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● 神姫のお仕事。(海底編) ●



◆ 第六話 「解放」 ◆



「舞姫さん、見つかりましたか?」
格納庫へ続く通路でアル・ヴェルさんとバッタリ出会った。
「………盗聴器が4つ、発火装置が7つです。そちらはどうでしたか?」
「こちらも同じような感じですね。それから怪しいアンプルも幾つか発見しました」
「肝心の密航者は発見できませんね。でもまさか、こんな映画みたいな事になるとは……」
「いえ、私達も予想して然るべき事態だったと思いますよ。今更ですけどね」

シビルさんが修理の為に船を離れてすぐ、チーム全員を集めての緊急会議が開かれた。
そこで橘さんがガードとして雇われたことを明かし、そして妨害者の存在を知らされた。
彼曰く、
 「船の制御装置は出港前に細工された可能性もあるが、タイミング的な事を考えると
  手動によって扱われていた可能性が高い。何よりも敵はこちらの事情に詳しすぎる。
  つまり……敵は密航者として乗船しているってことだ。もしくは……スパイとしてか」

そう、今わたし達がやっているのは密航者の捜索。でも不審物はボロボロ出てくるけど、
肝心の怪しい人影は発見出来ない。
「これは……やはり最悪の事態を考慮すべきでしょうね」アル・ヴェルさんが呟いた。
「そうですね。密航者が居ないということは……」
「ええ。つまり妨害者は密航者ではなくてスパイ、即ち私達の中にいるってことです」

それから一時間後。チーム全員の努力の甲斐も無く、不審者は発見出来ませんでした。
とりあえず全員会議室に集合。そこには発見された盗聴器とかが山積みになっていました。
ちょっと笑っちゃう。
「よくもまぁこれだけの数を……」橘さんが呆れ顔。
「ひぃふぅみぃ………ざっと数えても100個以上はあるねっ!」とミアさん。
「こんなに派手に仕掛けていたなんて、まるで自分の存在をアピールしているみたいだな」
「それって犯行声明とか言う類のものかな?」
「と言うよりは、あまり本気を出していない気がするな。海峡に落ちた件だって
 バラストタンクが破損しなければ大事に至る事は無かったはずだったしね」

「それでもやはりドリルモグラは失っていましたよ。考えすぎでは?」
佐伯さんが橘さんを遮って言った。
「だろうね。まぁ犯人が何を考えているかなんて、捕まえてみれば判ることさ」
「………ところで、これで犯人は私達の中にいるって事になりましたね」
「佐伯さん、極論は止めよう。あくまで可能性が高いってだけだ」
橘さんは全員の顔を見渡しながら言った。
「この件は俺に任せてくれ。みんなは余計な心配はしないように頼むよ」
そしてこの日の集まりは散会しました。



次の日。妨害工作の事もありますけど、かと言って工事を中断する訳にはいきません。
問題は山積みになっているので、のんびりしている訳にもいきませんしね。
誤ったルートを復旧しなくてはいけませんので、それだけで丸一日のロスになっています。

パイロットについては、シビルさんの代わりにミアさんが務めるそうです。
彼女は正式な操縦訓練こそ受けていませんけど、ドリルモグラを製作する過程で
テストパイロットみたいな事をしていたそうなので、技術的な問題は無いそうなのです。
 (ミア「ずっとオバチャンの手伝いをしてたんだよ~!」)
 (コタロー「だ・か・ら・藤宮先輩をオバチャンって言うなよ!分解されちゃうぞ?」)

そうそう、海峡に落ちて回収出来なかったドリルモグラ号は、代わりのスペアマシン
(ドリルモグラと埋め埋め号のコンパチ機)を使う事で何とかなりそうです。とは言っても
これが最後の機体、何かあったらもう手立てはありません。

ミアさんのコンパチ号発進を見送っていると、遠くからアスラさんが近寄って来ました。
乗船して4日目。私達は何だかんだで仲良くなっていました。最初は好奇心から始まった
関係ですけど、今は彼女の話を聞くのが楽しくて、純粋に好きになっていました。
「こんにちは、アスラさん!」「舞姫さん、ご苦労様です」

二人で甲板に座り込んで、暫くお話をして過ごします。
「……私の名はアスラ・ビンティ・ラヒムですけど、これは『ラヒムの娘のアスラ』という
 意味です。ビンティが娘って意味で、息子の場合はビンです。なのでビン・ラ○ィンは
 ラ○ィンの息子って意味なので、正しくは彼自身の名前では無いのですよ」
「なるほどねぇ……勉強になります!」

