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ウサギのナミダ
アスカ・シンカロン
引きこもりと神姫
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えむえむえす ~My marriage story~

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えむえむえす ~My marriage story~

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キズナのキセキ
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浸食機械
引きこもりと神姫
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The Armed Princess―武装神姫―
ウサギのナミダ
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神姫☆こみゅにけ~しょん
アルトアイネス奮闘姫
ロンド・ロンド

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双子神姫
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武装神姫のリン
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戦う神姫は好きですか
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再起動した私は、一瞬、起動直後の光景がいつもと違うことに戸惑い、しかしすぐにここはマスターさんのお部屋でないことを思い出します。
「そうでした……ここは神姫センターでしたね」
我知らず呟き、私はクレイドルから身を起こしました。
ここは神姫センターの一角、修理・整備コーナーです。
周囲を見回せば、売り場側から陰になるカウンターの内側にはメインテナンス機材や管理用のPCが立ち並び、私のほかにもクレイドルに身を横たえる武装神姫たちの姿が何人か見受けられます。
マスターさんのご厚意により、念願であった新しい脚部パーツを買っていただいた私は、その場にて換装をお願いすることにしたのでした。
単純にパーツを付け替えるだけでしたら私自身でも不可能ではないのですが、関節可動範囲の拡大した新しい脚部パーツを問題なく使用するためには、それに対応した新たな制御プログラムのインストール・アップデートが必要でして。
そのためには一度スリープモードにならざるを得ず、つまり私のサポートなしでマスターさんお一人での作業になるということで……失礼ながら、マスターさんともども「持ち帰っても自力でセット出来ない」という結論で双方合意した上での事でした。
もちろん、念願のパーツを一刻も早く装着したかったと言うのもあったのですが。
「おはようさん犬子さん、調子はどうかな?」
頭上からかかる声に、私は顔を上げました。そこに、にこやかな顔でこちらを見下ろす茶髪の店員さんの姿を認めると、私はぺこりと会釈します。
「おはようございます浜野さん。セッティングありがとうございました」
「なんのなんの」
からからと陽気に笑うこのお方は店員の浜野さん。私の記憶上は初対面でしたが、マスターさんが武装神姫の購入を検討し始めた時からなにくれと相談相手になってくださり、購入時もマスターさんに代わってCSCのセットなどの下準備を行なってくれたお方であるとか。
「で、どう? 新パーツ」
「あ、はい」
私はその場で、軽く屈伸などをして動作確認をして見ます。
「関節各部異常なし。モーメント制御も良好に働いております。感謝いたします、浜野さん」
「ん、よかった」
こちらに対してにこりと笑いかけてから、浜野さんはふと視線を売り場のほうへ向けました。
そしてまたこちらに笑顔を向けなおしまして。
「そら、ご主人様のお帰りだよ」
私は弾かれるように背後を振り返り、そして買い物袋を抱えてこちらに向かってくるマスターさんを姿を認め、ドッグテイルがぱたぱたと起動を始めます。
「やあ、犬子さんはもうお目覚めでしたか。お待たせしてしまいましたね」
「お帰りなさいませ、マスターさん!」
そして私はゆっくりと膝を落とし、正座の姿勢を取ります。
そう、正座です、正座。以前の私の似非正座じゃなくて、ちゃんとした正座なのです!
上脚と下脚が平行に近くなる! 腰部と踵部が接触する!
まさしく正しい正座なのでございますよ!
ああ……感無量です……!
そしてこの感動を精一杯に込めて、丁寧に頭を下げます。
「ご覧のとおり、念願かなって正座することが出来るようになりました。この度はもったいない頂き物をしてしまいまして、まこと感謝に耐えません。どうもありがとうございます」
「あー、いやそのー、喜んでいただけたならこちらとしても本望ですとも」
まだ微妙に、私にはわからない戸惑いの残るご様子のマスターさんですが、それでも笑って下さるならば私には十分でして。
ふいに、私の背後で笑い声がこぼれます。
「なるほどなるほど。換装の理由を正座したいからって聞いてたのに試そうとしないからどうしたのかと思ってたけど、ご主人様に初披露を取っといたワケね」
……お恥ずかしい、見抜かれてしまいましたか。まぁ、一途な神姫ゴコロということで一つ。
照れ隠しに笑いながら、私は正座のままで浜野さんに膝を向き直します。
「改めてまして浜野さん、どうもお世話になりました」
そして深々と、座礼します。
「なんのなんの」
再びからからと笑ってから、浜野さんはマスターさんに視線を向け。
「……ちょっと変わったコに育ってるみたいですね?」
そう言って浜野さんは、またからからと笑い出しました。
「いやはやなんというか。僕としても最初のプレゼントが強い武器とかかわいい服とかじゃなくて、正座が出来る脚になるとは思っていませんでした」
ちょっと苦笑いしつつ、マスターさんは浜野さんに受付カードを返却。
……なるほど、たしかに考えてみれば、プレゼントとしてはいささか毛並みが特殊です。
そのようなものを要求する武装神姫と、変に思われてしまったのでしょうか。我知らず、ドッグテイルの動きが鈍ります。
「はっはっは、確かにそれは予想外ですね。でも……」
浜野さん、マスターさんに納品書を手渡しながら、一瞬こちらに目を向けてウィンクされました。なかなかサマになったウィンクではないかと思いえます。
「イイ子に育ってるじゃないですか」
「はい」
少々照れながらも、マスターさんは即座にはっきりと肯定してくださいました。
再び、ドッグテイルが活発に動き出すお手軽な私です。
「それじゃ、お世話になりました」
「お世話になりました」
「はい、毎度」
マスターさんが頭を下げるのにあわせて、再び私も座礼しました。
浜野さんのほうはと言えば、相変わらずからからと陽気に笑いながら、ぱたぱたと手を振っています。
私は再びマスターさんの胸ポケットに収まりますと、その場を後にしたのでした。


