鋼の心:番外編 ~Eisen Herz~
武装劇団
演目その一。
勧進帳。
配役
源義経 :フェータ
武蔵坊弁慶:アイゼン
山伏1 :セタ
山伏2 :レライナ
富樫左衛門:マヤア
源義経 :フェータ
武蔵坊弁慶:アイゼン
山伏1 :セタ
山伏2 :レライナ
富樫左衛門:マヤア
ナレーション:デルタ1
時は鎌倉文治2年。
平家を打ち滅ぼした義経は、兄頼朝に疎まれて都を追わるる身となった。
追っ手の眼を欺くべく、山伏姿に身をやつし、越えるは加賀の国は安宅(あたか)の関。
平家を打ち滅ぼした義経は、兄頼朝に疎まれて都を追わるる身となった。
追っ手の眼を欺くべく、山伏姿に身をやつし、越えるは加賀の国は安宅(あたか)の関。
富樫(マヤア)「あいや、待たれい。そこなる山伏!!」
弁慶(アイゼン)「なんぞ我らに不審の目でも? 我らは寺の再建に、勧進(寄付)求めて行脚の身。さて、この身を呼び止めるは如何なる訳か?」
富樫(マヤア)「そこな若者、その顔は、手配書にある大罪人、源義経に瓜二つ。よもや彼の者の変装にはあるまいな?」
弁慶(アイゼン)「こ奴はただなる山伏が一人。義経などではあいござらぬ。さりとて我らを疑うか?」
富樫(マヤア)「我が名は関主、富樫左衛門。この安宅の関を預かる身。さすれば、いと怪しげなその面(おもて)。山伏といえども通すにあたわず」
弁慶(アイゼン)「なんと、こ奴のこの面、この所為にて我らが勧進、道のり半ばで潰えたるか!? ええい、憎きはこ奴のこの面。この面のその所為で、我らが勧進ここにて潰えぬ!! こ奴の所為で!! こ奴の所為で!!」
弁慶(アイゼン)「なんぞ我らに不審の目でも? 我らは寺の再建に、勧進(寄付)求めて行脚の身。さて、この身を呼び止めるは如何なる訳か?」
富樫(マヤア)「そこな若者、その顔は、手配書にある大罪人、源義経に瓜二つ。よもや彼の者の変装にはあるまいな?」
弁慶(アイゼン)「こ奴はただなる山伏が一人。義経などではあいござらぬ。さりとて我らを疑うか?」
富樫(マヤア)「我が名は関主、富樫左衛門。この安宅の関を預かる身。さすれば、いと怪しげなその面(おもて)。山伏といえども通すにあたわず」
弁慶(アイゼン)「なんと、こ奴のこの面、この所為にて我らが勧進、道のり半ばで潰えたるか!? ええい、憎きはこ奴のこの面。この面のその所為で、我らが勧進ここにて潰えぬ!! こ奴の所為で!! こ奴の所為で!!」
弁慶、手にした金剛杖で、打ち据えたるはその主。源義経に他ならぬ。
怒りの形相その裏で、流したるは滂沱の涙。
己が主君を打ち据えて、されども越えねばならぬが安宅の関。
怒りの形相その裏で、流したるは滂沱の涙。
己が主君を打ち据えて、されども越えねばならぬが安宅の関。
弁慶(アイゼン)「こ奴の所為で!! こ奴の所為で!! こ奴の所為で!!」(←ゾクゾクしてきた)
義経(フェータ)(ちょっ、アイゼンさん痛いです)
義経(フェータ)(ちょっ、アイゼンさん痛いです)
…。
弁慶(アイゼン)「こ奴の所為で!! こ奴の所為で!! こ奴の所為で!! はぁはぁ」(←楽しくなってきた)
義経(フェータ)(アイゼンさん? アイゼンさん!?)
義経(フェータ)(アイゼンさん? アイゼンさん!?)
あいや、弁慶。もう充分なれば、そこらで杖を収めたり。
弁慶(アイゼン)「こ奴の所為で!! こ奴の所為で!! こ奴の所為で!! あはははははははは………!!」
義経(フェータ)「だっ、誰か、助けて~!!」
義経(フェータ)「だっ、誰か、助けて~!!」
べっ、弁慶殿ご乱心!! 各々方取り押さえよ!!
山伏1(セタ)「ごめん仕る、弁慶殿!!」
山伏2(レライナ)「狼藉はそこまでじゃ!!」
弁慶(アイゼン)「あははははははははは………!!」
―――ドガガガガガガガガガッ!!
山伏1(セタ)「きゃー!?」
山伏2(レライナ)「なんとー!?」
山伏2(レライナ)「狼藉はそこまでじゃ!!」
弁慶(アイゼン)「あははははははははは………!!」
―――ドガガガガガガガガガッ!!
山伏1(セタ)「きゃー!?」
山伏2(レライナ)「なんとー!?」
あいや弁慶、取り出したるは身の丈ほどのガトリングガン。
所構わず撃ちまくり、あたり一面大惨事。
所構わず撃ちまくり、あたり一面大惨事。
義経(フェータ)「誰かー、誰かー!! 弁慶殿がご乱心。って言うか助けて~!!」
―――チュド~ン!!
―――チュド~ン!!
続いて弁慶取り出したるは、左右二門の滑空砲…、ってマジで冗談になってませんですよ!?
だれか、弁慶を!! 弁慶さんを止めてー!!
だれか、弁慶を!! 弁慶さんを止めてー!!
弁慶(アイゼン)「あ~っはっはっはっはっはっはっはっはっはっ………!!」
かくして安宅の関は灰塵と化し、義経一行陸奥へと下る。
富樫(マヤア)「…って言うか、それだけ強ければ頼朝倒せちゃうだろ、逃げなくてもいいじゃん!!」
山伏2(レライナ)「ええい、弁慶!! そこに直れ!! 騎士を愚弄した罪を思い知らせてやるぅ!!」
山伏1(セタ)「レライナさんダメだよぅ。お芝居、お芝居~!!」
弁慶(アイゼン)「あ~っはっはっはっはっはっはっはっはっはっ………!!」
山伏2(レライナ)「ええい、弁慶!! そこに直れ!! 騎士を愚弄した罪を思い知らせてやるぅ!!」
山伏1(セタ)「レライナさんダメだよぅ。お芝居、お芝居~!!」
弁慶(アイゼン)「あ~っはっはっはっはっはっはっはっはっはっ………!!」
ええと、かくして舞台は大混乱。これにて閉幕と相成りぬ…。
幕
舞台裏
アイゼン「申し訳ありません。つい興奮してしまいました」
祐一「舞台装置めちゃくちゃだな…」
アイゼン「せめて模擬弾を使うべきでした」
レライナ「そもそも発砲するなぁ!!」
祐一「舞台装置めちゃくちゃだな…」
アイゼン「せめて模擬弾を使うべきでした」
レライナ「そもそも発砲するなぁ!!」
武装劇団の演目です。
第一弾は勧進帳。
いきなりマイナーネタですが、源義経は有名なはず。
実話では弁慶が架空の勧進帳を読み上げるシーンがあるのですが、作中では大胆にカットしています。
つまり、もはや勧進帳ではない…。
第一弾は勧進帳。
いきなりマイナーネタですが、源義経は有名なはず。
実話では弁慶が架空の勧進帳を読み上げるシーンがあるのですが、作中では大胆にカットしています。
つまり、もはや勧進帳ではない…。
あれ、じゃあこのタイトルって…。なALCでした。