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鋼の心 ~Eisen Herz~


第四話:魔弾の射手(後編)


 決戦当日。
 対戦用の筐体の前で美空と雅はにらみ合っていた。
 もとい。
 美空が雅を睨んでいた。
「今度こそ勝つわ」
「頑張ってね」
「任せなさい!! ―――って、敵を応援してどうするのよ!?」
「ダメかしら?」
「手は抜かないで下さいよ?」
「ええ。ぎったぎったにしてあげるわ」
 笑顔が恐い雅であった。
 雅と反対側のコーナーで筐体を挟み、美空は祐一と打ち合わせをする。
 戦闘前にフェータに装備を追加するためだ。
「いいね、チャンスは一回だけ。砲撃が始まったら即座に逃げて」
「はい。祐一様」
「ま、頑張って」
 手を振るアイゼンに答え、フェータは筐体の中に入ってゆく。
 程なくしてコンピュータのインフォメーションが終わり、戦いが始まった。

 フィールドは山岳地帯。
 バトルロイヤルの地形以上に入り組んだフィールドはフェータにとって不利な要素が増えているといって言い。
 しかし、戦闘開始直後フェータは迷わず上昇した。
 そのまま移動し、フィールドの真ん中辺りで高度をとって意識を集中する。
 もちろん、敵を発見する為ではない。自らへの攻撃を察知するためだ。
 発見速度で競っても、宙に浮いている自分と地面に潜んでいるセタとでは被発見率は雲泥の差。
 勝ち目の無い戦いをする必要は無い。
 むしろ、今回は自分の姿を一刻でも早く“見つけてもらわねば”ならないのだ。
「────!!」
 マズルフラッシュ!!
 感知と同時に出力最大。
 敵から逆方向へ全力で飛行する。
 ……言い換えれば逃げ出したとも言う。
 スナイパーライフルの弾が数発、至近距離を掠めるが直撃は無い。
 高度を下げればそれも止んだ。
「18、17、16、15……」
 逃走しながらのカウントダウン。
 高度を下げた辺りから、推力も制限しており失速ギリギリの低速飛行でフィールドの端を目指す。
『12、11、10、9……』
 通信から美空の声。
 それを聞きながらフェータは思う。
 これはある意味賭けだ。
 確証は無く、いくつもの“もしも”が頭を過ぎるが彼女は静かにそれを押し殺す。
 自らの主を信じず、一体誰を信じると言うのだ!?
「6、5、4……」
 フィールド端で180度旋回。
 地面に脚を着けて着地。
 そのまま発射体勢を取る。
「3、2、1……!!」
『今よ!! やりなさい、フェータ!!』
 美空の号令と同時に、翼下のハードポイントに装備した追加ブースター。―――否、それを改造して作った大型ミサイルを二発同時に打ち出す。
 攻撃目標は“そこらへん”!!
 もちろん当る、外れるといった次元の問題は存在しない。

 攻撃力を捨て、効果範囲を拡大する事に特化した大型ミサイルが着弾!!
 二つの極大火球をフェータの眼前の空間に展開した。

「ぷちマスィーンズよりの交信途絶。全機撃破された模様です。―――マスターご指示を!!」
『あらら、派手な事するわね~』
 一度発見されてから、ぷちマスィーンズが着いてこれるギリギリの速度で逃走。
 見失わないようについて来たぷちマスィーンズが、フェータから見て一つの方向に密集した瞬間、その辺り一帯を吹き飛ばす。
 極めつけの荒業だが、砲弾に耐え切る装甲も、ぷちマスィーンズを打ち落とすだけの射撃命中精度も持たないフェータには恐らく最善の手段。
 ―――だがしかし。
『ぷちマスィーンズ抜きだと砲撃できない、って程度の考えならやっぱり勝てないわよ? セタ。索敵モード!!』
「イエス、マスター」
 バックパックの背後、左右の吠莱壱式と干渉しないように、背面に垂らされていたヴァッフェバニーのバーニアパーツがせり上がる。
 そのまま噴射口を前方へ展開。同時に吠莱壱式も前方にスイングして、再び砲撃体勢を取る。
 もちろん、バーニアの噴射口を前に向けても砲撃精度は向上しない。
 だから、それはバーニアでは無かった。
『中身くり抜いて音響センサーを仕込んだ特製ヴァッフェバニーイヤー!! 見えなくたってこれで安心。バーニアドカドカ吹かして移動するアーンヴァルならこれで充分捕捉できるわ!!』
「音響センサーに感。目標発見です!!」
『情け無用。セタ、撃ぇ~っ!!』
「ラジャー!!」