「……あの、マスターさん?」
「なんでしょう犬子さん?」
浜野さんの元を辞した後少しして、私はマスターさんの胸ポケットから、おずおずと声を出します。
「あの……やっぱりいきなり脚部パーツを欲しがるのって、ヘンでしょうかね……?」
「戸惑ったのは確かですね」
くすくすと含み笑いをしつつ、マスターさんはお答えしてくださいました。
「ですがまぁ、そもそもそんな風な正座好きに仕込んじゃったのは僕のせいでしょうし、それに……」
いいながら、マスターさんは指を伸ばして私の頭を撫で始めました。
失礼ながら、その、お世辞にも武装神姫相手の撫で加減を判ってるとは言いがたいような撫で方で、頭甲の外れてしまいそうな乱暴とも言える勢いについ顔をしかめてしまいます。
そんな情況なのにぱたぱた振れるドッグテイルは、やはり不良品なのでしょう。先ほど浜野さんにご厄介になったときに、申告しておくべきでした。
「そのしっぽが随分と活発に振れられてて、『本当に喜んでもらえてるんだなぁ』と判りましたから、僕としては送った甲斐があったようで満足ですよ」
……命拾いしましたね不良品ドッグテイル。今しばらくはあなたの不具合は私の胸に秘めておくとします。
「それから、買い物ついでに別のお土産も買ってありますから、楽しみにしてくださいね」
マスターさんは買い物袋を、軽く掲げて見せました。
二人で相談してあった買い物リストの消化は、どうやら私の換装作業中に済まされていたようです。
「お気遣いありがとうございます。それでお土産と言うのはなんでしょうか?」
「それは内緒ですよ。帰ってからのお楽しみです」
いたずらっぽく笑うマスターさん。
むむむ、気にはなりますが、でしたら素直に楽しみに待つとしましょう。
私はマスターさんの抱える買い物袋を見やり、それからお尋ねしました。
「ご用事はもうお済みなのですか? でしたら早く帰って、そのお土産を見せていただきたいものです」
「何を言っているのですか、犬子さん」
こつんと、優しく私の頭がつつかれました。
マスターさんは、私をつついた指で上を指しつつ、笑いました。
「お楽しみは、もう一つ残ってるじゃないですか」
私は、自分の早合点に気がつきました。
ご用事は全てお済みのようでしたし、文脈からも帰宅が連想されました。
私自身も素体パーツを交換したばかりですし、十分な慣らしが済むまで無理な可動は避けるのが無難と考えていて、それだけにしてしまった早合点です。
それもまた、もともとの目的の一つだったと言うのに。
この神姫センターは、1~3階が売り場で、そしてその上の4階が……。
「バトルスペース……」
私は、感情回路が高鳴るのを感じました。