「ところで、アスラさんは妨害者の事をどう考えますか?」
「き、急にどうしたんですか!?」
「……実は昨日からずっと不安で。近くに敵が居るかもしれないと思うと怖くて……」
「……そうですね、どんな理由があろうとセンチョーの敵は許せません。破壊される
 べきだと思いますよ!」
「破壊って、そんな過激な……」
「いえ……私は……本当に許せないんです。こんな事になってしまった運命を。だから
 きっと私自身の手で……決着を付けます。必ず!」
アスラさんは左腕の数珠を右手で抱え込みながら、そう強く言った。


アスラさんと別れた後、今の会話について考えてみる。妨害者に対しての敵意は判るけど、
あんなに感情を剥き出しにした彼女を見たのは初めてです。起動して3ヶ月、そこまで
マスターの事を大切に思えるものなのかしら。自分の手で破壊するなんて……
破壊?
破壊って言ってたわよね?
つまり妨害者が神姫だって事を知っている……?
私は急いで甲板に戻って彼女の姿を探しましたが、既に立ち去った後のようでした。
そしてそれが、私が「アスラ」という神姫を見た最後でした。



海峡事故から3日後の深夜。格納庫の中は静まりかえっている。
埋め埋め号とコンパチ号は海底に沈んでいるままだが、パイロット達が操縦する
コアブロックは海から引き上げられ、今はその船体を休めている。
あれから工事は順調に進み、1日遅れではあるが明日の夜には完了する予定になっている。

格納庫の中を、一つの影が動いた。
大きくはない。それは20cm弱の高さ。しかし速い。音もしない。
その影――神姫――がコアブロックの一つに近づいた。
そして背中に背負っていた装置を取り付けようとすると………

「そこまでだ!!」
大声と共に格納庫の電灯が全て点けられた。
「明日が最後の工事だからな。仕掛けるとしたら今日だと思ってたぞ!」
声の主、橘明人は拳銃を片手に柱の影から出てきた。
それを合図に、他のチームメンバーも物陰から出てくる。
「はやりお前だったか………アスラ、いや、妨害者スーラ!」
橘の目線の先には、かつてアスラと呼ばれていた神姫が佇んでいた。

「み、皆さんどうしたんですか?こんな時間に集まっちゃって……」
そう言って近づこうとする彼女に、橘は拳銃を発砲した。
「動くな!もうお芝居は終わりだ。全部バレているんだよ!」
「おぉアスラ、今まで何処に……何故こんな事を……」ラヒム船長が悲しげに言った。
「センチョー……橘さん、何を証拠に!?」
「証拠か?証拠ならあるさ」
そう言って橘は、ズボンのポケットからレコーダーのような物を取り出した。
「相棒のノア子は、単にボートを運転する為だけにシビル達に同行した訳じゃない。
 クアンタンに戻った彼女はお前の身辺調査をしていたのさ!」
そう言いながらレコーダーのスイッチを入れた。

『……やはり明人さんの言う通りでした。三ヶ月前に日本から送られたアスラは、輸送中に
 10日間ばかり行方不明になっていました。恐らくその間に入れ替わったのでしょう。
 輸送会社のデータを調べてみると、途中で重量が増えているのが判明しました』
レコーダーを止める橘。
「……その10日間でイルカ型に改造され、そしてラヒム船長の家へ送られたって事だ。
 どうする?他にも証拠はあるが、全部言わないと観念しないか?」

暫く無言だったアスラ。だがやがて静かに口を開いた。
「全てお見通しって訳ね。……そう、私の名はスーラ。このプロジェクトを妨害する為に
 送り込まれた工作員よ」
「そんな……何故ですか!?だって貴女はラヒム船長の事をあんなに好きだった
 じゃないですか!」舞姫が悲鳴とも思えるような声で叫んだ。
「……幸せに育った貴女達には理解出来ませんよ。私はね……この為だけに産まれた存在」
そう言って腹部のカバーを開いた。そこには、カウントダウンを続けるデジタル時計が
収められていた。

「舞姫さん、これが何か判る?これはね、時限爆弾なの。あと19時間で爆発するわ」
スーラの言葉に、その場に居た全員が凍りついた。
「私はプロジェクト妨害の為だけに生きる事を許された存在。どうせ死ぬなら任務を
 完了させたかったけど……まぁ仕方無いわね」
「おぉアスラ、お前は脅されていたのですね?任務を完了しなければ破壊されると!」
「……センチョー、違うわ。私は任務の結果に関わらず破壊されます。プロジェクトを
 妨害していたのは、あくまで私自身の意志です」
「そんな、何故ですか…………」

