「ちょ・・・・ちょっと・・・・ここまでくれば・・・もう・・・いいんじゃない!?」
「え、あ、そ、そうだ、ね」
「え、あ、そ、そうだ、ね」
*
クラブハンド・フォートブラッグ
*
第十七話
クラブハンド・フォートブラッグ
*
第十七話
『大きな壁』
散々走った私達は息切れをして、傍にあったベンチに座り込んだ。
・・・・八谷ったら、私の手を握ったまま全力疾走するんだもん。男と女じゃ体力に差がありすぎるわ・・・。
「ご、ごめんね七瀬・・・大丈夫だった?」
「・・・あんたのお陰でね。八谷は・・・ああもうやっぱり汚れてるじゃない。ほら動かないで」
ポケットティッシュを取り出し八谷についた汚れを拭き取る。
その間本人は真っ赤になってそっぽを向いていた。
・・・・私まで恥ずかしくなってくるからやめて欲しいんだけどな。
「あ、ありがと・・・」
「ん・・・・うん・・・」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
・・・空気が重い。
「・・・・・・これ、買ってきたわよ」
とりあえず抱えてたスポーツドリンクのペットボトルを八谷に押し付ける。
今のところ・・・それくらいしか出来なかったし。
「あ、ありがと・・・」
そういって八谷はフタを回し始めた。
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
・・・・やっぱり空気が重い。
八谷は・・・なんだか落ち込んでるらしい。
特に格好悪いところはなかった用に思うけど。
「・・・・言い忘れてたけど、さっきはありがと」
何となく、口をついて感謝の言葉が出てきた。
と、八谷は少し笑って言った。
「はは。七瀬からお礼言われるとなんか不思議な感じだ。・・・別にいいよ。さっきだって怖くて仕方が無かったし・・・・特に最後」
「え、えと・・・あれは私が悪かったわ。その、つい手が出ちゃって・・・」
っていうか今日最大の失態だ。
あの謎のオカマがいなかったらどうなっていたか判らない。
「いやそうじゃなくて・・・・なんて言うか、弱いなって」
・・・弱い?
私・・・の事じゃないよね。・・・・だったら・・・・
「八谷は強いわよ。絡まれてた私を助けてくれたんだもの」
「でも僕には嘘をついて騙すしかなかったんだ。もっと僕が強ければ・・・あの人たちだってすぐに諦めてくれたかもしれない」
そういって力なく笑う八谷。
・・・あぁそうか。
そういうことか。
「・・・・あのね、八谷。無敵になる方法って知ってる?」
私は八谷の顔をしっかりと見据えて言う。
「え、無敵? ・・・知らないよ」
「それはね、戦わないことよ。無敵ってのは敵がいないこと。戦いが始まる前にそれを終わらせちゃえば、まさに無敵じゃない?」
「・・・そうだけど・・・」
「あなたは言葉だけで私を助けてくれたわ。でもああなっちゃったのは私がそれを台無しにしたから。だからあなたが気に病む必要はないのよ。・・・・あの時の八谷は、その・・・格好良かったし・・・・ね」
・・・・うわぁ。
多分っていうか絶対顔真っ赤だ私。
目逸らしたい・・・逸らしたいけどこれだけいっといて逸らすわけにも・・・。
と、先に目を逸らしたのは八谷だった。
顔を真っ赤にして俯いている。
かく言う私も顔は真っ赤だ。
・・・お互いに、居心地は悪いけれど不思議と気は重くない数分が過ぎた。
園内にアナウンスが響き、航空ショーが間近であると知らせる。
私達は・・・・無言で立ち上がって、ショーが開かれる園内の神姫センターもどきに向かって歩きだした。
・・・・私達の距離は、ほとんど無かった。
・・・・八谷ったら、私の手を握ったまま全力疾走するんだもん。男と女じゃ体力に差がありすぎるわ・・・。
「ご、ごめんね七瀬・・・大丈夫だった?」
「・・・あんたのお陰でね。八谷は・・・ああもうやっぱり汚れてるじゃない。ほら動かないで」
ポケットティッシュを取り出し八谷についた汚れを拭き取る。
その間本人は真っ赤になってそっぽを向いていた。
・・・・私まで恥ずかしくなってくるからやめて欲しいんだけどな。
「あ、ありがと・・・」
「ん・・・・うん・・・」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
・・・空気が重い。
「・・・・・・これ、買ってきたわよ」
とりあえず抱えてたスポーツドリンクのペットボトルを八谷に押し付ける。
今のところ・・・それくらいしか出来なかったし。
「あ、ありがと・・・」
そういって八谷はフタを回し始めた。
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
・・・・やっぱり空気が重い。
八谷は・・・なんだか落ち込んでるらしい。
特に格好悪いところはなかった用に思うけど。
「・・・・言い忘れてたけど、さっきはありがと」
何となく、口をついて感謝の言葉が出てきた。
と、八谷は少し笑って言った。
「はは。七瀬からお礼言われるとなんか不思議な感じだ。・・・別にいいよ。さっきだって怖くて仕方が無かったし・・・・特に最後」
「え、えと・・・あれは私が悪かったわ。その、つい手が出ちゃって・・・」
っていうか今日最大の失態だ。
あの謎のオカマがいなかったらどうなっていたか判らない。
「いやそうじゃなくて・・・・なんて言うか、弱いなって」
・・・弱い?