「これでいいんでしょうか?」
ターミナルから排出されたバトル管理カードをかざす様にためつすがめつ眺めるマスターさんに、私は答えました。
「はい、以降はターミナルにそのカードを挿入するだけで、バトル参加が可能になります」
カードにはマスターさんの名前と武装神姫…つまり私のデータ、それから簡単な戦歴が記されています。といっても登録したばかりの今は、戦歴には0が並んでいますが。
実は、カードそのものがなくても武装神姫本体さえあれば同様の管理はできるたりもするのです。
ターミナルにはカード挿入口のほかに武装神姫用のスキャナーが存在し(カード登録の際にも、武装神姫データのスキャニングに使われます)、その前に武装神姫が立つだけでバトル登録やデータの確認は出来たります。
ですが、戦歴を確認したくなった時にいちいち何らかの端末を利用したりしないでもすぐにアナログ的に確認できる強みと、それから人前で自分の武装神姫を晒すことに抵抗を覚える人たちの存在によって、いまだに併用カードの存在は根強いのです。
「周りは武装神姫の愛好家ばかりでも、やはり恥ずかしいものなのでしょうかね?」
「それもありますが、バトル前に自分の武装神姫の装備を晒したがらない方なども多いようで」
「なるほど……もっとも僕が見ても、何も判らないでしょうけどね」
そう笑った後で、マスターさんは私の顔を覗き込みました。
「犬子さん、脚は大丈夫ですか? まだ慣らしが十分でないとおっしゃっていましたが……やはり、部品が変わると色々不都合とかでるのでしょうか?」
「あー、はい、日常活動の範囲ならば問題はないのですが、戦闘のような全力行動になるとさすがに影響は出てきますね」
「そういうものなのですか」
「そういうものなのです。一つ例をとっても、全力で走る際に、関節が以前よりも広くなるならそれだけ歩幅が変わってきます。歩幅が変われば、それに応じて脚さばきや重心も変わってきます。
単純に歩幅が変わるだけなら対応も簡単ですが、そこから連鎖する全ての行動パターンに少しずつ影響が出てしまいますからね。本来ならば時間をかけて、それらを一つ一つ調整するべきでしょう」
「思っていたより煩雑なのですね」
「煩雑なのです」
「それで、本当に大丈夫なのですか?」
「はい、今回は応急に、関節可動域をソフト的に限定し、擬似的に以前のパーツを再現してあります。
これならば、影響は誤差の範囲ですみます」
「では……」
マスターさんは笑って、カードを再びかざします
「参戦と言うことで、よろしいですか?」
「はい!」
意気込んで答える私にまた笑うと、マスターさんはカードをターミナルに挿入しました。
「これで、登録ができるのですね?」
「はい。本来ならば様々な条件設定も行なうのですが、今回は初陣と言うことでそのあたりはデフォルトで設定されていますね」
バトルステージはノーマル、相手は同レギュレーション・近似戦歴限定、ついでにバトルまで15分待ち。あとは、対戦用ポッドの方に呼ばれるのを待つばかりです。
「……ところでマスターさん?」
「何でしょう犬子さん?」
私は、ターミナルに表示された武装神姫データを見ながら、お尋ねしました。
「私の名前、『犬子さん』までが名前だったのでしょうか」
「あー、いや、そういうわけでもなかったのですが……カード登録の時に、つい」
「そうですか」
「そうです」
……いえ、いいのですけれども。



そんなこんなで、私の出番が回ってきまして。
現在は対戦ポッドのなかで、持ち運びには邪魔だったために外していた装備の準備にてんやわんやです。
プチマスィーンズを起動し、吠莱をセットし、棘輪を携えます。十手は、拳狼があれば不要かもしれませんが、携行可能量に余裕があるのでこれも持って行きます。
「うーん、なんだか緊張してきてしまいますねぇ」
「マスターさんはどっしり構えていてくださいよ」
「犬子さんは、緊張とかしないのですか?」
「そのあたりは、やはり武装神姫ですから。戦うことは基本機能ですし……とはいえ私も初陣ですし、現在AIの予測演算がフル稼働中ですが」
「……つまり?」
「わかりやすく言うと『どうなるかなー、ワクワク、ドキドキ』です」
「わかりやすい解説ありがとうございます」
深々。
「いえいえ」
深々。
「とにかく、怪我などはしないようにしてくださいね?」
「大丈夫ですよマスターさん。対戦はVRスペースで行なわれますので、武装神姫本体や装備が破損することはありませんよ」
「ああ、そうなのですか」
「そうなのです」
「いやはや、無知で申し訳ない。でしたら、思う存分楽しんできてくださいね」
「はい!」
「……あ、そうだ。もし勝てたら、もう一つ何か、犬子さんの欲しい物をプレゼントしますよ」
「あー、それはその、もう高価なパーツを買っていただいておりますし、それは申し訳ないかと」
さっき買い損ねた『TODA』ブランドのスーツ一式を脳裏にかすめさせつつ遠慮する私に、マスターさんは忍び笑いを漏らします。
「おやおや犬子さん、権利獲得する気満々ですね」
「う、言われて見れば自信過剰なようでお恥ずかしい……」
「いえいえ、その意気ですよ」
「あ、はい! では、行って参ります! 見ていてくださいねマスターさん!」





と、勢い込んで出撃したのが、5分前のお話でした……。









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