それまで無表情だったスーラの瞳から涙が零れ落ちた。
「別働隊が……別働隊がいるんです。もし私が失敗すれば、別働隊が活動を開始します。
 その任務は……センチョー達を抹殺する事……」
全員が絶句してしまった。
「だから……私は……私に許された手段でセンチョー達を守りたかった……私が成功すれば
 少なくとも皆の命だけは助かる………」
スーラは右手で涙を拭うと、左腕に着けていた腕輪を外した。
「連中は工事完了の直後に行動を起こすつもりです。ですから工事を中断して下さい。
 この腕輪の中に別働隊の行動予定を記録したチップが入っています。これが証拠です」
そう言ってスーラは、持っていた腕輪を橘に向けて投げつけた。それを受け取る橘。

「アスラ、オマエは……」
「センチョー、今まで騙してて御免なさい。短い間でしたけど……私は幸せでした……」
「何をこれが最後みたいな事を!そんな爆弾なんてミナサンが解除してくれます!!」
「もう……いいんです……もう……疲れました……」
そう言ってアスラは、自分の腹部に手を伸ばした。

「自爆するつもりだ!!!!」
橘が叫びながらアスラ目掛けてダッシュした。
その声に応じて他のメンバーも走り出す。だが……あまりに遅すぎた。
アスラは時限爆弾の傍にあるスイッチを押した。

「だめぇぇぇぇ~~~っ!!」
ラヒムの側にいたミアが叫んだ。そしてその右腕から青白い光がスーラに向けて放たれる。
それは「衝撃力場・アビス」と呼ばれる力。ミアに埋め込まれたCSC・ベクターチップが
作り出す、物理エネルギーを支配する特殊なエネルギーフィールド。
光がスーラを包み込んだ瞬間、爆弾が爆発した。
だがその爆風はスーラを破壊するのではなく、衝撃力場を伝わってミアに襲い掛かった。
そしてそれは……スーラの代わりにミアの右腕を吹き飛ばした。

「きゃぅっっ!」
右腕を失ったミアが、小さく叫んで倒れこんだ。
「み、ミア!」駆け寄るマスターの高槻。
「コタロー……制御プログラムが間に合わなかったけど……コタローが素体の耐久力を
 上げてくれてたから……大丈夫だよ……」
そう言ってスリープモードに入るミア。

「ラヒム船長、こっちは大丈夫だ!」
スーラの元に辿り着いた橘が叫んだ。
「ミアちゃんのおかげで致命傷は避けられた。スリープモードに入ってるだけだ」
皆に遅れてスーラの元に駆けつけたラヒム船長が、橘から彼女を受け取った。
「アスラ……こんな目に……ワタシのせいですね、ゴメンなさい……」
彼女を抱きしめながら嗚咽を洩らした。



操舵室で腕輪のデータを解析していると、西条助教授が入って来た。
「橘さん、データの解析は終わりましたか?」
「えぇ。スーラ……いや、アスラの言う通りでした。本当に何て計画だよ……」
「と言うと?」
「俺達が失ったドリルモグラ号、連中はアレを回収して魚雷に仕立ててるらしい」
「なっ……!!」
「あの作戦自体、実は俺達からドリルモグラ号を奪うものだったって訳だ。そして工事が
 完成する直前にこの船目掛けてぶっぱなすつもりなんだろう」
「でも何故そんな手間の掛かる事を……」
「普通にこの船を爆破したら破壊工作だって判明するからな。連中はあくまで事故として
 俺達を葬りたいんだろう。この工事は危険だ、神姫は危険だって」
「何て……何て下劣な連中なんだ!!!」
「同感ですよ。もうプロジェクトとか神姫とか言う以前に、人として許せない……」

怒りの収まらない西条助教授を宥めて、俺は肝心な事を聞いた。
「それで西条さん、二人の様子はどうですか?」
「あぁそうだ!アスラもミアも大事には至りませんでしたよ。念の為に上陸まで
 スリープモードのままにしておく予定らしいですけど、特に問題は無いそうです」
「そうですか、良かった……」



船の甲板に出る。もう夜が明けてしまった。
結局ミアとアスラの修理に時間を掛けてしまって、一睡もする時間が無かった。
またミアを危険な目に遭わせてしまったな……でも今回は今までとは違う。
事前に素体の耐久力を上げる改造をしていたおかげでミアを失わないで済んだ。
やっと技術屋としてミアを助ける事が出来たって事……かな?