「くっ、撃ち洩らしがあったの……!?」
 山の向こうから砲弾が飛来する。
 それは正確にフェータを狙って放たれていた。
「残っていたとしても一機か二機。何とか見つけ出せれば……!!」
『いいえ、大丈夫よ』
「マスター?」
 通信から美空の指示が飛ぶ。
『砲撃開始までに少しタイムラグがあった。ぷちマスィーンズが生き残っているならもっと早くに砲撃してた筈』
「それじゃあ?」
『理由は今考えてるわ。でも精度は前に戦ったときほどじゃない。あなたなら避せるはずよ、頑張って避けて!!』
「了解!!」
 言われて見ればなるほど、こちらの方向転換を正確に捕捉してきた前回とは違い、今回の砲撃は幾分遅れて反応している。
「直接的にも、間接的にも視覚で感知されている訳じゃない……」
 美空が作戦を立てるまでの間、逃げ切るぐらいなら出来るだろう。
 フェータは可能な限り燃料を節約するため、地面を蹴って緩やかなジャンプ状の機動で回避を続ける。
「……砲撃が緩くなった?」
 敵の捕捉状況が悪化したのだろうか?
 砲撃の密度がやや手薄になる。
「チャンス!!」
 バーニア全開、岩山を駆け上るように上昇するフェータ。
 そこに飛んで来る砲弾の雨。
「誘われた!?」
 驚愕するフェータだが、運は彼女に味方した。
 セタの放った砲弾は岩山の天辺を掠め、目標を逸らしてしまう。
 だが狙われている事に変わりは無い。
 フェータは岩山を蹴りバーニアをカット。
 ウイングの制御だけで機動を操作しゆっくりと落下する。
 視界の隅に動体。……崩落する岩。
 先の砲撃で崩れかけたものが、フェータに蹴られて落ちたのだろう。
 落下し、轟音を立てたのを見届け、それを意識の外へと追い出す直前、砲弾が飛んできた。
 着弾目標は、―――自分では無い!?
 フェータの周囲を大きく逸れ、何を思ったのか誰も居ない場所に落下し地面を抉る砲弾。
 誰も居ない場所?
 何故そんな所を?
『あ!!』
「まさか!?」
 気付いたのは美空と同時だった。
『「音だ!!」』
 異口同音に放たれるその解答。
「フェータ、ウィング除装!!」
『了解!!』
 美空の指示と同時に、フェータは翼を切り離した。

