーちゃんと一緒に寝たいのだよ」
 朔のその言葉に焔は少し頬を染め、『せっちゃん』と呼ばれた結城セツナは苦笑する。
「ゴメンね、朔。ウチにあるクレイドル、二人用の無いのよ」
「「えーーーー」」
 セツナの言葉に、焔と朔は落胆の声をあげた。



「――ティキ、そしてユーラ」
 そう言って、僕はまどろみに身をゆだねた。


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