私・・・の事じゃないよね。・・・・だったら・・・・
「八谷は強いわよ。絡まれてた私を助けてくれたんだもの」
「でも僕には嘘をついて騙すしかなかったんだ。もっと僕が強ければ・・・あの人たちだってすぐに諦めてくれたかもしれない」
そういって力なく笑う八谷。
・・・あぁそうか。
そういうことか。
「・・・・あのね、八谷。無敵になる方法って知ってる?」
私は八谷の顔をしっかりと見据えて言う。
「え、無敵? ・・・知らないよ」
「それはね、戦わないことよ。無敵ってのは敵がいないこと。戦いが始まる前にそれを終わらせちゃえば、まさに無敵じゃない?」
「・・・そうだけど・・・」
「あなたは言葉だけで私を助けてくれたわ。でもああなっちゃったのは私がそれを台無しにしたから。だからあなたが気に病む必要はないのよ。・・・・あの時の八谷は、その・・・格好良かったし・・・・ね」
・・・・うわぁ。
多分っていうか絶対顔真っ赤だ私。
目逸らしたい・・・逸らしたいけどこれだけいっといて逸らすわけにも・・・。
と、先に目を逸らしたのは八谷だった。
顔を真っ赤にして俯いている。
かく言う私も顔は真っ赤だ。
・・・お互いに、居心地は悪いけれど不思議と気は重くない数分が過ぎた。
園内にアナウンスが響き、航空ショーが間近であると知らせる。
私達は・・・・無言で立ち上がって、ショーが開かれる園内の神姫センターもどきに向かって歩きだした。
・・・・私達の距離は、ほとんど無かった。
「いっちょ完了ぅ! ちょろいもんね~」
「・・・一応聞いとくが、殺して無いだろうね?」
「あの位じゃ死なないわよぉ。・・・・まぁトラウマにはなるでしょうけど?」
スバルが帰ってきたとき、ちょうどハルナとハチヤが席を立った。
ミヤコは目を光らせて二人を見張ってますね。っていうか上の会話が微妙に怖いです。一体何をしたんですかスバル。
「いちじはどうなるかと思ったのだなん! さすがスバやん強いのだ!!」
「んふふ~あの位朝飯前よぅ! こう見えて高校時代は色々してたのよぉ!!」
そういうとスバルはミヤコに顔を近づけます。
「そ・れ・でぇ☆、どんな具合よ二人?」
「・・・ふむ、二人が手をつないで歩いてるのを見れば、自ずと状況は把握できるんじゃないかね?」
「・・・・何ちょっと待ってもう言っちゃったわけ!? あぁあああぁぁあ見損ねた・・・!!」
「大丈夫ですよスバル。今はハチヤが落ち込んでたのをハルナが慰めただけです。・・・まぁ、いい雰囲気だったのは事実ですが」
「ああんそれならいいわ。ありがとねサラちゃん☆」
そういわれて、大きな指先で頭を撫でられる。
いえ、それは嬉しいのですが今わたしがいる場所がですね。
「・・・吉岡、お前ね、少しは考えて撫でたまえよ。はたから見たらお前が私の右乳を指先で弄ってるように見えるじゃないか」
「あら失礼? お返しにアタシの胸を・・・・」
「アイツ以外の男に興味は無いよ・・・・そろそろ行くか」
そういってミヤコは歩き出しました。
胸ポケットに収まってるわたしたちも移動します。
・・・・っていうか歩くたんびに揺れてるのはどうにかならないんでしょうか。
そんなことを思いながらわたしたちはショーの会場に向かった。・・・・って、あれ?
「・・・・あの、ミヤコ。一つ質問があるのですが」
「ん? 何かね」
「チケット無しで入れるんですか?」
「「「「「・・・・・・あ」」」」」
・・・・・前途は多難なようです。
「・・・一応聞いとくが、殺して無いだろうね?」
「あの位じゃ死なないわよぉ。・・・・まぁトラウマにはなるでしょうけど?」
スバルが帰ってきたとき、ちょうどハルナとハチヤが席を立った。
ミヤコは目を光らせて二人を見張ってますね。っていうか上の会話が微妙に怖いです。一体何をしたんですかスバル。
「いちじはどうなるかと思ったのだなん! さすがスバやん強いのだ!!」
「んふふ~あの位朝飯前よぅ! こう見えて高校時代は色々してたのよぉ!!」
そういうとスバルはミヤコに顔を近づけます。
「そ・れ・でぇ☆、どんな具合よ二人?」
「・・・ふむ、二人が手をつないで歩いてるのを見れば、自ずと状況は把握できるんじゃないかね?」
「・・・・何ちょっと待ってもう言っちゃったわけ!? あぁあああぁぁあ見損ねた・・・!!」
「大丈夫ですよスバル。今はハチヤが落ち込んでたのをハルナが慰めただけです。・・・まぁ、いい雰囲気だったのは事実ですが」
「ああんそれならいいわ。ありがとねサラちゃん☆」
そういわれて、大きな指先で頭を撫でられる。
いえ、それは嬉しいのですが今わたしがいる場所がですね。
「・・・吉岡、お前ね、少しは考えて撫でたまえよ。はたから見たらお前が私の右乳を指先で弄ってるように見えるじゃないか」
「あら失礼? お返しにアタシの胸を・・・・」
「アイツ以外の男に興味は無いよ・・・・そろそろ行くか」
そういってミヤコは歩き出しました。
胸ポケットに収まってるわたしたちも移動します。
・・・・っていうか歩くたんびに揺れてるのはどうにかならないんでしょうか。
そんなことを思いながらわたしたちはショーの会場に向かった。・・・・って、あれ?
「・・・・あの、ミヤコ。一つ質問があるのですが」
「ん? 何かね」
「チケット無しで入れるんですか?」
「「「「「・・・・・・あ」」」」」
・・・・・前途は多難なようです。