「音響感知、……これは、早い……!!」
 どんな手を使ったか、殆ど非武装のアーンヴァルタイプと言えども信じがたい速度で突き進んでいくフェータ。
 しかし、その方角はこちらからはずいぶんとずれている。
「まだ、ぷちマスィーンズが生き残っているとみて、先ほどと同じ手に出るつもりでしょうか?」
『それは無いわよ。判断の早そうな娘だもの、もう一度できるならこんなにぐずぐずしてる筈無いわ……。』
「では、こちらの仕掛けに気付き、音響探知の範囲外まで逃げるつもりでしょうか?」
『それも考え辛いわ、何か企んでいる筈よ気をつけ……っ!! セタ、武装解除!! 近接モード!!』
「了解」
 雅が下した唐突の指示に、セタは瞬時に反応する。
 出会ってからまだ一週間。
 しかし、その一週間で行った戦闘訓練延べ50時間にも及ぶ経験値は、決して美空達のコンビに引けは取らない。
 セタは、スナイパーライフルを放棄し、ヴァッフェバニーのバックパックとそこに付属する吠莱壱式をも排除。
 吠莱の内側にマウントしていたアーミーブレード二本を、左右それぞれの手で引き抜いて格闘戦に備える。
 崖の上からフェータが着地し、セタのすぐ傍に踏み込んだのはその時だった。
『くっ、迂闊……』
 一番最初に気付かねばならないのだった、フェータの攻撃はカタナによるものがメイン。
 最初からカタナの一撃だけを狙ってくる。
 そしてこちらは、如何に走破性に優れたハウリンとは言え、装備は鈍重な砲撃装備なのだ。
 フェータほどの使い手ならば、切り捨てるのにウイングは“必須”ではない。
 相手をアーンヴァルタイプ、翼による機動力に特化した神姫だ、などと考えてはいけなかった。
 最大の長所より優れた技術を有するのであれば、その長所は唯一の長所ではない。
 故に、長所を捨てて攻撃してくる可能性を捨ててはならなかったのだ。
「たぁっ!!」
 一閃。
 辛うじて受け止めたアーミーブレードがあっさりと両断され宙を舞う。
 さらに、納刀までの速度が異常に速い。
 刀を抜かせて鍔競り合いに持ち込み、素体として勝るパワーで押し倒す。
 そんな即席の戦法はあっさり切り捨てられ、霧散する。
「──っ!!」
 抜刀第二撃。
 当然、セタがどう足掻いても接近戦で勝ち目は無い。
 踏み込んでくるフェータに、残ったアーミーブレードを惜しげも無く投げ捨てる。
 投擲用ではないが刃のついた質量体だ。
 反射的にそれを切り捨てたフェータに、一秒ほどの隙ができる。
 短いが、貴重な一秒だ。
 その隙にフェータの右を走りぬけ、その背後を目指す。
「甘いっ!!」
 あまりにも早過ぎる抜刀の三撃目。
 自分でも信じがたい反応速度を発揮、これを右腕で受け止めコンマ数秒の時間を稼ぐ。
 フレームまで破損した右腕の感覚をカット。
 少なくない犠牲を払い、セタはそこへとたどり着いた。
 フェータの納刀。
 セタは残された左手で、先ほど放棄したスナイパーライフルを拾い上げる。
 照準をつける暇など無い。
 踏み込んでくるフェータの方に適当に突き出し、トリガー!!
 その瞬間、決着がついた。

「判定負け。納得いかな~い」 
 戦闘後、祐一に対してブーたれる雅。
「仕方ないでしょ。フレームまで破損するような大ダメージ受けたんだよ?」
 セタの左腕が破壊された時点で、コンピュータはセタの判定負けを宣告していた。
「だけど、最後のライフル次第では勝負は分からなかったと思わない?」
「あんな化け物じみた刀使いを至近距離に入れた時点で、勝ち目なんて残ってなかったと思うよ」
「申し訳ありません、マスター。自分の力が及ばぬばかりに……」
「ん~。まぁ、しょうがないか。過ぎた事は忘れて鍛錬に励みましょう!!」
「はいっ、マスター!!」
「そうと決まれば早速、新しい武装を買ったげるわ!!」
「ありがとうございます!!」
 新たなる闘志を滾らせる雅とセタ。
「あ~、盛り上ってる所悪いんだけど」
 祐一は水を差すことを承知で、遠慮がちに声をかける。
「何よ?」
「何でしょう、雄一さま?」
「セタな、左腕総取替え」
「え?」
「中枢までイってるわ、こりゃ。………修理代、って言うか部品代がまあこの位……」
「────んげっ!!」
 祐一の言った金額を聞いて引き攣る雅。
 その金額は軽く神姫の武装数個分の値段であった。
「どうなさいました、マスター!?」
「まぁ、要するに」
「要するに?」
「新しい武装はオアズケ、かな?」
「お、オアズケ……?」
 祐一の言葉にしょぼーんと尻尾を垂らすセタ。
「ま、頑張れ」
「うう、負けないですよ」
「さて、こちらは良いか。んであっちが……」
 そう言って、祐一は勝者側に目を向ける。
 そこには勝利の喜びに沸く美空の姿が。
 無かった。
「う、ウイングパーツ全損……」
「先週修理したばかりだったんですけれどねぇ……」
「け、結構したよね、値段」
「はい、税込みで……」
「言わないで!! ……言わなくていい。言わなくていいわ……」
「そうですか……」
「か、勝つには勝ったけど、この出費は……」
「う~ん、結果的には痛み分けって所かな……?」
 双方を見比べて祐一は苦笑するしかない。
「それで、御二人とも?」
「んに?」
「なによぉ?」
 唐突に呼びかけたアイゼンに振り向く二人。
「本日の決着に不満だと言うのなら、再戦はなさるのですか?」
「「絶っ対、嫌っ!!」」
 美空と雅の涙声が見事にハモった。






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