急に親父の言葉を思い出した。『オマエには技術屋として欠けているモノがある!』
そういえば藤宮先輩にも同じ事を言われたっけな。このままじゃダメだって。
ひょっとして俺に足りなかったのって……こういう事かもしれない。
自分の作品を守ろうとする努力。愛そうとする努力。

「ようコタロー。こんな所にいたのか」
背後からケータローが近づいて来た。さっきまで二人でミア達の修理をしていたのだ。
「………よぅ。お疲れ」おざなりに挨拶をする。
そして。
沈黙。
やっぱり沈黙。
ず~~~っと沈黙。

「……あのベクターチップとかいうヤツ、やっぱり違法な物だろ?」
沈黙を破ったのはケータローだった。
「……よく判らないけど、まぁそうだろうな」
「それからレイドックか?バンディッツか?あれも違法な訳だ」
「まぁそうだな」
「……今回はその違法物で問題が解決したが、それって偶然だからな。違法な物には
 違いない。俺は認めるつもりは無いからな」

なんか……急にムカついてきた。徹夜明けのナチュラルハイってヤツか?
「……じゃあオマエは別の手段があったって言うのかよ!?」
「何を開き直っているんだ!そんなの結果論だろうが!」
「結果論だろうと何だろうと、それが事実だ!オマエに不可能だった事を俺がやった。
 それだけの事だ!!」
「テメェェェェェェっ!!!」
ケータローが俺の胸ぐらを掴んだ。
「ホントはオマエ、俺が羨ましいんだろ?自分がやりたくても躊躇して出来ない事を
 やっちまう俺が!」
ケータローの右フックが俺の頬を捉えた。その勢いで俺は吹っ飛んでしまう。

甲板に倒れこんでいる俺に向かってケータローが言い放った。
「テメェみたいなのが居るから世の中に危険な物が流出しちまうんだ!」
「そんなの……最後は使う者次第だろうがぁ!!」
ケータローにタックルして押し倒し、馬乗りになる。
「お役所みたいなイイ子ちゃん発言してんじゃねぇよ!」
そのままケータローの顔面をガードの上から殴りつける。


『あ~あ。やっぱり始めやがった』
『恵太郎くんってば……親方さん、ちょっと止めてきますね!』
『ほっときなよ佐伯さん。もう好きなだけ殴り合わせた方がいい!』


「テメェこそ自分を正当化してるだけのゲス野郎だろうが!!」
腰を浮かせて体を捻り、うつ伏せになるケータロー。そのまま勢い良く立ち上がり、
背負ったままの俺をそのまま甲板に叩きつける。
俺達はお互いに離れ、立ち上がった。

「ムカつくんだよ!」ケータローの左ストレート。ドガッ!
「ウゼェんだよ!」俺の右ストレート。ズガッ!
「足腰立たなくしてやる!」ケータローの頭突き。バコッ!
「やれるもんならやってみろ!」俺もお返しに頭突き。ドゴッ!
「テメェ!」「この野郎!」「覚悟しろ!」「それだけかよ!」ビシッ!バシッ!ガツッ!


『おっ、コタローのドロップキックが炸裂!ケータローがフライングニーで応戦!
 ってかオマエら、甲板でそんな技を使ったら自爆するだろうが!』
『親方……なんか楽しんでますね?』
『おお~っと!ここでケータローのフロントスープレックス!そしてストンピングの
 嵐だぁ~~~!!何とか逃げ出したコタロー、隙を突いて背後から近づき、そのまま
 コブラツイストだぁ~!ちょっと試合運びが地味だぞ、もっと観客にサービスしろー!』
『あ、頭痛くなってきた……』


40分後。
『まだやってますね……』
『いや、そろそろ終わりそうだぞ。見てみなよ』


「こ、このひゃろぉぉ~~~」ポカッ。
「う、うるへぇぇ~~~」パスッ。
もうお互い全然力が入ってない。殴り合いと言うよりは撫で合い。お触りプレイ。
なんかバカらしくなってきた。
そして……急に可笑しくなってきて、バカ笑いをしてしまう。
ケータローの方を見ると……コイツも腹を抱えて笑っている。


『うわぁ、笑い始めましたよ!……えっ、今度は肩を組んじゃいました!!!』
『俺的には好きなシチュエーションだが……ちょっとベタすぎるぞ!』
『でもこれで仲直りをしたみたいですね……』
『さぁどうかな?とりあえず医務室に行って治療の準備をしていよう』


甲板で肩を組み笑い続ける二人。二人ともボロボロになっていたが、不思議と気分は
晴れやかだった。










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